JPS6338824B2 - - Google Patents
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- JPS6338824B2 JPS6338824B2 JP3526581A JP3526581A JPS6338824B2 JP S6338824 B2 JPS6338824 B2 JP S6338824B2 JP 3526581 A JP3526581 A JP 3526581A JP 3526581 A JP3526581 A JP 3526581A JP S6338824 B2 JPS6338824 B2 JP S6338824B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/02—Details
- H01J37/04—Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement or ion-optical arrangement
- H01J37/10—Lenses
- H01J37/14—Lenses magnetic
- H01J37/141—Electromagnetic lenses
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は電子線装置の対物レンズ、特に電子顕
微鏡をはじめとする各種電子線装置の対物レンズ
に種々の機能を与え、いくつかの用途に対応でき
るようにする技術に関するものである。
微鏡をはじめとする各種電子線装置の対物レンズ
に種々の機能を与え、いくつかの用途に対応でき
るようにする技術に関するものである。
電子線装置の性能を決める要因としては各種の
要素が考慮されるが、このような要素の一つとし
て電子線装置が互いに異なつた各種の用途に応じ
られることが挙げられる。例えば電子線装置とし
て高性能透過型電子顕微鏡についてみると、当該
電子顕微鏡には次のような各種機能が要求されて
いる。
要素が考慮されるが、このような要素の一つとし
て電子線装置が互いに異なつた各種の用途に応じ
られることが挙げられる。例えば電子線装置とし
て高性能透過型電子顕微鏡についてみると、当該
電子顕微鏡には次のような各種機能が要求されて
いる。
(1) 試料傾斜なしで超高分解能が得られること
(分解能が2Å程度で、球面収差係数が0.5mm程
度まで小さくできる)。
(分解能が2Å程度で、球面収差係数が0.5mm程
度まで小さくできる)。
(2) 試料傾斜が30゜で高分解能が得られること
(分解能が2.5Å程度で、球面収差係数が1.5mm
程度まで小さくできる)。
(分解能が2.5Å程度で、球面収差係数が1.5mm
程度まで小さくできる)。
(3) 試料傾斜が60゜で高分解能が得られること
(分解能が3.0Å程度で、球面収差係数が3.0mm
程度まで小さくできる)。
(分解能が3.0Å程度で、球面収差係数が3.0mm
程度まで小さくできる)。
(4) 極微細照射電子線の径が10Å以内であるこ
と。
と。
(5) 極微細照射電子線を用いて高分解能二次電子
線像(分解能15Å〜30Å)が得られ、さらに高
分解能STEM像(分解能15Å程度)が得られ
ること。また、200Å領域でのX線分析が可能
であり、さらに30Å領域での電子線回析像が得
られること。
線像(分解能15Å〜30Å)が得られ、さらに高
分解能STEM像(分解能15Å程度)が得られ
ること。また、200Å領域でのX線分析が可能
であり、さらに30Å領域での電子線回析像が得
られること。
(6) 極微細照射電子線を用いてBulk試料(5mm
×30m×5mmの方形片)の二次電子像が得ら
れ、またX線分析が可能であること。
×30m×5mmの方形片)の二次電子像が得ら
れ、またX線分析が可能であること。
他方、従来の電子顕微鏡においては、上記の様
な各種機能の全てを一台で満足させることはでき
なかつた。例えば、上記諸機能のうち、第(1)項の
