JPS6339238B2 - - Google Patents

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JPS6339238B2
JPS6339238B2 JP56148313A JP14831381A JPS6339238B2 JP S6339238 B2 JPS6339238 B2 JP S6339238B2 JP 56148313 A JP56148313 A JP 56148313A JP 14831381 A JP14831381 A JP 14831381A JP S6339238 B2 JPS6339238 B2 JP S6339238B2
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JP
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coa
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fatty acid
measurement
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JP56148313A
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JPS5851899A (ja
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Shigeyuki Imamura
Hideo Misaki
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Toyo Jozo KK
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Toyo Jozo KK
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Publication date
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Priority to DE3249973A priority patent/DE3249973C2/de
Priority to DE19823223874 priority patent/DE3223874A1/de
Priority to CH3917/82A priority patent/CH664631A5/it
Priority to GB08218552A priority patent/GB2105843B/en
Priority to US06/392,010 priority patent/US4491631A/en
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Publication of JPS6339238B2 publication Critical patent/JPS6339238B2/ja
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、被検液中の成分、例えばあらかじめ
存在する遊離脂肪酸、または脂肪酸エステルから
遊離した脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エ
ステルに作用して脂肪酸を遊離せしめる酵素の活
性のいずれか1つの成分の測定法および測定用組
成物に関する。 従来より血清中の遊離脂肪酸の酵素的測定法と
しては、存在する遊離脂肪酸に、アシル―
CoA・シンセターゼ(Acyl―CoA synthe
tase、)活性の存在下にCoASH(コエンチームA)
およびATP(アデノシン・トリホスフエート)を
用いてアシル―CoA、AMP(アデノシン・モノ
ホスフエート)、ピロリン酸を生成せしめ、次い
で生成したAMPに、ミオキナーゼ
(Myokinase)活性の存在下ATPを用いて1モル
比のAMPより2モル比のADP(アデノシン・ジ
ホスフエート)を生成せしめる。さらにこの生成
したADPにピルベート・キナーゼ(Pyruvate
Kinase)活性の存在下にホスホエノールピルベ
ートを用いてATPおよびピルベートを生成せし
め、その後生成したピルベートにラクテート・デ
ヒドロゲナーゼ(Lactate dehydrogenase)活性
の存在下に還元型NAD(ニコチン・アデニン・ジ
ヌクレオチド)を用いてラクテートおよびNAD
を生成せしめ、その際反応において消費される還
元型NADの量を波長340nmにて測定して吸光度
の減少を求め、1モル比の脂肪酸により2モル比
の還元型NADを消費する量として測定する方法
が知られている〔Analytical Biochemistry98
341―345(1979)〕。また別法として、遊離脂肪酸
にアシル―CoA・シンセターゼの存在下に
CoASHおよびATPを用いてアシル―CoA、
AMPおよびピロリン醸を生成せしめ、次いで生
成したアシル―CoAにアシル―CoA・オキシタ
ーゼ(Acyl―CoA・oxidase)活性の存在下に酵
素を消費させて2.3―トランス―エノイル―CoA
および過酸化水素を生成せしめ、その後生成した
過酸化水素に4―アミノアンチピリン、2,4―
ジブロフエノールおよびペルオキシダーゼ
(Peroxidase)活性により呈色色素となし、この
呈色を測定する方法〔Analytical Biochemistry
108、6―10(1980)が知られている。しかしなが
ら特に、アシル―CoA・オキシダーゼ活性を利
用する方法では、生成する過酸化水素が用いる
CoASHの還元性作用により悪影響を受けるもの
で、従つて第一反応の終了後に残存したCoASH
をN―エチルマレイシドにて非還元性物質に変化
させた後に第二反応を行なわせしめねばならない
欠点があり、同時反応をなし得ないものであつ
た。また血清中に存在するリパーゼ活性の測定に
おいては、そのリパーゼ活性は弱く、従つてリパ
ーゼ活性測定に用いる基質である脂肪酸エステル
からの遊離脂肪酸の量も少なく、よつて上記二方
法では感度的に充分に測定し得ないものであつ
た。 また前者の測定方法では1モル比の脂肪酸から
2モル比の還元型NADの量の減少を測定する定
量法であるがその測定感度は不充分であつた。 本発明者らは、弱いリパーゼ活性の如くの少量
の脂肪酸しか遊離し得ない場合であつても良好に
定量し得る方法について種々研究した結果、少な
くとも被検液中に存在する脂肪酸または脂肪酸エ
ステルから遊離された脂肪酸を、まずアシル―
CoAとなし、次いでこのアシル―CoAをデヒド
ロアシル―CoAとなし、さらにこのデヒドロア
シル―CoAをヒドロキシアシル―CoAとなし、
このヒドロキシアシル―CoAをケトアシル―
CoAとなし、次いでこのケトアシル―CoAをア
シル―CoAとなす工程を組合せ、かつそのデヒ
ドロアシル―CoAをヒドロキシアシル―CoAと
なし、これをケトアシルCoAとなし、次いでア
シルCoAとなす工程においてエノイル―CoA・
ヒドラターゼ活性、3―ヒドロキシアシル―
CoA・デヒドロゲナーゼ活性および3―ケトア
シル―CoA・チオラーゼ活性の各酵素活性を同
一蛋白上に有してなる複合活性酵素の酵素活性に
基く反応工程を用いることにより同時反応にて良
好に測定し得ることを見い出した。 即ちこの反応の最終工程で生成されたアシル―
CoAは被検液中の脂肪酸の鎖長に比べて炭素数
2個少ないアシル基を有するもので、さらにこの
アシル―CoAは順次にデヒドロアシル―CoA・
ヒドロキシアシル―CoA、ケトアシル―CoAと
なり、次いで2個炭素数を減じたアシル―CoA
を生成するサイクルを形成する。この形成される
サイクルは被検液中の脂肪酸の炭素数に応じて高
次サイクルをなす。この高次サイクルにて1モル
比の脂肪酸から生成または消費される高モル比の
成分を直接または種々の手段により著しく高感度
にて検出できる変化として測定する。この測定に
おいて被検液中の脂肪酸はATPまたはGPTと
CoASHおよびアシル―CoA・シンセターゼ活性
に基く反応工程によりアシル―CoAとなし、
アシルCoAを酸素およびアシル―CoA・オキシ
ダーゼ活性に基く反応工程によりデヒドロアシル
―CoAとなし、次いでエノイル―CoA・ヒドラ
ターゼ活性、3―ヒドロキシアシル―CoA・デ
ヒドロゲナーゼ活性および3―ケトアシル―
CoA・チオラーゼ活性の各酵素活性を同一蛋白
上に有してなる複合活性酵素の酵素作用により、
そのデヒドロアシル―CoAを水およびエノイ
ル―CoA・ヒドラターゼ(Enoyl―CoA
hydratase、E,C,4,2,1,17)活性に基
く反応工程によりヒドロキシアシル―CoAとな
し、このヒドロキシアシル―CoAをNADおよ
び3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナ
ーゼ(3―Hydroxyasyl―CoA dehydrogenase、
E,C,1,1,1,35)活性に基く反応工程に
よりケトアシル―CoAとなし、このケトアシ
ル―CoAをCoASHおよび3―ケトアシル―
CoA・チオラーゼ(3―Ketoacyl―CoA
thiolase、E,C,2,3,1,16)活性に基く
反応工程により反応工程にて生ずるアシル―
CoAに比べて炭素数2個の単位で減じたアシル
―CoAを生成するもので、この生成されたアシ
ル―CoAは反応工程以後の反応に基いて炭素
数2個の単位で分解するβ酸化サイクルを形成
し、その際反応系において検出できる変化を測定
するもので、このようにして1モル比の脂肪酸か
らβ酸化サイクルのサイクル数に応じた高モル比
の変化として高感度にて脂肪酸、または脂肪酸を
遊離せしめる系からの脂肪酸を測定する方法、お
よび測定用組成物について完成した。 本発明は上記の知見に基いて完成されたもの
で、被検液中の成分を定量するに当り、下記の反
応工程、、、、 脂肪酸をアシル―CoAにする反応工程、 アシル―CoAをデヒドロアシル―CoAにす
る反応工程、 デヒドロアシル―CoAをヒドロキシアシル
―CoAにする反応工程、 ヒドロキシアシル―CoAをケトアシル―
CoAにする反応工程、 ケトアシル―CoAをアシル―CoAにする反
応工程、 および反応工程において消費される成分または
生成される成分の少なくとも1成分の量の変化を
測定する工程において、、および反応工程
が、エノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―
ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活
性および3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活
