JPS6333557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として業務用として使用される食
器洗浄機に関し、とくに食器洗浄機に付随して設
けられる予備洗浄用や水切り用などの補助テーブ
ルが食器洗浄機の洗浄槽に直接連結されるものに
関する。

（従来の技術） 従来より、業務用食器洗浄機として、第３図の
ように上向きに開口する洗浄槽３を箱形のフード
４で上下に開閉する、いわゆる三方開き式の食器
洗浄機が既に良く知られている。これでは、予備
洗浄や水切り等のために、洗浄槽３に補助テーブ
ルＴ１，Ｔ２を連結して使用する。このテーブル
連結構造に関して、従来では第４図のように、洗
浄槽３の上端開口の左右および前からそれぞれ支
持壁７を外向き水平に張り出し、この支持壁７に
補助テーブルＴ１，Ｔ２の天板８の一端部を支持
させたうえで、前記一端部から下向きに折り下げ
た接続壁９を洗浄槽３の周壁３ａにボルト１１で
固定していた。また、補助テーブルＴ１，Ｔ２の
連結端を除く周縁には水止め用の枠部１０が突設
されるが、加工の関係上枠部１０を接続壁９の折
り曲げ基端よりやや手前までしか設けておらず、
切れ目が形成されていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の連結構造では、とくに枠部１０の終端付
近に溜つた洗浄水や予備洗浄時の汚水が、矢印で
示すように枠部１０の切れ目から流れ落ちたり、
洗浄槽３に通設されたボルト穴３ｂから洗浄液が
漏れ落ちるなど、床面の衛生状態が悪化しやすい
点、および洗浄槽の下部に集約される機器類が汚
損されやすい点で問題があつた。また、洗浄槽３
の内側と、補助テーブルＴ１，Ｔ２で覆われた洗
浄槽３の外面との両側からボルト１１で締付けを
行わねばならないので、作業がやりづらく面倒で
あつた。

この考案は、補助テーブルと洗浄槽の連結構造
に起因する水漏れを解消して、食器洗浄機の機器
類およびその設置床面の衛生状態の向上を図り、
さらに補助テーブルの連結作業の容易化を図るも
のである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、第１図のように洗浄槽３に設けら
れる支持壁７を洗浄槽３の周壁３ａの上部から内
方に張り出し、この支持壁７とこれに連結される
補助テーブルＴ１，Ｔ２の接続壁９をそれぞれ洗
浄槽３の内方に向う下り傾斜にし、そしてこの支
持壁７と接続壁９とを支持壁７の張り出し個所に
おいて固定手段１１で固定したものである。

（作用） これにより、本考案では、洗浄槽３の内方に向
う下り傾斜の接続壁９により、補助テーブルＴ
１，Ｔ２の連結部付近にある洗浄水や汚水等を速
かに洗浄槽３内へ流下させ、連結部付近に水が溜
るのを防ぐ。また、支持壁７の張り出し個所にお
いて接続壁９をボルトなどの固定手段１１で固定
することにより、支持壁や接続壁９に固定手段１
１用のセツト穴があつても、いずれも洗浄槽３の
内方にあるのでセツト穴からの水漏れの心配は皆
無となる。さらに洗浄槽３の上方の自由度の大き
い空間側から固定手段１１の固定操作を行えるの
で連結作業が容易に行えるものとなる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。第３図において、予備洗浄用の補助テ
ーブルＴ１と食器洗浄機Ｗと、水切り用の補助テ
ーブルＴ２が直列状に配置された直列設置仕様の
洗浄システム例を示している。食器は補助テーブ
ルＴ１のシンク１で予備洗浄された後、ラツク２
にまとめられて食器洗浄機Ｗの洗浄槽３に収容さ
れる。洗浄槽３は上向きに開口しており、これと
これより上方のフード４の内部には、それぞれ洗
浄ノズル５が配置されていて、フード４を図示状
態から下降させて散水領域を区画した後、洗浄ノ
ズル５から噴出される洗浄液で本洗浄を行う。こ
の後、再びフード４を上昇させてラツク２を取り
出し、補助テーブルＴ２上で水切りを行う。

第１図および第２図に補助テーブルＴ１，Ｔ２
の連結構造の詳細を示している。洗浄槽３の周壁
３ａの上端の左右および前から、槽内方向に向つ
て下り傾斜状の支持壁７がそれぞれ張り出して形
成されている。第２図のように、各支持壁７の隣
接隅部は互いに密接されている。補助テーブルＴ
１を洗浄槽３に掛止状に連結するために、天板８
の端部から接続壁９を一体に張り出して形成して
いる。この接続壁９も前記の支持壁７と同様に洗
浄槽３の内方に向う下り傾斜に形成されている。
天板８の三方を取り囲む水止め用の枠部１０は、
接続壁９の折り曲げ基端に接近する位置まで突出
形成されている。