機能を満足するためには、対物レンズの球面収差
係数を0.5mm以内であることが条件となり、その
ためには、対物レンズの磁極片の極間隙を2〜3
mmに縮小する必要がある。このような狭い間隙の
中では、試料の傾斜が大幅に制限されてしまつた
り、大きな試料が入らない等の問題が起つて来
る。そこで従来においては、上記各項目のうちの
一項目又は二、三項目の機能を有する磁極片を電
子顕微鏡とは別体にアタツチメントとして用意し
ておき、磁極片を取換えることによつてそれぞれ
異なつたモードの観察を行つていた。しかし、上
に挙げた(1)乃至(6)項のモードの全てを観察するた
めには少なくとも4回の磁極片取換えが必要(上
記(4)、(5)、(6)項は1個の磁極片で対応し得る)で
あり、操作が極めて繁雑であつた。特に、電子顕
微鏡において磁極片を取換えようとすると、その
度毎に、電子顕微鏡内部の真空を破り、鏡筒を分
解又は局部的に分解しなければならないのに対
し、電子顕微鏡の試料を中心とする部分は、試料
ステージ、対物絞り、冷却トラツプ、軸合せ用コ
イル、走査用コイル、X線分析用の検出器、反射
電子検出器、二次電子検出器等が複雑に、しかも
狭い空間の中に集積してあり、磁極片の交換作業
を至難なものにしている。したがつて、これまで
のところ、電子顕微鏡の使用者実態調査に基づく
と、上記磁極片の交換をなし得ている使用者は数
パーセントに止まつており、他の使用者は単機能
の電子顕微鏡で我慢するとか、或は電子顕微鏡を
二台以上購入するとかによつて対処していた。
な各種機能の全てを一台で満足させることはでき
なかつた。例えば、上記諸機能のうち、第(1)項の
機能を満足するためには、対物レンズの球面収差
係数を0.5mm以内であることが条件となり、その
ためには、対物レンズの磁極片の極間隙を2〜3
mmに縮小する必要がある。このような狭い間隙の
中では、試料の傾斜が大幅に制限されてしまつた
り、大きな試料が入らない等の問題が起つて来
る。そこで従来においては、上記各項目のうちの
一項目又は二、三項目の機能を有する磁極片を電
子顕微鏡とは別体にアタツチメントとして用意し
ておき、磁極片を取換えることによつてそれぞれ
異なつたモードの観察を行つていた。しかし、上
に挙げた(1)乃至(6)項のモードの全てを観察するた
めには少なくとも4回の磁極片取換えが必要(上
記(4)、(5)、(6)項は1個の磁極片で対応し得る)で
あり、操作が極めて繁雑であつた。特に、電子顕
微鏡において磁極片を取換えようとすると、その
度毎に、電子顕微鏡内部の真空を破り、鏡筒を分
解又は局部的に分解しなければならないのに対
し、電子顕微鏡の試料を中心とする部分は、試料
ステージ、対物絞り、冷却トラツプ、軸合せ用コ
イル、走査用コイル、X線分析用の検出器、反射
電子検出器、二次電子検出器等が複雑に、しかも
狭い空間の中に集積してあり、磁極片の交換作業
を至難なものにしている。したがつて、これまで
のところ、電子顕微鏡の使用者実態調査に基づく
と、上記磁極片の交換をなし得ている使用者は数
パーセントに止まつており、他の使用者は単機能
の電子顕微鏡で我慢するとか、或は電子顕微鏡を
二台以上購入するとかによつて対処していた。
しかし、前者による場合は、使用者のニーズが
電子顕微鏡によつて完全には満足されないため、
充分な試料観察が行えないという不都合が生じ、
又後者の場合は、経済的に大きな負担を使用者に
強いることになるという不具合が生じていた。
電子顕微鏡によつて完全には満足されないため、
充分な試料観察が行えないという不都合が生じ、
又後者の場合は、経済的に大きな負担を使用者に
強いることになるという不具合が生じていた。
本発明は、上記の様な各問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、電子顕微鏡をはじめとする
電子線装置用に、上下側磁極片を可動に構成した
対物レンズを提供することにより、一台の装置で
