JPS633819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はドツトプリンタヘツドに係り、更に
詳述すれば金属製のピンを印刷用紙に打ちつけて
モザイク状の画素（ドツト）で文字を表現するド
ツトプリンタヘツドの改良に関するものである。

［従来の技術］ 従来からプリンタ用高速ソレノイドアセンブリ
として例えば特開昭51−46027号公報に示される
ものが周知である。

このものは、衝撃位置と静止位置の間で動くこ
とができるアーマチユア装置と、このアーマチユ
ア装置を前記静止位置の方へ通常偏倚させるため
の第１のスプリング装置と、このアーマチユア装
置を前記衝撃位置の方へ押すためのコイル装置と
を備える、印字ワイヤを駆動するためのプリンタ
用高速ソレノイドアセンブリにおいて、前記アー
マチユア装置が前記衝撃位置へ向つて所定の距離
動いた後でのみ、前記アーマチユア装置に静止位
置へ向う偏倚力を加える第２スプリング装置を備
え、前記コイル装置が非励磁状態になつた時に前
記アーマチユア装置を前記静止位置へ迅速に復帰
させるために前記第１スプリング装置と前記第２
スプリング装置は協動することを特徴とするプリ
ンタ用高速ソレノイドアセンブリである。

ところがこの従来例は上記ソレノイドアセンブ
リのスプリングはスプリングはアーマチユアの復
帰専用板バネであつて、アーマチユアの復帰時の
緩衝作用は全くなく、端部キヤツプにアーマチユ
アの突出端部がダイレクトにぶち当る結果となり
騒音大で、しかもアーマチユアのバウンシングに
よる振動が起き印字が不鮮明になるという重大な
欠点がある。これらの欠点を除くためにはねかえ
り減少用の端部キヤツプまたはアーマチユアの凹
部によるダツシユポツト作用の記載があるが、こ
の作用では高速印字に当つて殆んどアーマチユア
のはねかえりに対する緩衝効果はない。

また、周知のように通常のプリンタがその印字
機構部に多数の活字を有して、所要の活字を選択
して印字を行なつているのに比し、全文字に共通
のドツト印刷機構により字種の選択を文字パター
ン発生用の電子回路で行なうドツトマトリツクス
プリンタが実用化されている。

［考案が解決しようとする問題点］ このようなドツトプリンヘツドとしては、例え
ば特公昭52−15004号公報に記載されているもの
がある。

この従来技術は第１図の断面図で示すようにケ
ース１内に、ボビン２にコイル３を巻回したソレ
ノイド４と、ボビン２内にドツトホイヤ７を取付
けたプランジヤ６と、コアー５内に設けたプラン
ジヤ６の復帰用スプリング８と、リングコアー９
およびキヤツプ１０収容され、ケース１の両端縁
を内側に折曲げることによりこれらは一体化され
ていた。なおコアー５から延在した取付筒体５Ａ
の先端には前記ドツトワイヤ７を案内するガイド
５Ｂが取着されている。

また、ハウジングに複数個取付けられ、ドツト
マトリツクスワイヤプリンタとしてドツトワイヤ
７は毎秒665回のコイル３への通電、停電に伴な
い５本のドツトワイヤで毎秒132文字の印字が行
なわれる。しかし、このような構成の場合、プラ
ンジヤ６とコアー９とが衝突し音が発生すると共
にプランジヤ６のヘツド部分とリングコアー９の
前記プランジヤの当接する個所にバウンシングが
生じる上に摩損を生じ、それによつてドツトワイ
ヤの印刷紙をインパクトする力がバラツキ、また
ドツトワイヤ７の急速な加速度によつてプランジ
ヤ６がキヤツプ１０に衝突した際ドツトワイヤ７
が「むち打」作用を起し、該ワイヤとガイドとの
間で摩損が生じ安定性が悪くなるのと有効操作寿
命を実質的に減少させてしまうと云う欠点があつ
た。

