JPH06113837A - 新規なキサンチンデヒドロゲナーゼ−t酵素、その製造法およびこれを用いた測定法並びに該酵素を含有する分析用組成物 - Google Patents

新規なキサンチンデヒドロゲナーゼ−t酵素、その製造法およびこれを用いた測定法並びに該酵素を含有する分析用組成物

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JPH06113837A
JPH06113837A JP32906491A JP32906491A JPH06113837A JP H06113837 A JPH06113837 A JP H06113837A JP 32906491 A JP32906491 A JP 32906491A JP 32906491 A JP32906491 A JP 32906491A JP H06113837 A JPH06113837 A JP H06113837A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キサンチンオキシダーゼ活性を有さず、アデノ
シン、イノシン、キサントシン、グアノシン、アデニ
ン、グアニン、プリン、チミジンに活性を有さず、これ
らの基質およびヒポキサンチン、キサンチンによつて活
性が阻害されない酵素を用いて、試料中に存在するキサ
ンチンあるいはキサンチンを生成する反応系に係わる基
質もしくは酵素活性の定量を行うものである。 【構成】アデノシン、イノシン、キサントシン、グアノ
シン、アデニン、グアニン、チミジンに対して基質特異
性を示さず、ヒポキサンチン、キサンチンに対して基質
特異性を有し、補酵素としてNAD類および/またはチ
オNAD類を利用して、ヒポキサンチンを基質としてキ
サンチンに酸化して還元型NAD類および/または還元
型チオNAD類を生成するか、またはキサンチンを基質
として尿酸に酸化して還元型NAD類および/または還
元型チオNAD類を生成する反応を触媒せしめるもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アデノシン、イノシ
ン、キサントシン、グアノシン、アデニン、グアニン、
チミジンに対し基質特異性を示さず、少なくともヒポキ
サンチン、キサンチンに対し基質特異性を有する新規な
キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素と、その製造法、
および該酵素を用いた試料中に存在するヒポキサンチン
またはキサンチンもしくはヒポキサンチンまたはキサン
チンを生成する反応系に係わる基質または酵素活性の定
量法並びにそれを含有する分析用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】キサンチンデヒドロゲナーゼは、ヒポキ
サンチンをキサンチンに、キサンチンを尿酸に酸化する
反応を触媒する酵素〔EC.1.2.1.37〕で酸化
反応の際、補酵素としてNAD+ を利用することが知ら
れている。すなわち、試料中に存在するヒポキサンチン
とキサンチン、あるいはヒポキサンチンとキサンチンを
生成する反応系により生成されたヒポキサンチンとキサ
ンチンを酸化する際に等量生成されるNADHを測定す
ることにより、試料中に存在、あるいは生成されたヒポ
キサンチンとキサンチン、あるいはこれらの基質を生成
する反応系に係わる基質もしくは酵素活性を定量できる
(特開昭62−32900号公報)。
【0003】ヒポキサンチンおよび/あるいはキサンチ
ンを生成する反応系に係わる基質としては、アデノシ
ン、アデニン、イノシン、キサントシン、グアノシン、
グアニン等が、酵素としてはアデノシンデアミナーゼ
(EC.3.5.4.4)、グアニンデアミナーゼ(E
C.3.5.4.3)、プリンヌクレオシドホスホリラ
ーゼ(EC.2.4.2.1)、5’−ヌクレオチダー
ゼ等が知られている。
【0004】これらは臨床診断において肝障害のスクリ
ーニングとして有用であり、例えばグアニンデアミナー
ゼの場合は、グアニンを基質として生成されるキサンチ
ンをキサンチンオキシダーゼを用いて酸化し、その時、
生成される過酸化水素を測定する方法が汎用されてい
る。
【0005】また、アデノシンデアミナーゼの場合は、
反応で生成されるアンモニアを、グルタミン酸デヒドロ
ゲナーゼを用いてα−ケトグルタル酸と還元型NADP
の存在下、還元型NADPの減少を測定する方法が汎用
されている。しかし、キサンチンオキシダーゼを用いた
グアナーゼ活性測定は試料中のアスコルビン酸等の還元
物質の影響を受けやすく、また、グルタミン酸デヒドロ
ゲナーゼを用いたアデノシンデアミナーゼ活性測定は、
試料中に存在するアンモニアの影響を回避できないとい
う、それぞれ大きな問題点を有していた。
【0006】キサンチンデヒドロゲナーゼは鳥、ラツト
肝臓由来の酵素〔J.Biol .Chem.,242
(18);4097(1967)〕が代表的なものとし
て知られているが、その他微生物に由来するものとして
は、ストレプトミセス属〔Agr.Biol .Che
m.,41;1161(1977),J.Bioche
m.,86,45(1979)〕,ミクロコツカス属
〔J.Biol .Chem.,242,4108(19
67)〕、ノイロスポラ属〔J.Biol .Che
m.,253,2604(1978)〕、シュウドモナ
ス属〔Biochim.Biophys.Acta,4
10,12(1975)〕、ノルカルデイオイデス属あ
るいはノカルデイア属(特開昭61−170386号公
