JPS6337171B2 - - Google Patents
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- JPS6337171B2 JPS6337171B2 JP60056093A JP5609385A JPS6337171B2 JP S6337171 B2 JPS6337171 B2 JP S6337171B2 JP 60056093 A JP60056093 A JP 60056093A JP 5609385 A JP5609385 A JP 5609385A JP S6337171 B2 JPS6337171 B2 JP S6337171B2
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- cooling
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/52—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
- C21D9/54—Furnaces for treating strips or wire
- C21D9/56—Continuous furnaces for strip or wire
- C21D9/573—Continuous furnaces for strip or wire with cooling
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
連続熱処理における鋼帯の冷却方法に関して、
この明細書で述べる技術内容は、とくに連続熱処
理の最終冷却を冷却浴中への浸漬処理によつて行
う場合に、該冷却条件に工夫を加えることによつ
て、鋼帯の表面品質の向上を図るところにある。 (従来の技術) 従来から連続焼鈍炉や連続熱処理炉における鋼
帯の最終冷却は、一般に冷却水槽を用いた浸漬処
理によつて行われている。 たとえば特公昭57−11931号公報においては、
冷却水の温度を制御することによつて、鋼板の時
効性を損うことなしに急冷を可能ならしめ、併せ
て排水の保有熱の有効回収も図つた冷却方法が提
案されている。また特公昭57−11932号および同
57−11933号各公報にはそれぞれ、冷却水の大幅
節減および二次利用を目指した冷却方法が開示さ
れている。 (発明が解決しようとする問題点) ところで上記した如き従来の冷却方法では、冷
却後の鋼板の表面に、原因不明の汚れが付着する
現象がしばしば見受けられた。かかる汚れは、と
くに処理量が多いほど、または冷却水槽入側にお
ける鋼板温度が高いほど発生し易かつた。 従つて従来の冷却方法において、かような汚れ
の発生が懸念される場合には、処理量を制限する
か、または入側板温を下げて操業することを余儀
なくされていた。処理量を制限することは生産性
の低下を招き、一方入側板温を下げるためには、
通常冷却水槽前に設置されている冷却帯において
該冷却帯出側の鋼帯温度を下げる必要があること
から、冷却コストの大幅な増加を招く不利があつ
た。 この発明は、上記の問題を有利に解決するもの
で、生産性の低下やコストの増大を招くことなし
に、鋼帯の表面汚れの発生を完全に防止し得る冷
却方法を提案することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) さて発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、 (i) 汚れの付着は、入側鋼帯温度Ts、ライン速
度v×板厚dおよび冷却水の温度Twがいずれ
も高いほど起き易い、 (ii) 付着物は、冷却水中の汚濁物と一致する、 (iii) 汚れは、鋼帯の表面つまりシンクロールに巻
きついた側の面にのみ発生する、 ことの知見を得た。 そこで発明者らは、上記の知見とくに(iii)の点に
着目して、汚れの発生原因を追求した結果、汚れ
の発生は、シンクロールに高温の鋼帯が巻付いた
場合に、鋼帯とシンクロールとの間隙の冷却水の