性の各酵素活性を同一蛋白上に有してなる複合活
性酵素の酵素活性に基く反応工程であることを特
徴とする測定法および、少なくとも、下記の組成 ・ ATPまたはGTP、 ・ CoASH、 ・ NAD、 ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性の成分、 ・ アシル―CoAオキシダーゼ活性の成分、 ・ エノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―
ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性および3―ケトアシル―CoA・チオラー
ゼ活性の各酵素活性を同一蛋白上に有してなる
複合活性酵素の成分 を含有することを特徴とする測定用組成物であ
る。 まず本発明の被検液としては、少なくとも脂肪
酸を含有するものであればよく、またその脂肪酸
としては、例えば炭素数6のカプロン酸、炭素数
8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸、炭素数
12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素
数16のパルミチン酸や、パルミトレイン酸、炭素
数18のステアリン酸、オレイン酸、リノール酸や
リノレン酸、などの種々の脂肪酸が挙られる。さ
らにこの脂肪酸としては、例えばバター、マーガ
リン、チーズ、ハム、牛乳、マヨネーズなどの飲
食品中の遊離脂肪酸や脂肪酸エステルの成分、血
清や尿などの生体液中の遊離脂肪酸や脂肪酸エス
テル、またはそれらに作用する酵素活性に基く反
応生成物、医薬製剤中の遊離脂肪酸またはその塩
や脂肪酸エステルの成分や、脂肪酸または脂肪酸
エステルに作用する市販の酵素試薬の酵素活性に
基く反応生成物などの種々の成分を測定するため
の脂肪酸、または遊離される脂肪酸が挙られる。
さらにまた脂肪酸エステルから脂肪酸を遊離せし
めるに当つて、水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ムなどを用いるアルカリケン化に基いて脂肪酸を
遊離せしめてもよく、またこの脂肪酸エステルに
作用して脂肪酸を遊離せしめる1以上の酵素活性
に基いて脂肪酸を遊離せしめてもよい。さらに脂
肪酸エステルとこの脂肪酸エステルに作用して脂
肪酸を遊離せしめる酵素活性との組合せにおい
て、脂肪酸エステルの成分を測定しようとする場
合には該当する酵素活性によつて脂肪酸を遊離せ
しめればよく、また酵素活性を測定しようとする
場合には該当する脂肪酸エステルの含有物および
必要に応じて他の酵素活性を有する成分を用いて
脂肪酸を遊離せしめればよいもので、脂肪酸エス
テルの測定または酵素活性の測定のいずれかの1
つの成分の測定のために用いられる。この脂肪酸
エステルと該当する酵素活性の組合せとしては脂
肪酸を遊離せしめ得る組み合せであれば何ら限定
されるものでなく、種々挙られる。例えば脂肪酸
エステルがモノグリセライド、ジグリセライドま
たはトリグリセライドなどのグリセライドであ
り、酵素活性がリパーゼ活性である組み合せにお
いては、グリセライドから遊離される脂肪酸の測
定によつてグリセライドまたはリパーゼ活性のい
ずれか1つの成分の測定がなされる。好ましくは
グリセライドの測定の際には例えば血清中などの
トリグリセライド測定用とすればよく、リパーゼ
活性を含有する試薬を用いて血清に作用せしめ、
そのトリグリセライドから脂肪酸を遊離せしめれ
ばよい。またリパーゼ活性の測定の際には例えば
血清中の膵リパーゼ活性の測定用とすればよく、
グリセライドを含有する試薬を用いて血清に作用
せしめ、そのグリセライドから脂肪酸を遊離せし
めればよい。さらにこの膵リパーゼ活性測定にお
けるグリセライドとしては、用いるグリセライド
による反応系の濁りの防止のためにモノグリセラ
イドまたはジグリセライドを用いることが好まし
く、さらにアンブミン、例えば牛血清アルブミン
を用いることが好ましい。さらに脂肪酸エステル
とこの脂肪酸エステルに作用して脂肪酸を遊離せ
しめる酵素活性とによる脂肪酸の遊離の系として
は、例えば脂肪酸エステルがレシチンであり、酵
素活性がホスホリパーゼA1活性、ホスホリパー
ゼA2活性またはホスホリパーゼB活性である系、
脂肪酸エステルがリゾレシチンであり、酵素活性
がリゾホスホリパーゼ活性である系、脂肪酸エス
テルがホスフアチジン酸であり、酵素活性がホス
フアチジン酸ホスフアターゼ活性およびリパーゼ
活性である系、脂肪酸エステルがレシチンであ
り、酵素活性がホスホリパーゼC活性およびリパ
ーゼ活性である系、脂肪酸エステルがレシチンで
あり、酵素活性がホスホリパーゼD活性、ホスフ
アチジン酸ホスフアターゼ活性およびリパーゼ活
性である系、脂肪酸エステルがアシルコリンであ
り、酵素活性がコリンエステラーゼ活性である
系、脂肪酸エステルがコレステロールエステルな
どのステロールエステルであり、酵素活性がコレ
ステロールエステラーゼ活性である系、レシチン
とコレステロールとの含有物、レシチンコレステ
ロールアシルトランスフエラーゼ活性、コレステ
ロールエステラーゼ活性またはリゾホスホリパー
ゼ活性との組合せの系などが挙られる。これらの
被検液において脂肪酸の測定に基いて、脂肪酸自
体の定量や例えばリパーゼ活性の測定、トリグリ
セライドの定量、ホスホリパーゼA1活性の測定、
ホスホリパーゼA2活性の測定、ホスホリパーゼ
B活性の測定、リゾホスホリパーゼ活性の測定、
ホスフアチジン酸ホスフアターゼ活性の測定、ホ
スホリパーゼC活性の測定、ホスホリパーゼD活
性の測定、コリンエステラーゼ活性の測定、コレ
ステロールエステラーゼ活性の測定、レシチンの
定量、コレステロールエステルの定量、レシチン
コレステロールアシルトランスフエラーゼ活性の
測定、コレステロールの定量などの種々の測定目
的にて用いられる。またこれらの脂肪酸を遊離せ
しめる系において、用いられる各試薬の量は、測
定すべき目的や選択する反応条件によつて適宜変
更設計すればよく、特に限定されるものではな
く、反応によつて遊離される脂肪酸の量が定量測
定するに充分量遊離される条件であればよい。ま
た脂肪酸を遊離せしめるに当つては、通常37℃近
辺の温度条件にて行なえばよく、また反応時間は
脂肪酸が充分量遊離されるに要する時間以上であ
ればよく、通常1分以上行なわれる。 また本発明の被検液中の脂肪酸を測定するため
の、、、およびの各反応工程を例示す
れば、次の如くである。 反応工程;脂肪酸をアシル―CoAにする反
応工程である。例えば脂肪酸をATPおよび
CoASHの共存下にてアシル―CoA、AMPお
よびピロリン酸(ppi)となす反応を触媒する
酵素活性を有するアシル―CoA・シンセター
ゼ活性、ATPおよびCoASHに基く反応工程が
挙げられる。 反応工程;アシル―CoAをデヒドロアシル
CoAにする反応工程である。例えばアシル―
CoAを酸素の存在下にデヒドロアシル―CoA
および過酸化水素となす反応を触媒する酵素活
性を有するアシル―CoA・オキシダーゼ活性
および酵素に基く反応工程が挙られる。 反応工程;デヒドロアシル―CoAをヒドロ
キシアシル―CoAにする反応工程である。例
えばデヒドロアシル―CoAを水の存在下にヒ
ドロキシアシル―CoAとなす反応を触媒する
酵素活性を有するエノイル―CoA・ヒドラタ
ーゼ活性および水に基く反応工程が挙られる。 反応工程;ヒドロキシアシル―CoAをケト
アシル―CoAにする反応工程である。例えば
ヒドロキシアシル―CoAをNADの存在下にケ
トアシルCoAおよび還元型NADとなす反応を
触媒する酵素活性を有する3―ヒドロキシアシ
ル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性およびNAD
に基く反応工程が挙られる。 反応工程;ケトアシル―CoAをアシル―
CoAにする反応工程である。例えばケトアシ
ル―CoAをCoASHの存在下にアシル―CoAお
よびアセチル―CoAとなす反応を触媒する3
―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性および
CoASHに基く反応工程が挙られる。 これらの各反応工程を遂行せしめるために、各
反応に要する試薬および酵素活性を奏する各酵素
を用いればよく、また用いられる酵素としては、
動物由来のものでも、微生物由来のものでも使用
でき、またこれらは市販の酵素を用いてもよく、
また酵素含有組織から単離したものでもよい。ア
シル―CoA・シンセターゼ活性を奏する酵素と
しては、例えばモルモツト肝臓由来のもの〔J.
Biol.Chem.,204、329(1953)〕、ラツト、マウ
ス、ウシ、ブタなどの肝臓由来のもの(特開昭55
−74791号公報)、エシエリヒア・コリー
(Escherichia coli)由来のもの〔Eur.J.
Biochem.,12、576(1970)〕、バチルス・メガテ
リウム(Bacillus megaterium)由来のもの
〔Biochemistry(1).85(1965)〕、その他、アエ
ロバクター(Aerobactor)属に属する生産菌
(A.aerogenes IFO 3318)、セラチア(Seratia)
属に属する生産菌、プロテウス(Proteus)属に
属する生産菌(Proteusmirabilis IFO3849)、ス
タフイロコツカス(Staphylococcus)属に属す
る生産菌(Staphylococcus aureus IFO3060)、
シユードモナス(Pseudomonas)属に属する生
産菌(Pseudomonas aeruginosa IFO3919)、フ
ザリウム(Fusarium)属に属する生産菌
(Fusarium oxysporum IFO5942)、キベレラ
(Gibberella)属に属する生産菌(Gibberella
fujikuroi IFO6604)、キヤンジタ(Candida)属
に属する生産菌(Candida lipolytica IFO0717)
などの微生物由来のも〔J.Bacteriol.,105(3)1216
(1971)、J.Bacteriol.,114(1)249(1973)、特開昭
55−74790号公報、特開昭55−99187号公報〕など
が挙られる。さらに脂肪酸をアシル―CoAとす
る反応を触媒する酵素としてはGTP、CoAHの
存在下に脂肪酸をアシル―CoAとなし、GDTお
よびオルトリン酸を生成するアシル―CoA・シ
ンセターゼが挙られ、このアシル―CoA・シン
セターゼを用いてもよい。(J.Biol.Chem.,239
(6)1694(1964)ウシ肝臓由来)。またアシル―
CoA・オキシダーゼ活性を奏する酵素としては、
例えばラツト肝臓由来のもの〔Biochem.Biophy.