報)のものが知られている。
【0007】しかし、これらの酵素は基質特異性に問題
がある。即ち、ストレプトミセス属の酵素はグアニンに
活性を有し、ミクロコツカス属およびシユウドモナス属
の酵素は、プリンに活性を有するばかりか本質的にオキ
シダーゼ活性を有している。ノイロスポラ属の酵素は、
低濃度のヒポキサンチンとキサンチンによつて活性が阻
害され、ノカルデイオイデス属あるいはノカルデイア属
の酵素は、イノシンに活性を有していることが知られて
いる。このように、既知のキサンチンデヒドロゲナーゼ
はそれぞれ問題点を抱えており実用されるに至つていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】キサンチンオキシダー
ゼ活性を有さず、少なくともアデノシン、イノシン、キ
サントシン、グアノシン、アデニン、グアニン、プリ
ン、チミジンに活性を有さず、これらの基質およびヒポ
キサンチン、キサンチンによつて活性が阻害されない新
規なキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を見出し、本
発明酵素を用いて試料中に存在するキサンチンあるいは
キサンチンを生成する反応系に係わる基質もしくは酵素
活性の定量を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】人の血液中には、アデノ
シン、イノシン、キサントシン、グアノシン、アデニ
ン、グアニン、プリン等が存在し、例えばイノシンは約
0.1mM、アデノシンは約0.3mM存在しているこ
とが知られている〔Clin.Chem.,36
(1),81(1990)〕。従前のキサンチンデヒド
ロゲナーゼを用いて、例えば血液中のヒポキサンチンや
キサンチンを測定しようとした場合には、上述の基質の
存在は正誤差として問題になつてくる。
【0010】特に、ノカルデイオイデス属あるいはノカ
ルデイア属のキサンチンデヒドロゲナーゼは、イノシン
に対して約7%の相対活性(キサンチンに対して)を示
すので、生体内成分中にはイノシン含量が高いために大
きな測定誤差を与えるという欠点があり、測定系に使用
し得ない。
【0011】また、グアニンデアミナーゼやアデノシン
アミナーゼ活性を測定しようとした場合には従前のキサ
ンチンデヒドロゲナーゼがアデノシンやグアニンに活性
を有していろときには実用に供することはできない。こ
れらの問題点を解決するために広く自然界よりスクリー
ニングしたところ、目的とする性能を有するキサンチン
デヒドロゲナーゼ−T酵素を生産する菌株を発見し、本
発明を完成するに至つた。
【0012】即ち、本発明は、細菌性桿菌に属し、キサ
ンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素生産菌、細菌−No.
197(10)〔Bacteria No.197(1
0)に関するものである。従つて本発明は細菌性桿菌、
細菌−No.197(10)であつて、キサンチンデヒ
ドロゲナーゼ−T酵素生産能を有する微生物を培地に培
養し、培養物中にキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素
を生成蓄積し、これよりアデノシン、イノシン、キサン
トシン、グアノシン、アデニン、グアニンに実質的に作
用しないキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を採取す
ることにより得られる新規なキサンチンデヒドロゲナー
ゼ−T酵素、その製造法およびそれを用いた基質あるい
は酵素活性の定量法並びにその酵素を含有する分析用組
成物に関する。
【0013】本発明で使用するアデノシン、イノシン、
キサントシン、グアノシン、アデニン、グアニンに実質
的に作用しないキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素
は、好ましくは細菌性桿菌に属する本菌株、細菌No.
197(10)(微工研条寄第3664)より得られる
が、本発明酵素を生産する能力を有するものであればい
ずれの菌株から得てもよいが、例えば本発明者らが三重
県度合郡南島町の土壌より分離した細菌性桿菌に属する
細菌−No.197(10)が挙げられ、この菌株は本
発明に最も有効に使用される菌株の一例であつて、本菌
株の菌学的性質を示すと次の通りである。
【0014】尚、本菌株の同定に当たつては、同定試験
は医学細菌同定の手引き(第2版)、Microbio
logical Methods(1974)に準じて
行い、実験結果をBergey’s Manual o
f systematicBacteriologic
al Vol.1(1984)、同誌,Vol.2(1
986)、同誌,Vol.3(1989)などと対比し
て同定を行つた。
【0015】(1)生育の特徴 普通寒天斜面培地 線状に良好に生育する。灰白色〜淡黄土色を呈する。可
溶性色素は産生しない。 普通寒天平面培地 円形で丘状の集落を形成する。表面は滑らかで、光沢が
あり湿潤である。灰白色〜淡黄土色を呈するが、可溶性
色素は産生能しない。 液体培地(ペプトン水) 生育良好で一様に混濁し、薄い皮膜を形成する。 リトモスミルク培地 アルカリになる。
【0016】(2)DNAのGCmol % 60〜60.2 (3)主たるイソプレノイドキノン Q−10 (4)形態的特徴 端の丸いまっすぐまたはやや曲がった桿状細菌で、単独
または二連、たまに短連鎖する。大きさは0.3〜0.
