JPS6334699Y2

JPS6334699Y2 -

Info

Publication number: JPS6334699Y2
Application number: JP1337381U
Authority: JP
Priority date: 1981-02-02
Filing date: 1981-02-02
Publication date: 1988-09-14
Also published as: JPS57126201U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、内視鏡のチヤンネルを通じて体腔内
に導入し、内視鏡による観察下で体腔内の目的部
位に注射を行なう内視鏡用注射器の改良に関す
る。

この種の内視鏡用注射器は注入チユーブの先端
に管状の先端針を取り付けてなり、さらに、これ
を外套管内に挿入して収納した構成となつてい
る。そして、内視鏡のチヤンネルを通じて体腔内
に導入するときには外套管内に先端針を引き込
み、その針先で内視鏡のチヤンネルや人体組織を
傷付けないようにしている。また、上記注入チユ
ーブおよび外套管は内視鏡の挿入部の湾曲状態に
応じて複雑に湾曲しなければならないので、それ
ぞれ可撓性のもので形成されている。

ところで、体腔内の目的部位に先端針を突き刺
すときには、その先端針を外套管の先端から突き
出すが、安全上穿刺深さを規制する必要があり、
必要以上に突き出させるわけにはいかない。しか
しながら、上記注入チユーブは可撓性のみならず
軸方向にも弾性を有し、穿刺時に圧縮力が加わる
と軸方向に縮んでしまい、このため、先端針が外
套管内に引つ込んで十分に穿刺できないという不
具合があつた。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは外套管の先端から先端針
を突き出し、体腔内の目的部位に穿刺しても注入
チユーブの弾性により外套管内に押し返されるこ
となく、所定の突出長さを維持し、確実かつ安全
に注射できるようにした内視鏡用注射器を提供す
ることにある。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
にもとづいて説明する。図中１はたとえば合成樹
脂によつて形成された可撓性の注入チユーブであ
り、この注入チユーブ１の先端には管状の先端針
２が取付け固定されている。先端針２は基端縁部
を除く先端側部分は注入チユーブ１の外径より細
く形成されている。上記先端針２の基端縁部には
後述する外套管側のストツパに当る当接面３が形
成されている。そして、この先端針２と注入チユ
ーブ１は、たとえば合成樹脂によつて形成された
可撓性の外套管４の内部に進退自在に挿通されて
いる。

また、上記外套管４の先端には、ほぼ円筒状の
係止部材５が取付け固定されていて、この係止部
材５の後端面は前記先端針２の当接面３を当てゝ
係止するストツパ６を構成するようになつてい
る。すなわち、注入チユーブ１とともに先端針２
を前進させると、この先端針２は係止部材５の先
端から突き出すとともに、当接面３が係止部材５
のストツパ６に当接してその突出量が規制される
ようになつている。

上記外套管４の基端には円筒状のホルダ７が取
付け固定され、外套管４の基端部を構成してい
る。また、注入チユーブ１の基端には円筒状の口
金８が取付け固定されている。この口金８の手元
側基端部には図示しない注射筒などの注入器具を
接続する接続口９が形成されている。上記口金８
はホルダ７内において進退できるように設けられ
ている。また、口金８の外周にはその軸方向に沿
つて長溝１０が形成されており、さらに、長溝１
０の手元側基端に連続して周方向に沿う係止溝１
１が形成されていて、後述するピン１２を係止さ
せて注入チユーブ１を押込み圧縮した状態に固定
する固定機構を構成するようになつている。そし
て、この長溝１０および係止溝１１にはホルダ７
に設けたピン１２が嵌め込まれている。しかし
て、長溝１０にピン１０を位置させることによ
り、ストロークl₁で口金８を進退させることがで
きるとともに、係止溝１１にピン１２を位置させ
ると、口金８を押し込んだ状態でその移動を阻止
することができるようになつている。また、上記
口金８を前進させることにより注入チユーブ１を
介して先端針２を突出させることができる。ま
た、口金８を後退させることにより注入チユーブ
１を介して先端針２を外套管４内に引き込むこと
ができる。そして、先端針２の当接面３が係止部
材５のストツパ６に当る突出位置から先端針２が
引き込まれる位置までの距離l₂は上記口金８のス
トロークl₁よりも短かく設定されている。なお、
第１図で示すように先端針２を外套管４内に引き
込んだときには、第２図で示すように長溝１０の
先端にピン１２が当る状態になるようになつてい
る。