いくつかの極磁間距離を作り得るようにし、これ
によつて各種モードの試料観察を可能にすること
により、電子顕微鏡等の機能向上を図ることであ
る。
もので、その目的は、電子顕微鏡をはじめとする
電子線装置用に、上下側磁極片を可動に構成した
対物レンズを提供することにより、一台の装置で
いくつかの極磁間距離を作り得るようにし、これ
によつて各種モードの試料観察を可能にすること
により、電子顕微鏡等の機能向上を図ることであ
る。
特に本発明は、電子顕微鏡等の対物レンズにお
いて、磁極片に比較的大きな張力が加わつても、
当該磁極片をしつかり固定しながら上下動させ得
る構造とし、電子顕微鏡等の精度を一定以上に維
持し且つその機能を拡大した点に特徴を有する。
いて、磁極片に比較的大きな張力が加わつても、
当該磁極片をしつかり固定しながら上下動させ得
る構造とし、電子顕微鏡等の精度を一定以上に維
持し且つその機能を拡大した点に特徴を有する。
本発明を、添付の図面を参照して更に詳細に説
明する。
明する。
第1図乃至第3図は本発明の一実施例を示す図
である。この実施例に係る電子顕微鏡等の対物レ
ンズは、継鉄1と、この継鉄1内において、上下
方向に所定の間隙をあけて対称に配設された上側
磁極コイル2及び下側磁極コイル12と、これら
の上下側磁極コイル2,12間のほぼ中央部にお
いて上下方向に所定のギヤツプを形成して配置さ
れた上側磁極片19及び下側磁極片20とから成
り、中央部に上下方向に延びる電子線透過用の中
央継鉄21を形成している。上側磁極片19は、
上側励磁コイル2の下縁付近の中央継鉄21中央
部において、継鉄1に一体的に取付固定された上
側磁極外部筒4と、この上側磁極外部筒4内に支
持された上側磁極内部筒5とから成る。上側磁極
外部筒4は、中心部において先端部から基端部に
かけて軸方向に延びる貫通孔が形成され、且つこ
の貫通孔は途中で拡開され棚部22を作つてい
る。また上側磁極内部筒5は、その中心部におい
て軸方向に延びる孔13aが形成されている一
方、外側部には比較的滑らかな摺動面5aが形成
されると共に、この摺動面5aの基端側には第1
のねじ部としてのねじ24が形成され、さらに上
側磁極外部筒4の貫通孔内において、上記摺動面
5aが貫通孔周壁に接しつつ、当該貫通孔に沿つ
て摺動自在に嵌合されている。上側磁極該部筒4
の中の形成した棚部22上には、内側面にねじ2
4に螺合する第2のねじ部26が形成されたた第
1のカサ歯車6が回転可能に設置され、上側磁極
内部筒5に係合している。この第1のカサ歯車6
は、下面側にギア歯を有しており、上記磁極外部
筒4の棚部22の一部を切欠いて当該外部筒内に
挿入した駆動手段としての駆動棒7の先端に設け
られた第2のカサ歯車8と噛合して上側磁極片駆
動機構を構成している。したがつて駆動棒7を回
転させると、第1のカサ歯車6が回転し、この第
1のカサ歯車6と上側磁極内部筒5との間のねじ
送り作用により当該内部筒が上下動する。このと
き、上側磁極内部筒5に設けた摺動面5aが上側
磁極該部筒4の貫通孔周壁に密に接触しているた
め、内部筒はその上下運動の際中、外部筒に対し
て偏心したりガタついたりすることはない。ま
た、上側磁極片19を上側磁極外部筒4と上側磁
極内部筒5との二分割構造とし、内部筒を外部筒
内の嵌合させているから、この上側磁極内部筒5
を小型化することができる。したがつて、上下磁
極片19,20間に強大な磁気吸引力が働いて
も、上側磁極内部筒5に加わる分は比較的小なく
て済み、上記駆動棒7による上下動操作を楽に行
うことができる。なお、上側磁極内部筒5に上下
動を行わせるに際して、当該内部筒が第1のカサ
歯車6と共に回転しないようにするため、この上
側磁極内部筒5には回転止めが設けてある。
である。この実施例に係る電子顕微鏡等の対物レ
ンズは、継鉄1と、この継鉄1内において、上下
方向に所定の間隙をあけて対称に配設された上側
磁極コイル2及び下側磁極コイル12と、これら
