JP2595285Y2 - ユニットバスの洗場用防水パン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ユニットバスの洗場用
防水パンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ユニットバスの洗場用防水パン
は、平面視で、長方形状に形成してあり、その周辺部に
壁パネル載置部を形成してあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によれば、洗場に対する給水管等の配管の立ち
上がり部を、壁パネルと建物壁との間の狭い隙間に配置
しなければならず、そのような配置の仕方では、作業空
間が狭いことから配管作業に手間がかかるという欠点が
あった。

【０００４】この欠点を解消するために、防水パンを短
くして防水パンの立上り配管側の一側辺部を壁パネルか
ら離間する長さに形成し、前記一側辺部と壁パネルとの
間を洗場カウンタで覆い、その覆われた空間に配管の立
ち上がり部を形成することも考えられるが、この場合、
洗場カウンタの上下２辺部のうち、下辺部を防水パンの
一側辺部に載置するととともに、上辺部を壁パネルの中
間面に接当させた構成にしなければならず、この構成で
は、洗場カウンタの上辺部と壁パネルとの間のシール性
を維持することが困難になって、防水性が低下する虞が
あり、そのうえ、防水パンの支持架台に、壁パネルの載
置部を新たに壁パネル側に延設したりしなければなら
ず、製作コストが高くなる虞もある。

【０００５】また、上記の例において、壁パネルの下端
部を洗場カウンタの上辺部に直接載置する構成にする
と、このような虞がなくなるものの、洗場カウンタが構
造上不安定になる虞がある。

【０００６】本考案は、上記従来の欠点を解消し、配管
作業をしやすく、しかも、防水性及び洗場カウンタ周り
の構造上の安定性を良好に維持できるユニットバスの洗
場用防水パンを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案にかかるユニットバスの洗場用防水パン
は、一側端の幅方向中間部に配管用切り欠き部を形成
し、その切り欠き部に対応してほぼ同一形状の切り欠き
を形成してある底壁と壁パネルの受け面を形成してある
上壁とを有する洗場カウンタを載置すべく、前記切り欠
き部の周囲に隣接する部位を洗場カウンタ載置部にして
あると共に、前記切り欠き部との境界に立上がり壁を形
成して、前記洗場カウンタに対する係止部としてあるこ
とを特徴とし、その作用効果は次のとおりである。

【０００８】

【作用】つまり、一側端の幅方向中間部に配管用切り欠
き部を形成してあるから、洗場に対する給排水管等は、
この切り欠き部を通して上下に配管すればよく、そのよ
うに配管した場合、作業空間を広くとることができて配
管作業が容易になる。

【０００９】そして、切り欠き部の周囲に隣接する部位
を洗場カウンタ載置部にしてあるから、従来例と異なっ
て、洗場カウンタの支持体として壁パネルを利用する必
要がない。また、前記載置部に洗場カウンタを載置する
際、洗場カウンタ底壁の切り欠き残部を前記載置部に載
置でき、しかもその載置部が切り欠き部の周囲に存在す
るため、洗場カウンタを安定的に支持することができ、
このため洗場カウンタの上壁に壁パネルの受け面を形成
してあっても、荷重に耐えうる安定な構造とすることが
できる。更に、安定的に支持された洗場カウンタに壁パ
ネルの下端部を載置すれば、洗場カウンタ周りの構造は
より安定になり、しかも、両者の間のシール性を良好な
状態にすることができる。更に、前記切り欠き部との境
界に立上がり壁を形成して、洗場カウンタに対する係止
部としてあるため、立上がり壁を利用して洗場カウンタ
の側壁の位置決めや固定を行うことができ、更に側壁の
接着等を係止部が補強する効果を期待できる。なお、洗
場用防水パンは一般的に外縁部に立上がり壁を有してお
り、前記のような切り欠き部を形成する際にその境界部
に存在する立上がり壁を上手く利用して、上記のような
係止部とすることができる。

【００１０】

【考案の効果】従って、配管作業が容易になるうえに、
壁パネルと洗場カウンタとの間のシール性を良好な状態
にでき、更に洗場カウンタ周りの構造を安定なものにで
き、施工時の位置決めや固定が容易になるから、全体と
して、配管作業の作業性が良く、しかも、防水性及び洗
場周りの構造上の安定性を良好に維持できるユニットバ
スの洗場用防水パンを提供することができた。

