JPH019797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、片面複写等を終了した用紙を受入
れて所定の位置に紙揃えし、裏面複写のために再
給紙を行う両面複写機等用両面トレイの紙揃え装
置に関する。

両面複写機や両面印刷機等により両面複写や両
面印刷を行う場合には、片面の複写又は印刷の終
了した用紙を反転して両面トレイ上に排紙しスタ
ツクした後、複写原稿又は版を取替えて再給紙を
行なうが、その際用紙と感光体又は印刷ロールと
の間に前後左右の位置のずれや曲りが生じないよ
うに、両面トレイ内に１枚ずつ排出される用紙は
前縁及び基準となる側縁を所定の位置に完全に揃
えてトレイ上にスタツクすることが必要である。

この目的のために、従来使用されている両面ト
レイの紙揃え装置としては、例えば用紙の先端を
揃える基準面となる前当板をトレイの前端に設
け、用紙の基準側を当接させて側縁を揃える基準
側壁をトレイの一方の側縁に固設し、トレイ上に
用紙を排出しスタツキングする際は給紙コロとト
レイとを離間させた後、前記基準側壁の内面が用
紙の通紙基準位置より適当な距離だけ外方に偏倚
する如くトレイを横移動させ、トレイ上に用紙排
出方向と傾斜させて設けたスポンジコロにより、
トレイ上に排出された用紙を一枚ずつ斜行させ
て、その前端縁及び基準側縁を上記の前面板及び
基準側壁に衝合させて紙揃えしスタツキングする
装置が知られている。

この装置によりスタツキングされた用紙を裏面
複写のために再給紙する場合は、加圧手段により
トレイを押上げて用紙束の上面を給紙コロに押圧
し給紙圧を印加するとともに、前記の傾斜スポン
ジコロを用紙上面より離間させ、かつコロの駆動
を停止し、給紙圧の印加に先立つてトレイを基準
位置に戻してスタツクされた用紙の基準側を通紙
基準と一致させるようにしている。

以上の諸動作は、互いに関連して行なう必要が
あるため、１つのソレノイドで半回転スプリング
クラツチにより、カム、リンク機構を介して行な
われていた。そのため機構が複雑となり、調整作
業が多く、組付に多大の時間を要し、又上記のス
ポンジコロのためジヤム処理の操作性を害してい
た。

本考案は、従来の両面トレイのスタツキング装
置の上述の欠点を解消した、簡単な構成で確実に
紙揃えのできる両面複写機等用両面トレイの紙揃
え装置を提供することを目的とする。

以下、本考案をその実施例を示す図面にもとず
いて詳細に説明する。

第１図乃至第４図に示す本考案の実施例におい
ては、両面トレイと、用紙を受入れて案内する手
段と、用紙の前端、左右を紙揃えしてスタツキン
グする手段と、給紙圧の印加及び解除手段とは第
１図に示す如く一体のユニツト１になつており、
その両端部下面を機枠２に設けられた案内に沿つ
て摺動する摺動部材３により支承されている。摺
動部材３としては、例えば「アーキユライド」等
の商品名で呼ばれる、固定側と移動側との夫々
に、対向して取付けたガイド溝の間にベアリング
ボールを介在させたもの等が適当である。両面ト
レイユニツト１は、これにより手前に引出しが可
能となるとともに、所定のセツト位置にレバー等
で簡単に着脱することができるようになつてい
る。

両面トレイユニツト１には、両面トレイ４が、
ユニツト機枠に軸５を介して枢着されており、そ
の前方下面に先端のコロが接する如く加圧アーム
６がユニツト機枠に軸支されている。これにより
トレイ４上にスタツクされた用紙束の上面を、ト
レイ４の前部上方で本体機枠に軸支された給紙コ
ロ７に押圧して給紙圧を印加し、又は解除できる
ようになつている。又、用紙束の前端を揃える前
面板８がトレイユニツト１の前端に固定して設け
られている。前面板８の後面（用紙前端が当接す
る面）には図示せぬクツシヨン部材が張り付けら
れており用紙前端がスタツクされる場合の用紙の
ハネ返りが防止されているとともに、両面トレイ
上面の前部にも、第３図に示す如くコルクの薄片
等で作られた摩擦片９が貼り付けられて、トレイ
上の用紙が不必要に滑動することが防止されてい
る。

