JPS6334985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、走行装置を具備した車台上に作業
台を昇降自在に設け、この作業台上に作業者が搭
乗したままで走行装置を駆動して移動したり作業
台を上昇させて高所作業を行つたりできるように
した高所作業車に関する。

高所作業車では、作業台を上昇させたままで走
行装置を駆動すると不安定で転倒する恐れがあ
る。このため、従来の高所作業車は、走行装置を
操作する操作具を車台側に設け、作業台を上昇さ
せた場合には、作業者が作業台に搭乗したままで
は走行装置を駆動できないようにしている。しか
しながら、平坦地においては、作業台の高さが比
較的低い位置で走行装置を走行させても転倒の危
険性が無く安全である。

又、作業台上に走行装置の走行・停止を行う走
行操作具を設け、作業台を安全な高さまで降下さ
せて走行装置を走行させることができれば、移動
走行の度に作業者が作業台から降りる必要がなく
作業台を昇降させる動きが少なくてすみ作業能率
を向上できる。

このため、この考案は、作業台側に走行装置の
操作具を設けた構成で、作業台が所定高さよりも
上昇している場合には該操作具を操作不能にし
て、安全に高所作業が行えるようにしたもので、
次の如く構成した。

すなわち、走行装置１を具備した車台２に対し
て昇降自在にした作業台３に、操作力を加えるこ
とで前記走行装置１を駆動させる走行操作具４
と、この走行操作具４の動きを阻止する阻止具５
とを設け、該阻止具５をその一部が車台２側に適
宜高さ立設した部材２５に当接することで阻止解
除となるよう構成し、作業台３が所定高さよりも
上昇した位置では走行操作具４で走行装置１を駆
動できないように構成した。

この考案は、上記構成によつて、作業台３が車
台２上に納まつた状態と比較的低い所定高さ以下
に上昇させた状態では、作業台３へ設けた阻止具
５が車台側の部材２５と当接して阻止解除状態に
保持されているので、走行操作具４を操作して走
行装置１を駆動させて移動することができ、作業
台３を所定高さよりも高く上昇させた場合には、
阻止具５と車台側の部材２５が離れて、阻止具５
が走行操作具４の動きを阻止作用するので、走行
装置１を駆動させることができず、不測に移動す
るようなことがなく、安全な高所作業が行えるこ
とになるのである。

このように、作業台３を所定高さよりも高く上
昇させた場合に、作業者が走行操作具４を不測に
触つて走行装置１を駆動させるような危険を、走
行操作具４の動きを阻止する阻止具５で防止で
き、簡単な構成で作業台３の低い上昇位置での走
行と高い上昇位置での高所作業とを能率良く安全
に行えることになるのである。

次にこの考案の一実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。

操向輪６と駆動輪７とからなる走行装置１を具
備した車台２の前後略中央部に、昇降機構を内蔵
した昇降枠８を立設し、この昇降枠８の前側に作
業台３を設け、後側に原動枠９を設ける。

昇降枠８は、外マスト１０と内マスト１１とか
らなり、車台２の左右中央に立設した油圧シリン
ダー１２で内マスト１１を外マスト１０内で昇降
させる。この内マスト１１には、作業台３の後部
に設けた支持部材１３の先端部に枢支したローラ
１４を嵌入させ、内マスト１１の上部に回転自在
に枢着したスプロケツト１５に掛け回したチエン
１６の一端を作業台３に連結し、他端を油圧シリ
ンダー１２のシリンダーケースに固着した取付具
１７に連結している。

従つて、油圧シリンダー１２で内マスト１１を
上昇させると、作業台３がその支持部材３先端の
ローラ１４を内マスト１１内で転動させながらチ
エン１６で内マスト１１の２倍の高さに引き上げ
られるのである。

作業台３は、後部に背枠１８を立設し、この背
枠１８に座席１９を設け、前部左右中央にハンド
ル枠２０を立設し、背枠１８とハンドル枠２０と
を手摺枠２１で連結して作業者が搭乗する床面２
２の周囲を囲つている。

なお、図示は省略したが、手摺枠２１は、一部
を側方へ開放可能にして、作業者が乗り降りでき
るようにしている。

ハンドル枠２０は、その上部に操向ハンドル２
３のハンドル軸２４を回動自在に枢着している。
このハンドル軸２４は、六角軸であつて、車台２
側の操向輪６に連動させたスリーブ筒２５の六角
穴に軸方向へスライド可能に嵌合させている。

床面２２上には、走行装置１の駆動を断続する
クラツチ（図示省略）にワイヤー２６で連結した
走行操作具である走行クラツチペダル４と、油圧
シリンダー１２の流路切換弁（図示省略）に連結
して作業台３を昇降させる昇降ペダル２７とを設
けている。

作業台３の底面側には、該走行クラツチペダル
４とスリーブ筒２５の間において、阻止具５をピ
ン２８で枢着している。この阻止具５は、走行ク
ラツチペダル４のクラツチアーム２９に固着した
係合ピン３０の上下回動範囲に介入するよう水平
回動し、係合ピン３０側に引張ばね３１を設け、
これと反対側を回動を規制する部材であるスリー
ブ筒２５に押圧していて、作業台３の降下時に
は、スリーブ筒２５の外周面で係合ピン３０と係
合しない位置に回動保持され、作業台３の上昇時
には、スリーブ筒２５から外れることによつて引
張ばね３１で係合ピン３０の下側位置へ回動して
走行クラツチペダル４を踏み込めないようにして
いる。なお、スリーブ筒２５の上端は、傾斜面３
２に形成して阻止具５の接離が円滑に行われるよ
うにしている。

３３は、フロントカバー、３４は変速レバーで
ある。

作業台３が車台２上に降下している状態では、
阻止具５が係合ピン３０の上下回動範囲から離れ
た位置に有つて、走行クラツチペダル４を踏み込
んで車台２を走行させることが可能であるが、作
業台３が上昇していき、阻止具５がスリーブ筒２
５から離れると、阻止具５が係合ピン３０の下側
位置へ回動して走行クラツチペダル４を踏み込む
ことができなく、車台２が不測に走行することが
なくなる。

このように、スリーブ筒２５が長いために、阻
止具５がスリーブ筒２５から外れるまでは、作業
台３を上昇させても、走行クラツチペダル４を踏
み込んで走行装置１を駆動することが可能であ
る。

なお、阻止具５の回動を規制する荷台側部材で
あるスリーブ筒２５とは別の部材を車台２に立設
して、この部材に阻止具５を当接させ、作業台３
の低い上昇位置では走行クラツチペダル４の回動
が阻止されないようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示すもので、第１
図は全体の正面図、第２図は一部の拡大正断面
図、第３図は一部の拡大平断面図である。 １……走行装置、２……車台、３……作業台、
４……走行操作具（走行クラツチペダル）、５…
…阻止具、２５……車台側部材（スリーブ筒）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置１を具備した車台２に対して昇降自在
   にした作業台３に、操作力を加えることで前記走
   行装置１を駆動させる走行操作具４と、この走行
   操作具４の動きを阻止する阻止具５とを設け、該
   阻止具５をその一部が車台２側に適宜高さ立設し
   た部材２５に当接することで阻止解除となるよう
   構成し、作業台３が所定高さよりも上昇した位置
   では走行操作具４で走行装置１を駆動できないよ
   うにしたことを特徴とする高所作業車の走行操作
   装置。