JPS63342B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエレベータの運転装置に関し、特に
停電時に自家発電源にてエレベータを予め定めら
れた階に救出帰着運転させ、その後任意号機を継
続号機に選択し、継続サービスさせるエレベータ
の運転装置に関する。

エレベータには一般利用客が自由にエレベータ
を利用できる全自動運転モードと、専用運転手の
み運転できる専用運転モード等、エレベータの使
用状況に応じ使い分けができるよう構成されてい
る。自動運転は、一般利用客の乗場呼、かご呼に
よりエレベータを自動的に運転させるものであ
り、また、専用運転は、乗場呼、かご呼によりエ
レベータが運転されるが、エレベータの起動は、
運転手が運転バーまたは戸閉釦を戸閉完了迄操作
することにより達成されるものである。

最近のエレベータには、停電発生時の救出等に
備えて停電時でも継続してエレベータが利用でき
るよう、周知の停電時運転装置が設けられてい
る。これは停電発生時に自家発電源等の非常用電
源が確立された後、非常発電機の容量に見合うエ
レベータを順次指定階に帰着運転させ、帰着救出
完了後、任意号機を継続運転号機に選択し、継続
してビル内のかご呼、乗場呼にサービスさせるた
めである。

例えば、重要客をサービスするために特定のエ
レベータ１台が専用運転モードにて待機してお
り、この時停電が発生し、自家発電源が確立され
たとする。すると、専用運転モード号機を含めた
自家発電源の容量に見合うエレベータが順次帰着
運転を行う。その後、自動的に継続運転号機を選
択するが、この継続運転号機に専用運転モード号
機が選択されることがある。

しかるに、停電発生から継続号機の選択までに
ある程度の時間を要し、専用運転モード号機が継
続運転号機に選択されたとしても該号機に必ず専
用運転手がいるとは限らない。もし、継続選択さ
れたとき専用運転手がいないと次に述べる如き不
具合がある。

即ち、上述したように継続運転号機は、停電発
生時のビル内の唯一の使用可能エレベータで、か
つ乗場呼、かご呼にサービスし得るエレベータで
あるが、乗場呼が発生した時、継続選択号機の運
転モードは専用モードであり、運転バー又は戸閉
釦を戸閉完了まで操作しないと、エレベータに起
動指令を与えられることができない。このため乗
場待客は、エレベータが使用可能であるにもかか
わらずサービスしてくれないことにいらだちを感
じ、エレベータに不信感を抱くことになる。ま
た、かご内乗客はかご呼を登録してもエレベータ
が動かないことに上記と同様な不信感を抱くこと
になる。

この発明は上記のような従来の問題を解決した
もので、継続選択された号機の走行条件が成立し
ても走行されない場合、これが専用運転モードの
号機であつてもその運転モードを全自動運転モー
ドに自動的に切換え継続サービスさせ得るように
したエレベータの運転装置を提供することを目的
とする。

以下、この発明の具体的実施例を図面について
説明する。

第１図はこの発明にかかるエレベータの停電時
運転装置の一例を示すもので、Ａ号機、Ｂ号機２
台のエレベータを運転制御するものである。

この第１図において、１ａは停電時の運転指令
リレーの常開接点で、停電により自家発電装置が
確立すると閉成されるものである。２は停電時に
各号機を指令された階に帰着運転させ、その後任
意号機を継続号機に選択する帰着継続運転選択回
路で、該回路２は上記運転指令リレーの接点１ａ
を介して（＋）電源ラインＬ１に接続されてい
る。また、上記帰着・継続運転選択回路２と
（−）電源ラインＬ２間には、停電時運転指定階
帰着検出リレーの常閉接点５Aaまたは５Baを介
してＡ号機帰着指令リレー３Ａ及びＢ号機帰着指
令リレー３Ｂが並列に接続され、そしてＡ号機帰
着指令リレー３Ａの電源回路にはＢ号機帰着指令
リレー３Ｂの常閉接点３Baが、また、Ｂ号機帰
着指令リレー３Ｂの電源回路にはＡ号機帰着指令
リレー３Ａの常閉接点３Aaがそれぞれ直列に接
続され、これら帰着指令リレー３Ａ，３Ｂは帰
着・継続運転選択回路２からの帰着指令により付
勢されるものである。