この考案は前記した各従来技術における問題点
を除去すると共に、騒音少なく耐用寿命が長くし
かも美しく印字できるドツトプリンタヘツドをコ
ストやすに得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案の前記した目的は、ケース内に収容さ
れコイルおよびリングコアーと共にソレノイドを
形成せしめるコアーと、前記コアーに開けた小径
孔内に挿通したドツトワイヤと、このワイヤを取
付け、かつ復帰用スプリングの弾力で復帰するプ
ランジヤと、前記リングコアーの外面に対向する
凹所を有し、かつ前記ケースの端部に取付けられ
たキヤツプと、前記凹所内に収納され前記プラン
ジヤが当接する受板と、この受板と前記凹所の内
面との間に気密的に収納され、かつ前記スプリン
グの弾力よりも大きい弾撥力を有し、しかもプラ
ンジヤの復帰衝撃力よりも小さい弾撥力の丸皿形
の弾性体と、この弾性体の内面と前記凹所の内面
とで囲まれた空所とをそれぞれ具備することで達
成される。

［作用］ 前記コイルへの通電、停電に伴つて印字動作す
るプランジヤの復帰に伴う衝撃とバウンシングと
を前記受板を介して前記丸皿形の弾性体の内面と
前記凹所の内面とで囲まれた前記空所内の空気の
クツシヨン作用により緩衝させることができる。

［実施例］ 以下この考案を図に示す一実施例について詳述
する。

第２図および第３図はいずれもこの考案のドツ
トプリンタヘツドの構成を示すもので、鉄等の磁
性材料で作られたケース１１内にはボビン１２に
コイル１３を巻回したソレノイド１４と、前記ボ
ビン１２の一端側にあつてコアーポール１５をボ
ビン内に挿入したコアー１６と、前記コアー１６
を貫通した小径孔１８内に挿入されているドツト
ワイヤ１９と、ボビン１２内にあつて前記ドツト
ワイヤ１９と連接するプランジヤ２０と、前記ボ
ビン１２の他端側に嵌着せしめたリングコアー２
１と、一面側に凹所２２を有するキヤツプ２４
と、前記凹所２２内にプランジヤ２０が直接当る
受板２５を挾んで弾性体２６を入れ、前記ケース
１１の両端縁を内側に若干折曲げることにより、
これらをケース内に固定せしめた構成をなすもの
である。

このように形成れているドツトプリンタヘツド
は、取付板（ハウジング）２７に明けられた貫通
孔２８にコアー１６の頚部２９を挿入し前記頚部
に形成されている溝３０にＥリング３１を嵌着す
ることにより固定される。尚３２は頚部先端に取
付けられたドツトワイヤ１９のガイドである。

この考案のドツトプリンタヘツドは、以上のよ
うな構成をなすもので、ソレノイド１４の励磁に
よりプランジヤ２０がコアーポール１５に明けら
れた凹穴３３内に配設されているスプリング３４
の弾性に抗して前記コアーポール１５側に破線で
示すように瞬間的に移動しドツトワイヤ１９の先
端を印刷用紙（図示してない）に衝突させてモザ
イク状の画素（ドツト）を印字する。次にソレノ
イド１４の励磁がとかれるとプランジヤ２０はス
プリング３４により再び実線位置に押返された
際、プランジヤ２０の先端は受板２５を介して弾
性体２６に当接しその対接方向の空所２２Ａ内の
空気を圧縮すると共に弾性体２６自体の弾力によ
り衝撃を吸収する。