5×0.5〜1.0umで極毛、双極毛または周毛で運
動する。芽胞非形成で多形性はない。Y字形に配列する
ときがある。
【0017】(5)生理・生化学的性質〔+;陽性、
(+);弱陽性、−;陰性、NT;未実施〕 グラム染色 + KOH反応 − 抗酸性染色 − カプセル形成 − OFテスト(hugh−Leifson) NT
【0018】 OFテスト(N源にNH4 2 PO4 ) O(酸化) 好気での生育 + 嫌気での生育 − 生育温度 42℃ − 37℃ − 30℃ + 20℃ + 10℃ NT 食塩耐性 0% + 1.5% + 3.0% − 生育pH 5.7 − 6.7 + 9.0 + 10.0 − ゲラチン分解 − デンプン分解 − カゼイン分解 −
【0019】 エスクリン分解 + セルロース分解 − チロシン分解 − tween80分解 − アルギニン分解 NT カタラーゼ産生 + オキシダーゼ産生 + レシチナーゼ産生 − ウレアーゼ産生(SSR) −
【0020】 ウレアーゼ産生(Chris.) + インドール産生 − 硫化水素産生(lead acetate paper) + アセトイン産生(K2 HPO4 ) − アセトイン産生(NaCl ) − MRテスト − 硝酸塩還元テスト(ガス産生) − (NO2 - の検出) − (NO3 - の検出) +
【0021】シモンズ培地での利用性(アルカリ産生) クエン酸塩 + リンゴ酸塩 + マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 +
【0022】 クリステンゼン培地での利用性(アルカリ産生) クエン酸塩 + リンゴ酸塩 + マレイン酸塩 − マロン酸塩 − プロピオン酸塩 − グルコン酸塩 − コハク酸塩 + グルコースよりのガス産生 −
【0023】糖よりの酸の産生 アドニトール + L(+)アラビノース + セロビオース + ズルシトール + メソエリスリトール − フラクトース + Dガラクトース + Dグルコース + グリセリン + イノシトール + イヌリン −
【0024】 ラクトース (+) マルトース + マンニトール + マンノース + メレジトース − メリビオース + ラフイノース − L(+)ラムノース +
【0025】 Dリボース + サリシン − L−ソルボース + ソルビトール + スターチ − サツカロース + トレハロース + Dキシロース +
【0026】以上の通り、本菌株−No.197(1
0)の主性状は、グラム陽性の桿状細菌で、周鞭毛で運
動する。グルコースを酸化的に分解し、酸を産生する。
カタラーゼ・オキシダーゼ産生、主たるイソプレイノイ
ドキンはユビキノン−10(Q−10)。DNAのGC
mol は、60〜60.2%である。
【0027】本菌株−No.197(10)はグラム陽
性細菌なのに、キノン型は、ユビキノン(Q−10)で
ある。含有するイソプレノイドキノンの種類の決定は、
細菌の分類に有用であることが判つているため、イソプ
レノイドキノンの種類とそのキノンを持つ菌を大まかに
下記表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】一部キノンには還元型のキノンが知られて
いる。表1よりグラム陽性細菌はメナキノンを含有する
が、ユビキノンを含有する菌属の報告はない。故に、本
菌の主性状と一致する菌属の記載はないので、本菌株を
公知のものと区別するため、細菌−No.197(1
0)株と命名し、工業技術院微生物工業技術研究所の受
託番号微工研条寄第3664号(FERM BP−36
64)として寄託した。
【0030】本発明の新規なキサンチンデヒドロゲナー
ゼ−T酵素生産菌を用いた該酵素の製造のために使用さ
れる培地としては、炭素源、窒素源、無機物、その他の
栄養物より適宜選択して組み合わせれば良いが、本発明
酵素がキサンチンあるいはヒポキサンチンにより誘導的
に生成されることよりキサンチンあるいはヒポキサンチ
ンを培地に添加することが望ましい。
【0031】炭素源としては例えばサツカロース、グル
コース、廃糖密等が挙げられ、窒素源としては例えばペ
プトン、酵母エキス、ブレイン・ハート・フユジョン
(BHI)等が挙げられ、無機物としては例えばナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、モリブデ
ン等の金属塩が使用できる。
【0032】例えば塩析、透析、DEAE−セファロー
ス、Q−セファロース(フアルマシア社製)等のイオン
交換クロマトグラフイー法、オクチル−セファロース等
の疎水クロマトグラフイー法、セフアデツクスG−10
0、セフアクリルS−200等のゲルクロマトグラフイ
ー法などを適宜組み合わせ、高度に精製された本発明酵
素標品を得ることができる。
【0033】本発明によれば、少なくともアデノシン、
イノシン、キサントシン、グアノシン、アデニン、グア
ニン、チミジンの影響を受けずに、試料中に存在するヒ
ポキサンチンおよび/あるいはキサンチン、あるいはヒ
ポキサンチンおよび/キサンチンを生成する反応系に係
わる基質もしくは酵素を含有する試料中の該基質をヒポ
キサンチンおよび/あるいはキサンチンに変換させ、も
しくは該酵素を利用してヒポキサンチンおよび/あるい
はキサンチンを生成させ、存在もしくは生成したヒポキ
サンチンおよび/あるいはキサンチンを補酵素として、
NAD類あるいはチオNAD類の存在下、本発明酵素の
作用により尿酸に分解し、このとき生成される還元型N