Res.Commun.,83(2)479(1978)〕、キヤンジタ属
に属する生産菌(Candida utilis、Candida
lipolyiica IFO1548、Candida tropicalis
IFO0589)、サツカロマイセス(Saccharomyces)
属に属する生産菌〔Saccharomyces cerevisiae
IFO213、Saccharomyces cerevisiae Y0036
(FERM―PNo.5174)、オイペニシリウム
(Eupenicillium)属に属する生産菌
(Eupenicillium javanicum IFO7992)、モナス
カス(Monascus)属に属する生産菌
〔Monascus sp.M―4800(FERM―PNo.5225)〕、
アスペルギルス(Aspergillus)属に属する生産
菌〔Aspergillus candidus M―4815(FERM―P
No.5226)〕、アースロバクター(Arthrobacter)
属に属する生産菌〔Arihrobacier sp.B―0720
(FERM―PNo.5224)〕、マクロフオミナ
(Macrophomina)属に属する生産菌
(Macrophomina phaseoli ATCC14383)、クラ
ドスポリウム(Cladosporium)属に属する生産
菌(Cladosporium resinae IFO6367)などの微
生物由来のもの〔Arch.Biochem.Biophys.,176
591(1976)、特開昭55−118391号公報、特開昭56
−8683号公報、特開昭56−61991号公報〕などが
挙られる。またこのアシル―CoA・オキシダー
ゼ活性の代りにアシル―CoA・デヒドロゲナー
ゼ〔Acyl―CoA dehydrogenase、E.C.1.3.99.3、
Acyl―CoA:(acceptor)oxidoreductase〕活性
を奏する酵素、例えばブタ、ウシやヒツジの肝臓
由来のもの〔J.Biol.Chem.,218、717(1956)、J.
Biol.Chem.,218、701(1956)、J.Am.Chem.
Soc.,75、2787(1953)、Biochim.Biophys.
Acta.,22、475(1956)〕を用いて、アシル―
CoAをデヒドロアシル―CoAとなしてもよい。
この際、電子受容体、例えば2.6―ジクロロフエ
ノールインドフエノール、2―(P―ヨードフエ
ニル)―3―(P―ニトロフエニル)―5―フエ
ニル―2H―テトラゾリウム・クロライド
(INT)、3―(4.5―ジメチル)―2―チアゾリ
ル―2.5―ジフエニル―2H―テトラゾリウム・プ
ロマイド(MTT)、3.3′―(4.4′―ビフエニリレ
ン)―ビス(2.5―ジフエニル―2H―テトラゾリ
ウム・クロライド)(Neo―TB)、3.3′―(3.3′―
ジメトキシ―4.4′―ビフエニリレン)―ビス〔2
―P―ニトロフエニル)―5―フエニル―2H―
テトラゾリウム・クロライド〕(NTB)、3.3′―
(3.3′―ジメトキシ―4.4′―ビス〔2.5―ビス(P―
ニトロフエニル)―2H―テトラゾリラム・クロ
ライド〕(TNTB)、3.3′―(3.3′―ジメトキシ―
4.4′―ビフエニレン)―ビス(2.5―ジフエニル―
2H―テトラゾリラム・クロライド)(TB)など
を、好ましくはフエナジンメトサルフエトととも
に用いて反応を行なわせればよい。さらにエノイ
ル―CoA・ヒドラターゼ活性を奏する酵素、3
―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性を奏する酵素や3―ケトアシル―CoA・チ
オラーゼ活性を奏する酵素としては適宜それらの
酵素活性含有組織から単離してもよい〔J.Biol.
Chem.,218、971(1956)、Angew.Chem.,64
687(1952)、J.Biol.Chem.,207、631(1954)、
Biochim.Biophys.Acta.,26、448(1957)、J.
Biol.Chem.,208、345(1954)〕。またこれらのエ
ノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―ヒドロ
キシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性およ
び3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性にお
いて、各酵素活性を同一蛋白上に有してなる複合
活性酵素の酵素活性を用いることが好ましい。こ
の複合活性酵素生産菌としては、例えばエシエリ
ヒア属に属する生産菌〔Escherihia coli;Proc.
Natl.Acod.Sci.,74(2)492(1977)〕、シユードモナ
ス属に属する生産菌〔Pseudomonas Fragi B―
0771(FERM―PNo.5701);特願昭56−99314号明
細書〕が挙られる。特にこのシユードモナス属に
属する生産菌B―0771およびこの生産菌から得ら
れた複合活性酵素について述べれば、次の通りで
ある。まず本菌B―0771は山梨県北巨摩郡須玉町
の梨畑の土壌より分離したもので、その肉眼的お
よび顕微鏡的観察などに基く各種培地上における
培養の所見は以下に述べる通りである。 (A) 肉眼的特徴 (1) 普通寒天平板培地 丘状、円形で、周囲はなめらかな集落を形成
し、半光沢で、灰白色〜淡黄色を呈する。可溶性
色素は産生しない。 (2) 普通寒天斜面培地 線状に良好に生育する。半光沢で、灰白色〜淡
黄色を呈する。可溶性色素は産生しない。 (3) 溶体培地 一様に混濁し、沈澱も生ずる。菌膜は形成しな
い。 (B) 顕微鏡的特徴 まつすぐ、またはやや曲つた桿菌で、単独また
は二連で、たまに長連鎖になる。大きさは0.4〜
0.6×0.5〜3.0μmで、極毛で運動する。芽胞は形
成しない。 (C) 生理的・生化学的特徴 グラム染色 − O.Fテスト 0 カタラーゼ + オキシダーゼ + レシチナーゼ − ウレアーゼ SSR培地 − クリステンゼン培地 (+) ゲラチンの加水分解 − デンプンの加水分解 − カゼインの加水分解 − エスクリンの加水分解 − アルギニンの加水分解 + ポリ―β―ハイドロキシブチレイト(PHB)
の畜積 − インドールの産生 − 硫化水素の産生 − アセトインの産生 − MRテスト − 硝酸塩の還元 − クエン酸の利用 + 糖より酸の産生性 酸産生、ガス非産生:L(+)アラビノース、
セロビオース、フラクトース、フコース、ガラク
トース、グルコース、グリセリン、ラクトース、
マルトース、マンノース、メリビオース、ラムノ
ース、シユクロース、トレハロース、キシロー
ス、酸非産生、ガス非産生:アドニトール、ヅル
シトール、メソーエリスリトール、イノシトール
イヌリン、マンニトール、メレジトース、ラフイ
ノース、サリシン、ソルボース、ソルビトール、
スターチ、 上記の通り、本菌B―0771は、グラム陰性で、
極毛で運動し、カタラーゼ、オキシダーゼ陽性で
あり、さらにグリコースを酸化的に分解する好菌
性の細菌である特徴を有していることから、シユ
ードモナス属に属する菌株と認められた。 さらに、ザ・ジヤーナル・オブ・ジエネラル・
ミクロバイオロジー(The Journal of General
Microbiology)25、379〜4081961)に記載のシ
ユードモナス・フラギ(Pseudomonas fragi)
と対比した結果、よく一致した。 【表】 さらに本菌B―0771を、標準株であるシユード
モナス・フラギ・ATCC4973と比較実験を行なつ
た。その結果、第1表に示す通りであつた。 【表】 【表】 以上の通り、本菌B―0771は、標準株であるシ
ユードモナス・フラギ・ATCC4973とよく一致し
た。よつて本菌をシユードモナス・フラギ・B―
0771と命名した(微生物受託番号通知書、微生物
受託番号「微工研菌寄第5701号、FERM―PNo.
