JPS6340849B2 - - Google Patents
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- JPS6340849B2 JPS6340849B2 JP59151429A JP15142984A JPS6340849B2 JP S6340849 B2 JPS6340849 B2 JP S6340849B2 JP 59151429 A JP59151429 A JP 59151429A JP 15142984 A JP15142984 A JP 15142984A JP S6340849 B2 JPS6340849 B2 JP S6340849B2
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Landscapes
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
この発明はカラーテレビやカラーデイスプレイ
用のシヤドウマスク用の消磁特性に優れたAlキ
ルド冷延鋼板の製造方法に関する。 <従来の技術> 従来カラーテレビやカラーデイスプレイなどの
ブラウン管のシヤドウマスク素材として低炭素リ
ムド冷延鋼板が用いられていたが、この場合、鋼
中の非金属介在物あるいは炭化物によるフオトエ
ツチング時の孔形状不良が生ずること、最終焼鈍
でフラツトマスク間の密着防止のため低温焼鈍を
行うと鋼の結晶粒が小さくなり、プレス成形前に
レベラーをかけても充分に歪が入らず、プレス成
形時に固溶Cと固溶Nに基づく降伏点伸びによる
ストレンチヤーストレインが発生しやすいこと等
の欠点があつた。このストレツチヤーストレイン
は穴縁を歪め、色むらをひきおこすので、シヤド
ウマスクの性能を満足させるためにはその発生を
防止しなければならない。 また、リムド鋼では高温で焼鈍すると結晶粒が
粗大化してシヤドウマスクのプレス時にやはり細
孔の穴縁を歪める問題があり、これらの問題を防
ぐため、鋼成分の変動と最終焼鈍の条件変動を厳
しく制限しなければならない。 このような欠点を改善すべく、最近では介在物
が少なく、NをAlで固定できる低炭素Alキルド
鋼を脱炭焼鈍して製造したC含有量が0.005%以
下の冷延鋼板が使用されはじめている。 <従来技術の問題点> ところでシヤドウマスクはカラー発光のための
電子ビームをコントロールするばかりではなく、
ブラウン管内にあつて電子ビーム軌道が地磁気等
の外部磁界によつて偏向を受けるのを防ぐ磁気シ
ールドの役目もはたしている。これはカラーブラ
ウン管内において地磁気の水平成分の変化によつ
て電子ビーム軌道が偏向し、けい光面上の電子ビ
ームの照射点とけい光面の発色体の位置関係がず
れるというミスランデイング現象のため、色純度
の低下や色むらとなることを防止するためであ
る。 従つて通常のカラーブラウン管では電子ビーム
のドリフト空間を磁気シールドによつて外部磁気
から遮断しており、シヤドウマスク自体の消磁特
性も重要な特性である。 しかし最近使用されはじめている低炭素Alキ
ルド鋼を脱炭焼鈍した冷延鋼板は低炭素リムド鋼
を脱炭焼鈍した冷延鋼板に比べてこの消磁特性に
劣つており、この鋼のシヤドウマスクを使用する
とブラウン管内のランデイング特性を向上させる
特別の回路が必要となるなどの問題が生じる。そ
のため、より消磁特性の優れた低炭素Alキルド
冷延鋼板が望まれていた。 <問題点を解決するための手段> 本発明は上記した問題を解決するためになされ
たもので、真空脱ガス装置を用いて特定成分の鋼
を得た後、熱延→冷延→脱炭焼鈍→冷延の工程を
順次経て消磁特性に優れた製品を得ようとするも
のである。 まず成分範囲はC:0.008%以下、Mn:0.05〜
0.50%、S:0.010%以下、SolAl:0.010〜0.080
%、N:0.004%以下、残部鉄及び不可避不純物
から成り、更にMn(%)/S(%)7、(SolAl
(%)−0.003)/N(%)6の関係を満すように
限定される。 この鋼を普通造塊又は連続鋳造で鋼片としたあ
