JPS6335931Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば紙幣等を所定枚数スタツクす
るスタツカ部において、その短辺方向及び長辺方
向の不揃いを修正する紙葉類の揃え機構に関する
ものである。

〔従来の技術〕

紙幣等の紙葉類を所定の枚数ずつ帯封するため
に、計数帯封機が用いられるが、この計数帯封機
にあつては、紙葉を搬送ベルトによつてスタツカ
部に搬送し、この搬送中に紙葉の枚数を計数し
て、このスタツカ部において所定の枚数の紙幣が
収納されたときに、それを帯封部に送り込んで、
その帯封を行うように構成されている。而して、
紙葉の帯封を行うに当たつては、スタツカ部に収
納された紙葉を揃える必要がある。

ここで、前述した紙葉の揃え機構としては、実
願昭58−180043号明細書に示したように、紙葉の
一方の側を叩く紙葉揃え手段を用い、該紙葉揃え
手段を偏心ローラを用いて揺動させるように構成
したものが知られている。そして、スタツカ部に
は、搬送紙葉を確実にスタツカ部のスタツカベー
スに送り込むために、該紙葉を搬送する搬送ベル
トの間に搬送ローラを設けるようになし、また紙
葉をスタツカベース上において安定した状態で収
納させるために、押え板を用い、この押え板をば
ね等の付勢手段によつて搬送ローラの配設側に押
圧するようにしている。従つて、この紙葉揃え作
業を行う際においても、紙葉は押え板と搬送ロー
ラとの間に挟持された状態に保持されるようにな
つている。そして、この紙葉の揃えが完了する
と、チヤツク部材等によつて、紙葉を帯封部に搬
入して帯封するようになつている。なお、これら
各部材は、紙葉の枚数を計数する計数部からの信
号に基づいて周知の制御手段によつて順次所定の
手順により作動するようにしていることは、いう
までもない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述したように、偏心ローラを用いて紙葉の一
方の側部を直接叩く紙葉揃え手段を駆動するよう
に構成すると、この紙葉揃え手段の構成が著しく
簡略化される利点はあるものの、なお問題点がな
いわけではない。即ち、紙葉は押え板と搬送ロー
ラとの間に挟持された状態となつているので、こ
の挟持力が紙葉揃え時における抵抗となると共
に、他側が自由状態となつているので、紙葉を完
全には揃えることができないという欠点がある。

また、揃え手段を駆動するために偏心ローラを
用いているので、一定基準の揃え位置が得にく
く、偏心ローラを高速で作動させると、紙葉の端
部を痛めるおそれもあり、さらに使い古しの紙幣
のように、腰のない紙葉や損傷した紙葉類が混じ
つていると、その揃えがさらに不完全となるとい
う欠点もある。

本考案は叙上の点に鑑みてなされたものであつ
て、その目的とするところは、簡単な構成によ
り、紙葉を極めて正確に揃えることができるよう
にした紙葉の揃え機構を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による紙葉類の揃え機構は、紙葉を搬送
する搬送ベルト６及び送りローラ７よりなる紙葉
送り込み部８と、前記紙葉送り込み部８に対向配
設され駆動手段によつて作動自在となした押え板
２とを備え、前記押え板２を送りローラ７に近接
する方向に付勢した状態で前記紙葉送り込み部８
に送り込まれて所定枚数となつた紙葉を前記紙葉
の長手方向に移動自在に設けられると共にソレノ
イド１９により開閉作動する一対のチヤツクレバ
ー１５ａによつてチヤツクするようにしたチヤツ
クユニツト１５と、前記チヤツクユニツト１５を
移送せしめるためのチヤツクユニツト駆動手段
と、前記各駆動手段の作動を制御する制御手段と
を具備すると共に、前記チヤツクユニツト１５に
設けられ紙葉の一端に当接するための当て板１８
と、前記紙葉送り込み部８に隣接し紙葉の他端を
叩くように配設された揃え板１１と、前記揃え板
１１を作動するため前記制御手段によりその作動
が制御される揃え板駆動手段１３とを備えた構成
である。