5701」)。さらに、本菌を培養して単離、精製され
た複合活性酵素の活性測定法、その理化学的性質
について述べる。 (1) 活性測定法 (a) エノイル―CoA・ヒドラターゼ活性測定法 0.2M・トリス―塩酸緩衝液(PH9.0) 0.4ml IM・KCl 0.1ml 40mM・NAD 0.1ml 15mM・パルミトエノイル―CoA 0.1ml 1%牛血清アルブミン 0.05ml 0.25%ニトロテトラゾリウムブルー 0.1ml 30U/ml・ジアホラーゼ(東洋醸造社製)
125U/ml・3ヒドロキシアシル―CoA・
0.1ml デヒドロゲナーゼ(ベーリンガー社製)
0.01ml 蒸留水 0.04ml 計 1.00ml 上記の組成を有する反応液を37℃、2分間予備
加温し、これに、酵素液50μlを加えて37℃、10分
間反応せしめる。反応後これに、0.5%ドデシル
硫酸ナトリウム2.0mlを加えて反応を停止せしめ、
次いで波長550nmにて吸光度(△A550)を測定
する。測定において、1分間に1μmoleの還元型
NADを生成する酵素量を1単位(1U)とする。
また酵素活性は、次式に従う。 酵素活性(U/ml)=△A550×1/4×1000/50×1
/10 (b) 3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲ
ナーゼ活性測定法 0.2M・トリス―塩酸緩衝液(PH8.5) 0.5ml 1M・KCl 0.5ml 40mM・NAD 0.1ml 15mM・3―ヒドロキシパルミトイル―CoA
0.1ml 1%牛血清アルブミン 0.05ml 0.25%ニトロテトラゾリウムブルー 0.1ml 30U/ml・ジアホラーゼ 0.1ml 計 1.00ml 上記の組成を有する反応液を37℃、2分間予備
加温し、これに、酵素液50μlを加えて37℃、10分
間反応せしめる。反応後これに、0.5%ドデシル
硫酸ナトリウム2.0mlを加えて反応を停止せしめ、
次いで波長550nmにて吸光度(△A550)を測定
する。測定において、1分間に1μmoleの還元型
NADを生成する酵素量を1単位(1U)とする。
また酵素活性は、次式に従う。 酵素活性(U/ml)=△A550×1/4×100/50×1
/10 (c) 3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性測
定法 0.2M・トリス塩酸緩衝液(PH8.0) 0.2ml 10mMCoA SH 0.05ml 0.2mM・3―ケトパルミトイル―CoA
0.1ml 100mM・MgCl2 0.1ml 1mM・ジチオスライトール 0.1ml 蒸留水 0.45ml 計 1.00ml 上記の組成を有する反応液を1.0ml容石英セル
に加えて37℃とし、これに酵素液20μlを加えて37
℃にて反応せしめ、反応によつて消費される3―
ケトパルミトイル―CoAの減少を波長303nmにて
経時的に吸光度(OD303)測定する。測定におい
て、1分間に1μmoleの3―ケトパルミトイル―
CoAを消費する酵素量を1単位(1U)とする。
また酵素活性は、次式に従う。 酵素活性(U/ml) =(1分間当りOD303)×1/13.5×1000/20 (2) 酵素作用 1モルのデヒドロアシル―CoAおよび1モル
の水から1モルのヒドロキシアシル―CoAを生
成する反応を触媒するエノイル―CoA・ヒドラ
ターゼ活性、1モルのヒドロキシアシル―CoA
および1モルのNADから1モルのケトアシル―
CoAおよび1モルの還元型NADを生成する反応
を触媒する3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒ
ドロゲナーゼ活性、1モルのケトアシル―CoA
および1モルのCoASHから1モルのアシルCoA
および1モルのアセチル―CoAを生成する反応
を触媒する3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ
活性の各酵素活性を示す。 (3) 三種の酵素活性が同一蛋白上にあることの証
明 シユードモナス・フラギ・B―0771の培養物か
らの菌体より得られた粗酵素から、数段の精製工
程にて精製酵素を得るもので(後述の複合活性酵
素の製造例参照)、この工程において三種類の酵
素活性を前記の活性測定表に基いて測定した。そ
の結果第2表に示す通りであつた。 【表】 【表】 その結果、各酵素活性は、その粗酵素からの各
精製工程での活性の比率にてよく一致しているも
ので、かつ精製された酵素もその三種の酵素活性
を有していることから、この三種の酵素活性は同
一蛋白上にあるものと認められる。 さらに後述の製造例のトヨパールHW―60カラ
ムクロマトグラフイーにて得られた精製酵素2.0
mgを、キヤリア・アンホライトを用いる等電点電
気泳動にかけた後三種の酵素活性を、その活性測
定法に基いて測定した結果、PH4.9のフラクシヨ
ンに三種の酵素活性とも単一ピーク上に検出され
た。 (4) 基質特異性 下記の種々の炭素数を有する3―ヒドロキシア
シル―CoAを基質として用い、3―ヒドロキシ
アシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性測定法に
従つてその活性を測定した。 基 質 相対活性(%) 3―ヒドロキシカプロイル―CoA 56.5 3―ヒドロキシカプリリル―CoA 88.1 3―ヒドロキシカプリル―CoA 99.0 3―ヒドロキシラウリル―CoA 100.0 3―ヒドロキシミリストイル―CoA 98.0 3―ヒドロキシパルミトイル―CoA 75.5 3―ヒドロキシステアリル―CoA 30.5 3―ヒドロキシアラチデリル―CoA 9.5 3―ヒドロキシオレイル―CoA 57.5 3―ヒドロキシリノレニル―CoA 99.0 さらに本複合活性酵素は、少なくともパルミト
エノイル―CoA、3―ケトパルミトイル―CoA
に基質特異性を有する。 (5) 至適PH 基質として3―ヒドロキシパルミトイル―
CoAを用い、3―ヒドロキシアシル―CoA・デ
ヒドロゲナーゼ活性測定法におけるPHをトリス―
塩酸緩衝液PH7.5〜9.5にて変化せしめて活性を求
めた。その結果、第1図に示す通り、その至適PH
はPH9付近であつた。 (6) PH安定性 10mMの各種緩衝液(PH4〜7:ジメチルグル
タル酸―水酸ナトリウム緩衝液、PH7.5〜9:ト
リス塩酸緩衝液)に溶解した酵素液(15U/ml)
を37℃、60分間放置した後その残存活性を、3―
ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活
性測定法に基いて測定した。 その結果、第2図に示す通りで、PH5〜8の範
囲で安定であつた。 (7) 熱安定性 10mMジメチルグルタル酸―水酸化ナトリウム
緩衝液(PH7.0)に溶解した酵素液(15U/ml)
を各温度で10分間処理した後その残存活性を3―
ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活
性測定法に基いて測定した。 その結果、第3図に示す通りで、ほぼ50℃まで
の温度に対して安定であつた。 (8) 等電点 キヤリア・アンホライトを用いた焦点電気泳動
法により測定した結果、等電点はPH4.9にあつた。 (9) 金属イオンの影響 3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナ
ーゼ活性についてその影響を測定した。 【表】 【表】 (10) 界面活性剤の影響 3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナ
ーゼ活性についてその影響を測定した。 【表】 以上の通り、この複合活性酵素はエノイル―
CoA・ヒドラターゼ活性、3―ヒドロキシアシ
ル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性および3―ケ
トアシル―CoA・チオラーゼ活性を同一蛋白上
に有するものである。 さらにこれらの各酵素活性において、用いられ
る酵素の活性測定法については、以下の通りであ
る。 ● アシル―CoA・シンセターゼ活性測定法 0.2M リン酸緩衝液(PH7.5) 0.2ml 10mM ATP 0.1ml 10mM MgCl2 0.1ml 10mM CoASH 0.05ml 5%トリトンX―100含有1mMパルミチン酸溶
液 0.2ml 蒸留水 0.35ml 計 1.00ml 上記の組成を有する第1反応液を調整する。 また第2反応液として、下記組成の反応液を調
整する。 0.2M リン酸緩衝液(PH7.5) 0.5ml 20mM N―エチル・マレイミド 0.1ml 15mM 4―アミノアンチピリン 0.3ml 0.3% 3―メチル―N―エチル―N―(β―
ヒドロキシエチル)アニリン 0.25ml ペルオキシダーゼ(100PPU/ml) 0.1ml 0.5%ナトリウムアジド 0.1ml アシル―CoA・オキシダーゼ(120U/ml)
0.1ml 蒸留水 0.55ml 計 2.00ml 上記組成を有する第1反応液に酵素液50μlを加
えて37℃、10分間反応せしめる。反応後これを第
2反応液に加えて37℃、5分間反応せしめ、次い
で波長550mmにて吸光度(△A550)を測定する。
また酵素活性は、次式に従う。 酵素活性(U/mg)=△A550/10/32.0×1/2×3.
05/0.05×C (ただし、Cは酵素液中のアシル―CoA・シ
ンセターゼの濃度(mg/ml)を示す。) ● アシル―CoA・オキシダーゼ活性測定法 0.2M トリス塩酸緩衝液(PH8.0) 0.1ml 5mM 4―アミノアンチピリン 0.05ml 3mM ジエチルメタトルイジン 0.05ml 0.5mg/mlペルオキシダーゼ 0.05ml 25mM パルミトイル―CoA 0.02ml 蒸留水 0.23ml 計 0.50ml 上記組成を有する反応液に、酵素液10μlを加え
て、37℃、10分間反応させた後0.5mlの4M尿素を
加えて反応を停止せしめ、次いでこれに1%トリ
トンX―100の2mlを加え、波長545mmにて比色
し、生成した過酸化水素の量を求める。酵素活性
は、1分間に1μmoleの過酸化水素を生成する酵
素量を1単位(1U)とする。 またエノイル―CoA・ヒドラターゼ活性測定
法3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナ
ーゼ活性測定法、3―ケトアシル―CoA・チオ
ラーゼ活性測定法は、前記複合活性酵素における
各活性測定法に述べた方法と同一方法によるもの
である。 さらに各反応工程を遂行せしめるに当つて、使
用される各酵素活性の量としては反応せしめるに
充分な酵素活性を有していればよく、被検液中の
