JPS6337377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は外壁パネルを建物の軸組に取付ける
構造に関するものである。

従来、コンクリート製の外壁パネルを軸組等の
建物の構造物に取付ける方法としては、外壁パネ
ルに取付けられた連結金具を上記構造物に固定す
るもの、あるいは構造物側に取付けられている連
結金具に外壁パネルを固定するもの等があつた。

ところで、外壁パネルがコンクリート成形され
る場合、外壁パネルに連結金具を取付ける場所が
ないことから、連結金具は外壁パネルに埋設され
ていた。また、コンクリート製の外壁パネルの重
量が大であることから、連結金具は構造物側に溶
接等によつて堅固に取付けられていた。

しかしながら、連結金具を外壁パネルに埋設し
ている場合、外壁パネルの輸送や保管等の取扱い
に不便で、適宜取付位置の変更ができない等の問
題があり、また、構造物側に連結金具を溶接等に
よつて取付ける場合、作業工数の増大等によつて
建設工事費が高くなる等の問題があつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、内部に中空部を有するコンクリー
ト製の外壁パネルを、取付金具を用いて簡単かつ
容易に軸組に取付ける外壁パネルの取付構造を提
供することを目的とする。

以下、本考案の構成を、実施例につき図面に基
いて説明する。

本考案に係る建物の外壁部を第１図ないし第４
図に示し、外壁部１は軸組２…に複数枚の外壁パ
ネル３，１１…が張設されてなり、適当個所に窓
４…が設けられている。

例えば第１図の２点鎖線枠内部分における軸組
２は、第２図に示すように、開口部両側に縁片
５，５を有する溝形断面の部材、つまり上弦材２
ａ、下弦材２ｂ、縦柱２ｃ，２ｄ、中柱２ｅ，２
ｆおよび中桟２ｇ，２ｈを枠組みして形成され、
１階部分の上染６の上に立設状に固定されてい
る。

一方、軸組２に背部３ａがあてがわれる外壁パ
ネル３はコンクリート製で、無機材料のみのほ
か、無機材料と有機材料とを混合したもの、ある
いはこれらのものを発泡させたものなどが材料と
して用いられ、内部に中空部３ｂが縦方向へ延び
て貫設されている。外壁パネル３の寸法は、例え
ば、横が約50cm、縦が約300cm、厚さが約５〜６
cmである。該外壁パネル３は第２図に示すよう
に、１つの軸組２に対して４枚取付けられてい
る。つまり縦柱２ｃから中柱２ｅまでに２枚の外
壁パネル３，３、中柱２ｆから縦柱２ｄまでに２
枚の外壁パネル３，３がそれぞれ取付けられてい
る。なお、この軸組２と外壁パネル３との取付け
の関係は、建物の形体、寸法に対応して変化する
もので、例えば第１図において窓４が設けられる
部位では、第２図に示されたものよりも軸組２お
よび外壁パネル３の縦寸法が小さく設定される。
なお、外壁パネル１１も上述の外壁パネル３と同
一構造である。

軸組２の下弦材２ｂには、２階部分の外壁パネ
ル３の下端縁３ｃと、１階部分の外壁パネル１１
の上端縁１１ｄを同時に支持するための取付金具
７が取付けられている。

該取付金具７は第５図に示すように、弾性を有
する板材、例えば板金により形成され、上記下弦
材２ｂに着脱可能に取付けられる取付本体８と、
該取付本体８の室外側下端部に連設された受片９
および支持片１０とからなる。取付本体８は下弦
材２ｂの断面形状に対応して略下向きコ字形状と
されるとともに、室内側下端部には係止部８ａが
若干内方へ掘曲して形成されており、下弦材２ｂ
に対して上側から弾発的に嵌着するようにされて
いる。受片９は取付本体８から室外側へ延びて略
Ｌ字形状に形成され、該受片９の先端挿入部９ａ
は内方へ向けて若干湾曲され、該先端挿入部９ａ
を外壁パネル３の中空部３ｂへ下側から挿入した
際に、外壁パネル３の下端縁３ｄが受片９の支持
部９ｂ上に支持されるとともに、先端挿入部９ａ
と取付本体８との間に弾発的に挾持されるように
されている。また、支持片１０は取付本体８から
室外側へ延びて略逆Ｌ字形状に形成され、該支持
片１０の先端挿入部１０ａは上記先端挿入部９ａ
と同様に内方へ向けて若干湾曲され、該先端挿入
部１０ａを１階部分の外壁パネル１１の中空部１
１ｂへ上側から挿入された際に、外壁パネル１１
の上端縁１１ｄが上梁６側へ引き寄せられて支持
されるようにされている。