と、所定の熱間圧延、脱スケール、冷間圧延、表
面の清浄処理等を施し、吸窒素を防止しながら脱
炭焼鈍炉でCが0.004%以下になるまで脱炭し、
更に再度冷間圧延して板厚0.2mm以下とする。 このAlキルド冷延鋼板をシヤドウマスクとし
て使用する前に一度以上焼鈍すると消磁特性に優
れたものとなり画像特性の優れた製品が得られ
る。 本発明方法が従来法と著しく異なる点は、製
鋼、造塊工程で真空脱ガス装置を用いて脱炭処理
と清浄化処理を施した後、焼鈍工程で再び脱炭処
理を施すことである。脱ガス装置による脱炭は熱
延段階でカーバイト(Fe3C)をなくし、熱間圧
延時及びその後の製造工程時の結晶粒の粒成長性
を良くし、粒を大きくし消磁特性を良くすること
にある。また焼鈍炉での脱炭は鋼中のCを出来る
かぎり少なくすること、すなわちプレス成形前の
固溶Cを少なくして、成形時にストレツチヤース
トレインを防止することにあるとともに、焼鈍に
よる加炭、加窒を防止し、加窒によるAlNの増
加を抑え、消磁特性の低下を防止することにあ
る。 なお、上記から明らかであるが、固溶Cを固定
する目的でNb、Ti等を添加することは微細な炭
化物を形成させることになり、この析出物は消磁
特性を劣化させるので本発明ではこれらの添加は
避けなければならない。 次に上記成分の限定理由を述べる。 C:前述した様に冷延鋼板中のC量が多いと鉄炭
化物が生成し、この炭化物が消磁特性、特に保
磁力の低下を妨げる。また、シヤドウマスクと
して穿孔後フラツトマスクを焼鈍したとき固溶
Cを少なくしないとプレス成形で不均一成形
(ストレツチヤーストレインの発生)がおきる。
この両方の要求を満すためには冷延アルミキル
ド鋼板のC含有量の上限を0.004%とする必要
がある。C含有量がこの範囲内にあれば固溶C
量も十分に少なく、又最終焼鈍で結晶粒界に極
少量のCが析出し消磁特性を悪化させることが
ない。また、熱延時の粒成長、脱炭焼鈍初期の
粒成長を充分促進させ、析出物を粗大化させる
ためには製鋼の段階でC含有量を0.008%以下
にする必要がある。 以上のことより、冷延鋼板のCは0.004%以
下、熱延鋼板以前のCは0.008%以下とする。 Mn:Mnは脱酸の目的の他にシヤドウマスクの
諸特性を劣化させずに鋼の強度向上に役立つ。
その他にMnの役割は鋼中のSと結合して鋼の
赤熱脆性を防止することである。そのためMn
は少なくとも0.05%は必要であり、且つMn
(%)/S(%)7とする必要がある。しか
し、Mnは0.50%を超えるとシヤドウマスクと
しては硬くなりすぎフラツトマスクの成形性を
損う。従つてMnの成分範囲は0.05〜0.50%で
且つMn(%)/S(%)7とする。 S:鋼中のSはMnS系介在物を生成し、冷延鋼
板の再結晶粒の粒成長を阻害する。この細粒と
微細MnSそのものが消磁特性を悪くする。S
が0.010%を超えると、熱延焼鈍条件等にかか
わらず、消磁特性が悪い。そのため、Sの成分
範囲を0.010%以下とする必要がある。なお連
続鋳造で造塊する場合は、電磁撹拌を使用する
とさらに改善効果が認められる。これはMnS
の分布が鋼塊中央に偏析しなくなるためであ
る。 SolAl:鋼を脱酸し介在物を少なくする作用以外
に固溶NをAlNとして固定し、プレス成形時
のストレツチヤーストレインを防止するため、
SolAl(酸可溶性Al)としてAlが含有されてい
る必要がある。しかし、多量に含む場合は延性
を悪くするばかりではなく、焼鈍時に雰囲気ガ
スのN2を吸収し、AlNの絶対量が増加し、消
磁特性を劣化させる。 脱酸の点から0.010%以上が必要であり、延
性と吸窒の点からその上限は0.080%である。
また微細なAlNが形成され消磁特性を劣化さ
せないようにするため、焼鈍時に充分に粗大化
させるためNの6倍以上の有効なSolAlが必要
である。分析上、微細なAl2O3や複合酸化アル
ミがSolAl値に入つてくるので分析上のSolAl
値から0.003%を減じた値をNの値で割つた値