〔作用〕

本考案による紙葉類の揃え機構においては、紙
葉送り込み部に所定枚数の紙葉が収納されるまで
は、押え板をローラ側に付勢することによつて紙
葉を安定した状態でスタツクさせることができ
る。そして、スタツクされた紙葉が所定の数とな
つたときに、駆動手段によつて、まず押え板を紙
葉から離間させる。これと共に、チヤツクユニツ
トを移動させて当て板を紙葉の短辺部の一端に当
接する位置に変位させて、揃え板駆動手段を作動
させて、揃え板により紙葉の他端の短辺部を叩か
せることにより、該紙葉の揃えを行うことができ
る。ここで、この紙葉の揃え動作時においては、
紙葉に対する挟持力を解除するようにしているの
で、その揃え動作に対する抵抗を生じることがな
く、しかも、揃え板により叩かれる側とは反対側
の短辺部には当て板が当接しているので、紙葉は
該当て板に沿う状態にして揃えられることにな
る。従つて、揃え板によつて数回叩く動作を行う
だけで、腰のない紙葉や損傷した紙葉等が混じつ
ていても、容易に、しかも確実に紙葉の揃えを行
うことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

まず、第１図において、１はスタツカベースを
示し、該スタツカベース１の前面部１ａには、こ
のスタツカベース１の保持体１baに押え板２が
立設されており、該押え板２は矢印Ａ及びＢ方向
に移動可能となつている。この押え板２にはばね
（図示せず）が作用しており、このばねによつて
押え板２は常時矢印Ａ方向に付勢されている。ま
た、該押え板２には、一対のレバー３，４が設け
られており、このレバー３，４にソレノイド等か
らなる退避用の駆動手段（図示せず）を接続し、
この駆動手段を作動させると、押え板２は矢印Ｂ
方向に移動して、紙葉５を押圧しないフリーな状
態に変位させることができるようになつている。

また、スタツカベース１上には、ホツパ部等か
ら紙葉を搬送する搬送ベルト６が複数本併設され
ている。この搬送ベルト６，６間には送りローラ
７が設けられており、搬送ベルト６と送りローラ
７とによつて紙葉送り込み部８が構成され、紙葉
５を矢印Ｃ方向からスタツカベース１上に送り込
まれるようになつている。なお、この搬送ベルト
６による搬送経路の途中位置には、搬送紙葉の計
数を行う計数部が設けられていることはいうまで
もない。

スタツカベース１の一側部１ｂには、紙葉揃え
部９が設けられており、該紙葉揃え部９は、装置
の本体部に固定した支持体１０を有し、該支持体
１０には、その全体がほぼＬ字型をなす揃え板１
１が軸支部２１に支持されて、矢印Ｄの方向に往
復揺動可能となつている。また、この支持体１０
の支持片１０ａには、ばね係止孔１１ａが形成さ
れており、該ばね係止孔１１ａにはばね部材１２
の一端が係止されている。そして、このばね部材
１２によつて揃え板１１は常時矢印Ｅ方向に付勢
されるようになつている。

支持体１０の下部には、ソレノイド等からなる
叩き動作を行うための揃え板駆動手段１３が設け
られており、この駆動手段１３の作動棒１４は揃
え板１１の他の軸支部２２に係合しており、該作
動棒１４が上下動すると、揃え板１１が前述した
矢印Ｄ方向に往復移動することになり、これによ
つて該揃え板１１は紙葉５の一側の短辺部に衝合
的に叩くことができるようになつている。

さらに、スタツカベース１の他側部１ｃに隣接
して、チヤツクユニツト１５が設けられており、
該チヤツクユニツト１５は、一対のチヤツクレバ
ー１５ａを有し、該各チヤツクレバー１５ａはそ
れぞれ軸部１６と一体的に設けられるようになつ
ており、また、各軸部１６の上端には相互に噛合
するギヤ１７が装着されている。さらに、このチ
ヤツクレバー１５ａの上部位置には、紙葉５の一
端部と接合するために、当て板１８が垂直状態に
設けられており、チヤツクユニツト１５に装着し
たソレノイド１９の作動棒２０により、第２図に
示すように、前記各チヤツクレバー１５ａが矢印
Ｆ方向に開閉せしめられると共に、チヤツクユニ
ツト１５は、図示しないチヤツクユニツト駆動手
段により矢印Ｇ方向及びＨ方向すなわち紙葉５の
長手方向に往復移動することができるように構成
されている。