の上下側磁極コイル2,12間のほぼ中央部にお
いて上下方向に所定のギヤツプを形成して配置さ
れた上側磁極片19及び下側磁極片20とから成
り、中央部に上下方向に延びる電子線透過用の中
央継鉄21を形成している。上側磁極片19は、
上側励磁コイル2の下縁付近の中央継鉄21中央
部において、継鉄1に一体的に取付固定された上
側磁極外部筒4と、この上側磁極外部筒4内に支
持された上側磁極内部筒5とから成る。上側磁極
外部筒4は、中心部において先端部から基端部に
かけて軸方向に延びる貫通孔が形成され、且つこ
の貫通孔は途中で拡開され棚部22を作つてい
る。また上側磁極内部筒5は、その中心部におい
て軸方向に延びる孔13aが形成されている一
方、外側部には比較的滑らかな摺動面5aが形成
されると共に、この摺動面5aの基端側には第1
のねじ部としてのねじ24が形成され、さらに上
側磁極外部筒4の貫通孔内において、上記摺動面
5aが貫通孔周壁に接しつつ、当該貫通孔に沿つ
て摺動自在に嵌合されている。上側磁極該部筒4
の中の形成した棚部22上には、内側面にねじ2
4に螺合する第2のねじ部26が形成されたた第
1のカサ歯車6が回転可能に設置され、上側磁極
内部筒5に係合している。この第1のカサ歯車6
は、下面側にギア歯を有しており、上記磁極外部
筒4の棚部22の一部を切欠いて当該外部筒内に
挿入した駆動手段としての駆動棒7の先端に設け
られた第2のカサ歯車8と噛合して上側磁極片駆
動機構を構成している。したがつて駆動棒7を回
転させると、第1のカサ歯車6が回転し、この第
1のカサ歯車6と上側磁極内部筒5との間のねじ
送り作用により当該内部筒が上下動する。このと
き、上側磁極内部筒5に設けた摺動面5aが上側
磁極該部筒4の貫通孔周壁に密に接触しているた
め、内部筒はその上下運動の際中、外部筒に対し
て偏心したりガタついたりすることはない。ま
た、上側磁極片19を上側磁極外部筒4と上側磁
極内部筒5との二分割構造とし、内部筒を外部筒
内の嵌合させているから、この上側磁極内部筒5
を小型化することができる。したがつて、上下磁
極片19,20間に強大な磁気吸引力が働いて
も、上側磁極内部筒5に加わる分は比較的小なく
て済み、上記駆動棒7による上下動操作を楽に行
うことができる。なお、上側磁極内部筒5に上下
動を行わせるに際して、当該内部筒が第1のカサ
歯車6と共に回転しないようにするため、この上
側磁極内部筒5には回転止めが設けてある。
他方、下側磁極片20は、下側磁極コイル12
の上縁付近の中央継鉄21中央部に配置され継鉄
1に固定された下側磁極外部筒14と、この下側
磁極外部筒14内に摺動可能に嵌合され且つ中央
部に孔13bを有する下側磁極内部筒15とから
成る。この下側磁極片20は、第2図及び第3図
に示すように、上側磁極片19と同じ構造を有
し、且つ同様の手段によつて第1のカサ歯車16
及び駆動棒17に作動連結している。即ち、下側
磁極内部筒15の基端部には第1のねじ部として
のねじ部25が形成されている。また、下側磁極
外部筒14の棚部23には上記のねじ部25に螺
合するねじ部27を有する第1のカサ歯車16を
回動可能な状態で支持している他、この第1のカ
サ歯車16には駆動棒17の先端に設けた第2の
カサ歯車18が噛合している。そして下側磁極片
20の上側部には対物絞り10と試料ステージ9
とが配設されている。
の上縁付近の中央継鉄21中央部に配置され継鉄
1に固定された下側磁極外部筒14と、この下側
磁極外部筒14内に摺動可能に嵌合され且つ中央
部に孔13bを有する下側磁極内部筒15とから
成る。この下側磁極片20は、第2図及び第3図
に示すように、上側磁極片19と同じ構造を有
し、且つ同様の手段によつて第1のカサ歯車16
及び駆動棒17に作動連結している。即ち、下側
磁極内部筒15の基端部には第1のねじ部として
のねじ部25が形成されている。また、下側磁極
外部筒14の棚部23には上記のねじ部25に螺
合するねじ部27を有する第1のカサ歯車16を