脂肪酸の量および炭素数や反応条件などに応じて
適宜変更すればよく、特に限定されるものではな
い。例えば、0.005〜0.05μmoleの炭素数18のオレ
イン酸を含有する被検液について37℃、5〜10分
間反応せしめる場合には、アシル―CoA・シン
セターゼ活性は通常0.1U以上、好ましくは0.5〜
1U程度の酵素活性を奏する酵素の量を用いれば
よく、またアシル―CoA・オキシダーゼ活性は
通常1U以上、好ましくは5〜15U程度の酵素活
性を奏する酵素の量を用いればよい。さらに、エ
ノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―ヒドロ
キシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性、3
―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性の各酵素
活性を同一蛋白上に有する複合活性酵素の酵素活
性は通常0.1U以上、好ましくは1〜25程度の酵
素活性を奏する酵素の量を用いればよい。さらに
反応に要する試薬、例えば反応工程に要する
ATPまたはGTPおよびCoASH、反応工程に
要するNAD、反応工程に要するCoASHの各
試薬の量としては、被検液中に存在する脂肪酸の
量とその脂肪酸の炭素数に基いて行なわれるβ酸
化サイクル数との積に値する量以上の充分な量に
て用いればよく、例えばオレイン酸0.1μmoleの
場合にはATPまたはGTPは通常0.1μmole程度以
上、好ましくは0.5μmole程度以上、CoASHは
0.1μmole程度以上、好ましくは0.5μmole程度以
上、NADは0.1μmole程度以上、好ましくは
0.5μmole以上を用いればよい。さらに反応工
程において、アシル―CoA・オキシダーゼ活性
に基づく反応を行なわせしめるに当つては、反応
系に存在する酵素、即ち、溶存酵素を利用すれば
よく、また反応工程に要する水としても反応系
に存在する水を利用すればよい。さらにアシル―
CoA・シンセターゼ活性を良好にせしめるため
に、マグネシウムイオンを放出できる水溶性マグ
ネシウム塩、好ましくは塩化マグネシウムを用い
ればよい。また反応工程において、アシル―
CoA・オキシダーゼ活性に基いて生成される過
酸化水素を消去することが好ましく、通常カタラ
ーゼを用いて過酸化水素を分解、消去せしめれば
よい。このようにして、少なくとも、ATPまた
はGTPとCoASH、NAD、アシル―CoA・シン
セターゼ活性、アシル―CoA・オキシダーゼ活
性、エノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―
ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活
性、3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性の
各活性を含有する測定用組成物において、前記複
合活性酵素をエノイル―CoA・ヒドラターゼ活
性、3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲ
ナーゼ活性、および3―ケトアシル―CoA・チ
オラーゼ活性として用いるもので、さらに水溶性
マグネシウム塩を含有せしめることが好ましい。
さらにこの測定用組成物にカタラーゼを含有せし
めることが好ましく、その他、非イオン系界面活
性剤、例えばトリトンX―100(商品名)を含有せ
しめて測定用組成物となしてもよく、また一般に
中性ないし弱アルカリ性の水または緩衝液を用い
て溶液となしてもよい。さらにこの測定用組成物
を脂肪酸エステルから酵素活性に基いて遊離され
る脂肪酸の測定のために用いる場合には、脂肪酸
エステルまたは脂肪酸エステルに作用して脂肪酸
を遊離せしめる酵素活性を有する成分を脂肪酸遊
離のための試薬として、あらかじめこの測定用組
成物に加えておいてもよい。例えばリパーゼ活性
測定用組成物においては、前記の測定用組成物に
グリセライド、好ましくはモノグリセライドまた
はジグリセライド、さらに好ましくはアルブミン
をも添加したものとして調整すればよい。またト
リグリセライド測定用組成物としては、例えばリ
パーゼ活性を含有する成分と前記の測定用組成物
に添加して調整すればよい。さらに例示すれば、
レシチンである脂肪酸エステルの含有物を前記測
定用組成物に添加してなるホスホリパーゼA1
性、ホスホリパーゼA2活性またはホスホリパー
ゼB活性測定用組成物、リゾレシチンである脂肪
酸エステルの含有物を前記測定用組成物に添加し
てなるリゾホスホリパーゼ活性測定用組成物、ホ
スフアチジン酸である脂肪酸エステル含有物およ
びリパーゼ活性を有する酵素の含有物を前記測定
用組成物に添加してなるホスフアターゼ活性測定
用組成物、レシチンである脂肪酸エステルおよび
リパーゼ活性を有する酵素の含有物を前記測定用
組成物に添加してなるホスホリパーゼC活性測定
用組成物、レシチンである脂肪酸エステルおよび
ホスフアチジン酸ホスフアターゼ活性とリパーゼ
活性を有する酵素の含有物を前記測定用組成物に
添加してなるホスホリパーゼD活性測定用組成
物、アシルコリンである脂肪酸エステルの含有物
を前記測定用組成物に添加してなるコリンエステ
ラーゼ活性測定用組成物、ステロールエステルで
ある脂肪酸エステルの含有物を前記測定用組成物
に添加してなるコレステロールエステラーゼ活性
測定用組成物、ホスホリパーゼA1活性、ホスホ
リパーゼA2活性、ホスホリパーゼB活性、ホス
ホリパーゼC活性とリパーゼ活性、または、ホス
ホリパーゼD活性とホスフアチジン酸、ホスフア
ターゼ活性とリパーゼ活性を有する酵素の含有物
を前記測定用組成物に添加してなるレシチン測定
用組成物、リゾホスホリパーゼ活性を有する酵素
の含有物を前記測定用組成物に添加してなるリゾ
レシチン測定用組成物、コレステロールエステラ
ーゼ活性を有する酵素の含有物を添加してなるコ
レステロールエステル測定用組成物、コレステロ
ールおよびレシチンを含有する脂肪酸エステルと
コレステロールエステラーゼ活性またはリゾホス
ホリパーゼ活性を有する酵素の含有物とを前記測
定用組成物に添加してなるレシチンコレステロー
ルアシルトランスフエラーゼ活性測定用組成物、
レシチンである脂肪酸エステルとレシチンコレス
テロールアシルトランスフエラーゼ活性とコレス
テロールエステラーゼ活性またはリゾホスホリパ
ーゼ活性を有する酵素の含有物とを前記測定用組
成物に添加してなるコレステロール測定用組成物
などが挙られる。 次いでこのようにして得られた測定用組成物を
用いて、種々の被検液中の脂肪酸を測定するので
あるが、まず用いられる被検液の量としては通常
5μl以上を用いて、測定用組成物の通常1ml以上
の溶液に加えればよく、またその際の反応条件と
しては、例えば反応温度は通常37℃近辺にて行な
えばよい。また反応時間としては特に限定される
ものでなく、反応時間は長時間とする方がより高
感度に変化を生ずるもので、通常1分以上であれ
ばよく、好ましくは5〜10分間程度である。さら
に反応媒体としては用いる各酵素活性の安定PH域
の媒体であればよく、通常弱酸性ないし弱アルカ
リ性、例えば水分やPH6.5〜8のリン酸緩衝液、
トリス―HCl緩衝液、イミダゾール―HCl緩衝
液、ジメチルグリタール酸―NaOH緩衝液、ピ
ペス(PIPES)―NaOH緩衝液が用いられる。 このようにして反応せしめた後反応において検
出できる変化を測定するのであるが、この検出で
きる変化とは、1回のβ酸化サイクルにて少なく
とも1分子の成分を消費するか、または生成する
成分の変化である。簡便には反応に用いられる
NADから反応工程によつて生成される還元型
NADの量の変化を検出し、定量測定する。この
還元型NADの測定手段としては、例えば用いる
NADに特異的吸収波長でなく、還元型NADに特
異的吸収波長である吸収波長域の波長に基いて吸
光度測定すればよい、NADは260nm近辺に特異
的極大吸収波長を有し、還元型NADは260nm近
辺および340nm近辺に特異的極大吸収波長を有す
るもので、それ故還元型NADの測定のための特
異的吸収波長である吸収波長域としては320nm〜
360om近辺であり、好ましくは340nm近辺の波長
である。この波長により、生成される還元型
NADの量を検出できる変化として測定する。さ
らに還元型NADの測定手段としては、還元型
NADの水素原子の受容能を有する水素原子伝達
系色原体の発色による方法を挙られる。この還元
型NADの水素原子の受容能を有する水素原子伝
達系色原体としてはINT、MTT、Neo―TB、
NTB、TNTBやTBなどの水溶性テトラゾリウ
ム塩などの電子受容体が用いられ好ましくは水溶
性テトラゾリウム塩とともにジアホラーゼやフエ
ナジンメトサルフエートを用いてその電子伝達を
良好にせしめたものを用いればよい。この水素伝
達系色原体をあらかじめ前記の測定用組成物に添
加して用いてもよく、または反応後に添加しても
よく、反応後に生成する還元型NADはこの水素
原子伝達系色原体と反応して色の変化を生ぜし
め、この色調の変化をその吸光波長により吸光度
を測定すればよい。さらにまたこの還元型NAD
の測定手段として、この還元型NADを基質とす
る酵素、例えば還元型NAD・オキシダーゼを用
いてこの酵素反応に基いて変化する成分を測定す
ればよく、好ましくは公知の固定化手段により固
定化酵素として加工せしめ、この固定化酵素を酸
素電極などに具備せしめた還元型NAD・オキシ
ダーゼ酵素電極を用いることにより、反応系に生
成した還元型NADに作用して消費される酵素の
量を電気的に測定することによる還元型NADの
測定方法も利用できる。さらにこの測定された還
元型NADの量に基いて、脂肪酸含量が算出され、
されにこの脂肪酸含量から被検液中の脂肪酸エス
テルの含量または酵素活性の値が算出される。さ
らに検出できる変化の測定としては、測定用組成
物に用いられる試薬における反応において消費さ
れるCoASHの成分の量、または反応において生
成されるアセチル―CoAなどの成分の量を測定
してもよい。 このようにして、本発明の測定法および測定用
組成物は、簡便かつ極めて高感度にて測定し得る
もので、さらに脂肪酸を遊離せしめる種々の被検
液中の成分の測定のために利用できる良好なもの
であり、例えば膵臓機能の検査の1つとしての血
清リパーゼ活性の測定において、簡便に、また高
感度にて正確に測定し得るものである。 次いで本発明の実施例および酵素の製造例を挙
げて具体的に述べるが、本発明はこれらによつて
何んら限定されるものではない。 実施例 1 〔各種脂肪酸の定量〕 ・ 0.2M ピペス―NaOH緩衝液(PH7.3)
