JP5946730B2 - 燃料電池モジュール - Google Patents
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Description
一方、SOFCシステムとして、特許文献2では、モジュール最外側の筐体を構成する第1ケースと、その内側の発電部を取り囲む第2ケースとの間に空間を形成し、該環状空間に酸化剤(空気)を取り入れて第2ケース内側の発電部(カソード電極)に供給すると共に、第2ケースの内側で発生したオフガスの燃焼排ガスを、環状空間を貫通してモジュール外側に突出する配管を介して排出するようにしている。
モジュールを構成する壁面をネジ孔が貫通しない程度の厚さにすることによりシール性は確保できるが、モジュールの大型化、重量化を招く。さらに、各ネジ締結部に袋ナットを溶接してネジ孔を閉塞することも考えられ、このようにしても、シール性は確保できるが、高価な袋ナットが複数個必要となり、その複数箇所の溶接にも時間を要すると共に、袋ナット溶接箇所の気密検査が必要となりコスト高となる。
燃料の化学反応により発電する発電部を筐体に内包して構成された燃料電池モジュールであって、燃料電池モジュールの内側と外側との間に流体を流通させる通路を、前記筐体の外側に配設される第1通路と、該第1通路に連通して前記筐体の内側に配設される第2通路とを含んで構成し、前記第1通路を構成する外側部材と前記第2通路を構成する内側部材とを、該第1通路及び第2通路の内側空間でシール部材を介して締結し、前記第1通路及び第2通路の内側空間と、前記筐体の内側で前記第2通路外側の空間と、前記第1通路外側の空間と、を気密に分離したことを特徴とする。
さらに、高価な袋ナット及びその複数箇所の溶接および気密検査も不要であり、製造コストも削減できる。
先ず燃料電池モジュールの概略構成について説明する。
図1および図2は、本発明に係る通路構造が適用される固体酸化物形燃料電池モジュールの一例の概略を示す。
水素含有燃料(原燃料)としては、例えば、炭化水素系燃料が用いられる。炭化水素系燃料としては、分子中に炭素と水素とを含む化合物(酸素等、他の元素を含んでいてもよい)若しくはそれらの混合物が用いられ、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料が挙げられる。具体的には、炭化水素類として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、都市ガス、タウンガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油が挙げられる。アルコール類として、メタノール、エタノールが挙げられる。エーテル類として、ジメチルエーテルが挙げられる。バイオ燃料として、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェットが挙げられる。
また、図2に示すように、第2ケース3の底壁に代えて、第2ケースの下端に設けられた排ガスボックス15に、排ガスを筐体1外部に排出するための通路が形成されてもよい。具体的には、第2ケース3の下端部が開放されており、該第2ケース3の下端部に排ガスボックス15が連結されている。排ガスボックス15は、上壁に第2ケースの下端と連通する排ガス導入口15aが開口され、底壁に排ガスを筐体1外部に排出するための通路が形成されている。なお、後述の説明において、第2ケース3の底壁は、排ガスボックス15の底壁に読み替えることができる。
また、図1では、第2ケース3(及び内部に収納される発電部、改質器)また図2では第2ケース(及び内部に収納される発電部)とこれに連結された排ガスボックス15を第1ケース2に対して着脱自由な構成としてメンテナンス性を確保することが要求される。
第1ケース2の底壁に通気孔2bを開口し、該通気孔2bに第1ケース2の外側で第1通気管5の上端部を接続する。
そして、第1通気管5及び第2通気管6のフランジ部5a,6aを、第1ケース2底壁の通気孔2b外周縁部との間にそれぞれ第1シール部材7、第2シール部材8を挟み、これらの周方向に形成した複数個のネジ孔にネジ9を通して締結する。
なお、第1ケース2の内側で、排ガスと酸化材との混合を抑制するための第2シール部材8は、比較的気密レベルの低い安価なセラミックファイバー等を用いればよい。一方、排ガス及び酸化材の第1ケース2外側への漏洩はより確実に阻止する必要があるため、第1シール部材7として、気密レベルの高い比較的高価なセラミックファイバー等を用いるのがよい。
本実施形態では、第1ケース2に、第1通気管5の外径より大きめの通気孔2bをバーリング加工により形成する。そして、第1の実施形態と同様に形成された第1通気管5のフランジ部5aを、通気孔2bの内側面に接合し、第1通気管5の外側(大気側)で接合部周縁を溶接する。なお、通気孔2bは、バーリング加工に限定されず、単純な抜き加工により形成してもよい。
本実施形態では、第1の実施形態と同様、通気孔2bを形成した第1ケース2の底壁に、第1通気管5の端面を突き当てて接合し、該接合部の外周縁部を溶接する。なお、端面は、図5のような第1通気管5の切断面に限定されず、径方向外側に延びるフランジ面であってもよい。