回動可能な状態で支持している他、この第1のカ
サ歯車16には駆動棒17の先端に設けた第2の
カサ歯車18が噛合している。そして下側磁極片
20の上側部には対物絞り10と試料ステージ9
とが配設されている。
尚、第1のカサ歯車6,16は支持部材(図示
していない)により回転可能な状態で棚部に接触
するように支持されている。
していない)により回転可能な状態で棚部に接触
するように支持されている。
また、上側磁極片19及び下側磁極片20のい
ずれも、第1図乃至第3図に示すように、頭部
が、頂部から基部にかけて拡開する截頭錐体構造
を有している。そして、磁極内部筒5,15と磁
極外部筒4,14とは、磁極内部筒5,15が磁
極外部筒4,14に対して最も突出した位置をと
つた時、磁極片頭部の部分において頂部から基部
にかけて漸次拡開する傾斜外側面4a,5b及び
14a,15bを連続して形成するように組合わ
されている。したがつて、一例として、下側磁極
内部筒15を下側磁極外部筒14に対して下方へ
摺動運動させると、第3図に示すように、下側磁
極内部筒15は同図中二点鎖線で示す位置Aから
実線で示す位置Bへと陥没する様に後退する。上
側磁極片19についても同様な作動が行われ、第
1図に示すように、上側磁極内部筒5も又上側磁
極外部筒4に対して後退する。
ずれも、第1図乃至第3図に示すように、頭部
が、頂部から基部にかけて拡開する截頭錐体構造
を有している。そして、磁極内部筒5,15と磁
極外部筒4,14とは、磁極内部筒5,15が磁
極外部筒4,14に対して最も突出した位置をと
つた時、磁極片頭部の部分において頂部から基部
にかけて漸次拡開する傾斜外側面4a,5b及び
14a,15bを連続して形成するように組合わ
されている。したがつて、一例として、下側磁極
内部筒15を下側磁極外部筒14に対して下方へ
摺動運動させると、第3図に示すように、下側磁
極内部筒15は同図中二点鎖線で示す位置Aから
実線で示す位置Bへと陥没する様に後退する。上
側磁極片19についても同様な作動が行われ、第
1図に示すように、上側磁極内部筒5も又上側磁
極外部筒4に対して後退する。
このように、上側又は下側磁極片19,20の
磁極間距離の増減は、頭部にテーパの付いた磁極
内部筒5,15の上下方向への摺動運動によつて
行われるから、上下の磁極片が近接して磁極間距
離が大幅に減少しても磁極片の頭部の部分が磁気
飽和状態になつたり、或はそれに近い状態になつ
たりすることを抑制できる。
磁極間距離の増減は、頭部にテーパの付いた磁極
内部筒5,15の上下方向への摺動運動によつて
行われるから、上下の磁極片が近接して磁極間距
離が大幅に減少しても磁極片の頭部の部分が磁気
飽和状態になつたり、或はそれに近い状態になつ
たりすることを抑制できる。
一般に、対物レンズの基本的な収差係数(球面
収差係数、色収差係数)は、磁極間距離の短縮と
共に小さくなり、より一層高分解能の像の観察に
適合するようになる。ところが、対物レンズの起
磁力J(AT:アンペア・ターン)を一定とする
と、磁極間距離が小さくなればなるほど磁極片1
9,20の頭部における磁束密度が増加し、当該
磁極片頭部が磁気飽和状態に近くなる。そして、
この磁気飽和状態に近づくほど、磁極片19,2
0における損失起磁力が大きくなり、又収差係数
も小さくなりにくくなる。
収差係数、色収差係数)は、磁極間距離の短縮と
共に小さくなり、より一層高分解能の像の観察に
適合するようになる。ところが、対物レンズの起
磁力J(AT:アンペア・ターン)を一定とする
と、磁極間距離が小さくなればなるほど磁極片1
9,20の頭部における磁束密度が増加し、当該
磁極片頭部が磁気飽和状態に近くなる。そして、
この磁気飽和状態に近づくほど、磁極片19,2
0における損失起磁力が大きくなり、又収差係数
も小さくなりにくくなる。
そこで、本発明では、上記の如く、可動磁極片
を構成する磁極内部筒5,15をも含めて磁極片
19,20の頭部にテーパ状の傾斜面を形成し、