【００１１】

【実施例】次に本考案にかかるユニットバスの洗場用防
水パンの実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】図６にユニットバスＢの全体図を示してあ
る。このユニットバスＢは、浴槽１、浴槽用水洗金具
２、洗場用水洗金具３、シャワーヘッド４、洗場を形成
する洗場用床板５（洗場用防水パンの一例）、洗場用床
板５に載置した洗場カウンタ１５、洗場用床板５を受け
止め支持する支持架台８、それに、これらを取り囲む壁
パネル６、天井パネル７により構成してある。

【００１３】図１、４、５に示すように、前記床板支持
架台８は、一対の縦桟１１に横桟１２を架設するととも
に、各コーナー部に支持脚１７を突設して構成してあ
る。なお、床板５と床板支持架台８との間には、ＦＲＰ
製の板材１６を介在させる。

【００１４】前記床板５は、長方形状の本体部分の周縁
を立上げてあり、立上がり部を横側方に張り出して張り
出し部５Ａを形成し、そのうち、幅方向一側の張り出し
部５Ａを壁パネル６底部の受け面にしてある。排水口９
側の張り出し部５Ａは、他の張り出し部５Ａよりも大き
く張り出してあり、その張り出し部５Ａの幅方向中央部
を切り欠いて配管用切り欠き部１８を形成してある。そ
して、この切り欠き部１８に隣接する部位、つまり、切
り欠き部１８を形成した後の張り出し部５Ａを洗場カウ
ンタ載置部１９にしてある。張り出し部５Ａの先端は上
向きに全て立上げて、壁パネル６底部、洗場カウンタ１
５等を囲む立上がり壁５Ｂとしてある。なお、床面５ａ
は傾斜させて、傾斜下手側の排水口９に床面５ａ上の水
を案内できるようにしてある。

【００１５】図２、３に示すように、前記洗場カウンタ
１５は、合成樹脂製の板を箱形状に形成してあり、その
上面を上方に立上げ、その立ち上がり部を側方に張り出
して、張り出し部１５Ａを壁パネル６底部の受け面にし
てある。張り出し部１５Ａの先端は上向きに立上げて、
壁パネル６底部を囲む立上がり壁１５Ｂとしてある。洗
場カウンタ１５の底壁２０は、洗場カウンタ１５の載置
部１９に載置するものであり、そこには、配管用切り欠
き部１８に対応する部位に、ほぼ同一形状の切り欠きを
形成して、その切り欠きの周囲に位置する残部が洗場カ
ウンタ１５の載置部１９に載置される。そして、図２に
示すように切り欠き部１８との境界に形成した立上がり
壁５Ｂが、洗場カウンタ１５の側壁１５Ｃに対する係止
部となっている。洗場用給水管Ｐ（配管の一例）は、床
板５の床下部に配設してあり、この洗場カウンタ１５の
真下から、ほぼ垂直に立ち上がって洗場カウンタ１５の
切り欠き部１８を通り、洗場カウンタ１５の上壁２１を
貫通して蛇口等に連結している。

【００１６】 〔別実施例〕 洗場カウンタ１５の形状は、箱形状のものに限られず、
種々の形状に変更できる。

【００１７】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】洗場用防水パン及び支持架台の斜視図

【図２】洗場カウンタの縦断面図

【図３】洗場カウンタの平面図

【図４】洗場用防水パンを支持架台に載置した状態の縦
断側面図

【図５】洗場用防水パンを支持架台に載置した状態の縦
断正面図

【図６】ユニットバスの全体図

【符号の説明】

１８ 配管用切り欠き部 １９ 洗場カウンタ載置部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一側端の幅方向中間部に配管用切り欠き
   部（１８）を形成し、その切り欠き部（１８）に対応し
   てほぼ同一形状の切り欠きを形成してある底壁（２０）
   と壁パネル（６）の受け面を形成してある上壁（２１）
   とを有する洗場カウンタ（１５）を載置すべく、前記切
   り欠き部（１８）の周囲に隣接する部位を洗場カウンタ
   載置部（１９）にしてあると共に、前記切り欠き部（１
   ８）との境界に立上がり壁（５Ｂ）を形成して、前記洗
   場カウンタ（１５）に対する係止部としてあるユニット
   バスの洗場用防水パン。