第2ケース2内に発電部11及び改質器12が収納されることは図1と同様であるが、第1ケース2の底壁及び第2ケース3の底壁を貫通して配設された酸化剤導入管16を介して酸化剤が発電部11内のセルスタックのカソード極に供給される。また、改質器12によって改質された改質ガスが改質ガス導出通路18を介して、第1ケース2と第2ケース3との間の空隙4に導出される。改質ガスは、次いで、第2ケース3底壁に開口された複数の改質ガス導入孔3bを介して第2ケース3内の底部から発電部11のセルスタックのアノード極に導かれる。
この場合、第1〜第3の実施形態と同様、排ガス及び排ガスと隣接する空隙4内を流れる改質ガスの大気中への漏洩、排ガスと改質ガスとの相互間の漏洩による混合を防止することが要求される。
図7は、上記の各条件を満たすように構成された、第4の実施形態に係る通路構造を拡大して示す。
ここで、第1通気管5の下端部及び第2通気管6の上端部は、それぞれ径方向内方に屈曲されてフランジ部5b,6bが形成される。
図8は、第2の実施形態に対応する第5の実施形態、図9は、第3の実施形態に対応する第6の実施形態を示す。
2…第1ケース
2b,2c…通気孔
3…第2ケース
3a…酸化剤取入口
4…空隙
5…第1通気管
5a,5b…フランジ部
6…第2通気管
6a,6b…フランジ部
7…第1シール部材
8…第2シール部材
11…発電部
12…改質器
13…改質ガス通路
14…燃料供給管
15…排ガスボックス
15a…排ガス導入口
16…酸化剤導入管
17…熱回収部
18…改質ガス導出通路
Claims (8)
- 燃料の化学反応により発電する発電部を筐体に内包して構成された燃料電池モジュールであって、
燃料電池モジュールの内側と外側との間に流体を流通させる通路を、前記筐体の外側に配設される第1通路と、該第1通路に連通して前記筐体の内側に配設される第2通路とを含んで構成し、前記第1通路を構成する外側部材と前記第2通路を構成する内側部材とを、該第1通路及び第2通路の内側空間でシール部材を介して締結し、
前記第1通路及び第2通路の内側空間と、前記筐体の内側で前記第2通路外側の空間と、前記第1通路外側の空間と、を気密に分離したこと
を特徴とする燃料電池モジュール。 - 前記第1通路を構成する外側部材と前記第2通路を構成する内側部材は、それぞれ前記筐体側の端部を内側に屈曲させたフランジ部と、前記筐体に開口した通気孔の外側周縁部とが、前記各フランジ部と前記通気孔の外側周縁部との間にそれぞれシール部材を挟んでネジ締結される、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
- 前記第1通路を構成する外側部材と前記第2通路を構成する内側部材は、それぞれ前記筐体側の端部を内側に屈曲させたフランジ部相互がシール部材を挟んでネジ締結されると共に、前記第1通路を構成する外側部材の外周を前記筐体に開口した通気孔の周縁部に接合し、該接合部が溶接される、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
- 前記第2通路を構成する内側部材の前記筐体側の端部を内側に屈曲させたフランジ部と前記筐体に開口した通気孔の外側周縁部とが、これらの間にシール部材を間に挟んでネジ締結されると共に、該締結部より外側で前記第1通路を構成する外側部材の前記筐体側の端部を該筐体の外壁に接合し、該接合部が溶接される、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
- 前記第2通路は、前記筐体より内側で前記発電部を内包する第2の筐体または該第2の筐体への連結体に連結され、
前記第1通路及び第2通路の内側空間を流れる流体は、前記発電部における余剰燃料の燃焼排ガスであり、前記筐体の内側において前記筐体の内側で前記第2通路外側の空間を流れる流体は、酸化剤である、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。 - 前記第2通路は、前記筐体より内側で前記発電部と燃料を改質する改質器とを内包する第2の筐体または該第2の筐体への連結体に連結され、
前記第1通路及び第2通路の内側空間を流れる流体は、前記発電部における余剰燃料の燃焼排ガスであり、前記第2通路外側の空間を流れる流体は、前記改質器によって改質される改質ガスである、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。 - 前記第1通路の下流に熱回収部を更に備えることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
- 前記燃料電池モジュールは、固体酸化物形燃料電池のモジュールである、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
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