水膜が蒸発し、そのため水膜中の汚濁物が鋼帯表
面に付着することに起因するものであることを突
止めたのである。 この発明は、上記の解明成果に立脚するもので
ある。 すなわちこの発明は、連続熱処理ラインの冷却
ゾーンを通過させた鋼帯を、シンクロールをそな
える冷却水槽内に浸漬して最終冷却するに際し、
次式 l≧ρ・Cp・v・d/2α×lnTs−Tw/120−Tw ここでl:冷却水槽浴面からシンクロールまでの
距離(m) Ts:鋼帯の入側板温(℃) Tw:冷却水の温度(℃) Cp:鋼帯の比熱(kcal/Kg・℃) v:鋼帯の通板速度(m/h) d:鋼帯の板厚(m) α:熱伝達係数(kcal/m2・h・℃) ρ:鋼帯の密度(Kg/m3) の関係を満足する条件下に冷却を施すことを特徴
とする連続熱処理における鋼帯の冷却方法であ
る。 この発明の基礎となつた実験結果からまず説明
する。 厚みがそれぞれ0.5mm、1.0mmおよび1.5mmの鋼帯
に熱電対を取付け、200〜300℃程度に加熱したの
ち水槽に浸漬して、浸漬冷却における冷却状況に
ついて調査した。 その結果、表1に示したように、鋼帯の厚みや
冷却水温度に関係なく、平均熱伝達係数αは約
5000kcal/m2・h・℃であることが判明した。
この明細書で述べる技術内容は、とくに連続熱処
理の最終冷却を冷却浴中への浸漬処理によつて行
う場合に、該冷却条件に工夫を加えることによつ
て、鋼帯の表面品質の向上を図るところにある。 (従来の技術) 従来から連続焼鈍炉や連続熱処理炉における鋼
帯の最終冷却は、一般に冷却水槽を用いた浸漬処
理によつて行われている。 たとえば特公昭57−11931号公報においては、
冷却水の温度を制御することによつて、鋼板の時
効性を損うことなしに急冷を可能ならしめ、併せ
て排水の保有熱の有効回収も図つた冷却方法が提
案されている。また特公昭57−11932号および同
57−11933号各公報にはそれぞれ、冷却水の大幅
節減および二次利用を目指した冷却方法が開示さ
れている。 (発明が解決しようとする問題点) ところで上記した如き従来の冷却方法では、冷
却後の鋼板の表面に、原因不明の汚れが付着する
現象がしばしば見受けられた。かかる汚れは、と
くに処理量が多いほど、または冷却水槽入側にお
ける鋼板温度が高いほど発生し易かつた。 従つて従来の冷却方法において、かような汚れ
の発生が懸念される場合には、処理量を制限する
か、または入側板温を下げて操業することを余儀
なくされていた。処理量を制限することは生産性
の低下を招き、一方入側板温を下げるためには、
通常冷却水槽前に設置されている冷却帯において
該冷却帯出側の鋼帯温度を下げる必要があること
から、冷却コストの大幅な増加を招く不利があつ
た。 この発明は、上記の問題を有利に解決するもの
で、生産性の低下やコストの増大を招くことなし
に、鋼帯の表面汚れの発生を完全に防止し得る冷
却方法を提案することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) さて発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、 (i) 汚れの付着は、入側鋼帯温度Ts、ライン速
度v×板厚dおよび冷却水の温度Twがいずれ
も高いほど起き易い、 (ii) 付着物は、冷却水中の汚濁物と一致する、 (iii) 汚れは、鋼帯の表面つまりシンクロールに巻
きついた側の面にのみ発生する、 ことの知見を得た。 そこで発明者らは、上記の知見とくに(iii)の点に
着目して、汚れの発生原因を追求した結果、汚れ
の発生は、シンクロールに高温の鋼帯が巻付いた
場合に、鋼帯とシンクロールとの間隙の冷却水の
水膜が蒸発し、そのため水膜中の汚濁物が鋼帯表
面に付着することに起因するものであることを突
止めたのである。 この発明は、上記の解明成果に立脚するもので
ある。 すなわちこの発明は、連続熱処理ラインの冷却
ゾーンを通過させた鋼帯を、シンクロールをそな
える冷却水槽内に浸漬して最終冷却するに際し、