AD類あるいは還元型チオNAD類を定量することによ
り基質もしくは酵素活性を定量することができる。
【0034】ヒポキサンチンまたはキサンチンを生成す
る反応系としては、下記が例示されれる。すなわち、
【0035】
【化1】
【0036】反応を実施するに際しては、試料にキサン
チンデヒドロゲナーゼ−T酵素を加えて適当な緩衝液中
で反応させ、生成されてくる還元型NAD類あるいは還
元型チオNAD類の増加量を定量することにより目的物
の定量を行うことができる。
【0037】本発明で用いられるキサンチンデヒドロゲ
ナーゼ−T酵素は、アデノシン、イノシン、キサントシ
ン、グアノシン、アデニン、グアニンに対し実質的に作
用せず(従ってこれらに基質特異性を有しない)、NA
D類、あるいは、チオNAD類の存在下、キサンチンを
分解して化学量論的に還元型NAD類あるいは還元型チ
オNAD類を生成する反応を触媒する酵素であればいず
れも用いることができる。
【0038】最も好ましい酵素の例としては、本発明に
おける酵素キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素であつ
て、細菌性桿菌に属するキサンチンデヒドロゲナーゼ−
T酵素生産菌、細菌No.197(10)によつて製造
される酵素が挙げられる。
【0039】反応に使用される緩衝液としては、リン酸
緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウ
ム緩衝液等が用いられる。反応は20〜60℃、好まし
くは20〜40℃、pH5〜10、好ましくはpH6.5〜
9.5で30秒〜60分行われる。測定される対象が被
験液中のヒポキサンチンまたはキサンチンである場合
は、その被験液中に本発明酵素キサンチンデヒドロゲナ
ーゼ−T酵素を加え、該酵素の作用によりヒポキサンチ
ンまたはキサンチンを分解し、前記した方法により定量
することができる。
【0040】測定される対象がヒポキサンチンまたはキ
サンチンを生成する反応系に係わる物質(基質)である
場合は、これら基質をヒポキサンチンまたはキサンチン
に変換するに必要とされる酵素、基質等を加えてヒポキ
サンチンまたはキサンチンに変換し、キサンチンデヒド
ロゲナーゼ−T酵素の作用によつて分解し、前記した方
法により測定すればよい。
【0041】また、測定される対象がヒポキサンチンま
たはキサンチンを生成する反応系に係わる酵素である場
合は、活性が測定されるべき酵素の基質等を加えてヒポ
キサンチンまたはキサンチンを生成せしめ、これらをキ
サンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素の作用によつて分解
し、前記した方法により測定すればよい。上記した反応
は、各反応工程ごとに一段落ずつ順次行ってもよいが、
各反応段階に必要とされる酵素、基質等を加えて一段階
で反応を行わせることも可能である。
【0042】測定は上記反応により生成した尿酸または
還元型NAD類(還元型チオNAD類)〔以下、NAD
H類(チオNADH類)と称することもある〕の増加
量、あるいは消費されたNAD(チオNAD類)の減少
量などを測定することにより行われ得るが、本発明にお
いては生成したNADH類(チオNADH類)を定量す
ることが最も簡便である。
【0043】NADH類(チオNADH類)の測定は、
それぞれの特異的極大吸収波長、例えばNADH類の場
合は、340nm、チオNADH類の場合は405nm
の吸収量の増加を測定する方法、あるいは色源体と水素
受容体の存在下、ジアホラーゼ等の酵素の作用によつて
色素を生成させ、ホルマザンの発色により着色した反応
液における可視部吸収度を測定する方法、例えばキサン
チンの場合は、ホルマザンの発色を550nmの吸収増
加量を測定する方法、等によればよい。用いられる水素
の受容体としては、メチレンブルー、ニトロブルーテト
ラゾリウム等、公知の受容体が使用可能であり、それら
は市販されている。
【0044】上記したように、本発明においては、ヒポ
キサンチンまたはキサンチンを含有する被験液にNAD
類および/またはチオNAD類の存在下に、本発明の新
規なキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を作用せし
め、次いで反応によつて生じた測定できるNADH類お
よび/またはチオNADH類の量を定量することを特徴
とするヒポキサンチンまたはキサンチンの測定法によつ
て、被験液中に存在するヒポキサンチンまたはキサンチ
ンのみならず、ヒポキサンチンまたはキサンチンを生成
する反応系に係わる基質もしくは酵素活性の測定法も包
含されることに留意されなければならない。
【0045】本発明は、更に上記した測定法を実施する
ために使用される、基質または酵素活性の分析用組成物
に関し、キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を含有す
る分析用組成物である。分析用組成物の例としては、下
記が概略的に例示される。 (1)定量すべき対象が、被験液中に存在するヒポキサ
ンチンまたはキサンチンである場合は、キサンチンデヒ
ドロゲナーゼ−T酵素およびNAD類および/またはチ
オNAD類ならびに反応生成物定量用試薬および緩衝
液。
【0046】(2)定量すべき対象が、ヒポキサンチン
またはキサンチンを生成する反応系に係わる基質または
酵素活性である場合は、該基質をヒポキサンチンまたは