が6以上であることを必要とする。 N:Nは前述したように鋼中のSolAlと結合し、
AlNとなり、微細なAlNが消磁特性を悪くす
るので、冷延鋼板でのNの値を0.0040%以下と
する。好ましくは0.0030%以下とすることが良
い。 このような組成の鋼の溶製は転炉出鋼の後、脱
ガス精錬装置で脱炭処理をしてCを0.008%以下
として、その後Al等を添加してAlキルド鋼とす
る。この時、鋼の清浄度を高めるために炉外精錬
を行うことも有効である。鋳造は通常の造塊法を
用いてもよいが、連続鋳造を用い、電磁撹拌を行
いながら鋳造すると良品質のものが得られる。所
定の熱間圧延工程後、冷間圧延を経てオープンコ
イル脱炭焼鈍を行う。この脱炭焼鈍を行うにあた
り、注意すべき点は吸窒を防止するため、雰囲気
ガス中のNH3を分析上15ppm以下にすることで
ある。また、脱炭後のC含有量は低い方が好まし
いが、粒界が内部酸化すると消磁特性が悪化する
ので過脱炭を避けなければならない。消磁特性を
満足させるためには0.004%以下のC量であれば
充分であるが、シヤドウマスクとして最終のプレ
ス前の焼鈍で浸炭が起きる場合はその分をみこん
でさらにC量を低くすることも好ましい。 脱炭焼鈍後は次工程の取り扱いのため、調質圧
延またはローラーレベラーを施してから再冷間圧
延を行うことが好ましい。再冷間圧延によつてシ
ヤドウマスクメーカの必要な板厚の素材を製造す
る。 このようにして製造したAlキルド冷延鋼板に
最終焼鈍を施すと、消磁特性に優れた鋼板となる
ため、これを用いたシヤドウマスク及びカラーテ
レビはランデイング特性が向上する。 <実施例> 供試材は低炭素鋼を150t転炉で出鋼しRH脱ガ
ス装置で脱炭精錬を施し、Cを0.004%まで低下
させ、その後Fe−Mn、Alを添加し、成分調整を
行い、連続鋳造で造塊した。比鋼数は7チヤージ
であるが、鋳造後のCは成分調整材や鋳造パウダ
ーからピツクアツプして0.005〜0.008%の範囲に
なつた。 この鋼片を熱間圧延→酸洗→冷間圧延→脱炭焼
鈍→調質圧延→再冷間圧延の工程で0.15mmの薄鋼
板とした。 この冷間圧延鋼の成分を第1表に示す。 この供試材を8%H2残りN2、露点0℃の雰囲
気中で700℃10分間焼鈍し、炉冷した後磁性を測
定した。消磁特性として保磁力Hcを代表値とし
た。 第1表に併記した保磁力Hcから明らかなよう
に試料A〜Dの本発明鋼はHcが0.9〜1.1Oeであ
り、比較鋼のE〜GのHc1.4〜1.5Oeに対して低
く、消磁特性が良い。なお、Hcは低いほど良く、
1.4を超えると、カラーブラウン管の特性上影響
を与えることが経験上わかつている。本発明鋼A
〜DはHcが安定して1.2以下であり、消磁特性が
良い。 比較鋼のEはS量が高いため、またFはS量
とN量が高いためHcが高く、比較鋼Gは焼鈍で
吸窒してN量が高くなつたものである。 比較鋼のHとIの2チヤージは同様に転炉で
出鋼したが、RH脱ガスをかけずに連続鋳造した
鋼で熱延板のC量は夫々0.04%と0.06%であつ
た。鋳造以後は上記と同じ製造工程を通つたもの
である。脱ガス脱炭をしないためHcが高くなつ
ている。 比較鋼のJとKは、製鋼時におけるC:
0.0054%をA〜Gと同様に脱ガス装置で脱炭精錬
し、スラブ段階でC:0.0022%とした。そして、
これらの比較例では、冷間圧延後の脱炭焼鈍は行
わず、これに代えて、J鋼は連続焼鈍710℃×40
秒、K鋼はタイト焼鈍700℃×1時間をそれぞれ
実施したものである。このうち、Jは冷間圧延後
の焼鈍が連続焼鈍であるため微細なAlNの析出
が多く、このため粒の成長が悪く消磁特性が悪く
なつている。またKは冷間圧延後の焼鈍がタイト
焼鈍のため加熱速度が遅く、このためパンケーキ
組織となつて集合組織上〔111〕が多くなり、再
冷圧後もその影響が残り、消磁特性が悪化してい
る。 また、これらの比較例では焼鈍中に加炭、吸窒
現象も認められる。そして、特にこのNの増加に
よる微細なAlNの増加によつても消磁特性が低
下している。 【表】
用のシヤドウマスク用の消磁特性に優れたAlキ