当該頭部の部分が磁気飽和状態になることを抑え
たため、磁極内部筒5,15の上下移動によつて
磁極間距離を小さくすれば、高分解能の観察像を
得ることができる。
を構成する磁極内部筒5,15をも含めて磁極片
19,20の頭部にテーパ状の傾斜面を形成し、
当該頭部の部分が磁気飽和状態になることを抑え
たため、磁極内部筒5,15の上下移動によつて
磁極間距離を小さくすれば、高分解能の観察像を
得ることができる。
上側磁極外部筒4と下側磁極外部筒14との間
には非磁性体材料から出来た隔離片3が介装して
あり、上側磁極外部筒4と下側磁極外部筒14と
を一体構造にしている。このため、上下両側の磁
極外部筒4,14は、互いの中心軸の偏心量を
2μ以内に抑えて構成することが出来、正確な電
子軌道を作ることができる。また上下磁極片1
9,20間に加わつた強大な吸引力を、この隔離
片3で支持できる。そして、第1のカサ歯車6,
16を回転させて上下側磁極内部筒5,15を上
下動させる駆動棒7,17は、上下側励磁コイル
2及び12の間に形成された間隙において、継鉄
1及び隔離片3を貫通して対物レンズの中心軸方
向へ延びており、この駆動棒7,17が継鉄1を
貫通する部分においては、対物レンズ内の真空状
態が壊れない様にするため、シール部材11が嵌
装されている。なお、上記の如く磁極片を外部筒
と内部筒のように分割構造にするのは、上下両磁
極片19,20について行つてもよいし、いずれ
か一方のみについて分割構造としてもよい。
には非磁性体材料から出来た隔離片3が介装して
あり、上側磁極外部筒4と下側磁極外部筒14と
を一体構造にしている。このため、上下両側の磁
極外部筒4,14は、互いの中心軸の偏心量を
2μ以内に抑えて構成することが出来、正確な電
子軌道を作ることができる。また上下磁極片1
9,20間に加わつた強大な吸引力を、この隔離
片3で支持できる。そして、第1のカサ歯車6,
16を回転させて上下側磁極内部筒5,15を上
下動させる駆動棒7,17は、上下側励磁コイル
2及び12の間に形成された間隙において、継鉄
1及び隔離片3を貫通して対物レンズの中心軸方
向へ延びており、この駆動棒7,17が継鉄1を
貫通する部分においては、対物レンズ内の真空状
態が壊れない様にするため、シール部材11が嵌
装されている。なお、上記の如く磁極片を外部筒
と内部筒のように分割構造にするのは、上下両磁
極片19,20について行つてもよいし、いずれ
か一方のみについて分割構造としてもよい。
かかる構成を有するため、試料傾斜なしでの超
高分解能の像を得たり、或は試料を傾斜させて高
分解能の像を得たい時には、この対物レンズの駆
動棒7又は17を回転させ、上側磁極内部筒5又
は下側磁極内部筒15を上下方向に移動させて磁
極間距離を変えることにより容易に対応すること
ができる。したがつて従来においては磁極片の取
換えという繁雑な作業を必要としたり、或は何台
もの電子顕微鏡によつて行つていた試料観察を一
台の電子顕微鏡で、しかも簡単な切換操作によつ
て行うことができるようになつた。また、最近の
装置は微小部をX線分析したり、電子回析したり
する関係上、高真空、クリーン真空であることが
特に要請されている。この点から見ても、本発明
の電子顕微鏡等の対物レンズでは、真空を破らな
いで磁極間距離を変更し得るから、大きな利点を
有することができるのである。
高分解能の像を得たり、或は試料を傾斜させて高
分解能の像を得たい時には、この対物レンズの駆
動棒7又は17を回転させ、上側磁極内部筒5又
は下側磁極内部筒15を上下方向に移動させて磁
極間距離を変えることにより容易に対応すること
ができる。したがつて従来においては磁極片の取
換えという繁雑な作業を必要としたり、或は何台
もの電子顕微鏡によつて行つていた試料観察を一
台の電子顕微鏡で、しかも簡単な切換操作によつ
て行うことができるようになつた。また、最近の
装置は微小部をX線分析したり、電子回析したり
