JPS6335236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、強制送気型ガス湯沸器の燃焼器に
関し、特に、内胴と外胴の結合構造に改良を施し
て内胴、内胴と外胴との間の気密性を充分保持す
るとともに、その組立て作業の簡便化等をも図つ
てコストの低減を計つたものである。

一般にこの種のガス燃焼器は上部に熱交換器を
有し、下部にはガスバーナを配設し、内部を燃焼
室とした内胴を外胴にて密閉状に囲繞し内胴と外
胴との間に送気路を形成して燃焼室と送気路を内
胴の下部において連通させ、かつ、送気路の上部
（又は下方部）に送気フアンの吐出口を臨ませ、
送気フアンからの空気を送気路内を流過させて内
胴を冷却し乍ら燃焼室に導入してガスバーナの燃
焼用空気に供する構成となつている。

そこで、従来のこの種のガス燃焼器における内
胴と外胴の結合構造は、例えば第１図に示したよ
うに外胴A″内に内胴B′を上部から挿入して外胴
A″の内向きフランジ１″上に内胴B″の外向きフラ
ンジ２″をシール材５″を介在して載せ、外胴
A″内に内胴B″を吊下げ状態に支持せしめ、さら
に、内胴B″の外向きフランジ２″上に熱交換器
C″の取付けフランジ４″をシール材５″を介在し
て載せた後、各々のフランジ１″，２″及び４″と
シール材５″，５″を共に位置合せして後タツピン
グねじ９″等で同時に緊締して結合固着している。
この場合組立て作業に際しては各々のフランジ
１″，２″，４″とシール材５″，５″との相互の位
置合せに手間どることから緊締作業は非常に困難
で、それに多大の手数を要し、シール材も２枚必
要で、コスト高となるなどの欠点がある。また、
図示しないシール材を内胴の外向きフランジと熱
交換器の取付けフランジ間だけに介在させ、外胴
の内向きフランジと内胴の外向きフランジ間にシ
ール材を介在させないものもある（例えば実開昭
56−60047号）。この場合内胴B″と外胴A″の間
（送気路）は満足な気密性が保たれず送気が漏洩
して送風効率や熱効率を低下させる欠点がある。

この考案は、かかる従来の欠点を是正するため
に、外胴の上端部と内胴の上端部をカシメにより
結合し、その上端部に熱交換器をシール材を介し
て取付けるものであつて、その取付けにおいて外
胴あるいは内胴のカール部の先端部をシール材側
に当接位置させてシール材の締付け時における直
角方向の膨出（膨脹）分を利用し、該膨出部分に
てカシメ部を圧接させて内胴と外胴と熱交換器と
の間やそれらと大気との間に気密を保つて給気の
漏洩のおそれのない組付け作業が非常に容易な強
制送気型の燃焼器を提供することを目的とするも
のである。

以下にその一実施例を図面に基づき詳細に説明
する。

第２図はこの考案の一実施例を示した全体断面
図であつて、Ａは方形筒状の外胴で、外胴Ａの上
端部を内方へ水平に折曲げた内向きフランジ１を
設けて外胴Ａの上部に平坦部１ａを形成し、この
内向きフランジ１の先端部を上方へ垂直状に折曲
げて起立片２を一体形成している。Ｂは方形筒状
の内胴で、その上端延長片を内側（平坦部１ａ
側）に折曲げて前記外胴Ａの起立片２を包み入れ
るようにカールして該カール部３を両側よりカシ
メて該カシメ部Ｄで起立片２をカール部３に強固
に挟持してこれらを結合せしめ、外胴Ａに内胴Ｂ
を平坦部１ａの内側において結合固着する。外胴
Ａと内胴Ｂとの間には内胴２の外部周囲をとり囲
む送気路６を形成し、内胴Ｂ内の燃焼室７と下部
の送気路６ｂを内胴Ｂの下面に穿つた多数の通気
孔８にて連通させている。Ｃはフインアンドチユ
ーブ型の熱交換器で、その下部周縁に取付けフラ
ンジ４を外方へ向けて水平に一体形成し、この取
付けフランジ４を外胴Ａ上部の平坦部１ａ上に内
周部が上記カシメ部Ｄとほぼ同径寸法かあるいは
僅かに大きい径寸法を有するゴム等のシール材５
を介在させて載せ、取付けフランジ４を内向きフ
ランジ１に締付けボルト９で締付けて取付けフラ
ンジ４と平坦部１ａとの気密を保持するととも
に、シール材５の水平方向の膨出によりシール材
５はカシメ部Ｄに内向きに圧接されて該部におい
て気密を保ち、内胴Ｂの上部に熱交換器Ｃを固着
設置し、内胴Ｂ内の下部に配設したガスバーナ１
０によりこれを加熱することによつて熱交換器Ｃ
内を流過する通水を加熱昇温せしめるようになつ
ている。Ｆは外胴Ａの側上部に設置した送気フア
ンで、その吐出口１１を周囲の送気路６の上部に
横向きに臨ませ、吐出口１１から横向きに吹き出
される空気を周囲の送気路６ａを流下させて内胴
Ｂを冷却した後下部の送気路６ｂを通じて内胴Ｂ
の通気孔８から燃焼室７に導入してガスバーナ１
０の燃焼用空気に供するようになつている。１２
は排気筒である。なお、送気フアンＦを外胴Ａの
下部にその吐出口１１を上向きとして設置したも
のにも同様に適用できるのは勿論である。