ルド冷延鋼板の製造方法に関する。 <従来の技術> 従来カラーテレビやカラーデイスプレイなどの
ブラウン管のシヤドウマスク素材として低炭素リ
ムド冷延鋼板が用いられていたが、この場合、鋼
中の非金属介在物あるいは炭化物によるフオトエ
ツチング時の孔形状不良が生ずること、最終焼鈍
でフラツトマスク間の密着防止のため低温焼鈍を
行うと鋼の結晶粒が小さくなり、プレス成形前に
レベラーをかけても充分に歪が入らず、プレス成
形時に固溶Cと固溶Nに基づく降伏点伸びによる
ストレンチヤーストレインが発生しやすいこと等
の欠点があつた。このストレツチヤーストレイン
は穴縁を歪め、色むらをひきおこすので、シヤド
ウマスクの性能を満足させるためにはその発生を
防止しなければならない。 また、リムド鋼では高温で焼鈍すると結晶粒が
粗大化してシヤドウマスクのプレス時にやはり細
孔の穴縁を歪める問題があり、これらの問題を防
ぐため、鋼成分の変動と最終焼鈍の条件変動を厳
しく制限しなければならない。 このような欠点を改善すべく、最近では介在物
が少なく、NをAlで固定できる低炭素Alキルド
鋼を脱炭焼鈍して製造したC含有量が0.005%以
下の冷延鋼板が使用されはじめている。 <従来技術の問題点> ところでシヤドウマスクはカラー発光のための
電子ビームをコントロールするばかりではなく、
ブラウン管内にあつて電子ビーム軌道が地磁気等
の外部磁界によつて偏向を受けるのを防ぐ磁気シ
ールドの役目もはたしている。これはカラーブラ
ウン管内において地磁気の水平成分の変化によつ
て電子ビーム軌道が偏向し、けい光面上の電子ビ
ームの照射点とけい光面の発色体の位置関係がず
れるというミスランデイング現象のため、色純度
の低下や色むらとなることを防止するためであ
る。 従つて通常のカラーブラウン管では電子ビーム
のドリフト空間を磁気シールドによつて外部磁気
から遮断しており、シヤドウマスク自体の消磁特
性も重要な特性である。 しかし最近使用されはじめている低炭素Alキ
ルド鋼を脱炭焼鈍した冷延鋼板は低炭素リムド鋼
を脱炭焼鈍した冷延鋼板に比べてこの消磁特性に
劣つており、この鋼のシヤドウマスクを使用する
とブラウン管内のランデイング特性を向上させる
特別の回路が必要となるなどの問題が生じる。そ
のため、より消磁特性の優れた低炭素Alキルド
冷延鋼板が望まれていた。 <問題点を解決するための手段> 本発明は上記した問題を解決するためになされ
たもので、真空脱ガス装置を用いて特定成分の鋼
を得た後、熱延→冷延→脱炭焼鈍→冷延の工程を
順次経て消磁特性に優れた製品を得ようとするも
のである。 まず成分範囲はC:0.008%以下、Mn:0.05〜
0.50%、S:0.010%以下、SolAl:0.010〜0.080
%、N:0.004%以下、残部鉄及び不可避不純物
から成り、更にMn(%)/S(%)7、(SolAl
(%)−0.003)/N(%)6の関係を満すように
限定される。 この鋼を普通造塊又は連続鋳造で鋼片としたあ
と、所定の熱間圧延、脱スケール、冷間圧延、表
面の清浄処理等を施し、吸窒素を防止しながら脱
炭焼鈍炉でCが0.004%以下になるまで脱炭し、
更に再度冷間圧延して板厚0.2mm以下とする。 このAlキルド冷延鋼板をシヤドウマスクとし
て使用する前に一度以上焼鈍すると消磁特性に優
れたものとなり画像特性の優れた製品が得られ
る。 本発明方法が従来法と著しく異なる点は、製
鋼、造塊工程で真空脱ガス装置を用いて脱炭処理
と清浄化処理を施した後、焼鈍工程で再び脱炭処
理を施すことである。脱ガス装置による脱炭は熱
延段階でカーバイト(Fe3C)をなくし、熱間圧
延時及びその後の製造工程時の結晶粒の粒成長性
を良くし、粒を大きくし消磁特性を良くすること
にある。また焼鈍炉での脱炭は鋼中のCを出来る
かぎり少なくすること、すなわちプレス成形前の
固溶Cを少なくして、成形時にストレツチヤース
トレインを防止することにあるとともに、焼鈍に
よる加炭、加窒を防止し、加窒によるAlNの増
加を抑え、消磁特性の低下を防止することにあ