また、４ＡはＡ号機継続選択リレー、４ＢはＢ
号機継続選択リレーで、これら継続選択リレー４
Ａ，４Ｂは上記帰着・継続運転選択回路２からの
選択指令により付勢されるもので、帰着検出リレ
ーの各々の常開接点５Ab，５Bbを介して選択回
路２と（−）電源ラインＬ２間に並列に接続され
ている。

第２図はＢ号機の制御回路を示すもので、全自
動運転中は消勢し、専用運転指令で付勢される専
用運転指令リレー７、戸の管制リレー１０、専用
継続運転が有効のとき消勢、無効のとき付勢され
る専用継続運転有効検出用時限リレー１４及び乗
場呼登録装置１５、かご呼登録装置１６を備え、
上記専用運転指令リレー７は専用運転指令スイツ
チ６及び時限リレー１４の常閉接点１４ａを介し
て（＋）、（−）電源ラインＬ３，Ｌ４間に並列に
接続されている。また、戸の管制リレー１０は専
用運転指令リレー７の常閉接点７ａ及び、不干渉
時間カウント終了で閉、走行開始でドアーゾーン
（Ｄ区）を離れると開する不干渉時間設定用時限
リレーの常閉接点８を介して電源ラインＬ３，Ｌ
４に並列に接続され、さらに常閉接点８と７ａの
直列回路には、運転バー９と専用運転指令リレー
７の常開接点７ｂとの直列回路及びＤ区検出リレ
ーの接点１１がそれぞれ並列に接続されている。
また、上記時限リレー１４は、第１図におけるＢ
号機継続選択リレー４Ｂの常開接点４Ba、走行
要求リレーの常開接点１２及び走行検出リレーの
常閉接点１３を介して電源ラインＬ３，Ｌ４間に
並列に接続されている。さらに電源ラインＬ３，
Ｌ４間に並列に接続した上記乗場呼登録装置１５
及びかご呼登録装置１６の電源回路には運転指令
リレーの常閉接点１ｂとＢ号機継続装置リレー４
Ｂの常開接点４Bbの並列回路が直列に接続され
ている。なお、上記のような制御回路はＡ号機に
おいても同様に設けられている。

次に上記のように構成されたこの発明装置の動
作について説明する。

専用運転指令スイツチ６が投入されることによ
り、（＋）−スイツチ６、接点１４ａ−リレー６−
（−）の閉回路で専用運転指令リレー６が付勢さ
れ、Ｂ号機が専用運転を行つているものとする。
この専用運転中は戸の自動閉は無効になつてお
り、戸閉用の運転バー９を押し続けると、（＋）−
バー９−接点７ｂ−戸管制リレー１０−（−）の
閉回路で戸の管制リレー１０が付勢され、戸閉動
作に移る。これにより戸閉が完了すると、Ｂ号機
の走行条件が成立し、乗場呼登録装置１５あるい
はかご呼登録装置１６に登録された呼データに応
じて走行を開始することになる。

ここでＡ号機の走行中、又はＢ号機が重要客を
サービスするため帰着指定階以外で待機している
とき、停電が発生し、これにより自家発電源が確
立したとする。このとき指定階への帰着順はＡ号
機、Ｂ号機の順であり、また、Ｂ号機が継続運転
号機に決められたとし、かつＢ号機の運転手が停
電になつたことによりかごから降りたとする。

これにより、第１図において（＋）−接点１ａ
−選択回路２−接点３Ba−接点５Aa−リレー３
Ａ−（−）の閉回路でＡ号機帰着指令リレー３Ａ
が付勢され、その帰着指令によりＡ号機は指定階
まで帰着運転される。そして指定階に帰着し、戸
開きすると、帰着完了検出リレーの接点５Aaが
開き、Ａ号機帰着リレー３Ａは消勢される。この
ため、（＋）−選択回路２−接点３Aa−接点５Ba
−リレー３Ｂ−（−）の閉回路が形成され、Ｂ号
機の帰着指令リレー３Ｂが付勢される。これによ
りＢ号機の帰着運転が同様に行われ、Ｂ号機が帰
着階に帰着完了すると、帰着完了検出リレーの動
作により、その接点５Baが開き、Ｂ号機帰着指
令リレー３Ｂを消勢する。その後はリレー３Ｂの
消勢により常開接点５Bbが閉じるため、（＋）−
接点１ａ−選択回路２−接点５Bb−リレー４Ｂ
−（−）の閉回路が形成され、そして選択回路２
から継続選択指令信号が与えられると、Ｂ号機継
続選択リレー４Ｂが付勢され、Ｂ号機が継続号機
として選択される。

