JPS6335506Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電線とかリード線を端子に圧着する
電動式工具に関する。

屋内外の配線、高圧電線などの端子圧着作業は
それが大規模になるほど厄介極まるものであつ
て、締付工具による作業に伴い時には圧着不良個
所を発生し易い。

この種の圧着工具は、従来から手動式工具とし
て諸種のものが製品化されてきたが、この考案は
モータ内蔵のコンパクトな電動式工具という点に
主眼を置いて開発されたものである。

以下、これを実施例各図に基いて詳述する。図
中Ｍは機体ケースＣ内蔵のモータ、Ｒは遊星歯車
機構などによるモータＭ直結の減速機、Ｓは駆動
軸である。つぎに、１は駆動軸Ｓに支承されてい
るヘリカル歯車、２は該ヘリカル歯車１に噛合し
図面に対して時計廻り方向に回転するヘリカル歯
車である。この一組のヘリカル歯車１，２の従動
歯車２には、これと一体に回転するカムリンク３
が同軸支されている。これらカムリンク３までの
一連の機構は機体ケースＣに内蔵の部材である。

そして、図中４，４はピン４ａで支承されて蝶
開自在な一対のトグルリンクで、その根元のロー
ラ４ｃ部に前記カムリンク３が当接した状態とな
つている。

このトグルリンク４，４を含めてこれより述べ
る各部材はアタツチメントとしてセツトされてい
るもので、機体ケースＣに対して他種のアタツチ
メントと共に着脱自在である。具体的には、トグ
ルリンク４，４の両先端部はピン４ｂ，４ｂで鋏
形の一対の口金５，５後端に支承している。この
口金５，５はその両側の接手６，６で挾まれて
各々ピン６ａ，６ａで支承され、これら全体が前
述のアタツチメントＡとして、取付ピン７および
後述のボルトナツト組１１，１２により機体ケー
スＣに対し着脱自在である。

このアタツチメントＡの口金５，５は第１図の
如く、カムリンク３が最大に突出した状態、即ち
これに連係するトグルリンク４，４の最大蝶開動
作によりピン６ａ，６ａを支点として閉じた時を
圧着完了位置とする。そして、口金５，５の両者
間には圧縮ばね８が弾装してあつて、カムリング
の位置に関係なく口金はばね８により閉じてい
る。この一連の詳しい動作は後述する。

更に、前記接手６，６の一端部は取付ピン７で
取り外し自在であると共に、同じく接手他端部は
ピン９により球面受座１０に連結されていて、而
も、この球面受座１０の凹球内面１０ａに滑接す
る凸球面座１１ａを有したナツト１１および植込
みボルト１２によつて取り外し可能に座台１３に
支持されている。図中１４で示されるのは皿バネ
である。即ち、これらの部材構成をもつて、別に
用意されている数種のアタツチメントを該当する
ものに取換える場合、各々のアタツチメント毎に
最適な圧着が行える位置にセツトできるように、
カムリング３に当接する間隔を調整することが可
能となる。その他、アタツチメントＡとしての動
きが、接手６の取付ピン７を支点とする多少の回
動を吸収させるために、凹凸の球面１０ａおよび
座１１ａと皿バネ１４が活用される訳であつて、
後述するように、アタツチメントＡの口金５，５
で電線を端子に圧着せしめる際に、アタツチメン
トＡ全体が多少の回動をした方が、作業性の面で
一層好ましいといつた理由が理解されるのであ
る。

尚、図中１５は止めピン１５ａを支点として回
動する手動レバーを示し、この用途は、圧着前の
準備として、電線若しくは端子等を予め口金５，
５の圧着刃５ａ，５ａ間に保持させるために、指
でレバー１５を強制的に引いて口金５，５を開か
せるためのものである。

以上の構成に基いて次に実施態様を説明する。
第１図の圧着完了位置にあつて、先ず手動レバー
１５を指で反時計廻りの方向へ回動させると、そ
の先端部は口金５，５の一方を強制的に引き下
げ、トグルリンク４，４を介して口金５，５が開
く。（第２図の実線で表わされる） 次いで、開いた圧着刃５ａ，５ａ間に所要の被
圧着材となる電線又は端子１７等を挾み、これで
圧着前の準備が完了する。

この状態で、スイツチ操作してモータＭを作動
させると、減速機Ｒおよび駆動軸Ｓに伝達された
回転は所定の低速回転に落されて一組のヘリカル
歯車１，２に伝達される。従動歯車のヘリカル歯
車２と同転のカムリンク３も又この場合時計方向
へ回転して、第２図に示すように電線端子１７を
挾んでいる口金５，５の実線図の状態から、トグ
ルリンク４，４の根元部ローラ４ｃを図の左方向
へ押し込む。すると、一対のトグルリンク４，４
は蝶開しながら諸共左方向に移動し、これに伴い
上下の口金５，５はピン６ａ，６ａを回動支点に
して、互いに閉じる方向へ回動する。即ち、トグ
ル機構を応用した挺子作用によつて、圧着刃５
ａ，５ａに挾まれている被圧着材である電線端子
１７等を強力に圧着せしめる訳である。又、同図
の二点鎖線図は口金５，５が閉じている作用図を
示している。必要に応じて該当する他のアタツチ
メントに取換える場合は、取付ピン７を抜き他端
のナツト１１を外して、アタツチメントＡを機体
ケースＣから取り外す。

したがつて、以上の説明により明らかなよう
に、本考案端子圧着用電動工具によれば、特に大
規模な端子接続作業にあつてその威力を遺憾なく
発揮し、従来手持ち工具等で行われてきた作業の
比ではない。而も、全体の構造はコンパクトで非
常に軽便に利用され、更には圧着不良のない確実
な接続を行なうという大きな特徴があるなど、誠
に実用性大なる考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す側面図、第２図は
口金の開閉を示している部分作用図である。 １，２……ヘリカル歯車、３……カムリンク、
４……トグルリンク、５……口金、６……接手、
７……取付ピン、８……圧縮ばね、１０……球面
受座、１０ａ……凹球面、１１……ナツト、１１
ａ……凸球面座、１２……ボルト、１３……座
台、１４……皿バネ、１５……手動レバー、１６
……把持部、１７……電線又は端子、Ｃ……機体
ケース、Ｍ……駆動モータ、Ｒ……減速機、Ｓ…
…駆動軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 機体ケース内蔵のモータおよび減速機等から
   なる駆動機構と、これらの駆動軸に軸支された
   一組の歯車と、該歯車の従動歯車に同軸支され
   たカムリンクと、該カムリンクに連係し而も前
   記機体ケースに着脱自在なアタツチメントとを
   備えていて、該アタツチメントは、前記カムリ
   ンクに当接して蝶開動作する一対のトグルリン
   クと、該トグルリンクの両端部に夫々支承する
   鋏状の一対の口金と、一方この口金を常時閉じ
   る方向に付勢しているばね部材と、他方扁平状
   に形成したその板面中央部と口金の一対とを支
   承して口金の回動支点にし、かつ両端部を前記
   機体ケースに着脱自在に取付けるようにした接
   手とからなり、その他前記アタツチメントの口
   金の一方に当接させて口金を強制的に開かせる
   ようにした手動式挺子レバーとから構成された
   事を特徴とする端子圧着用電動工具。 ２ 前記アタツチメントの接手としては、一端部
   を支点にしてアタツチメント全体を僅かに回動
   させるために、他端部にばね部材と凹凸一対の
   滑接球面座を介して機体ケースに取付けるよう
   にした事を特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の端子圧着用電動工具。