トレイの後部には、片面複写の完了した用紙の
受入口１０が上向に開口しており、これに続いて
両面トレイ４の後端部の上方迄、用紙を案内する
１対のガイド板１１，１２が設けられ、その末端
部には常時回転している一対の放出ローラ１３，
１４が設けられている。放出ローラ１３は上側の
ガイド板１１と一体となつてユニツトより着脱自
在になつている。放出ローラ対１３，１４の挾持
点における接線方向は用紙の進行方向に水平より
上向きの傾斜を有し、これにより両面トレイユニ
ツト１内に搬送されて来た用紙は、斜め上方に向
つて放出される。この用紙の前端縁がトレイ４の
上面に着かずに前面板８に到達するように用紙を
案内する放出ガイド板１５が、両面トレイ４の上
方適宜の範囲にわたつて設けられている。放出ガ
イド板１５は、その後端を枢支する軸１６を中心
に第１図中に矢印Ａで示す如く旋回して開閉可能
となつている。

両面トレイの長さ方向（用紙排出方向）の中央
付近には第３図に示す如く、幅方向に伸びた長方
形の孔１７が切開けられており、この孔１７を貫
通して、用紙の搬送方向に平行な面を有する可動
側板１８が幅方向に移動可能に設けられている。
上記の可動側板１８は第１図、第２図及び第４図
に示す如く、トレイ４の下部に横方向に設けられ
た２本のスライド軸１９に摺動自在に取付けられ
ており、ステツパーモーター２０により駆動され
る駆動スプロケツト２１と案内スプロケツト２２
とに巻回された駆動チエーン２３によつてスライ
ド軸１９に沿つて移動が行なわれ、可動側板１８
又はチエーン２３に固定された用紙サイズ検知用
アクチユエータ２４と、両面トレイユニツト機枠
に、各用紙サイズに対応する位置に固定された各
用紙サイズ毎のサイズ検知スイツチ２５及びホー
ムポジシヨン検知スイツチ２６とにより、ステツ
パーモーター２０を制御して停止位置が決められ
るようになつている。

上記の可動側板１８と対向して、両面トレイ４
の一方の側縁には基準側板２７が固定されてい
る。

両面トレイ４の下面を押圧して給紙圧を印加す
る加圧アーム６を変位させるために、第４図に示
す如く、カム２８及び半回転スプリングクラツチ
２９が設けられており、このスプリングクラツチ
２９は図示しないソレノイドにより制御されるよ
うになつている。

又、両面トレイユニツト１に排紙される用紙の
枚数を検知するため、放出ローラ対１３，１４の
挾持位置に用紙センサー３０が設けられている。

以上の如く構成された本装置を使用して紙揃え
を行う場合の作用を以下に詳細に説明する。

両面モードが選択され、更に使用するサイズの
用紙がスタツクされた主トレイが選択される。こ
の時、可動側板はホームポジシヨンに戻されてい
る。コピー枚数がセツトされ、コピーボタンが押
されると、図示せぬソレノイドが第４図に示す半
回転スプリングクラツチ２９を作動させ、カム２
８が回動して加圧アーム６は先端が下る方向に回
動し、両面トレイ４が下降し、給紙コロ７と離間
し、用紙受入体制が整えられる。

選択された主トレイから給紙された用紙は表面
にコピーされ、反転された後、両面トレイユニツ
ト１の用紙受入口１０に進入し、ガイド板１１，
１２に案内されて放出ローラ対１３，１４に咬持
され斜上方に向つて搬送され、放出ガイド板１５
に案内されて搬送方向が漸次下向きに修正され、
用紙の後端が放出ローラ１３，１４を離れた後も
慣性力で前進し続け、その前端が前面板８に衝突
して前進を停止し、用紙はその幅より大きな間隔
に位置する基準側板２７と可動側板１８の間に落
下し、両面トレイ４上にスタツクされる。

放出ローラ対１３，１４の咬持部に設けられた
用紙センサー３０によりあらかじめセツトされた
枚数の用紙がトレイ４上にスタツクされたことが
検知されると、ステツパーモーター２０が回転
し、可動側板１８を移動させ、これと一体に移動
する紙サイズ検知用アクチユエータ２４が、選択
された用紙サイズに対応する紙サイズ検知スイツ
チ２５を作動させると、これによりステツパーモ
ーター２０が停止する。これにより両面トレイ上
にスタツクされた用紙束は基準側板２７と可動側
板１８により両側を揃えられ、又前端を前面板８
で揃えられ、トレイ４上の所定の位置に紙揃えさ
れてスタツキングされる。