以上のことから取付けフランジ４を平坦部１ａ
との間とカシメ部Ｄの外周部と大気との気密が保
持され、しかして、カシメ部Ｄを形成する起立片
２とカール部３とは、たとえ隅角部等で充分密着
していなくてもシール材５の下面と内周面の密着
状態より燃焼室７の気密は勿論、外胴Ａと内胴Ｂ
との間（送気路６）との気密性は確実に保持され
る。

第４図に示した実施例は、内胴Ｂの上端部を外
方へ水平に折曲げた外向きフランジ１を設けて内
胴Ｂの上部に平坦部１ａを形成し、この外向きフ
ランジ１の先端部を上方へ垂直状に折曲げて起立
片２を一体形成し、外胴Ａの上端の延長片を内側
に折曲げて起立片２を包み入れるようにカールし
て該カール部３を両側よりカシメてカシメ部Ｄを
形成し、すなわち、起立片２をカール部３に強固
に挟持して結合することにより内胴Ｂに外胴Ａを
平坦部１ａの外側において結合固定する。

また、前記と同様に熱交換器Ｃの取付けフラン
ジ４を内胴Ｂ上部の平坦部１ａ上に外周部がカシ
メ部Ｄとほぼ同径寸法か、あるいは僅かに小さい
径寸法を有するゴム等のシール材５を介在して載
せ、取付けフランジ４を外向きフランジ１に締付
けボルト９で締付ければ取付けフランジ４と平坦
部１ａとの気密を保持するとともに、シール材５
の外向きの膨出によりシール材５はカシメ部Ｄの
内周部に気密を保つて圧着した状態で前述と同様
に内胴Ｂの上部に熱交換器Ｃを固着設置せしめて
いる。この実施例においては、カシメ部Ｄである
起立片２と外胴Ａの上端部とは充分密着しなくて
もシール材５の下面、外周面の密着状態にて燃焼
室７は勿論、外胴Ａと内胴Ｂの間（送気路６）の
気密性は確実に保持される。

この考案は以上説明したように、外胴と内胴を
その上端部のいずれか一方にシール材を載置する
平坦部とシール材の周面とをほぼ同じ径寸法のカ
ール部を成形してカシメ付け結合し、カール部先
端をシール材と密着させるように平坦部の上に熱
交換器の取付部をシール材を介在させて締付け固
着する構造となしたので、外胴と内胴との固着及
び熱交換器の固着とは別々に行えて組付け作業が
簡易、かつ、能率的に行える。また、シール材が
カシメ部に充分に密着、隠蔽可能となつて外胴と
内胴との気密性が確保されるので、燃焼排気は外
部に漏れないことは勿論、送気路の送気が燃焼室
の上方へ近まわり漏洩するおそれがないので熱効
率が低下するのを防止する有用な強制送気型燃焼
器を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の全体断面図、第２図はこの考
案の一実施例を示す全体断面図、第３図は第２図
の要部の拡大断面図、第４図は異なる実施例の要
部の断面図である。 Ａ……外胴、Ｂ……内胴、Ｃ……熱交換器、１
ａ……平坦部、３……カール部、４……熱交換器
の取付けフランジ、５……シール材、Ｆ……送気
フアン、９……締付けボルト、１１……吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外胴Ａの上端部と内胴Ｂの上端部のいずれか一
   方にシール材５を載置する平坦部１ａを一体形成
   し、該平坦部１ａの端部に起立片２を折曲げ形成
   し、該起立片２と他方の胴Ａ又はＢの上端部とを
   該上端部延長片を平坦部側に折曲げカールして該
   カール部３で起立片２を包みカール部３をカシメ
   てこれらを結合し、かつ、前記平坦部１ａに熱交
   換器Ｃの取付け部４を上記カシメ部Ｄの径寸法と
   ほぼ等しい径寸法のシール材５を介在させて締付
   けボルト９等の固定手段により締付け固定し、さ
   らに、上記内胴Ｂと外胴Ａとの間に形成された送
   気路６に送気フアンＦの吐出口１１を接続開口せ
   しめてなる強制送気型燃焼器。