次式 l≧ρ・Cp・v・d/2α×lnTs−Tw/120−Tw ここでl:冷却水槽浴面からシンクロールまでの
距離(m) Ts:鋼帯の入側板温(℃) Tw:冷却水の温度(℃) Cp:鋼帯の比熱(kcal/Kg・℃) v:鋼帯の通板速度(m/h) d:鋼帯の板厚(m) α:熱伝達係数(kcal/m2・h・℃) ρ:鋼帯の密度(Kg/m3) の関係を満足する条件下に冷却を施すことを特徴
とする連続熱処理における鋼帯の冷却方法であ
る。 この発明の基礎となつた実験結果からまず説明
する。 厚みがそれぞれ0.5mm、1.0mmおよび1.5mmの鋼帯
に熱電対を取付け、200〜300℃程度に加熱したの
ち水槽に浸漬して、浸漬冷却における冷却状況に
ついて調査した。 その結果、表1に示したように、鋼帯の厚みや
冷却水温度に関係なく、平均熱伝達係数αは約
5000kcal/m2・h・℃であることが判明した。
【表】
ところで浸漬冷却における冷却式は次式(1)で表
される。 Ts′=Tw+(Ts−Tw)exp−2α・l/Cp・ρ・v・d …(1) ここでl:冷却水槽浴面からシンクロールへ接す
るまでの距離(m) Ts:鋼帯の入側板温(℃) Ts′:シンクロール接触開始時における鋼帯温
度(℃) Tw:冷却水の温度(℃) Cp:鋼帯の比熱(kcal/Kg・℃) v:鋼帯の通板速度(m/h) d:鋼帯の板厚(m) α:熱伝達係数(kcal/m2・h・℃) ρ:鋼帯の密度(Kg/m3) この式(1)に、上記の実験から得られたα=5000
(kcal/m2h℃)ならびに常数として扱い得るρ
=7850(Kg/m3)、Cp=0.124(鋼帯250℃から100℃
間の平均比熱、kcal/Kg・℃)を代入し、その他
の要因については、その値を種々に変更して数多
くの実験を行い、鋼帯表面における汚れの発生状
況について調査したところ、第1図に示したとお
り、Ts′が120℃を超えると汚れが付着すること
が判明した。 すなわち上記の実験においては、Ts=200〜
300℃、Tw:70〜90℃、(v/60)×(d×103)=
135〜300の範囲で種々に変化させたが、いずれの
場合においてもTs′が120℃を超えると、汚れが
発生したのである。 この点逆に言えば、操業条件がいかようであつ
てもTs′が120℃以下であれば、汚れは発生しな
いわけである。 ここに上掲(1)式において、Ts′≦120℃、α=
5000(kcal/m2h℃)、ρ=7850(Kg/m3)を代入
すると次式(2) 120≧Tw+(Ts−Tw)exp−10000l/7850Cp・v・d …(2) が得られ、この(2)式のTwで整理すると、結局次
式(3)、 l≧7850・Cp・v・d/10000・lnTs−Tw/120−Tw…(3
) となり、従つてこの(3)式を満足する条件下に冷却
処理を行えば、汚れの付着は生じないことにな
る。 第2図に、上掲(3)式において、Cp=0.124
(kcal/Kg℃)、Tw=80(℃)と一定にし、Tsに
ついては160、180および200(℃)と変化させたと
きの、汚れの発生阻止条件を、lと(v/60)×
(d×103)との関係で示す。 図中に斜線で示した領域が、各冷却開始温度
Tsにおける好適操業条件範囲であり、かかる好
適条件下に操業を行うことにより、汚れの発生は
完全に防止されるはずである。 実際、上記の好適範囲で冷却処理を行つたとこ
ろ、汚れの発生は皆無であつた。 (作 用) 次にこの発明に従う冷却方法の具体的な実施の
態様を、図面に基づいて説明する。 第3図に、鋼帯の入側板温Tsを制御要因とす
る場合を図解する。図中番号1は冷却水槽、2は
シンクロール、3は水温計、4は温度制御装置、
5は冷却水供給ポンプ、6は冷却水供給管、7は
冷却水の排出口であり、8は鋼帯、9は冷却帯、
10は冷却装置、そして11は鋼帯の温度検出
器、12は温度制御装置、13は演算器である。 さてまず冷却水の温度Twを水温計3によつて
測定し、演算器13に入力する。この演算器13
においては、冷却水温度Twの他、上位計算機
(図示省略)から入力される鋼帯の通板速度vお