一方、このように構成した内視鏡用注射器を体
腔内に導入するときは、先端針２を外套管４内に
引き込んだ状態でその外套管４を内視鏡（図示し
ない。）のチヤンネルに挿通して体腔内に突出さ
せる。このとき先端針２は外套管４内に収納され
ているので、先端針２で内視鏡のチヤンネルや人
体組織を傷付けることがない。そして、外套管４
の先端を目的部位に近づけたのち、手元側におい
て口金８を前進させ、注入チユーブ１を介して先
端針２の当接面３がストツパ６に当るまで押し込
むと、先端針２は第３図で示すように定つた長さ
l₃だけ突出する。この状態からさらに長溝１０の
手元側基端にピン１２が当るまで、注入チユーブ
１の弾性力に抗して口金８を押し込むとともに、
その口金８を回転して係止溝１１にピン１２を嵌
め込み、係止させる。しかして、注入チユーブ１
は強く圧縮された状態で外套管４内に収納される
ため、生じる弾性力によつて先端針２を先端側に
付勢することにる。したがつて、突出させた先
端針２を体腔内の目的部位に穿刺する際、目的部
位の組織に押されて外套管４内に引つ込んでしま
うようなことがない。つまり、先端針２の突出長
さは変らず、常に定つた長さl₃を維持するため、
所定の穿刺深さが得られる。

第４図は本考案の他の実施例を示すものであ
る。この実施例における外套管４は金属製の密巻
きコイル１３からなつている。また、ホルダ７は
外套管４の基端に取付け固定される基体１４に移
動環１５をねじ込み装着してなり、基体１４に対
して廻すことにより移動環１５を軸方向に進退さ
せ得るようになつている。さらに、移動環１５の
手元端には締付けリング１６を介して係止用の弾
性リング１７が内方に突出するようにして設けら
れている。一方、注入チユーブ１側の口金８の外
周には先端側と基端側にそれぞれ環状の係止溝１
８，１９が形成され、この各係止溝１８，１９に
は上記弾性リング１７を嵌め込ませて係止させる
ことができるようになつている。なお、上記係止
溝１８，１９の間隔は上記実施例における長さl₁
と同じく設定されている。また、係止溝１８，１
９より両外側、つまり先端側と手元基端側の口金
８の外径は弾性リング１７が入り込めない大きさ
に設定されている。もちろん、係止溝１８，１９
間における口金８の外径は弾性リング１７が摺動
できる程度のものに設定されている。

しかして、上記実施例と同様に操作できるが、
口金８を引き、係止溝１８に弾性リング１７を係
止させると、前述したように先端針２を外套管４
内に引き込むことができるとともに、その収納状
態に固定しておくことができる。また、口金８を
押し込み、係止溝１９に弾性リング１７を係止さ
せると、先端針２を外套管４の先端から突き出す
とともに、注入チユーブ１を軸方向に圧縮して先
端針２を弾性的に付勢することができる。また、
この実施例では移動環１５を進退させることによ
りその圧縮量を調節することができる。したがつ
て、注入チユーブ１が成形条件のばらつきなどに
よりその弾性率が異なつてもそれを容易に吸収で
き、適切な状態に調節しておくことができる。

以上説明したように本考案によれば、外套管の
先端から先端針を突き出して体腔内の目的部位に
穿刺するとき、注入チユーブの弾性により外套管
内に押し返されることなく、所定の突出長さを維
持するため、目標とする穿刺深さが得られるとと
もに、必要以上にあらかじめ突き出しておくこと
もないので、経内視鏡的に安全に注射することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すその先端部付
近の側断面図、第２図は同じくその実施例の基端
部付近の側断面図、第３図は同じくその実施例の
使用状態の説明図、第４図は本考案の他の実施例
の基端部付近の側断面図である。１……注入チユーブ、２……先端針、３……当
接面、４……外套管、６……ストツパ、１１……
係止溝、１２……ピン、１７……弾性リング、１
９……係止溝。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

可撓性の注入チユーブと、この注入チユーブの
先端に取り付けられた管状の先端針と、この先端
針および上記注入チユーブを進退自在に挿通でき
る可撓性の外套管と、この外套管の先端部に設け
られ上記先端針の外套管の先端からの突出量を規
制するストツパと、上記外套管の基端部に設けら
れ先端針が外套管の先端から突出してストツパに
当つて規制されたとき上記注入チユーブを軸方向
に圧縮して注入チユーブを外套管に固定する固定
機構とを具備してなることを特徴とする内視鏡用
注射器。