JPS633793B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、メンバの防錆構造に係り、更に詳し
くは自動車の車体に設けられるメンバの防錆構造
に関するものである。

従来、自動車のメンバとしては、例えば第１，
２図に示すようなものがある。（例えば、実開昭
52−11717号公報参照） 即ち、従来のメンバの斜視図である第１図およ
びそのメンバの縦断面図である第２図に示すよう
に、自動車のフロントフロアの前端において、車
体の横方向にメンバであるダツシユロアクロスメ
ンバ１が設けられ、該ダツシユロアクロスメンバ
１の一部を切欠き該切欠部分に、空間部３を内側
に有し逆ハツト状断面に形成されたメンバである
エクステンシヨンフロントサイドメンバ２が前端
部分を挿入して車体の縦方向に設けられている。

そして、この両メンバ１，２は結合されること
によつて、強度を高めた構造となつている。

ところで、上記エクステンシヨンフロントサイ
ドメンバ２の下面には通常電着液排出孔、重量軽
減孔、位置決め孔等の多数の孔４が穿設されてい
る。

このため、自動車が泥濘地を走行する場合、上
記孔４より泥水５が侵入し、エクステンシヨンフ
ロントサイドメンバ２の内側の空間部に貯溜され
ることがある。

また、この貯溜泥水５が減速時にエクステンシ
ヨンフロントサイドメンバ２内を前方に移動する
と共に、ダツシユロアクロスメンバ１内に侵入し
て貯溜してしまう惧れがあつた。

更に、この泥水５は一旦ダツシユロアクロスメ
ンバ１内に侵入貯留すると、底面全体に広がり排
出が困難となるという問題点があつた。

一方、車体塗装の際、ダツシユロアクロスメン
バ１内の電着液の排出は、その殆んどをエクステ
ンシヨンフロントサイドメンバ２に穿設された孔
４を通して行つているために、両メンバ１，２の
間を完全に閉塞することはできないという問題点
があつた。

本発明は、このような従来の実情に鑑みてなさ
れたものであつて、電着液の排出を可能としつ
つ、泥水がメンバ内に侵入・貯溜することを防止
することによつて、上記問題点を解消することを
目的とする。

この目的を達成するため、本発明はメンバの内
側空間部に、電着液排出孔等の孔によりも上位に
おいて、メンバの内側との間に〓間を有して区画
する仕切板を設けた構成とした。

以下、図面に基づいて本発明の一実施例につい
て詳述する。

第３〜５図は、本発明の一実施例を示し、内側
に空間部３を有すると共に長手方向に傾斜部７を
有し、空間部３と外部とを連通する孔４が下面６
に設けられたメンバである逆ハツト状断面のエク
ステンシヨンフロントサイドメンバ２（以下メン
バ２と称する）の傾斜部７に、内側空間部３を区
画する仕切板１１が設けられている。

該仕切板１１は、高さがメンバ２の側壁よりも
低く、かつ上面を除く周縁にフランジ１１ｄを立
設した略矩形状に形成され、両側面１１ａおよび
下面１１ｂがメンバ２の内側に密着すると共に、
下側隅部１１ｃがメンバ２の内側と〓間Ｓを有す
るように形成されている。

そして、上記フランジ１１ｄを傾斜部７の下方
に向け、電着液排出光等の孔４より上位におい
て、メンバ２の内側空間部３を区画するようにし
て、仕切板１１がメンバ２に配設されている。

次に、その作用を第３〜６図に基づいて説明す
る。

まず、自動車が泥濘地を走行し電着液排出孔等
の孔４からメンバ２内へ泥水５が侵入した場合に
あつても、仕切板１１の取付位置と孔４の位置と
は高低差Ｈがあるので、減速時に泥水５の前方移
動の運動エネルギが減少して小さな運動エネルギ
となると共に、泥水の前方移動が仕切板１１によ
り大部分が塞止められる。

また、仕切板１１を乗越えた泥水５にあつて
も、運動エネルギを失つているため、仕切板１１
の前側近傍に貯溜される。

そして、この貯溜泥水５は、加速時に仕切板１
１の下側隅部１１ｃとメンバ２の内側との隙間Ｓ
から仕切板１１の後方へ移動すると共に、孔４か
ら外部へ排出される。

また、車体の電着塗装の際には、仕切板１１前
方のダツシユロアクロスメンバ１やメンバ２内に
一時残された電着液１２は、第６図に示すように
大部分が仕切板１１を乗越え後方へ移動し孔４か
ら外部へ排出される。

また、仕切板１１の前側近傍に残溜した電着液
１２も、仕切板１１とメンバ２との隙間Ｓを通つ
て、後方へ移動し、孔４から外部へ排出される。

尚、本発明は上記実施例に限定されることな
く、リヤサイドメンバその他のメンバにも使用で
きる。また、メンバは断面が逆ハツト状に限らず
内側に空間部があればよく、仕切板１１も上記実
施例の矩形状に限らず、半長円状その他の形状の
ものであつてもよいし、高さはメンバの側壁より
低くなくてもメンバの内側との間に〓間があれば
よい。

本発明は、以上のように構成したので、次のよ
うな優れた効果がある。

メンバに穿設された孔から侵入する泥水の大
部分が、仕切板により減速時の前方移動が塞止
められ、かつ仕切板を乗越えて前方移動した泥
水も加速時に仕切板とメンバとの隙間より後方
に移動し、孔から外部へ排出されるので、メン
バ内側の空間部に泥水が残溜・拡散しない。

また、車体の電着塗装の際にメンバ内に一時
残された電着液も、仕切板を乗越えて仕切板の
後方へ移動し、また仕切板とメンバとの隙間か
ら仕切板の後方へ移動し、それぞれメンバに穿
設された孔から外部へ排出される。

従つて、メンバ内側の空間部には、電着液や泥
水が残溜する惧れがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のメンバの斜視図、第２図はその
縦断面図、第３図は本発明の一実施例の斜視図、
第４図はその縦断面図、第５図は第４図のＶ矢視
図、第６図は仕切板近傍の電着液の流れを示す説
明図である。 １……ダツシユロアクロスメンバ（メンバ）、
２……エクステンシヨンフロントサイドメンバ
（メンバ）、３……空間部、４……孔、５……泥
水、６……下面、７……傾斜部、１１……仕切
板、１２……電着液、Ｓ……隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内側に空間部を有すると共に長手方向に傾斜
   部を有し、かつ前記空間部と外部とを連通する孔
   が下面に設けられたメンバにおいて、前記空間部
   に、前記孔よりも上位において、前記メンバの内
   側との間に〓間を有して区画する仕切板を設けた
   ことを特徴とするメンバの防錆構造。