0.5ml ・ 10mM NAD 0.2ml ・ 10mM MgCl2 0.3ml ・ 10mM ATP 0.3ml ・ 3%トリトンX―100 0.1ml ・ 10mM CoASH 0.2ml ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性含有液
(40U/ml;東洋醸造社製LotNo.656)
0.02ml ・ アシル―CoA・オキシターゼ活性含有液
(400U/ml;東洋醸造社製LotNo.654;後述の
アシル―CoA・オキシターゼの製造例参照)
0.02ml ・ カタラーゼ(150U/ml;シグマ社製)
0.05ml ・ 複合活性酵素活性含有物(エノイル―
CoA・ヒドラターゼ活性400U/ml、3―ヒ
ドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性200U/ml、3―ケトアシル―CoAチオ
ラーゼ活性163U/ml;東洋醸造社製;後述
の複合活性酵素の製造参照) 0.05ml 蒸留水 1.26ml 計 3.00ml 上記の組成を有する測定用組成物を調整した。
この測定用組成物3.00mlに、2mMの各種脂肪酸
を含有する被検液25μl(脂肪酸含量0.05μmole)を
加えて、37℃で5分間反応せしめた後、生成され
た還元型NADの量を波長340nmにて吸光度
(OD340nm)を測定した。 その結果、第3表に示す通りであつた。 【表】 上記のリノール酸およびリノレン酸を基質とし
た場合、用いた複合活性酵素活性含有物中にエピ
メラーゼが混入していないトヨパールHW―60の
ゲル過後の精製された複合活性酵素の凍結乾燥
物を用いた結果、リノール酸の場合OD340on
4.10、リノレン酸の場合OD340on=0.405であつ
た。 その結果、被検液中の脂肪酸の炭素数に応じて
極めて良好な吸光度増加の比例関係にて測定し得
たものであつた。 実施例 2 〔脂肪酸〔オレイン酸)の定量〕 実施例1と同一組成を有する測定用組成物3.00
mlを用い、これにオレイン酸0.01μmole、
0.02μmole、0.03μmole、0.04μmole、および
0.05μmoleを含有する被検液20μlを加えて、37℃
で5分間反応せしめ、次いで生成された還元型
NADの量を波長340nmにて吸光度測定した。そ
の結果、第4図中●―●で示される定量曲線を得
た。 また対照として、Analytical Biochemistry,
98,341(1979)に記載の従来法に基いて、オレイ
ン酸を含有する被検液を用いて測定(ただし、吸
光度の減少値である)した結果、第4図中〇―〇
にて示される定量曲線を得た。 その結果、本発明の定量曲線は、従来法のそれ
に比べ高感度にて測定され得たことが明らかであ
る。 実施例 3 〔脂肪酸(オレイン酸)の定量〕 ・ 0.2M ピペス―NaOH緩衝液(PH7.3)
0.5ml ・ 10mM NAD 0.2ml ・ 10mM MgCl2 0.2ml ・ 10mM ATP 0.2ml ・ 10%トリトンX―100 0.2ml ・ 10mM CoASH 0.2ml ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性含有物
(40U/ml、LotNo.656) 0.02ml ・ アシル―CoA・オキシターゼ活性含有物
(400U/ml、LotNo.654) 0.02ml ・ 複合活性酵素活性含有物(エノイル―
CoA・ヒドラターゼ活性400U/ml、3―ヒ
ドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性200U/ml、3―ケトアシル―CoA・チ
オラーゼ活性163U/ml) 0.01ml ・ カタラーゼ(150U/ml) 0.5ml ・ ジアホラーゼ(30U/ml;東洋醸造社製)
0.1ml ・ 0.25%NTB 0.2ml ・ 蒸留水 1.10ml 計 3.00ml 上記組成を有する測定用組成物を調整した。こ
の測定用組成物3.00mlを用い、これにオレイン酸
0.005μmole、0.01μmole、0.015μmole、
0.02μmole、0.025μmoleを含有する被検液20μlを
加えて、37℃で10分間反応せしめ、反応によつて
生成した還元型NADの量に応じて生成した青紫
色の発色を波長550nmにて吸光度(OD550nm)
を測定した。 その結果、第5図●―●で示される定量曲線を
得た。 また対照として、Analytical Biochemisty,
108,6(1980)に記載の従来法に基いて、オレイ
ン酸を含有する被検液を用いて測定〔ただし、波
長505nmによる吸光度(OD505nm)測定である〕
した。その結果、第5図中〇―〇にて示される定
量曲線を得た。 その結果、本発明の定量曲線は、従来法のそれ
に比べ極めて高感度に測定され得たことが明らか
である。 実施例 4 〔リパーゼ活性(血清リパーゼ活性)測定〕 ・ 0.2M ピペス―NaOH緩衝液(PH7.3)
0.2ml ・ 10mM NAD 0.15ml ・ 10mM MgCl2 0.15ml ・ 10mM ATP 0.15ml ・ 2%トリトンX―100含有10mM1、2―ジオ
レイルグリセライド 0.10ml ・ 10mM CoASH 0.15ml ・ 2M KCl 0.1ml ・ 5%牛血清アルブミン 0.1ml ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性含有物
(40U/ml;LotNo.656 0.2ml ・ アシル―CoA・オキシターゼ活性含有物
(400U/ml;LotNo.654) 0.02ml ・ 複合活性酵素活性含有物(エノイル―
CoA・ヒドラターゼ活性400U/ml、3―ヒ
ドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性200U/ml、3―ケトアシル―CoA・チ
オラーゼ活性163U/ml) 0.05ml ・ カタラーゼ(150U/ml) 0.05ml 蒸留水 0.08ml 計 1.5ml 上記組成を有する測定用組成物を調整した。こ
の測定用組成物1.5mlに、人血清50μlを加え37℃
にて反応せしめ、反応後逐次反応液中に生成され
る還元型NADの量を波長340nmにて吸光度
(OD340nm)の測定をした。 この結果、第4表に示す通りであつた。 【表】 この測定の結果、用いたジグリセライドと血清
リパーゼ活性とに基くジグリセライドから遊離さ
れた脂肪酸が反応する前に、血清中に存在する遊
離の脂肪酸が反応したことが明らかであり、また
この血清中に存在する遊離の脂肪酸は反応時間7
分間の反応で終了したものと認められる。この時
点次後の吸光度の増加が用いたジグリセライドと
血清リパーゼ活性とに基くジグリセライドから遊
離された脂肪酸の反応による還元型NADの量で
あり、従つて反応開始後8分から13分の5分間の
吸光度の増加により、リパーゼ活性を求めた結
果、3.44U/lであつた。 なおリパーゼ活性の算出式は次式に基いたもの
である。 リパーゼ活性(U/l)=△OD×1/6.2×(β酸化
サイクル数)×1/1.5×1000/50×1/5×1000 (ただし△ODは反応開始13分後のOD340nmか
ら反応開始8分後のOD340nmの差を示し、β―
酸化サイクル数は7である。) また血清リパーゼ活性の測定において、上記の
測定用組成物の組成中リパーゼ活性の基質である
グリセライド無添加の組成物を調整し、これを用
いて血清リパーゼ活性測定用被検液を加えて血清
中に存在する遊離の脂肪酸を消去せしめた後、本
発明の上記測定用組成物を用いることにより血清
中の遊離脂肪酸による影響なく、リパーゼ活性の
測定ができる。 実施例 5 〔トリグリセライド測定用組成物〕 ・ 0.2M リン酸緩衝液(PH7.5) 0.5ml ・ 10mM NAD 0.3ml ・ 10mM MgCl2 0.4ml ・ 10mM ATP 0.3ml ・ 3%トリトンX―100 0.1ml ・ 10mM CoASH 0.4ml ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性含有物
(40U/ml、LotNo.656) 0.03ml ・ アシル―CoA・オキシダーゼ活性含有物
(400U/ml、LotNo.654) 0.03ml ・ 複合活性酵素活性含有物(エノイル―
CoA・ヒドラターゼ活性400U/ml、3―ヒ
ドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
活性200U/ml、3―ケトアシル―CoA・チ
オラーゼ活性163U/ml 0.07ml ・ カタラーゼ(150U/ml) 0.07ml ・ リパーゼ活性(10000U/ml;東洋醸造社製)
0.03ml ・蒸留水 0.77ml 計 3.00ml 上記組成を有する測定用組成物をトリグリセラ
イド用測定用組成物とした。 このトリグリセライド測定用組成物は、血清
30μlを前記実施例1記載の測定用組成物と同一の
組成を有する血清中の遊離脂肪酸の消去のための
組成物に加えて37℃、10分間反応せしめた後、そ
の1ml(血清相当量10μl)を分取し、これを被検
液として加えて波長340nmにて吸光度の増加を測
定するか、または血清10μlを直接加えて反応開始
10分以後の波長340nmにおける吸光度の増加を測
定するに用いられる。 実施例 6 〔ホスホリパーゼA1活性、ホスホリパーゼA2
性またはホスホリパーゼB活性測定用組成物〕 実施例1記載の測定用組成物において、蒸留水
1.26mlの代りに、10mMレシチン溶液0.2mlおよび
蒸留水1.06mlを用いて測定用組成物となす。 実施例 7 〔リゾホスホリパーゼ活性測定用組成物〕 実施例1記載の測定用組成物において、蒸留水
1.26mlの代りに、10mMリゾレシチン溶液0.2mlお
よび蒸留水1.06mlを用いて測定用組成物となす。 実施例 8 〔ホスフアターゼ活性測定用組成物〕 実施例1記載の測定用組成物における蒸留水
1.26mlの代りに、10mMホスフアチジン酸溶液0.2
ml、リパーゼ(10000U/ml)0.05mlおよび蒸留
水0.0mlを用いて測定用組成物となす。 実施例 9 〔ホスホリパーゼC活性測定用組成物〕 実施例5記載のトリグリセライド測定用組成物
における蒸留水0.77mlの代りに、10mMレシチン
溶液0.2mlおよび蒸留水0.57mlを用いて測定用組
成物となす。 本測定用組成物は、グリセライドにも作用する
ために、グリセライドをも含有する被検液を用い
る場合にはグリセライドからの脂肪酸の量との差
を求める。 実施例 10 〔ホスホリパーゼC活性測定用組成物〕 10mMレシチン溶液0.2ml、リパーゼ活性
(5000U/ml)0.08ml、0.2Mリン酸緩衝液(PH