よび板厚d、さらには固定値として入力されてい
る冷却水槽浴面からシンクロールまでの距離(以
下単に冷却長という)lおよび鋼帯の比熱Cpの
値から、前掲(3)式を用いて鋼帯の入側板温Tsの
最大許容値Tsnaxを算出し、このTsnaxを温度制
御装置12に伝送・設定して、冷却装置10によ
り、鋼帯の温度検出器11で検出される鋼帯の入
側板温Tsが最大許容値Tsnaxを超えることがない
ように制御するのである。 かくして操業全期間にわたつて(3)式の条件が満
足され、汚れの付着は完全に防止されるのであ
る。 次に第4図に、冷却水温度Twを制御要因とす
る場合を図解する。 この場合は、まず鋼帯の入側板温Tsを温度検
出器11によつて測定し、演算器13に入力す
る。この演算器13では、同様にして冷却水温度
Twの最大許容値Twnaxを算出し、このTwnaxを
温度制御装置4に伝送・設定する。温度制御装置
4では、この設定値Twnaxと水温計3で測定され
た冷却水の温度Twとを照合し、TwがTwnaxを
超えることがないように冷却水供給ポンプ5を調
節するのである。 さらに第5図には、冷却長lを制御要因とする
場合を図解する。なお図中番号14はフレキシブ
ルホース、15は駆動モータ、16は位置検出
器、17は位置制御装置、18はホース固定部
材、19は駆動軸であり、該フレキシブルホース
14は駆動モータ15により上下動可能なしくみ
になつている。 この場合は、温度検出器11および13によつ
て検出された鋼帯の入側板温Tsおよび冷却水温
度Twをもとに、演算装置13において、(3)式の
関係を満足する冷却長lの最小許容値lnioを算出
し、このlnioを位置制御装置17に出力して、冷
却長lがlnioを下回らないようにフレキシブルホ
ース14の位置を調節するのである。 なお第6図は、冷却水槽を2個そなえる場合の
例であつて、番号20が前段水槽、21が後段水
槽、そして22が前段水槽温度検出器であり、後
段水槽21の温度は温度制御装置4によつて一定
に制御され、この水槽21からオーバーフローに
より、前段水槽20に冷却水は補給され排出口7
から排出されるしくみになつている。 この場合、前段水槽20の冷却水温度Twおよ
び冷却長は制御できないが、第3図の場合と同
様、前段水槽温度検出器22によつて検出した冷
却水温度Twの値をもとに、鋼帯の入側板温Tsを
制御することによつて、汚れの効果的な防止を図
り得る。 (実施例) 第4図に示した制御系を有する設備において、
厚さ0.5〜1.5mm幅900〜1400mmの鋼帯を、冷却水
温Tw=80℃、冷却長l=1.2mmとする冷却条件に
おいて、 {鋼帯速度:(v/60)m/min×板厚:(d×103)
mm} および鋼帯の冷却水槽入側温度Tsを変化させた
場合における汚れ付着状況について調査した。 得られた結果を第7図に示す。汚れ付着の限界
は、前記式(3)において、Cp=0.124kcal/Kg℃、
Tw=80℃、l=1.2mとして算出した限界線とよ
く一致している。 (発明の効果) かくしてこの発明によれば、連続熱処理ライン
を経た鋼帯の最終的な浸漬水冷処理において、従
来懸念された表面汚れの発生を完全に防止するこ
とができる。
される。 Ts′=Tw+(Ts−Tw)exp−2α・l/Cp・ρ・v・d …(1) ここでl:冷却水槽浴面からシンクロールへ接す
るまでの距離(m) Ts:鋼帯の入側板温(℃) Ts′:シンクロール接触開始時における鋼帯温
度(℃) Tw:冷却水の温度(℃) Cp:鋼帯の比熱(kcal/Kg・℃) v:鋼帯の通板速度(m/h) d:鋼帯の板厚(m) α:熱伝達係数(kcal/m2・h・℃) ρ:鋼帯の密度(Kg/m3) この式(1)に、上記の実験から得られたα=5000
(kcal/m2h℃)ならびに常数として扱い得るρ
=7850(Kg/m3)、Cp=0.124(鋼帯250℃から100℃
間の平均比熱、kcal/Kg・℃)を代入し、その他
の要因については、その値を種々に変更して数多
くの実験を行い、鋼帯表面における汚れの発生状