Ｂ号機継続運転選択リレー４Ｂが付勢される
と、停電中であるにもかかわらず、（＋）−接点４
Bb−乗場呼登録装置１５及びかご呼登録装置１
６−（−）の閉回路が形成され、乗場呼登録装置
１５、かご呼登録装置１６が有効となり、乗場呼
及びかご呼に対しＢ号機がサービス可能となる。

今、仮に乗場呼が発生したとすると、走行要求
リレーの接点１２が閉じ、（＋）−接点４Ba−接
点１２−接点１３−リレー１４−（−）の閉回路
で、専用継続運転有効検出時限リレー１４が付勢
される。このとき、専用運転手がかご内にいない
とかごは走行されないが、一定時間経過して時限
リレー１４がタイムアツプすると、時限リレー１
４が動作し、その常開接点１４ａを開放する。こ
れにより専用運転指令リレー７が消勢され、Ｂ号
機は全自動モードと同様の運転モードとなる。不
干渉時間により自動閉が可能になり、専用運転モ
ードのＢ号機は継続運転を行うことになる。

なお、上記実施例では専用運転号機の切換えサ
ービス要求が出て、一定時間経過しても走行でき
ない時専用運転を無効となることで説明したが、
継続運転選択されたとき専用運転を無効とするこ
とも容易に実施できる。また、継続運転号機台数
を１台として説明したが、継続運転号機が複数台
ある場合においても同様に実施できることは勿論
である。

以上のようにこの発明によれば、停電後、各号
機が指定階に帰着運転され、継続選択された号機
に応答すべきかご呼または乗場呼が発生しても戸
閉指令が出力されず、かつ走行できないとき継続
運転号機の運転モードを全自動運転モードに自動
的に切換えるよう構成したので、従来のように専
用運転モードの号機が継続運転号機に指定され、
かつ運転手がいなくとも、該号機を乗場呼及びか
ご呼にサービスすることができ、乗客の焦燥感を
解消できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかるエレベータ運転装置
の一例を示す回路図、第２図はこの発明における
Ｂ号機の運転制御回路を示す図である。 １ａ……停電時運転指令リレーの接点、２……
停電時帰着・継続運転選択回路、３Ａ，３Ｂ……
帰着指令リレー、４Ａ，４Ｂ……継続選択リレ
ー、５Aa，５Ab，５Ba，５Bb……指定階帰着
検出リレー、６……専用運転指令スイツチ、７…
…専用運転指令リレー、１０……戸の管制リレ
ー、１４……専用継続運転有効検出時限リレー、
１５……乗場呼登録装置、１６……かご呼登録装
置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 応答すべきかご呼または乗場呼が発生したと
   き扉の戸閉指令を自動的に出力する全自動運転モ
   ード、および専用運転手段のバー操作により戸閉
   指令を出力した時のみ戸閉動作を行う専用運転モ
   ードに切換え可能になつていると共に、停電時に
   は自家発電源にてエレベータを予め定めた階に帰
   着運転させ、帰着完了後任意号機を継続号機に選
   択し、停電時にても任意号機を継続サービスする
   エレベータの運転装置において、継続選択された
   号機に応答すべきかご呼または乗場呼が発生して
   も戸閉指令が出力されず、かつ走行できないこと
   を検知した時継続選択号機が専用運転号機と認識
   する検知手段と、この検知手段が動作した時上記
   継続選択号機の運転モードを専用運転モードから
   全自動運転モードに切換える手段とを備えてなる
   エレベータの運転装置。