る。 なお、上記から明らかであるが、固溶Cを固定
する目的でNb、Ti等を添加することは微細な炭
化物を形成させることになり、この析出物は消磁
特性を劣化させるので本発明ではこれらの添加は
避けなければならない。 次に上記成分の限定理由を述べる。 C:前述した様に冷延鋼板中のC量が多いと鉄炭
化物が生成し、この炭化物が消磁特性、特に保
磁力の低下を妨げる。また、シヤドウマスクと
して穿孔後フラツトマスクを焼鈍したとき固溶
Cを少なくしないとプレス成形で不均一成形
(ストレツチヤーストレインの発生)がおきる。
この両方の要求を満すためには冷延アルミキル
ド鋼板のC含有量の上限を0.004%とする必要
がある。C含有量がこの範囲内にあれば固溶C
量も十分に少なく、又最終焼鈍で結晶粒界に極
少量のCが析出し消磁特性を悪化させることが
ない。また、熱延時の粒成長、脱炭焼鈍初期の
粒成長を充分促進させ、析出物を粗大化させる
ためには製鋼の段階でC含有量を0.008%以下
にする必要がある。 以上のことより、冷延鋼板のCは0.004%以
下、熱延鋼板以前のCは0.008%以下とする。 Mn:Mnは脱酸の目的の他にシヤドウマスクの
諸特性を劣化させずに鋼の強度向上に役立つ。
その他にMnの役割は鋼中のSと結合して鋼の
赤熱脆性を防止することである。そのためMn
は少なくとも0.05%は必要であり、且つMn
(%)/S(%)7とする必要がある。しか
し、Mnは0.50%を超えるとシヤドウマスクと
しては硬くなりすぎフラツトマスクの成形性を
損う。従つてMnの成分範囲は0.05〜0.50%で
且つMn(%)/S(%)7とする。 S:鋼中のSはMnS系介在物を生成し、冷延鋼
板の再結晶粒の粒成長を阻害する。この細粒と
微細MnSそのものが消磁特性を悪くする。S
が0.010%を超えると、熱延焼鈍条件等にかか
わらず、消磁特性が悪い。そのため、Sの成分
範囲を0.010%以下とする必要がある。なお連
続鋳造で造塊する場合は、電磁撹拌を使用する
とさらに改善効果が認められる。これはMnS
の分布が鋼塊中央に偏析しなくなるためであ
る。 SolAl:鋼を脱酸し介在物を少なくする作用以外
に固溶NをAlNとして固定し、プレス成形時
のストレツチヤーストレインを防止するため、
SolAl(酸可溶性Al)としてAlが含有されてい
る必要がある。しかし、多量に含む場合は延性
を悪くするばかりではなく、焼鈍時に雰囲気ガ
スのN2を吸収し、AlNの絶対量が増加し、消
磁特性を劣化させる。 脱酸の点から0.010%以上が必要であり、延
性と吸窒の点からその上限は0.080%である。
また微細なAlNが形成され消磁特性を劣化さ
せないようにするため、焼鈍時に充分に粗大化
させるためNの6倍以上の有効なSolAlが必要
である。分析上、微細なAl2O3や複合酸化アル
ミがSolAl値に入つてくるので分析上のSolAl
値から0.003%を減じた値をNの値で割つた値
が6以上であることを必要とする。 N:Nは前述したように鋼中のSolAlと結合し、
AlNとなり、微細なAlNが消磁特性を悪くす
るので、冷延鋼板でのNの値を0.0040%以下と
する。好ましくは0.0030%以下とすることが良
い。 このような組成の鋼の溶製は転炉出鋼の後、脱
ガス精錬装置で脱炭処理をしてCを0.008%以下
として、その後Al等を添加してAlキルド鋼とす
る。この時、鋼の清浄度を高めるために炉外精錬
を行うことも有効である。鋳造は通常の造塊法を
用いてもよいが、連続鋳造を用い、電磁撹拌を行
いながら鋳造すると良品質のものが得られる。所
定の熱間圧延工程後、冷間圧延を経てオープンコ
イル脱炭焼鈍を行う。この脱炭焼鈍を行うにあた
り、注意すべき点は吸窒を防止するため、雰囲気
ガス中のNH3を分析上15ppm以下にすることで
ある。また、脱炭後のC含有量は低い方が好まし
いが、粒界が内部酸化すると消磁特性が悪化する
ので過脱炭を避けなければならない。消磁特性を
満足させるためには0.004%以下のC量であれば
充分であるが、シヤドウマスクとして最終のプレ