況について調査したところ、第1図に示したとお
り、Ts′が120℃を超えると汚れが付着すること
が判明した。 すなわち上記の実験においては、Ts=200〜
300℃、Tw:70〜90℃、(v/60)×(d×103)=
135〜300の範囲で種々に変化させたが、いずれの
場合においてもTs′が120℃を超えると、汚れが
発生したのである。 この点逆に言えば、操業条件がいかようであつ
てもTs′が120℃以下であれば、汚れは発生しな
いわけである。 ここに上掲(1)式において、Ts′≦120℃、α=
5000(kcal/m2h℃)、ρ=7850(Kg/m3)を代入
すると次式(2) 120≧Tw+(Ts−Tw)exp−10000l/7850Cp・v・d …(2) が得られ、この(2)式のTwで整理すると、結局次
式(3)、 l≧7850・Cp・v・d/10000・lnTs−Tw/120−Tw…(3
) となり、従つてこの(3)式を満足する条件下に冷却
処理を行えば、汚れの付着は生じないことにな
る。 第2図に、上掲(3)式において、Cp=0.124
(kcal/Kg℃)、Tw=80(℃)と一定にし、Tsに
ついては160、180および200(℃)と変化させたと
きの、汚れの発生阻止条件を、lと(v/60)×
(d×103)との関係で示す。 図中に斜線で示した領域が、各冷却開始温度
Tsにおける好適操業条件範囲であり、かかる好
適条件下に操業を行うことにより、汚れの発生は
完全に防止されるはずである。 実際、上記の好適範囲で冷却処理を行つたとこ
ろ、汚れの発生は皆無であつた。 (作 用) 次にこの発明に従う冷却方法の具体的な実施の
態様を、図面に基づいて説明する。 第3図に、鋼帯の入側板温Tsを制御要因とす
る場合を図解する。図中番号1は冷却水槽、2は
シンクロール、3は水温計、4は温度制御装置、
5は冷却水供給ポンプ、6は冷却水供給管、7は
冷却水の排出口であり、8は鋼帯、9は冷却帯、
10は冷却装置、そして11は鋼帯の温度検出
器、12は温度制御装置、13は演算器である。 さてまず冷却水の温度Twを水温計3によつて
測定し、演算器13に入力する。この演算器13
においては、冷却水温度Twの他、上位計算機
(図示省略)から入力される鋼帯の通板速度vお
よび板厚d、さらには固定値として入力されてい
る冷却水槽浴面からシンクロールまでの距離(以
下単に冷却長という)lおよび鋼帯の比熱Cpの
値から、前掲(3)式を用いて鋼帯の入側板温Tsの
最大許容値Tsnaxを算出し、このTsnaxを温度制
御装置12に伝送・設定して、冷却装置10によ
り、鋼帯の温度検出器11で検出される鋼帯の入
側板温Tsが最大許容値Tsnaxを超えることがない
ように制御するのである。 かくして操業全期間にわたつて(3)式の条件が満
足され、汚れの付着は完全に防止されるのであ
る。 次に第4図に、冷却水温度Twを制御要因とす
る場合を図解する。 この場合は、まず鋼帯の入側板温Tsを温度検
出器11によつて測定し、演算器13に入力す
る。この演算器13では、同様にして冷却水温度
Twの最大許容値Twnaxを算出し、このTwnaxを
温度制御装置4に伝送・設定する。温度制御装置
4では、この設定値Twnaxと水温計3で測定され
た冷却水の温度Twとを照合し、TwがTwnaxを
超えることがないように冷却水供給ポンプ5を調
節するのである。 さらに第5図には、冷却長lを制御要因とする
場合を図解する。なお図中番号14はフレキシブ
ルホース、15は駆動モータ、16は位置検出
器、17は位置制御装置、18はホース固定部
材、19は駆動軸であり、該フレキシブルホース
14は駆動モータ15により上下動可能なしくみ
になつている。 この場合は、温度検出器11および13によつ
て検出された鋼帯の入側板温Tsおよび冷却水温
度Twをもとに、演算装置13において、(3)式の
関係を満足する冷却長lの最小許容値lnioを算出
し、このlnioを位置制御装置17に出力して、冷
却長lがlnioを下回らないようにフレキシブルホ
ース14の位置を調節するのである。 なお第6図は、冷却水槽を2個そなえる場合の