する関係上、高真空、クリーン真空であることが
特に要請されている。この点から見ても、本発明
の電子顕微鏡等の対物レンズでは、真空を破らな
いで磁極間距離を変更し得るから、大きな利点を
有することができるのである。
以上述べたように、本発明によれば、電子顕微
鏡等の対物レンズの上下側磁極片を上下方向に摺
動させ、磁極間距離を調節できるようにしたた
め、各種モードの試料観察を一台の装置で行うこ
とが出来るようになり、使用者に大きな経済的利
益と観察効果を与える等、種々の効果が得られ
る。
鏡等の対物レンズの上下側磁極片を上下方向に摺
動させ、磁極間距離を調節できるようにしたた
め、各種モードの試料観察を一台の装置で行うこ
とが出来るようになり、使用者に大きな経済的利
益と観察効果を与える等、種々の効果が得られ
る。
また本発明によれば、駆動機構は磁極片内筒部
に第1のねじ部を設けこの第1のねじ部に螺入す
る第2のねじ部を有する第1の歯車と、この歯車
を駆動する第2の歯車と第2の歯車を対物レンズ
の外側から駆動する駆動手段とから構成している
から、駆動手段には磁極の荷重は直接かからず、
移動距離の精度と安定性に優れたものとなり、高
分解能、低球面収差係数の電子線装置に使用する
ことができる。
に第1のねじ部を設けこの第1のねじ部に螺入す
る第2のねじ部を有する第1の歯車と、この歯車
を駆動する第2の歯車と第2の歯車を対物レンズ
の外側から駆動する駆動手段とから構成している
から、駆動手段には磁極の荷重は直接かからず、
移動距離の精度と安定性に優れたものとなり、高
分解能、低球面収差係数の電子線装置に使用する
ことができる。
なお、上の説明では高性能透過型の電子顕微鏡
を例にとつて述べて来たが、必ずしもかかる装置
だけに限定されるものでなく、試料に何らかの傾
斜をもたせ、或は種々の厚さの異なる試料を電子
線によつて観察する、他の電子線装置においても
適用することができる。
を例にとつて述べて来たが、必ずしもかかる装置
だけに限定されるものでなく、試料に何らかの傾
斜をもたせ、或は種々の厚さの異なる試料を電子
線によつて観察する、他の電子線装置においても
適用することができる。
第1図は、本発明の一実施例に係る電子線装置
の対物レンズを示す断面図である。第2図は、本
発明の一実施例の下側磁極片における下側磁極内
部筒、第1のカサ歯車、及び第2のカサ歯車を有
する駆動棒の係合状態を示す図である。第3図
は、本発明の一実施例の下側磁極片部分を示す断
面図である。 1……継鉄、2……上側励磁コイル、12……
下側励磁コイル、4……上側磁極外部筒、5……
上側磁極内部筒、6,16……第1のカサ歯車、
7,17……駆動棒、8,18……第2のカサ歯
車、9……試料面、10……対物絞り、14……
下側磁極外部筒、15……下側磁極内部筒、19
……上側磁極片、20……下側磁極片。
の対物レンズを示す断面図である。第2図は、本
発明の一実施例の下側磁極片における下側磁極内
部筒、第1のカサ歯車、及び第2のカサ歯車を有
する駆動棒の係合状態を示す図である。第3図
は、本発明の一実施例の下側磁極片部分を示す断
面図である。 1……継鉄、2……上側励磁コイル、12……
下側励磁コイル、4……上側磁極外部筒、5……
上側磁極内部筒、6,16……第1のカサ歯車、
7,17……駆動棒、8,18……第2のカサ歯
車、9……試料面、10……対物絞り、14……
下側磁極外部筒、15……下側磁極内部筒、19
……上側磁極片、20……下側磁極片。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 上下方向に所定のギヤツプを置いて対向して
いる上側及び下側磁極片と、上側磁極片と下側磁
極片との間のギヤツプに配置された試料ステージ
とを有する対物レンズにおいて、 前記上側磁極片及び下側磁極片のうち少なくと
も一方を継鉄に固定した磁極外部筒と、この磁極
外部筒に摺動可能に保持された磁極内部筒とから