この際、前面板８の後面にはクツシヨン部材が
貼り付けられているので、用紙のスタツクの際の
ハネ返りが防止され、又トレイ４の上面に貼り付
けられた摩擦片９により用紙束が不用意に滑つて
位置が狂うことが防止される。

なお、可動側板１８を左右に移動させる手段は
上記の実施例の方法以外に、例えば第５図に示す
如く、スライド軸１９に平行にトレイユニツト側
板に軸支されたスクリユーシヤフト３１に、可動
側板１８に設けたねじ孔を螺合させ、上記スクリ
ユーシヤフト３１をギヤ３２，３３を介して、レ
バーシブルモーター３４で回転させることによ
り、可動側板を左右所望の方向に移動させること
ができる。その停止位置は用紙の幅及びホームポ
ジシヨンに対応して設けられた紙サイズ検知スイ
ツチ３５、ホームポジシヨン検知スイツチ３６及
び電磁ブレーキ３７を用いて制御される。

又、パルスモーターで可動側板１８を駆動する
場合、例えば、両面トレイ４の上流側の搬送路で
搬送されてくる用紙の実際の幅を計測し、その測
定結果を上記のパルスモーターにフイードバツク
して、可動側板１８を正確な用紙幅に対応する位
置に移動させることも可能である。

さらに、可動側板の停止を、紙サイズ検知スイ
ツチ等によらず、可動側板が用紙束を押して行き
用紙束の反対側の側縁が基準側板を押圧して抵抗
が増加し、モーターの電流が増加することにもと
ずいてモーターを停止させて行うことも可能であ
る。

紙揃えが完了すると、ステツパーモーター２０
は逆方向に回転し、可動側板１８をホームポジシ
ヨン迄移動させ、ホームポジシヨン検知スイツチ
２６により停止し、ついで図示せぬソレノイドが
半回転クラツチ２９を作動させカム２８が回動し
て加圧アーム６を回動し、両面トレイ４を押し上
げて、該トレイ上にスタツキングされた用紙束の
上面が給紙コロ７に押圧され給紙圧が印加され、
複写機本体の駆動が停止する。

そこで、原稿を交換し、再度プリントボタンを
押すと両面トレイ４上にスタツクされた用紙は給
紙コロ７により給紙され、裏面コピーが行なわ
れ、両面コピーが完了する。

以上の如く、本考案によれば、簡単な構成で、
各種サイズの用紙を両面トレイ上に確実に紙揃い
させてスタツキングすることが出来るので、両面
複写機や両面印刷機の製造時の調整作業、組付時
間が減少しコストダウンに寄与するとともに、動
作が確実で故障が少なく複写品質の向上に効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
はその可動側板駆動装置の平面図、第３図は両面
トレイの斜視図、第４図は可動側板駆動装置及び
給紙圧印加装置の斜視図、第５図は可動側板駆動
装置の他の実施例を示す断面図である。 ４…両面トレイ（用紙収容台）、６…加圧アー
ム（給紙圧印加解除手段）、１８…可動側板、２
７…基準側板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 片面の複写を終了した用紙を収容する収容台上
   に収容され、該収容台の一方の側縁に固設された
   基準側板及び該基準側板に対置され、基準側板と
   の間隔が可変な可動側板を有する両面複写機等用
   両面トレイの紙揃え装置において、 前記可動側板の可動範囲であつて、可動側板と
   基準側板との間隔が使用される最大サイズの用紙
   の幅より大くきくなる位置にあるホーム位置と前
   記基準側板との間隔が使用される用紙の幅と一致
   する複数の紙揃え位置のいずれに上記可動側板が
   あるかを検知する検知手段と、 上記可動側板を上記のホーム位置と上記の複数
   の紙揃え位置の間に移動させるステツパモータ
   と、 上記収容台に排紙される用紙を検知する用紙セ
   ンサーとを有し、 片面の複写を終了した用紙を収容台上に収容す
   る時には上記可動側板を上記ホーム位置に保持
   し、所定枚数の用紙が収容台に収容されたことを
   上記用紙センサーが検知した後に、上記ステツパ
   モータを駆動し、上記可動側板が収容台上に収容
   された用紙の幅と一致する紙揃え位置まで移動し
   た時点で、該ステツパーモータを停止させるよう
   に制御することを特徴とする両面複写機等におけ
   る両面トレイの紙揃え装置。