JPS6338041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス機械等に使用されるプレス加工
品送給用保持装置に関するものである。

従来、絞り加工等による側面部を有するカツプ
状の加工品をプレス機械或はストツク台に送給す
る場合、はさみ形状のクランプによつて、プレス
加工品の側面部を挾持して送給を行つていたが、
クランプの挾持動作及び送給のための時間を短縮
することが困難であり、加工工程のサイクルタイ
ムを加速することができず、又、前記クランプの
上下方向の形状が大きいため、上型と加工品との
間に大きな間隔を必要とするので、プレスストロ
ークの小さいプレス機械には適用できないといつ
た問題点や、クランプ自体が高価であるといつた
欠点があつた。

本考案の目的は、上述した問題点を解決し、カ
ツプ状のプレス加工品の送給を迅速に行うことが
でき、しかも低価格のプレス加工品送給用保持装
置を提供することである。

この目的を達成するために、本考案は、送給用
アームの所定位置に取り付けられるホルダ部材
と、ホルダ部材に回転軸により回転可能に取り付
けられ、回転軸より下方に延びる垂直部に、前記
吸着部材が水平方向に固定されるキツカーと、キ
ツカーの垂直部を垂直から吸着部材固定側の反対
側に傾く方向に付勢する弾性体とを設け、前記吸
着部材より上方に位置し、且つ吸着部材より水平
方向に突出するプレス加工品当接部を、前記キツ
カーに形成し、キツカーがホルダ部材と共に下降
して、プレス加工品当接部がプレス加工品と当接
した時に、弾性体に抗してキツカーが回転され、
吸着部材がプレス加工品の側面部に吸着してプレ
ス加工品を保持するようにしたことを特徴とす
る。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図は、本考案の一実施例が取りつけられた
プレス加工品送給装置及びプレス機械の正面図で
ある。

前工程のプレス機械１と後工程のプレス機械２
の間に配置されるプレス加工品送給装置３には、
上部のエアシリンダ４及びロツド５によつて上下
に駆動されるガイド体６が取り付けられ、ガイド
体６の長手方向に沿つて設けられるガイド溝７に
はアーム８が摺動可能に嵌合する。

アーム８の中央部下側には、レバー９と連結す
る角メタル１０の上下動をガイドする角メタルガ
イド１１が固着され、プレス加工品送給装置３の
下部の回転軸１２を中心として、エアシリンダ
（図示せず）によつて左右に揺動される前記レバ
ー９の動作により、アーム８がガイド溝７に沿つ
て左右に往復するように駆動される。

アーム８の両端部１３，１３′には、第４，５
図の説明において後述する手段によつてプレス加
工品送給用保持装置１４，１５が取り付けられ
る。１６はストツク台、１７，１８はプレス加工
品、１９，２０は上型、２１，２２は下型であ
る。

第２図は、第１図図示のプレス加工品送給用保
持装置１４の正面図であり、第３図は、第２図の
断面図である。

プレス加工品送給用保持装置１４はホルダ部材
２３とキツカー２４とを備え、ホルダ部材２３に
一体に固着される取付ロツド２５によつて取付部
材２６に取り付けられ、締付ねじ２７によつて固
定される。ホルダ部材２３は、キツカー２４の上
部を挾むように鞍状に形成され、キツカー２４は
回転軸２８によつて、回転可能にホルダ部材２３
に連結される。

キツカー２４には、水平方向に延び、プレス加
工品１７を保持する時に、その上縁部２９と当接
する、プレス加工品当接部３０と、回転軸２８よ
り下方に延び、プレス加工品当接部３０がプレス
加工品１７の上縁部２９と当接して、回転軸２８
を中心として、バネ３１を圧縮する方向にキツカ
ー２４が回転（第３図図示の状態）した時に、プ
レス加工品１７の側面部に吸着するように取り付
けられるバキユームカツプ３２をもつ垂直部３３
とが設けられる。

バキユームカツプ３２は取付ロツド３４及びジ
ヨイント３５により、プレス加工品１７の側面部
の傾斜に対応した角度を与えられ、締付ねじ３６
によつて固定される。

第４，５図は、第１図図示実施例の部分を示す
側面図であり、それぞれ異なつた状態を示すもの
である。

第１〜３図を参照し、第４，５図によつて以
下、動作を説明する。

レバー９は、左側（第１図図示の位置）、中央
及び右側でそれぞれ一時停止しながら左右に繰り
返し揺動し、レバー９の左右の停止時毎に、エア
シリンダ４が動作してガイド体６及びアーム８を
上下動させ、中央での停止時毎にプレス機械１，
２がプレス加工を行う。