キサンチンに導くのに必要な試薬系、または活性を測定
すべき該酵素の基質およびこの基質をヒポキサンチンに
導くのに必要な試薬系。キサンチンデヒドロゲナーゼ−
T酵素およびNAD類および/またはチオNAD類、な
らびに反応生成物定量用試薬、および緩衝液。
【0047】上記(1)における反応生成物定量用試薬
としては、既に前記したNADH類の定量用のホルマザ
ン発色のための試薬類やその他公知の試薬類が挙げられ
る。上記(2)における定量すべき基質をヒポキサンチ
ンまたはキサンチンに導くのに必要な試薬系としては、
該基質をヒポキサンチンまたはキサンチンに導くのに必
要な酵素が挙げられる。
【0048】この基質としては前記したヒポキサンチン
またはキサンチンを生成する反応系に例示される、各種
基質、すなわち、アデノシン、イノシン、グアノシン、
グアニン等であり、該酵素としては同反応系中に例示さ
れる各種酵素、すなわちアデノシンデアミナーゼ、プリ
ンヌクレオチドホスホリラーゼ、グアナーゼ等の1種も
しくはそれらの組み合わせである。また活性を測定すべ
き酵素の基質およびこの基質をヒポキサンチンに導くの
に必要な試薬系としては上記した基質および酵素から選
択される必要な成分である。
【0049】本発明のキサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素の性状は以下の通りである。 (1)酵素作用 下記式に示すように、ヒポキサンチンおよびNAD+
るいはチオNAD+ からキサンチンおよびNADHある
いはチオNADHを生成する反応を触媒し、次に生成さ
れたキサンチンおよびNAD+ あるいはチオNAD+
ら尿酸およびNADHあるいはチオNADHを生成する
反応を触媒する。
【0050】
【化2】
【0051】 (2)基質特異性 ヒポキサンチン 100% キサンチン 75% 尿酸 0 アデノシン 0 イノシン 0 キサントシン 0 グアノシン 0 アデニン 0 グアニン 0 8−アザキサンチン 0 8−アザグアニン 0
【0052】(3)分子量 トーソー社製TSKゲルG3000SW(0.75×6
0cm)を用いたゲル濾過法により測定した本発明酵素の
分子量は約24万であった。
【0053】(4)等電点 pH3.5〜10.0のキヤリアアンフオライトを用い
た焦点電気泳動より本発明酵素の等電点は4.5であっ
た。
【0054】(5)Km値 本発明酵素のヒポキサンチンに対するKm値は0.14
mM、キサンチンに対しては0.24mM、NADに対
しては0.075mM、チオNADに対しては0.08
mMであった。
【0055】(6)熱安定性 本発明酵素液(0.1u/ml)を40mMリン酸緩衝液
(pH7.5)で調製し、15分間の加熱処理の後に残存
活性を測定した結果は、図1に示される通りであって、
酵素活性は少なくとも40℃までは安定であり、60℃
においても元の89%の活性を保持していた。
【0056】(7)至適温度 100mMトリス塩酸緩衝液(pH8)を用い、35、4
0、45、50、55および60℃の各温度で活性測定
をした結果は、図2に示す通りであって、55℃付近で
最大の活性を有している。
【0057】(8)pH安定性 本発明酵素(0.1u/ml)を40mMの酢酸緩衝液
(pH5.05〜6.12−○−)、リン酸緩衝液(pH
6.12〜8.01−●−)、トリス塩酸緩衝液(pH
7.84〜8.58−△−)およびグリシン−水酸化ナ
トリウム緩衝液(pH8.73〜9.36−□−)の各緩
衝液で調製し、45℃で15分間加熱した後の残存活性
を測定した結果は、図3に示される通りであつて、酵素
活性はpH6.5〜9.5の広いpH範囲で90%以上の活
性を保持している。
【0058】(9)至適pH 後記の酵素活性測定法にしたがい、反応液中の100m
Mトリス塩酸緩衝液(pH8)に換えて100mMのリン
酸緩衝液(pH6.5〜7.5−●−)、トリス塩酸緩衝
液(pH8.0〜9.0−△−)およびグリシン−水酸化
ナトリウム緩衝液(pH9.0〜10.0−□−)の各緩
衝液を用いて反応液を調製し、その活性測定をした結果
は、図4に示される通りであつて、pH8.5付近で最大
の活性を示す。
【0059】(10)キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素の活性に及ぼす金属イオンおよび界面活性剤の影響 反応液の調製 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 1mM NAD 2mM キサンチン 0.02u/ml キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素
【0060】上記反応液で金属塩が10あるいは1mM
になるように反応液を調製し、37℃で反応を行わし
め、その時生成されるNADHのA340nm の増加量を測
定した結果を表1に示した。又、反応液で界面活性剤が
0.5%になるように反応液を調製し、37℃で反応を
行わしめ、その時生成されるNADH340nm の増加量を
測定した結果を表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】(11)キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素の酵素活性測定法 (1)反応液組成 100mM トリス塩酸緩衝液(p
H9.0) 2mM NAD 2mM キサンチン