構成し、上下方向に移動可能とする一方、 磁極内部筒の基端部外周に第1のねじ部を設
け、この第1のねじ部に螺入する第2のねじ部を
有する第1のカサ歯車と、先端部にこの第1のカ
サ歯車にかみ合う第2のカサ歯車を有し、対物レ
ンズの外部から駆動する駆動棒とからなる駆動機
構を設け、磁極片の対試料相関位置を可変できる
ようにしたことを特徴とする電子線装置の対物レ
ンズ。 2 上側及に下側磁極片の非可動部分は、これら
の両非可能部分間に介装された隔離片によつて一
体化されていることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の電子線装置の対物レンズ。 3 移動可能な磁極片は、頂部から基部にかけて
拡開した傾斜側面を形成する頭部を有しているこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項
記載の電子線装置の対物レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3526581A JPS57151159A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Objective lens of electron beam device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3526581A JPS57151159A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Objective lens of electron beam device |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57151159A JPS57151159A (en) | 1982-09-18 |
JPS6338824B2 true JPS6338824B2 (ja) | 1988-08-02 |
Family
ID=12436965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3526581A Granted JPS57151159A (en) | 1981-03-13 | 1981-03-13 | Objective lens of electron beam device |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57151159A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5826439A (ja) * | 1981-08-11 | 1983-02-16 | Internatl Precision Inc | 電子線装置の対物レンズ |
JPS5841571U (ja) * | 1981-09-11 | 1983-03-18 | 株式会社明石製作所 | 電子線装置の対物レンズ |
JP3900792B2 (ja) * | 2000-04-26 | 2007-04-04 | 株式会社日立製作所 | 電子銃 |
JP6177817B2 (ja) * | 2015-01-30 | 2017-08-09 | 松定プレシジョン株式会社 | 荷電粒子線装置及び走査電子顕微鏡 |
JP6718782B2 (ja) * | 2016-09-21 | 2020-07-08 | 日本電子株式会社 | 対物レンズおよび透過電子顕微鏡 |
-
1981
- 1981-03-13 JP JP3526581A patent/JPS57151159A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57151159A (en) | 1982-09-18 |
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