JPS6335433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は時計などのガラス押え機構に関する
ものである。

従来のこの種の機構では、ガラスの外周を前面
より押えるガラス押えを枠に固定するために、ガ
ラス押えの内面にＬ字状のアングルを固着し、枠
を貫通するねじでねじ止めていた。この場合アン
グルをスポツト溶接する場合にはガラス押えは鉄
が黄銅で作らなければならず、材料に制限があ
り、さらにスポツト溶接に伴なつてガラス押えの
表面に現われるスポツト跡の修正が必要であつ
た。またガラス押えをアルミで作る場合には、接
着によらねばならず、この場合接着がはがれた
り、位置のずれを生じたりする問題があつた。ま
たいずれもねじ止めするので作業上煩雑であつ
た。さらにガラス押えに脚をインサートにより突
出させておき、枠に貫通させて、突出端をひねる
とかねじ止めするなども行われていたが、製造
上、作業上の煩雑さがあつた。

この考案によればガラス押えの材料に制限を受
けることがなく、アングルや脚をガラス押えに固
着する必要がなく、構成が簡単で、作業性の良い
時計などのガラス押え機構を提供するものであ
る。

以下にこの考案の一実施例を説明する。図にお
いて１は枠体であつて、中央部に文字板受け部２
が設けてある。文字板受け部２の前面に文字板３
が貼着してあり、背面に時計機械体４が固着して
あり、中央部を指針軸５……が貫通し指針６……
が取り付けられている。文字板受け部２の外周端
から前方へ見返し部７が延伸しており、見返し部
の前端にはガラス受け部８が形成してある。ガラ
ス受け部８の外周端からは、後方へ外周壁部９が
延伸しており、外周壁部の後端部には外方へ突出
する爪部１０が形成してある。ガラス受け部８に
はガラス１１の外周端背面が当接している。１２
はガラス押えであつて、ガラス１１の外周端前面
に当接するガラス押え部１３が形成してある。ガ
ラス押え部１３の外周端からは、後方へ外周壁部
１４が延伸しており、外周壁部の後端からは内方
へ向つて背面部１５が延伸している。背面部１５
の内端１５ａは爪部１０と係止可能である。

そこで組立てに際しては、まず枠体１の文字板
受け部２に文字板３、時計機械体４を固着し、指
針軸５に指針６を連結する。ガラス受け部８にガ
ラス１１を載置し、ガラス押え１２を前面から嵌
合する。ガラス押え部１３のガラス１１の前面に
圧接させると、内端１５ａは爪１０を乗り越えて
これに係止し、組立てを完了する。

以上述べたようにこの考案においては、ガラス
押えにアングルや脚を固着する必要がないので、
材料の制限を受けず、構成が簡単で、きれいな外
観が得られ、ねじ止めの必要がないので組立てが
容易であり、単にガラス押えを押圧するのみで枠
体と連結できるので組立ての作業工程が短縮でき
るなど多くの効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す断面図であ
る。 １……枠体、２……文字板受け部、７……見返
し部、８……ガラス受け部、９……外周壁部、１
０……爪部、１１……ガラス、１２……ガラス押
え、１３……ガラス押え部、１４……外周壁部、
１５……背面部、１５ａ……内端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 文字板受け部と、この文字板受け部の外周端か
   ら前方へ延伸する見返し部の前部に設けたガラス
   受け部と、このガラス受け部から後方へ延伸する
   外周壁部の後部に外方へ突出形成した爪部とを具
   備する枠体と、 上記ガラス受け部にその外周部背面が当接する
   ガラスと、 上記ガラスの外周部前面に当接するガラス押え
   部と、このガラス押え部から後方へ延伸する外周
   壁部の後部から内方へ延伸する背面部とを具備
   し、この背面部の内端で上記爪部に係止可能であ
   るガラス押えと からなる時計などのガラス押え機構。