【0063】(2)酵素活性測定 (1)の反応液1mlを光路長1cmの1ml容石英セルに分
注し、37℃で5分間インキュベイトした後に適当に希
釈した酵素液0.02mlを添加し、反応で生成されるN
ADHの340nmにおける吸光度の変化を経時的に測
定する。 (3)計算式
【0064】
【化3】 6.22:分子吸光係数cm2 /umol 10 :反応時間(分) Z :希釈倍数
【0065】(12)反応液における酵素と補酵素の使
用量 ヒポキサンチンおよび/あるいはキサンチンを測定しよ
うとする場合のキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素の
使用量は、その反応条件によつて適宜調製されればよい
が、0.01〜100u/ml、通常は0.1〜10u/
mlで使用される。また補酵素としてのNADあるいはチ
オNADの使用量は0.01〜10mM、通常は0.1
〜2.0mMで使用される。
【0066】また例えばリン酸イオンの測定を行う場合
には、プリンヌクレオシドホスホリラーゼの使用量は、
その反応条件によつて適宜調製されればよいが、0.0
1〜100u/ml、通常は0.1〜20u/mlで使用さ
れる。
【0067】
【発明の効果】本発明の細菌性桿菌に属する細菌−N
o.197(10)由来のキサンチンデヒドロゲナーゼ
−T酵素はアデノシン、イノシン、キサントシン、グア
ノシン、アデニン、グアニン、チミジンに対して酵素活
性を有さず、既存のキサンチンデヒドロゲナーゼと比べ
て格段に基質特異性が高い。
【0068】即ち、本発明酵素を用いて補酵素としてN
AD類および/あるいはチオNAD類を利用して存在あ
るいは生成されてくるヒポキサンチンおよび/あるいは
キサンチンを尿酸に酸化し、このとき生成されてくるN
ADH類あるいはチオNADH類を測定してなる測定試
薬を使用する場合、試料中に存在するヒポキサンチンあ
るいはキサンチン以外の各種基質の影響を受けることの
無い特異性の高い測定試薬を供給することが可能であ
る。
【0069】また、本発明酵素が、反応によつて生成さ
れるキサンチンに対してもヒポキサンチンと同様に活性
を示すことから、存在あるいは生成されたヒポキサンチ
ンを測定する場合には2倍の感度で測定することができ
る。またNADの代わりにチオNADを使用した場合に
は分子吸光係数が約2倍であることから2倍の感度が得
られる。
【0070】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に述べ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】実施例 1 細菌No.197(10)の培養 キサンチン(ヤマサ醤油社製)1%、K2 HPO4 0.
25%、MgSO4 7H2 O0.05%、酵母エキス
(極東製薬社製)0.1%、BHI(Difco社製)
1%、pH7.0を含む液体培地100mlを500ml容
三角フラスコに分注し、120℃、20分間加熱滅菌し
た後、これに1白金耳の細菌−No.197(10)を
接種し、28℃、120r.p.m.の振とう培養器で
60時間培養し、この50本分の培養液4.5l を得た
(酵素活性0.2u/ml)。
【0072】一方、上記と同様の培地組成20l に消泡
剤として0.05%のデイスフオームCB442(日本
油脂社製)を添加し、30l 容ジャーフアーメンターに
仕込み、加熱滅菌した後、前記で得た種母100mlを移
植し、培養温度28℃、通気量20l /分、内圧0.4
kg/cm2 、攪拌速度200r.p.m.で40時間培養
し、培養物19l を得た(酵素活性0.3u/ml)。
【0073】実施例 2 酵素の分離精製 実施例1で得た培養物19l を遠心分離して集菌し、4
0mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)3l に懸濁し
た。これをダイノミル(Willy A.Bachof
en Maschinenfabrik社製 TYPE
KDL)を用いてホモジネイトし、処理液を遠心分離
して沈澱物を除去し、上清2.9l (酵素活性1.82
u/ml)を得た。
【0074】この粗酵素液を、40mMトリス塩酸緩衝
液(pH8.0)で緩衝化したDEAE−セフアロース
・200mlのカラムに通した後、同様の緩衝液5l で洗
浄した。その後、同様の緩衝液に50、150、20
0、250、300mMのKCl を含んだ緩衝液をそれ
ぞれ400mlずつ流した。キサンチンデヒドロゲナーゼ
−T酵素は、300mMのKCl を含んだ緩衝液で溶出
し、400mlの酵素溶液(酵素活性9.0u/ml)を得
た。
【0075】得られた酵素溶液をAmicon社製24
CENTRIFLO ULTRAFILTRATIO
N MEMBRANE CONES CF25を用いて
40ml(酵素活性85u/ml)に濃縮し、0.3MKC
l を含んだ100mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
で緩衝化したセファアクリルS−200(7.5cm×1
00cm)のカラムを用いて分子篩クロマトグラフイーを
行い、活性画分を集め200ml(酵素活性12u/ml)
の酵素溶液を得ることができた。得られた酵素溶液は2
0mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)10l に対して
一晩透析した後に凍結乾燥して445mg(酵素活性5.