7.5)0.50ml、蒸留水1.22mlを含有する脂肪酸遊離
用反応組成物2.0mlを調整する。 この脂肪酸遊離用反応組成物と、前記実施例1
記載の測定用組成物とを用いてホスホリパーゼC
活性測定用組成物となす。 まず脂肪酸遊離用反応組成物2.0mlに、ホスホ
リパーゼC活性測定用被検液20μlを加えて37℃、
10分間反応せしめ、次いで反応を停止せしめた
後、これを実施例1記載の測定用組成物3.00mlに
加えて37℃で5分間反応せしめ、波長340nmにて
吸光度測定をする。 実施例 11 〔ホスホリパーゼD活性測定用組成物〕 10mMレシチン溶液0.2ml、ホスフアチジン酸
ホスフアターゼ活性(50U/ml;東洋醸造社製)
0.05ml、リパーゼ活性(10000U/ml)0.05ml、
0.2Mトリス・塩酸緩衝液(PH7.5)0.6ml、蒸留水
1.1mlを含有する脂肪酸遊離用反応組成物2.0mlを
調整する。 この脂肪酸遊離用組成物と、前記実施例1記載
の測定用組成物とを用いてホスホリパーゼD活性
測定用組成物となす。 実施例 12 〔コリンエステラーゼ活性測定用組成物〕 実施例1記載の測定用組成物における蒸留水
1.2mlの代りに、2mMパルミトイル―コリンエス
テル溶液0.2mlおよび蒸留水1.06mlを用いて測定
用組成物となす。 実施例 13 〔コレステロールエステラーゼ活性測定用組成
物〕 実施例1記載の測定用組成物における蒸留水
1.26mlの代りに、5mM3―オレオイル―コレステ
ロールエステル溶液0.2mlおよび蒸留水1.06mlを
用いて測定用組成物となす。 実施例 14 〔レシチンコレステロールアシルトランスフエラ
ーゼ活性測定用組成物〕 5mMコレステロール溶液0.2ml、5mMレシチ
ン溶液0.2ml、リゾホスホリパーゼ活性(80U/
ml)含有物0.05mlおよび0.3%トリトンX―100含
有の0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)1.55mlを含有す
る脂肪酸遊離用反応組成物2.0mlを調整する。 この脂肪酸遊離用組成物と、前記実施例1記載
の測定用組成物とを用いてレシチンコレステロー
ルアシルトランスフエラーゼ活性測定用組成物を
なす。 実施例 15 〔コレステロールエステル測定用組成分〕 実施例1記載の測定用組成物における蒸留水
1.26mlの代りに、コレステロールエステラーゼ活
性(350U/ml;東洋醸造社製)含有物0.2mlおよ
び蒸留水1.06mlを用いてコレステロールエステル
測定用組成物となす。 〔複合活性酵素の製造例〕 500ml容三角フラスコに100mlの培地(培地組
成:ペプトン1.5%、粉末酵母エキス0.5%、
KCl0.2%、NaCl0.1%、K2HPO40.1%、
MgSO40.05%、オレイン酸0.75%、PH7.0;15本
分)を入れ、120℃で加圧滅菌した後30℃にて、
シユードモナス・フラギ・B―0771(FERM―P
No.5701)を接種し、ロータリーシエーカーにて20
時間培養した。次いでこの培養物を併合し、
5000rpm、20分間遠心分離して培養菌体を得た。
さらに得られた菌体を1.50mgリゾチーム含有
10mMリン酸緩衝液(PH7.0)360mlに加えて可溶
性の粗製の複合活性酵素含有液(3―ヒドロキシ
アシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性にて、こ
の比活性は3.0U/mgであつた。)340mlを得た。 得られた粗製の複合活性酵素290mlを氷槽中冷
却後、予め−20℃に冷却したアセトン290mlを添
加し、生じた沈澱物を回収し、これを1MKCl含
有10mMトリス―塩酸緩衝液(PH7.5)に溶解し、
さらに12000rpm、10分間遠心分離して不溶物を
除去した。得られた上清液の45mlを分取し、これ
に22.5mlの飽和硫安溶液(PH7.0)を添加し、生
じた沈澱物を1200rpm、10分間遠心分離にて除去
した。次いで得られた上清液57mlに、さらに飽和
硫安溶液28mlを加えて沈澱せしめた。この沈澱物
を回収した後、1MKCl含有10mMトリス―塩酸
緩衝液(PH7.5)の10mlに溶解し、10mMトリス
―塩酸緩衝液(PH7.5)2.0lに対して4℃で20時間
セルロースチユーブにて透析脱塩し、次いでこれ
を凍結乾燥して、複合活性酵素粉末(3―ヒドロ
キシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性にて、
その比活性は18.2U/mgであつた)77mgを得た。 さらに得られた複合活性酵素粉末(3―ヒドロ
キシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性にて、
その比活性は18.2U/mgであつた。)77mgを20ml
の水に溶解し、これを、10mMトリス―塩酸緩衝
液(PH7.5)で平衝化したDEAE―セフアロース
CL―6B(フアルマシア社製)のカラム(3×11
cm)にチヤージして吸着せしめ、同上緩衝液にて
カラムを洗浄した。次いで500mlの同上緩衝液と
0.4MKClを含んだ同上緩衝液500mlにて作製した
直線濃度勾配法による溶出を行なつた。52ml/時
間の流速で、9mlづつ分取し、各分画の酵素活性
を測定し、その活性画分(No.71〜80)90mlを得た
(3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナー
ゼ活性にて、その比活性は30・0U/mgであつ
た)。さらにこの活性画分を、10mMリン酸緩衝
液(PH7.5)2lに対して透析した後、ハイドロキ
シアパタイトゲルを充填したカラム(2×10cm)
にチヤージして吸着せしめた。300mlの10mMリ
ン酸緩衝液(PH7.5)と300mlの05Mリン酸緩衝液
(PH7.5)とにて作製した直線濃度勾配法により溶
出を行なつた。33ml/時間の流速で5mlづつ分取
し、各分画の酵素活性を測定し、活性画分(No.46
〜62)85mlを得た(エノイルアシル―CoA・ヒ
ドラターゼ活性の比活性は210・3U/mg、3―ヒ
ドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ活性
の比活性は105U/mg、3―ケトアシル―CoA・
チオラーゼ活性の比活性は85.6U/mgであつた)。
次いでこの活性画分を、限外過膜(アミコン社
製XM―50)を用いて濃縮後、これを、トヨパー
ルHW―60(東洋曹達社製)を充填したカラム
(1.1×90cm)にチヤージしてゲル過した(溶
媒:10mMトリス―塩酸緩衝液PH7.5、
0.5MKCl)。3.5mlづつ分取し、活性画分(No.23〜
27)17.5mlを得、これを凍結乾燥して精製された
複合活性酵素を得た(3―ヒドロキシアシル―
CoA・デヒドロゲナーゼ活性にて、その比活性
は110U/mgであつた。収量20mg)。 〔アシル―CoA・オキシダーゼの製造例〕 オレイン酸1%、酵母エキス0.25%、ペプトン
1%、KC10.2%、K2HPO40.1%、MgSO4
7H2O0.05%、消泡剤(デイスフオームBC―
51Y)0.2%よりなる組成の培地10mlを滅菌後試
験管に入れ、これにアースロバクター・エス・ピ
ー・B―0720菌株を接種し、30℃にて一晩振盪培
養して種菌を得た。次いでこれを上記と同一組成
の培地5lを有する8l容ジヤーフアーメンターに移
種し、30℃、20時間600rpm、5l/分の条件下通
気撹拌培養した。培養終了後、培養物を遠心分離
してその菌体を得、これを、1lの10mMリン酸緩
衝液(PH7.0)、2mMEDTA、0.5mg/mlリゾチー
ムに懸濁し、37℃にて60分間撹拌し、処理後オキ
シリボヌクレアーゼ5mgを添加してさらに10分間
撹拌した後、10000rpmにて20分間遠心した。得
られた上清液に、200mlのアセトンを加えて遠心
した後、さらに上清に、1.8lのアセトンを加え
た。次いでこれを遠心してその沈澱物を得、これ
を200mlの10mMリン酸緩衝液(PH7.0)に溶解
し、不溶物を遠心除去し、さらに、飽和硫安を用
いて30〜75%の硫安分画を行ない、得られた沈澱
物を40mlの10mMリン酸緩衝液(PH7.0)に溶解
し、これをアクリルマイドゲル(バイオゲルP―
2;バイオラド社製)のカラムにチヤージして脱
塩した。次いでこれを、リン酸カルシウムゲルの
カラムにチヤージして吸着せしめ、洗浄後0.05〜
0.5Mのリン酸緩衝液(PH7.0)の濃度勾配をつけ
たグラデイエント法で溶出し、その活性画分
(0.45M付近)を回収した。さらに、この画分を
限外過膜(ダイアフローメンブレンPM―10;
アミコン社製)を用いて脱塩濃縮し、次いで凍結
乾燥して、アシルCoA・オキシダーゼ(比活性
5.5U/mg、全活性850U、収率8.5%)を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はシユードモナス・フラギ・B―0771
(FERM―PNo.5701)から得られた複合活性酵素
の3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナ
ーゼ活性の至適PHを示す曲線、第2図は該複合活
性酵素の3―ヒドロキシアシル―CoA・デヒド
ロゲナーゼ活性のPH安定性を示す曲線、第3図は
該複合活性酵素の3―ヒドロキシアシル―
CoA・デヒドロゲナーゼ活性の熱安定性を示す
曲線、第4図は脂肪酸(オレイン酸)の定量曲
線、第5図は脂肪酸(オレイン酸)の定量曲線を
示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 被検液中の成分を定量するに当り、下記の反
    応工程、、、、 脂肪酸をアシル―CoAにする反応工程、 アシルーCoAをデヒドロアシルーCoAにす
    る反応工程、 デヒドロアシルーCoAをヒドロキシアシル
    ーCoAにする反応工程、 ヒドロキシアシルーCoAをケトアシルー
    CoAにする反応工程 ケトアシル―CoAをアシル―CoAにする反
    応工程、 および反応工程において消費される成分または
    生成される成分の少なくとも1成分の量の変化を
    測定する工程において、、およびの反応工
    程が、エノイルーCoA・ヒドラターゼ活性、3
    ―ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
    活性および3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ
    活性の各酵素活性を同一蛋白上に有してなる複合
    活性酵素の酵素活性に基く反応工程であることを