ス前の焼鈍で浸炭が起きる場合はその分をみこん
でさらにC量を低くすることも好ましい。 脱炭焼鈍後は次工程の取り扱いのため、調質圧
延またはローラーレベラーを施してから再冷間圧
延を行うことが好ましい。再冷間圧延によつてシ
ヤドウマスクメーカの必要な板厚の素材を製造す
る。 このようにして製造したAlキルド冷延鋼板に
最終焼鈍を施すと、消磁特性に優れた鋼板となる
ため、これを用いたシヤドウマスク及びカラーテ
レビはランデイング特性が向上する。 <実施例> 供試材は低炭素鋼を150t転炉で出鋼しRH脱ガ
ス装置で脱炭精錬を施し、Cを0.004%まで低下
させ、その後Fe−Mn、Alを添加し、成分調整を
行い、連続鋳造で造塊した。比鋼数は7チヤージ
であるが、鋳造後のCは成分調整材や鋳造パウダ
ーからピツクアツプして0.005〜0.008%の範囲に
なつた。 この鋼片を熱間圧延→酸洗→冷間圧延→脱炭焼
鈍→調質圧延→再冷間圧延の工程で0.15mmの薄鋼
板とした。 この冷間圧延鋼の成分を第1表に示す。 この供試材を8%H2残りN2、露点0℃の雰囲
気中で700℃10分間焼鈍し、炉冷した後磁性を測
定した。消磁特性として保磁力Hcを代表値とし
た。 第1表に併記した保磁力Hcから明らかなよう
に試料A〜Dの本発明鋼はHcが0.9〜1.1Oeであ
り、比較鋼のE〜GのHc1.4〜1.5Oeに対して低
く、消磁特性が良い。なお、Hcは低いほど良く、
1.4を超えると、カラーブラウン管の特性上影響
を与えることが経験上わかつている。本発明鋼A
〜DはHcが安定して1.2以下であり、消磁特性が
良い。 比較鋼のEはS量が高いため、またFはS量
とN量が高いためHcが高く、比較鋼Gは焼鈍で
吸窒してN量が高くなつたものである。 比較鋼のHとIの2チヤージは同様に転炉で
出鋼したが、RH脱ガスをかけずに連続鋳造した
鋼で熱延板のC量は夫々0.04%と0.06%であつ
た。鋳造以後は上記と同じ製造工程を通つたもの
である。脱ガス脱炭をしないためHcが高くなつ
ている。 比較鋼のJとKは、製鋼時におけるC:
0.0054%をA〜Gと同様に脱ガス装置で脱炭精錬
し、スラブ段階でC:0.0022%とした。そして、
これらの比較例では、冷間圧延後の脱炭焼鈍は行
わず、これに代えて、J鋼は連続焼鈍710℃×40
秒、K鋼はタイト焼鈍700℃×1時間をそれぞれ
実施したものである。このうち、Jは冷間圧延後
の焼鈍が連続焼鈍であるため微細なAlNの析出
が多く、このため粒の成長が悪く消磁特性が悪く
なつている。またKは冷間圧延後の焼鈍がタイト
焼鈍のため加熱速度が遅く、このためパンケーキ
組織となつて集合組織上〔111〕が多くなり、再
冷圧後もその影響が残り、消磁特性が悪化してい
る。 また、これらの比較例では焼鈍中に加炭、吸窒
現象も認められる。そして、特にこのNの増加に
よる微細なAlNの増加によつても消磁特性が低
下している。 【表】
Claims (1)
- 1 C:0.008%以下、Mn:0.05〜0.50%、S:
0.010%以下、SolAl:0.010〜0.080%、N:
0.0040%以下、残部鉄及び不可避不純物から成
り、かつMn%/S%7、(SolAl%−0.003)/
N%6を満足する鋼を真空脱ガス装置を用いて
溶製し、普通造塊又は連続鋳造で鋼片とし、この
鋼片を熱間圧延、冷間圧延した後脱炭焼鈍炉でC
が0.004%以下になるまで脱炭焼鈍し、更に再冷
間圧延を施して板厚0.2mm以下とすることを特徴
とする消磁特性に優れたシヤドウマスク用Alキ
ルド冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15142984A JPS6130627A (ja) | 1984-07-23 | 1984-07-23 | 消磁特性に優れたシヤドウマスク用Alキルド冷延鋼板の製造方法 |