0u/mg)の酵素標品を得ることができた。
【0076】実施例 3 補酵素としてNAD+ を用いたヒポキサンチンの定量 40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mMNA
+ にヒポキサンチンがそれぞれ、0.01、0.0
2、0.03、0.04、0.05mMとなるように反
応液を調製し、本発明酵素を1u/ml添加し、37℃、
5分間の反応の前後に生成されたNADHのA340nm
増加量を測定した。その結果を図5に示した。
【0077】実施例 4 補酵素としてNADを用いたキサンチンの定量 40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mMNA
+ にキサンチンがそれぞれ、0.01、0.02、
0.03、0.04、0.05mMとなるように反応液
を調製し、本発明酵素を1u/ml添加し、37℃、5分
間の反応の前後に生成されたNADHのA340nm の増加
量を測定した。その結果を図6に示した。
【0078】実施例 5 補酵素としてチオNADを用いたヒポキサンチンの定量 40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mMチオ
NADにヒポキサンチンがそれぞれ、0.01、0.0
2、0.03、0.04、0.05mMとなるように反
応液を調製し、本発明酵素を1u/ml添加し、37℃、
5分間の反応の前後に生成されたチオNADHのA
405nm の増加量を測定した。その結果を図7に示した。
【0079】実施例 6 補酵素としてチオNADを用いたキサンチンの定量 40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mMチオ
NADにキサンチンがそれぞれ、0.01、0.02、
0.03、0.04、0.05mMとなるように反応液
を調製し、本発明酵素を1u/ml添加し、37℃、5分
間の反応の前後に生成されたチオNADHのA405nm
増加量を測定した。その結果を図8に示した。
【0080】実施例 7 ホルマザンの発色によるキサンチンの測定 40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mMNA
D、0.2%トリトンX−100、5u/mlジアフォラ
ーゼ(東洋醸造社製)、0.025%ニトロブルーテト
ラゾリウム(和光純薬社製)、本発明酵素1u/mlとな
るように反応液を調製し、その1mlを試験管に分注し、
1、2、3、4、5mMの調製したキサンチンを0.0
1mlづつ添加し、37℃、5分間の反応の後に2mlの
0.1N塩酸を添加して反応を停止し、A550nm を測定
した。その結果を図9に示した。
【0081】実施例 8 イノシン、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP
L)、本発明酵素およびNADを用いたリン酸イオンの
測定40mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)、1mM
NAD、20mMイノシン、10u/mlPNPL、1u
/ml本発明酵素となるように反応液を調製し、1、2、
3、4、5mMの調製したリン酸1カリを0.01mlづ
つ添加し、37℃、5分間の反応の前後に生成されたN
ADHのA340nm の増加量を測定した。その結果を図1
0に示した。なお、PNPLは、以下の方法に基いて調
製した。即ち、PNPLは、バチルス・セレウスIFO
13494をJ.Biol .Chem.,246
(5),1475−1480(1971)に記載されて
いる方法で培養、精製を行い40l 分のジャーファメン
ター液体培養の培養菌体より21000U(酵素活性4
2u/mg)の酵素標品を得ることができた。
【0082】実施例 9 キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を用いたアデノシ
ンデアミナーゼの活性測定 シグマ社製の牛ひ蔵由来のアデノシンデアミナーゼ(P
RODUCT NUMBER;A5773)を用いて以
下の実験を行った。
【0083】反応液組成 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.5) 5mM リン酸緩衝液(pH8.5) 5mM アデノシン(シグマ社製) 0.5% BSA(シグマ社製) 2mM NAD(オリエンタル酵母社製) 10u/ml PNPL 1u/ml 本発明キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素
【0084】アデノシンデアミナーゼ溶液の調製;0.
1%BSAを含んだ10mMリン酸緩衝液(pH6.
5)を用いて牛ひ蔵由来の酵素を1u/mlに調製した。
【0085】操作 反応液1mlを試験管に分注し、37℃で3分間インキュ
ベイトした後に上記調製アデノシンデアミナーゼを0.
005、0.01、0.015、0.02mlづつ添加
し、正確に5分間に生成されたNADHのA340nm を測
定した。その結果を図11に示した。
【0086】実施例 10 キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を用いたグアナー
ゼの活性測定 シグマ社製の兎肝臓由来のグアナーゼ(PRODUCT
NUMBER;G5752)を用いて以下の実験を行
った。
【0087】反応液組成 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.5) 1mM グアニン(シグマ社製) 0.5% BSA 2mM NAD 1u/ml 本発明キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素
【0088】グアナーゼ溶液の調製;0.1%BSAを
含んだ10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用い
て兎肝臓由来の酵素を0.5u/mlに調製した。
【0089】操作 反応液1mlを試験管に分注し、37℃で3分間インキュ
ベイトした後に上記調製グアナーゼを0.005、0.
01、0.02mlづつ添加し、正確に10分間に生成さ
れたNADHのA340nm を測定した。その結果を図12
に示した。
【0090】実施例 11 キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を用いたグアナー
ゼの活性測定 シグマ社製の兎肝臓由来のグアナーゼ(PRODUCT
NUMBER;G5752)を用いて以下の実験を行
った。
【0091】反応液組成 100mM トリス塩酸緩衝液(pH8.5) 1mM グアニン(シグマ社製) 0.5% BSA 2mM チオNAD 1u/ml 本発明キサンチンデヒドロゲナーゼ−T
酵素
【0092】グアナーゼ溶液の調製;0.1%BSAを
含んだ10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用い
て兎肝臓由来の酵素を0.5u/mlに調製した。
【0093】操作 反応液1mlを試験管に分注し、37℃で3分間インキュ
ベイトした後に上記調製グアナーゼを0.005、0.