しかして、外壁パネル３を軸組２に取付けるに
は、１階部分の外壁パネル１１を取付けた後、先
ず、取付金具８を、支持片１０の先端挿入部１０
ａが外壁パネル１１の中空部１１ｂに挿入される
ようにして、下弦材２ｂに取付ける。次に外壁パ
ネル３の中空部３ｂに受片９の先端挿入部９ａが
挿入されるようにして、外壁パネル３の下端縁３
ｃを受片９の支持部９ｂ上に載置させ、最後に、
外壁パネル３の背部３ａを軸組２にあてがつて支
持し、適宜の固定金具１２…（第２図参照）によ
り外壁パネル３の必要個所を上記軸組２に固定す
る。そして、以後、上記の要領で順次外壁パネル
３を軸組２に必要枚数取付けて外壁部１を組立て
る。

なお、上記実施例において、外壁パネル３，１
１の背部３ａ，１１ａには適当な間隔で縦方向に
長い溝１３，１３（第３図参照）を形成してお
き、外壁部１の内側で上下方向の通気ができるよ
うにしても良い。また、中空部３ｂ，１１ｂの寸
法は外壁パネル３，１１の強度を考慮しつつ、該
外壁パネル３，１１の重量の軽減が可及的に図れ
るように設定される。

以上詳述したように、本考案は取付金具が弾性
を有する板材からなり、略下向きコ字形状の取付
本体の室外側下端部に略Ｌ字形状の受片と略逆Ｌ
字形状の支持片を連設して形成され、上記取付本
体が軸組の下弦材に上側から弾発的に嵌着され、
上記受片の先端挿入部がコンクリート製の外壁パ
ネルの内部に設けられた中空部に下側から挿入さ
れる一方、上記支持片の先端挿入部が階下に取付
けられたコンクリート製の外壁パネルの内部に設
けられた中空部に上側から挿入されるように構成
されたから、軸組への外壁パネルの下部の取付け
が溶接等を必要とすることなく、きわめて簡単か
つ容易に行え、外壁部の組立作業を能率よく行う
ことができる。しかも、１つの取付金具で、階下
の外壁パネルの上部も同時に支持できるため、取
付金具の使用個数が少なくて済み、部品コストの
低減化が図れる。

また、取付金具は下弦材に単に弾発的に嵌着さ
れる簡単な構造であるから、外壁パネルの寸法、
特に中空部の位置の変化にも容易に対応すること
ができ、汎用性に富む。

さらに、取付金具は外壁パネルに予め埋設する
必要がないため、外壁パネルの輸送や保管等の取
扱いに便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は建
物の外壁部を示す正面図、第２図は第１図におけ
る２点鎖線枠内部分の背面斜視図、第３図は同要
部を示す拡大斜視図、第４図は同縦断面図、第５
図は取付金具の斜視図である。 ２……軸組、２ｂ……下弦材、３，１１……外
壁パネル、３ｂ，１１ｂ……中空部、３ｃ……下
端縁、５……縁片、７……取付金具、８……取付
本体、９……受片、９ａ……先端挿入部、１０…
…支持片、１０ａ……先端挿入部、１１ｄ……上
端縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸組が開口部両側に縁片を有する溝形断面の部
   材を枠組みして形成される一方、取付金具が弾性
   を有する板材からなり、略下向きコ字形状の取付
   本体の室外側下端部に略Ｌ字形状の受片と略逆Ｌ
   字形状の支持片を連設して形成され、前記取付本
   体が前記軸組の下弦材に上側から弾発的に嵌着さ
   れ、前記受片の先端挿入部がコンクリート製の外
   壁パネルの内部に設けられた中空部に下側から挿
   入されて該外壁パネルの下端縁を支持し、前記支
   持片の先端挿入部が階下に取付けられたコンクリ
   ート製の外壁パネルの内部に設けられた中空部に
   上側から挿入されて該階下の外壁パネルの上端縁
   を支持していることを特徴とする外壁パネルの取
   付構造。