例であつて、番号20が前段水槽、21が後段水
槽、そして22が前段水槽温度検出器であり、後
段水槽21の温度は温度制御装置4によつて一定
に制御され、この水槽21からオーバーフローに
より、前段水槽20に冷却水は補給され排出口7
から排出されるしくみになつている。 この場合、前段水槽20の冷却水温度Twおよ
び冷却長は制御できないが、第3図の場合と同
様、前段水槽温度検出器22によつて検出した冷
却水温度Twの値をもとに、鋼帯の入側板温Tsを
制御することによつて、汚れの効果的な防止を図
り得る。 (実施例) 第4図に示した制御系を有する設備において、
厚さ0.5〜1.5mm幅900〜1400mmの鋼帯を、冷却水
温Tw=80℃、冷却長l=1.2mmとする冷却条件に
おいて、 {鋼帯速度:(v/60)m/min×板厚:(d×103)
mm} および鋼帯の冷却水槽入側温度Tsを変化させた
場合における汚れ付着状況について調査した。 得られた結果を第7図に示す。汚れ付着の限界
は、前記式(3)において、Cp=0.124kcal/Kg℃、
Tw=80℃、l=1.2mとして算出した限界線とよ
く一致している。 (発明の効果) かくしてこの発明によれば、連続熱処理ライン
を経た鋼帯の最終的な浸漬水冷処理において、従
来懸念された表面汚れの発生を完全に防止するこ
とができる。
第1図は、汚れ付着の有無に及ぼすシンクロー
ル接触開始時における鋼帯温度と(v/60)×(d
×103)との関係を示したグラフ、第2図は、汚
れの発生阻止条件を冷却長lと(v/60)×(d/
103)との関係で示したグラフ、第3図、第4図、
第5図および第6図はそれぞれ、この発明に従う
冷却制御要領の説明図、第7図は実施例における
汚れ付着の発生状況を示したグラフである。 1…冷却水槽、2…シンクロール、3…水温
計、4…温度制御装置、5…冷却水供給ポンプ、
6…冷却水供給管、7…冷却水排水口、8…鋼
帯、9…冷却帯、10…冷却装置、11…鋼帯の
温度検出器、12…温度制御装置、13…演算
器、14…フレキシブルホース、15…駆動モー
タ、16…位置検出器、17…位置制御装置、1
8…ホース固定部材、19…駆動軸、20…前段
水槽、21…後段水槽、22…前段水槽温度検出
器。
ル接触開始時における鋼帯温度と(v/60)×(d
×103)との関係を示したグラフ、第2図は、汚
れの発生阻止条件を冷却長lと(v/60)×(d/
103)との関係で示したグラフ、第3図、第4図、
第5図および第6図はそれぞれ、この発明に従う
冷却制御要領の説明図、第7図は実施例における
汚れ付着の発生状況を示したグラフである。 1…冷却水槽、2…シンクロール、3…水温
計、4…温度制御装置、5…冷却水供給ポンプ、
6…冷却水供給管、7…冷却水排水口、8…鋼
帯、9…冷却帯、10…冷却装置、11…鋼帯の
温度検出器、12…温度制御装置、13…演算
器、14…フレキシブルホース、15…駆動モー
タ、16…位置検出器、17…位置制御装置、1
8…ホース固定部材、19…駆動軸、20…前段
水槽、21…後段水槽、22…前段水槽温度検出
器。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 連続熱処理ラインの冷却ゾーンを通過させた
鋼帯を、シンクロールをそなえる冷却水槽内に浸
漬して最終冷却するに際し、次式、 l≧ρ・Cp・v・d/2α×ln(Ts−Tw/120−Tw) ここでl:冷却水槽浴面からシンクロールまでの
距離(m) Ts:鋼帯の入側板温(℃) Tw:冷却水の温度(℃) Cp:鋼帯の比熱(kcal/Kg・℃) v:鋼帯の通板速度(m/h) d:鋼帯の板厚(m) α:熱伝達係数(kcal/m2・h・℃) ρ:鋼帯の密度(Kg/m3) の関係を満足する条件下に冷却を施すことを特徴
とする連続熱処理における鋼帯の冷却方法。
Priority Applications (8)
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