    特徴とする測定法。 2 反応工程において、 反応工程が、脂肪酸とCoASHとATPまたは
    GTPおよびアシル−CoA・シンセターゼ活性
    に基く反応工程、 反応工程が、アシル―CoA、酸素およびア
    シル―CoA・オキシダーゼ活性に基く反応工
    程、 反応工程が、デヒドロアシル―CoA、水お
    よびエノイル―CoA・ヒドラターゼ活性に基
    く反応工程、 反応工程が、ヒドロキシアシル―CoA、
    NADおよび3―ヒドロキシアシル―CoA・デ
    ヒドロゲナーゼ活性に基く反応工程、 反応工程が、ケトアシル―CoA、CoASHお
    よび3―ケトアシル―CoA・チオラーゼ活性
    に基く反応工程である特許請求の範囲第1項記
    載の測定法。 3 複合活性酵素が、シユードモナス・フラギに
    属する複合活性酵素生産菌から得られた酵素であ
    る特許請求の範囲第1項記載の測定法。 4 シユードモナス・フラギに属する複合活性酵
    素生産菌が、シユードモナス・フラギ・B―0771
    菌である特許請求の範囲第3項記載の測定法。 5 反応工程において消費される成分または生成
    される成分の少なくとも1成分の変化を測定する
    工程が、反応工程によつて生成する還元型NAD
    の量を定量する工程である特許請求の範囲第1項
    記載の測定法。 6 生成する還元型NADの量の定量が、NADに
    特異的吸収波長でなく、還元型NADに特異的吸
    収波長である吸収波長域の波長による定量である
    特許請求の範囲第5項記載の測定法。 7 吸収波長域の波長が、320nm〜360nm近辺で
    ある特許請求の範囲第6項記載の測定法。 8 吸収波長域の波長が、340nm近辺である特許
    請求の範囲第7項記載の測定法。 9 生成する還元型NADの量の定量が、還元型
    NADの水素原子の受容能を有する水素原子伝達
    系色原体の発色による定量である特許請求の範囲
    第6項記載の測定法。 10 還元型NADの水素原子の受容能を有する
    水素原子伝達系が、ジアホラーゼおよび水溶性テ
    トラゾリウム塩を含有する水素原子伝達系である
    特許請求の範囲第9項記載の測定法。 11 被検液中の成分が脂肪酸である特許請求の
    範囲第1項ないし第10項のいずれかの項に記載
    の測定法。 12 被検液中の脂肪酸が、脂肪酸エステルの含
    有物と、その脂肪酸エステルに作用して脂肪酸を
    遊離せしめる酵素活性とにより遊離される脂肪酸
    である特許請求の範囲第11項記載の測定法。 13 脂肪酸エステルの測定または酵素活性の測
    定のいずれかの1つの成分の測定である特許請求
    の範囲第12項記載の測定法。 14 脂肪酸エステルがモノグリセライド、ジグ
    リセライドまたはトリグリセライドであり、酵素
    活性がリパーゼ活性である特許請求の範囲第12
    項または第13項記載の測定法。 15 アルブミンを添加してなるリパーゼ活性測
    定法である特許請求の範囲第14項記載の測定
    法。 16 脂肪酸エステルがレシチンであり、酵素活
    性がホスホリパーゼA1活性、ホスホリパーゼA2
    活性またはホスホリパーゼB活性である特許請求
    の範囲第12項または第13項記載の測定法。 17 脂肪酸エステルがリゾレシチンであり、酵
    素活性がリゾホスホリパーゼ活性である特許請求
    の範囲第12項または第13項記載の測定法。 18 脂肪酸エステルがホスフアチジン酸であ
    り、酵素活性がホスフアチジン酸ホスフアターゼ
    活性およびリパーゼ活性である特許請求の範囲第
    12項または第13項記載の測定法。 19 脂肪酸エステルがレシチンであり、酵素活
    性がホスホリパーゼC活性およびリパーゼ活性で
    ある特許請求の範囲第12項または第13項記載
    の測定法。 20 脂肪酸エステルがレシチンであり、酵素活
    性がホスホリパーゼD活性、ホスフアチジン酸ホ
    スフアターゼ活性およびリパーゼ活性である特許
    請求の範囲第12項または第13項記載の測定
    法。 21 脂肪酸エステルがアシルコリンであり、酵
    素活性がコリンエステラーゼ活性である特許請求
    の範囲第12項または第13項記載の測定法。 22 脂肪酸エステルがステロールエステルであ
    り、酵素活性がコレステロールエステラーゼ活性
    である特許請求の範囲第12項または第13項記
    載の測定法。 23 被検液中の脂肪酸が、レシチンとコレステ
    ロールの含有物と、酵素活性がレシチンコレステ
    ロールアシルトランスフエラーゼ活性およびコレ
    ステロールエステラーゼ活性またはリゾホスホリ
    パーゼ活性とにより遊離される脂肪酸である特許
    請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかの項
    に記載の測定法。 24 レシチン、コレステロール、酵素活性のい
    ずれかの1つの成分の測定である特許請求の範囲
    第23項記載の測定法。 25 少なくとも、下記の組成 ・ ATPまたはGTP、 ・ CoA SH、 ・ NAD、 ・ アシル―CoA・シンセターゼ活性の成分 ・ アシル―CoA・オキシダーゼ活性の成分 ・ エノイル―CoA・ヒドラターゼ活性、3―
    ヒドロキシアシル―CoA・デヒドロゲナーゼ
    活性および3―ケトアシル―CoA・チオラー
    ゼ活性の各酵素活性を同一蛋白上に有してなる
    複合活性酵素の成分、 を含有することを特徴とする測定用組成物。 26 測定用組成物において、マグネシウムイオ
    ンを放出する水溶性マグネシウム塩を含有してな
    る測定用組成物である特許請求の範囲第25項記
    載の測定用組成物。 27 脂肪酸測定用組成物である特許請求の範囲
    第25項記載の測定用組成物。 28 少なくとも、脂肪酸エステル、またはその
    脂肪酸エステルに作用して脂肪酸を遊離せしめる
    酵素活性を含有してなる1つの成分の測定用組成
    物である特許請求の範囲第25項または第26項
    記載の測定用組成物。 29 脂肪酸エステルがモノグリセライド、ジグ
    リセライドまたはトリグリセライドであるリパー
    ゼ活性測定用組成物である特許請求の範囲第28
    項記載の測定用組成物。 30 リパーゼ活性測定用組成物がアルブミンを
    含有してなる特許請求の範囲第29項記載の測定
    用組成物。 31 酵素活性がリパーゼ活性である脂肪酸エス
    テル測定用組成物である特許請求の範囲第28項
    記載の測定用組成物。 32 トリグリセライド測定用組成物である特許
    請求の範囲第31項記載の測定用組成物。 33 脂肪酸エステルがレシチンであるホスホリ
    パーゼA1活性、ホスホリパーゼA2活性またはホ
    スホリパーゼB活性測定用組成物である特許請求
    の範囲第28項記載の測定用組成物。 34 脂肪酸エステルがリゾレシチンであるリゾ
    ホスホリパーゼ活性測定用組成物である特許請求
    の範囲第28項記載の測定用組成物。 35 脂肪酸エステルがホスフアチジン酸である
    ホスフアチジン酸ホスフアターゼ活性測定用組成
    物である特許請求の範囲第28項記載の測定用組
    成物。 36 脂肪酸エステルがレシチンおよび酵素活性
    がリパーゼ活性であるホスホリパーゼC活性測定
    用組成物である特許請求の範囲第28項記載の測
    定用組成物。 37 脂肪酸エステルがレシチン、および酵素活
    性がホスフアチジン酸ホスフアターゼ活性および
    リパーゼ活性であるホスホリパーゼD活性測定用
    組成物である特許請求の範囲第28項記載の測定
    用組成物。 38 脂肪酸エステルがアシルコリンであるコリ
    ンエステラーゼ活性測定用組成物である特許請求
    の範囲第28項記載の測定用組成物。 39 脂肪酸エステルがステロールエステルであ
    るコレステロールエステラーゼ活性測定用組成物
    である特許請求の範囲第28項記載の測定用組成
    物。 40 酵素活性がホスホリパーゼA1活性、ホス
    ホリパーゼA2活性、ホスホリパーゼB活性、ホ
    スホリパーゼC活性とリパーゼ活性、または、ホ
    スホリパーゼD活性とホスフアチジン酸ホスフア
    ターゼ活性とリパーゼ活性であるレシチン測定用
    組成物である特許請求の範囲第28項記載の測定
    用組成物。 41 酵素活性がコレステロールエステラーゼ活
    性であるステロールエステル測定用組成物である
    特許請求の範囲第28項記載の測定用組成物。 42 脂肪酸エステルがコレステロールとレシチ
    ンおよび酵素活性がコレステロールエステラーゼ
    活性またはリゾホスホリパーゼ活性であるレシチ
    ンコレステロールアシルトランスフエラーゼ活性
    測定用組成物である特許請求の範囲第28項記載
    の測定用組成物。 43 脂肪酸エステルがレシチン、および酵素活
    性がレシチンコレステロールアシルトランスフエ
    ラーゼ活性およびコレステロールエステラーゼ活
    性またはリゾホスホリパーゼ活性であるコレステ
    ロール測定用組成物である特許請求の範囲第28
    項記載の測定用組成物。 44 複合活性酵素がシユードモナス・フラギに
    属する複合活性酵素生産菌から得られた酵素であ
    る特許請求の範囲第25項記載の測定用組成物。 45 シユードモナス・フラギに属する複合活性
    酵素生産菌が、シユードモナス・フラギ・B―
    0771菌である特許請求の範囲第44項記載の測定
    用組成物。 46 還元型NADの水素原子の受容能を有する
    水素原子伝達系色原体を含有せしめてなる特許請
    求の範囲第25項ないし第45項のいずれかの項
    に記載の測定用組成物。 47 還元型NADの水素原子の受容能を有する
    水素原子伝達系色原体が、ジアホラーゼおよび水
    溶性テトラゾリウム塩の令有物である特許請求の
    範囲第46項記載の測定用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS55108297A (en) * 1979-02-13 1980-08-20 Toyobo Co Ltd Determining method of free fatty acid

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