01、0.015、0.02mlづつ添加し、正確に5分
間に生成されたチオNADHのA415nm を測定した。そ
の結果を図13に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明酵素の熱安定性を示す図である。
【図2】本発明酵素の至適温度を示す図である。
【図3】本発明酵素のpH安定性を示す図である。
【図4】本発明酵素の至適pHを示す図である。
【図5】NADを用いたヒポキサンチンの定量を示す図
である。
【図6】NADを用いたキサンチンの定量を示す図であ
る。
【図7】チオNADを用いたヒポキサンチンの定量を示
す図である。
【図8】チオNADを用いたキサンチンの定量を示す図
である。
【図9】ホルマザンの発色によるキサンチンの定量を示
す図である。
【図10】イノシン、PNPLおよびNADを用いたリ
ン酸イオンの測定結果を示す図である。
【図11】アデノシンデアミナーゼの活性測定を示す図
である。
【図12】グアナーゼの活性測定結果を示す図である。
【図13】グアナーゼの活性測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:01)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アデノシン、イノシン、キサントシン、
    グアノシン、アデニン、グアニン、チミジンに対して基
    質特異性を示さず、少なくともヒポキサンチン、キサン
    チンに対して基質特異性を有し、補酵素としてNAD類
    および/またはチオNAD類を利用して、ヒポキサンチ
    ンを基質としてキサンチンに酸化して還元型NAD類お
    よび/または還元型チオNAD類を生成するか、または
    キサンチンを基質として尿酸に酸化して還元型NAD類
    および/または還元型チオNAD類を生成する反応を触
    媒することを特徴とする新規なキサンチンデヒドロゲナ
    ーゼ−T酵素。
  2. 【請求項2】 キサンチンデヒロゲナーゼ−T酵素が、
    グラム染色+、KOH反応−、運動性+、オキシダーゼ
    産生能+、カタラーゼ産生能−、キノン系Q−10の生
    理学的特徴を有する細菌性桿菌に属するキサンチンデヒ
    ドロゲナーゼ−T酵素生産菌である請求項1記載のキサ
    ンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素。
  3. 【請求項3】 細菌性桿菌に属するキサンチンデヒドロ
    ゲナーゼ−T酵素生産菌が、細菌−No.197(1
    0)株(微工研条寄第3664)である請求項2記載の
    キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素。
  4. 【請求項4】 グラム染色+、KOH反応−、運動性
    +、オキシダーゼ産生能+、カタラーゼ産生能−、キノ
    ン系Q−10の生理学的特徴を有する細菌性桿菌に属す
    るキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素生産菌を培地に
    培養し、得られた培養物からキサンチンデヒドロゲナー
    ゼ−T酵素を採取することを特徴とする新規なキサンチ
    ンデヒドロゲナーゼ−T酵素の製造法。
  5. 【請求項5】 細菌性桿菌に属するキサンチンデヒドロ
    ゲナーゼ−T酵素生産菌が、細菌−No.197(1
    0)株(微工研条寄第3664)である請求項4記載の
    キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素の製造法。
  6. 【請求項6】 ヒポキサンチンまたはキサンチンを含有
    する被検液に、NAD類および/またはチオNAD類の
    存在下に、アデノシン、イノシン、キサントシン、グア
    ノシン、アデニン、グアニン、チミジンに対して基質特
    異性を示さず、少なくともヒポキサンチン、キサンチン
    に対して基質特異性を有し、補酵素としてNAD類およ
    び/またはチオNAD類を利用して、ヒポキサンチンを
    基質としてキサンチンに酸化して還元型NAD類および
    /または還元型チオNAD類を生成するか、またはキサ
    ンチンを基質として尿酸に酸化して還元型NAD類およ
    び/または還元型チオNAD類を生成する反応を触媒す
    るキサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を作用せしめ、
    次いで反応によつて生じた還元型NAD類および/また
    は還元型チオNAD類の量を定量することを特徴とする
    ヒポキサンチンまたはキサンチンの測定法。
  7. 【請求項7】 ヒポキサンチンまたはキサンチンを含有
    する被検液が、被検液中にヒポキサンチンまたはキサン
    チンの形で存在する被検液であるか、またはヒポキサン
    チンまたはキサンチンの前駆体から生成されたヒポキサ
    ンチンまたはキサンチンを含有する被検液である請求項
    6記載の測定法。
  8. 【請求項8】 ヒポキサンチンまたはキサンチンの前駆
    体から生成されたヒポキサンチンまたはキサンチンが、
    イノシンとプリンヌクレオシドホスホリラーゼから生成
    されたヒポキサンチンまたはこのヒポキサンチンから生
    成されたキサンチン、グアニンとグアナーゼから生成さ
    れたキサンチンである請求項7記載の測定法。
  9. 【請求項9】 アデノシン、イノシン、キサントシン、
    グアノシン、アデニン、グアニン、チミジンに対して基
    質特異性を示さず、少なくともヒポキサンチン、キサン
    チンに対して基質特異性を有し、補酵素としてNAD類
    および/またはチオNAD類を利用して、ヒポキサンチ
    ンを基質としてキサンチンに酸化して還元型NAD類お
    よび/またはチオNAD類を生成するか、またはキサン
    チンを基質として尿酸に酸化して還元型NAD類および
    /またはチオNAD類を生成する反応を触媒する新規な
    キサンチンデヒドロゲナーゼ−T酵素を含有する分析用
    組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9のキサンチンデヒドロゲナー
    ゼ−T酵素を含有する組成物において、同組成物にNA
    D類および/またはチオNAD類を含有せしめた分析用
    組成物。
  11. 【請求項11】 グラム染色+、KOH反応−、運動性
    +、オキシダーゼ産生能+、カタラーゼ産生能−、キノ
    ン系Q−10の生理学的特徴を有する細菌性桿菌。
  12. 【請求項12】 細菌性桿菌が、細菌−No.197
    (10)株(微工研条寄第3664)である請求項11
    記載の桿菌。
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