プレス加工品送給用保持装置１４，１４′及び
取付部材２６，２６′は、プレス加工品１７を左
右（第１図においては前後）より保持できる間隔
をもつてエクステンシヨンアーム３７に取り付け
られ、ユニツトホルダ３８と共にアーム８と一体
に動作するように固定される。

第４図においては、プレス加工品送給用保持装
置１４，１４′がプレス加工品１７を保持する以
前の状態にあり、バネ３１，３１′はそれぞれキ
ツカー２４，２４′及びバキユームカツプ３２，
３２′をプレス加工品１７から離す方向に付勢し
ている。

ガイド体６の動作により、プレス加工品送給用
保持装置１４，１４′が下降し、キツカー２４，
２４′のプレス加工品当接部３０，３０′がプレス
加工品１７の上縁部２９と当接すると、キツカー
２４，２４′は、それぞれの回転軸２８，２８′を
軸に、バネ３１，３１′を圧縮する方向に回転さ
れ、バキユームカツプ３２，３２′がプレス加工
品１７の側面に吸着して、第５図図示の状態とな
り、プレス加工品１７を保持する。

上記の保持動作は、アーム８の一方の端部１３
側に取り付けられたプレス加工品送給用保持装置
１４について述べたが、第１図破線で示すアーム
８の他端１３′に取り付けられるプレス加工品送
給用保持装置１５においても行われ、ストツク台
１６に置かれたプレス加工品１８も同様にして保
持される。

次いで、ガイド体６の上昇によりプレス加工品
１７，１８がリフトされ、レバー９の動作によつ
て第１図向つて右方に移動され、ガイド体６の下
降によつて下型２１のプレス加工品１７がストツ
ク台１６へ、又、ストツク台１６のプレス加工品
１８が後工程をするプレス機械２の下型２２に置
かれると、プレス加工品送給用保持装置１４，１
５のバキユームカツプは吸着を解放し、レバー９
及びアーム８が中央の一時停止位置に戻ると、プ
レス加工が行われた後、繰り返しプレス加工品送
給動作が行われる。

以上の動作中、プレス加工品当接部３０，３
０′とバキユームカツプ３２，３２′とが、キツカ
ー２４，２４′に一体に設けられ、プレス加工品
送給用保持装置１４，１４′のプレス加工品１７
保持動作が、下降動作中にはじまるので、プレス
加工品の送給時間を速めることができ、又、プレ
ス加工品側面部の内側と外側より挾持する従来の
クランプに比べ、外側の側面部のみによつてプレ
ス加工品１７を保持できるので、プレス加工品送
給用保持装置１４，１４′の構造を簡単にし、小
型で価格の低いものにすることができる。

本実施例においては、吸着部材としてバキユー
ムカツプ３２，３２′を使用したが、磁石を使用
してもよい。又、プレス加工品送給用保持装置１
４，１４′はプレス加工品１７の側面部を外側よ
り保持するようにしたが、内側より保持するよう
にしても同様である。

以上説明したように、本考案によれば、送給用
アームの所定位置に取り付けられるホルダ部材
と、ホルダ部材に回転軸により回転可能に取り付
けられ、回転軸より下方に延びる垂直部に、前記
吸着部材が水平方向に固定されるキツカーと、キ
ツカーの垂直部を垂直から吸着部材固定側の反対
側に傾く方向に付勢する弾性体とを設け、前記吸
着部材より上方に位置し、且つ吸着部材より水平
方向に突出するプレス加工品当接部を前記キツカ
ーに形成したので、カツプ状のプレス加工品の送
給を迅速に行うことができると同時に、低価格の
プレス加工品送給用保持装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の配置例を示す正面図、第２図
は本考案の一実施例を示す正面図、第３図は同じ
く断面図、第４図は第１図図示実施例の部分側面
図、第５図は同じく異なつた状態を示す側面図で
ある。 ８…アーム、１４，１５…プレス加工品送給用
保持装置、１７…プレス加工品、２３，２３′…
ホルダ部材、２４，２４′…キツカー、２８，２
８′…回転軸、３０，３０′…プレス加工品当接
部、３１，３１′…バネ、３２，３２′…バキユー
ムカツプ、３３，３３′…垂直部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス加工品を吸着する吸着部材を備えたプレ
   ス加工品送給用保持装置において、送給用アーム
   の所定位置に取り付けられるホルダ部材と、ホル
   ダ部材に回転軸により回転可能に取り付けられ、
   回転軸より下方に延びる垂直部に、前記吸着部材
   が水平方向に固定されるキツカーと、キツカーの
   垂直部を垂直から吸着部材固定側の反対側に傾く
   方向に付勢する弾性体とを設け、前記吸着部材よ
   り上方に位置し、且つ吸着部材より水平方向に突
   出するプレス加工品当接部を、前記キツカーに形
   成したことを特徴とするプレス加工品送給用保持
   装置。