US06/704,804 US4609412A (en) | 1984-02-28 | 1985-02-25 | Al-killed cold-rolled steel sheet with excellent demagnetization characteristics and process for producing the same, and shadow mask and color television using the same |
DE19853506979 DE3506979A1 (de) | 1984-02-28 | 1985-02-27 | Al-beruhigtes, kaltgewalztes stahlblech mit ausgezeichneten entmagnetisierungseigenschaften, verfahren zur herstellung eines solchen bleches, schattenmaske und damit ausgestatteter farbfernsehempfaenger |
NL8500568A NL8500568A (nl) | 1984-02-28 | 1985-02-28 | Met al rustig gemaakte, koud gewalste staalplaat met uitstekende demagnetisatie-eigenschappen, werkwijze voor de vervaardiging daarvan, en schaduwmasker en kleurentelevisie waarin deze wordt toegepast. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15142984A JPS6130627A (ja) | 1984-07-23 | 1984-07-23 | 消磁特性に優れたシヤドウマスク用Alキルド冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6130627A JPS6130627A (ja) | 1986-02-12 |
JPS6340849B2 true JPS6340849B2 (ja) | 1988-08-12 |
Family
ID=15518422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15142984A Granted JPS6130627A (ja) | 1984-02-28 | 1984-07-23 | 消磁特性に優れたシヤドウマスク用Alキルド冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6130627A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58133324A (ja) * | 1982-02-03 | 1983-08-09 | Nisshin Steel Co Ltd | シヤドウマスクの製造方法 |
JPS59110731A (ja) * | 1982-12-15 | 1984-06-26 | Kawasaki Steel Corp | シヤドウマスク原板の製造方法 |
-
1984
- 1984-07-23 JP JP15142984A patent/JPS6130627A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58133324A (ja) * | 1982-02-03 | 1983-08-09 | Nisshin Steel Co Ltd | シヤドウマスクの製造方法 |
JPS59110731A (ja) * | 1982-12-15 | 1984-06-26 | Kawasaki Steel Corp | シヤドウマスク原板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6130627A (ja) | 1986-02-12 |
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