このようにスプリング３４、弾性体２６および
キヤツプ２４の凹所２２の内面と弾性体２６の内
面で形成される空所２２Ａ内の空気の圧縮作用に
伴なう、いわゆるエアクツシヨンによりプランジ
ヤ２０の往復動によつて生じるキヤツプ２４との
衝突を緩和し得ると共に、プランジヤ２０のハウ
ジングを受板２５で除去でき、プランジヤを含め
た可動対面部の摩損をも受板２５で除去でき、ケ
ース１１を含めたドツトプリンタヘツド全体の振
動が殆んど生じない。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案は、ケース１１内に
収容されコイル１３およびリングコアー２１と共
にソレノイド１４を形成せしめるコアー１６と、
前記コアー１６に開けた小径孔１８内に挿通した
ドツトワイヤ１９と、このワイヤ１９を取付け、
かつ復帰用スプリング３４の弾力で復帰するプラ
ンジヤ２０と、前記リングコアー２１の外面に対
向する凹所２２を有し、かつ前記ケース１１の端
部に取付けられたキヤツプ２４と、前記凹所２２
内に収納され前記プランジヤ２０が当接する受板
２５と、この受板２５と前記凹所２２の内面との
間に気密的に収納され、かつ前記スプリング３４
の弾力よりも大きい弾撥力を有し、しかもプラン
ジヤ２０の復帰衝撃力よりも小さい弾撥力の丸皿
形の弾性体２６と、この弾性体２６の内面と前記
凹所２２の内面とで囲まれた空所２２Ａとをそれ
ぞれ具備してなり、前記コイル１３への通電、停
電に伴つて動作するプランジヤ２０の復帰に伴な
う衝撃を前記受板２５を介して前記丸皿形の弾性
体２６の内面と前記凹所２２の内面とで囲まれた
前記空所２２Ａ内の空気のクツシヨン作用により
緩衝せしめるようにしたので弾性体２６を丸皿形
または半球状にし、前記空所２２Ａによる空気室
をつくることに依り空気の圧縮による弾力を生か
し、空気クツシヨンにより衝撃を吸収するととも
に、受板２５で弾性体の劣化を防止することがで
きる。

すなわち丸皿形の弾性体２６の外面とリングコ
ア２１との間に受板２５を入れた事により、前記
空所２２Ａ内の空気を受板２５で均一に圧縮する
事ができると共に丸皿形弾性体２６の摩耗も防ぎ
得られ、さらに前記受板２５が丸皿形の弾性体２
６の復元時リングコア２１に当接して上記弾性体
２６の復元力と復元イナーシヤを制限するから弾
性体２６の復元によるプランジヤ２０とドツトワ
イヤー１９のバウンシングが大幅に減小するため
美しい印字が可能であるとともに、プランジヤヘ
ツド部の摩耗を激減させ得るというような多くの
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドツトプリンタヘツドの１例を
示す拡大断面図、第２図および第３図はいずれも
この考案の一実施例を示すので、第２図はドツト
プリンタヘツドの分解斜視図、第３図はその組立
後の拡大断面図である。 １１……ケース、１２……ボビン、１３……コ
イル、１４……ソレノイド、１５……コアーポー
ル、１６……コアー、１８……小径孔、１９……
ドツトワイヤ、２０……プランジヤ、２１……リ
ングコアー、２２……凹所、２２Ａ……空所、２
４……キヤツプ、２５……受板、２６……丸皿形
の弾性体、２７……取付板（ハウジング）、２８
……貫通孔、２９……頚部、３０……溝、３１…
…Ｅリングセ、３２……ガイド、３３……凹穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース１１内に収容されコイル１３およびリン
   グコアー２１と共にソレノイド１４を形成せしめ
   るコアー１６と、前記コアー１６に開けた小径孔
   １８内に挿通したドツトワイヤ１９と、このワイ
   ヤ１９を取付け、かつ復帰用スプリング３４の弾
   力で復帰するプランジヤ２０と、前記リングコア
   ー２１の外面に対向する凹所２２を有し、かつ前
   記ケース１１の端部に取付けられたキヤツプ２４
   と、前記凹所２２内に収納され前記プランジヤ２
   ０が当接する受板２５と、この受板２５と前記凹
   所２２の内面との間に気密的に収納され、かつ前
   記スプリング３４の弾力よりも大きい弾撥力を有
   し、しかもプランジヤ２０の復帰衝撃力よりも小
   さい弾撥力の丸皿形の弾性体２６と、この弾性体
   ２６の内面と前記凹所２２の内面とで囲まれた空
   所２２Ａとをそれぞれ具備してなり、前記コイル
   １３への通電、停電に伴つて動作するプランジヤ
   ２０の復帰に伴なう衝撃を前記受板２５を介して
   前記丸皿形の弾性体２６の内面と前記凹所２２の
   内面とで囲まれた前記空所２２Ａ内の空気のクツ
   シヨン作用により緩衝せしめるようにしたことを
   特徴とするドツトプリンタヘツド。