尚、前述の各駆動手段は、図示しないシーケン
スコントロール又はコンピユータ等からなる制御
手段によりその作動が全体的に制御されるように
構成されている。

本実施例は前述のように構成されており、以下
に、その作用について説明する。

まず、押え板２を送りローラ７に当接する方向
に付勢した状態で、搬送ベルト６により紙葉５を
順次スタツカベース１上における搬送ベルト６及
び送りローラ７と押え板２との間に送り込む。ス
タツカベース１上における紙葉５の送り量が増え
ると、押え板２は紙葉５の厚みにより搬送ベルト
及び送りローラ７から離間する方向矢印Ｂ方向に
変位せしめられるようになる。そして、この紙葉
５のスタツカ部への搬送数は搬送ベルト６による
搬送経路の途中に設けた計数部により計数される
ようになつている。

そこで、スタツカベース１上に所定枚数、例え
ば100枚に達すると、まず、駆動レバー３，４が
駆動手段により作動し、押え板２が矢印Ｂ方向に
移動して、紙葉５の挟持状態を解除し、次いで、
チヤツクユニツト１５が、そのチヤツクレバー１
５ａが拡開した状態のままにして、矢印Ｈ方向に
搬送されて、該チヤツクユニツト１５に設けた当
て板１８が紙葉５の一側部５ａと接合する。然る
後に、揃え板駆動手段１３が作動し、揃え板１１
が紙葉５の他側部５ｂを数回衝合的に叩くことに
よつて、紙葉５は当て板１８に押し付けられるよ
うにして揃えられ、その両側部５ａ，５ｂが正し
く整列されることになる。而して、紙葉５の両側
は自由な状態となつているので、使い古しの紙幣
と新しい紙幣というように、状態の異なる紙葉が
混在しているような場合であつても、正確かつ確
実に揃えることができるようになる。

なお、紙葉５の上下部分は搬送ベルト６により
送られた紙葉が送りローラ７によりスタツカベー
ス１上に押し付けられるようになつているので、
紙葉５の上下方向には既に揃えられた状態となつ
ており、これによつて紙葉５は完全に整列された
状態となる。

そこで、ソレノイド１９を駆動し、チヤツクユ
ニツト１５におけるチヤツクレバー１５ａ，１５
ａを相互に近接する方向に駆動することにより、
紙葉５がチヤツクされて、帯封部に送り込むこと
ができるようになり、この帯封部において紙葉の
帯封を行うことができるようになる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、紙葉の短辺部
の一側に接離可能な当て板と、他側の短辺部を叩
く揃え板とを用いて紙葉の整列を行うようにな
し、しかもこの紙葉の揃え動作時には、押え板に
よる紙葉の挟持を解除するようにしたので、構造
が極めて簡単で、しかも紙葉を迅速かつ正確に揃
えることができるようになると共に、紙葉を損傷
させたりすることがなく、紙葉揃え機構の信頼度
を著しく向上させることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による紙葉類の揃え機構の一実施
例を示すものであつて、第１図は全体構成を示す
斜視図、第２図は第１図の要部を示す平面図であ
る。 １……スタツカベース、２……押え板、５……
紙葉、８……紙葉送り込み部、９……紙葉揃え
部、１１……揃え板、１３……揃え板駆動手段、
１５……チヤツクユニツト、１５ａ……チヤツク
レバー、１８……当て板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙葉を搬送する搬送ベルト６及び送りローラ７
   よりなる紙葉送り込み部８と、前記紙葉送り込み
   部８に対向配設され駆動手段によつて作動自在と
   なした押え板２とを備え、前記押え板２を送りロ
   ーラ７に近接する方向に付勢した状態で前記紙葉
   送り込み部８に送り込まれて所定枚数となつた紙
   葉を前記紙葉の長手方向に移動自在に設けられる
   と共にソレノイド１９により開閉作動する一対の
   チヤツクレバー１５ａによつてチヤツクするよう
   にしたチヤツクユニツト１５と、前記チヤツクユ
   ニツト１５を移送せしめるためのチヤツクユニツ
   ト駆動手段と、前記各駆動手段の作動を制御する
   制御手段とを具備すると共に、前記チヤツクユニ
   ツト１５に設けられ紙葉の一端に当接するための
   当て板１８と、前記紙葉送り込み部８に隣接し紙
   葉の他端を叩くように配設された揃え板１１と、
   前記揃え板１１を作動するため前記制御手段によ
   りその作動が制御される揃え板駆動手段１３とを
   備え、前記紙葉送り込み部８に送り込まれた所定
   枚数の紙葉は、前記揃え板１１の作動により揃え
   られるようにしたことを特徴とする紙葉類の揃え
   機構。