支持壁７の張り出し個所において、支持壁７の
前後二個所に形成されるネジ穴１１ａと、これに
ネジ込まれる二個のボルト１１ｂとからなる固定
手段１１で接続壁９を固定する。接続壁９にはネ
ジ穴１１ａに対応してボルト穴９ａを通設する。
接続壁９を支持壁７に掛止状に重さね、ボルト１
１ｂで固定することにより、補助テーブルＴ１を
洗浄槽３に固定する。この固定状態において、ボ
ルト１１ｂの締付頭部が、支持壁７および接続壁
９の張り出し端縁からはみ出ないようにする。

水切り用の補助テーブルＴ２は、その連結対象
が洗浄槽３の左側の支持壁７であることを除け
ば、上記の予備洗浄用の補助テーブルＴ１と同じ
ように連結される。図中、符号１２は補助テーブ
ルＴ１，Ｔ２の脚である。

（変形例） 支持壁７は接続壁９の長手幅方向の範囲内で部
分的に設けても良く、必ずしも連続壁にする必要
はない。また、接続壁９は直線状の傾斜面である
必要はなく、円弧やその長手幅方向の断面を連続
波形するようにしても良い。固定手段１１につい
ては、ボルト以外にリベツトや圧嵌式のクイツク
フアスナでも良い。

また、補助テーブルＴ１，Ｔ２は洗浄槽３に直
交状に連結したり、補助テーブルを一個だけ洗浄
槽３に連結する場合もある。さらに、食器洗浄機
Ｗは必ずしも三方開き式である必要はなく、要は
洗浄槽３が上向きに開口するものであれば良い。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案では、補助テー
ブルＴ１，Ｔ２を洗浄槽３に連結するについて、
洗浄槽３の支持壁７と補助テーブルＴ１，Ｔ２の
接続壁９のそれぞれを、洗浄槽３の内方に向う下
り傾斜に形成したので、補助テーブルＴ１，Ｔ２
の連結部付近にある洗浄水や予備洗浄時の汚水な
どを速かに洗浄槽３へ流下させることができる。
これにより、洗浄水などが補助テーブルＴ１，Ｔ
２の連結部付近に溜り、ラツク２の移動時や床面
の不整による天板８の傾きで枠部１０の切れ目か
ら流れ落ちるのを防止することができる。また、
支持壁７が洗浄槽３の内側にあり、これに接続壁
９を固定手段１１で固定するので、たとえば支持
壁７にネジ穴１１ａが通設されていても、洗浄水
を洗浄槽３内に戻すことができ、全体として補助
テーブルＴ１，Ｔ２の連結構造に起因した水漏れ
を解消して、食器洗浄機Ｗの機器類の汚損防止と
床面の衛生状態の向上とを実現できる。

さらに、洗浄槽３の内方に支持壁７を張り出
し、これにたとえばボルト１１ｂなどの固定手段
１１で接続壁９を固定するようにしたので、従来
に比べてより自然な姿勢で簡単に固定手段１１の
固定操作を行うことができ、現場での施工能率を
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示して
おり、第１図は食器洗浄機の要部のみの縦断正面
図、第２図は第１図相当個所の平面図、第３図は
食器洗浄機の斜視図である。第４図は従来例を示
す要部の斜視図である。 Ｗ……食器洗浄機、Ｔ１，Ｔ２……補助テーブ
ル、３……洗浄槽、３ａ……周壁、７……支持
壁、９……接続壁、１１……固定手段、１１ａ…
…ネジ穴、１１ｂ……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上向きに開口する洗浄槽３と、天板８の一端部
   にて洗浄槽３の周壁３ａに掛止状に連結され該天
   板８の残り三方周縁に立上る枠部１０を有する補
   助テーブルＴ１，Ｔ２とを備え、前記周壁３ａの
   内面上部に補助テーブルＴ１，Ｔ２が連結される
   支持壁７が張り出しており、前記補助テーブルＴ
   １，Ｔ２の天板８の一端部には支持壁７に掛止連
   結される接続壁９が形成されており、該支持壁７
   および接続壁９はそれぞれ洗浄槽３の内方に向う
   下り傾斜に形成されており、支持壁７と接続壁９
   とが支持壁７の張り出し個所において固定手段１
   １で固定されることを特徴とする補助テーブルを
   備えた食器洗浄機。