JPS6333550B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、化粧板の張設方法に関するもので、
その目的とするところは、目地仕上げ時に化粧板
表面を汚すことなく、熟練者以外の素人でも簡単
に施工の出来る化粧板の張設方法を提供すること
にある。

近年、不燃性の無機有機複合材料の基材表面に
メラミン樹脂塗装による美麗な色、柄を施して天
然のタイル地を模倣した化粧板が、天然のタイル
と変わらぬ豪華さと、清潔感にあふれる外観を呈
し、しかも天然のタイルに比べ比較的安価なこと
から、壁面、天井面、床面、浴室などの内装材と
して広く賞用されるようになつているが、このよ
うな化粧板を張設するため従来より行なわれてい
る方法は、化粧板を張り合わせしようとする壁
面、天井面などの下地面に位置決め用の下地線を
あらかじめ描いて目地割りを行なつた後、この下
地線に沿つて、張り合せしようとする化粧板を一
定の目地間隙を保持するように下地面に順次接着
剤を介して添着し、最後に目地間隙にコーキング
剤を充填して目地仕上げを行なつて張設作業を完
了するというものである。

しかしながら、このような張設方法に於ては、
目地仕上げに湿式のコーキング剤を用いているた
め、目地間隙にコーキング剤を遂一充填して行く
作業がとりわけ面倒で、しかも注意力の必要なこ
とから熟練者がこのような方法で化粧板の張設を
行なつた時にも、コーキング剤充填時に化粧板表
面にコーキング剤を不用意に付着させ化粧板表面
を汚してしまうことが往々にしてあつた。

このため、コーキング剤の充填時には、化粧板
の周縁にマスキングテープを貼り付けて化粧板表
面を汚さないような配慮がなされているのが通例
であるが、このような場合にはマスキングテープ
の貼り付けと取りはずし作業が付加されることと
なつて、いずれにしてもその施工性は容易なもの
とは言い難く施工面でなお改善の望まれるところ
であつた。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、新規な形状の継目材と、棒状に成形されたホ
ツトメルトタイプの合成樹脂充填材を用いて、壁
面、天井面、床面などの下地面に上記した化粧板
を十分な水密性を維持し乍ら張設できるようにし
たことをその特徴としたもので、これによつて、
作業時に化粧板の表面を汚すおそれがなく、化粧
板の張設作業を熟練者以外の素人でも簡単に行な
えるようにしようとするものである。

以下に、化粧板を壁面内装材として壁面の下地
面に張設する場合を例にとつて本発明方法の望ま
しい一実施例を添付図面を参照しつつ説明する。

壁面の下地面２となる下地板に、添着しようと
する化粧板１…の大きさに応じて位置決め用の下
地線（図示せず）を描くなどして目割りを行なつ
た後、この下地線に沿つて一定の目地間隙を維持
するように後述するような形状の継目材３…を第
１図、第５図に示すように縦横に貼着して行く。

ここで、本発明方法を実施するために用いる上
記した継目材３の詳細は第６図〜第８図に示すよ
うに、帯状平板基材３ａの片面のほゞ中央に長手
方向のほゞ全長に亘つて走る突条３ｂを形設して
成るもので、薄い金属平板、硬質の合成樹脂など
を引抜き、あるいは押出し成形することによつて
容易に一体成形できる形状をしており、接着剤、
釘などを用いて下地面２に貼着出来るようになつ
ている。

このような継目材３は、目地間隙４に充填され
る後述のホツトメルトタイプの合成樹脂充填材５
と協働して目地の水密性を維持するため用いられ
るものであるが、その下地面２に貼着される面引
及び突条の形設された面３２，３２の両面にあら
かじめ粘着層を形成しておけば継目材３自身の貼
着のみならず化粧板１の貼着の際にもすこぶる便
利であり、施工を大幅に短縮できる効果もある。

第７図〜第８図は、継目材３の変形例を示した
もので、継目材３とホツトメルトタイプの合成樹
脂充填材５との結合をいつそう強固にするために
突条３ｂに凹凸部を形成したものを示しており、
第７図は特に突条３ｂの長手方向の上部側面に連
結した凹凸段部３３１を形成したもの、第８図
は、突条３ｂの長手方向の両側面に鋭角の突出部
３３２を形成したものを示しているが、このよう
な図示例以外にも合成樹脂充填材５との結合を強
固にする種々の形状を採択しうることは勿論であ
る。

しかして、上記した継目材３の下地面２への貼
着が完了すると、上記継目材３の突条３ｂを第２
図に示すように目地間隙４のほゞ中央に露見すべ
く化粧板１…の両端部を継目材３に乗せかけるよ
うにして、化粧板１…を接着剤などで次々と下地
面２に添着して行く。なお、この場合目地間隙４
を一定にするための位置決め用の目印（×）を平
板基材３ａに設けておくと便利である。

かくして、化粧板１…が目地間隙４…を除き下
地面２を被い隠すようにして添着された後は、継
目材３の突条３ｂの露見せる目地間隙４に、棒状
に形成されたホツトメルトタイプの合成樹脂充填
材５を第３図に示すように差し入れ、これを加熱
軟化させ乍ら、押えローラ、押えコテなどを用い
て目地間隙４…に該充填材５を次々と充填して行
き、目地の表面６１…を第４図に示すように整え
て目地仕上げを行なつて行く。かくして、各々の
目地間隙４…は継目材３と充填材５により水密性
が維持され化粧板１の張設作業は完了する。充填
材５の目地への充填はホツトガン等を用いれば容
易にかつ効率良く行なえるが、目地間隙４の充填
時に用いる棒状に形成されたホツトメルトタイプ
の合成樹脂充填材５は、充填しようとする目地間
隙４の大きさに応じた径を有していることが特に
望ましく、その断面形状は、第９図〜第１２図に
示すように、円、図角形、カマボコ形、コ字形な
どの中から適宜採択される。

以上詳述したように本発明方法によれば、従来
の湿式のコーキング剤に代わつて、新規な形状の
継目材と乾式の棒状に成形されたホツトメルトタ
イプの合成樹脂充填材とを用いて、目地の水密性
を維持し乍ら化粧板を次々と添着して行くように
しているため、目地仕上げ時に充填材を化粧板表
面に不用意に付着させるおそれはなく、なにより
も熟練者以外の素人でも簡単に化粧板の張設を行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は、本発明方法の施工手順をそ
の工程順に示す図、第５図は、継目材の下地面に
貼着された状態を示す図、第６図〜第８図は、継
目材の詳細を示す横断面図、第９図〜第１２図
は、棒状に形成されたホツトメルトタイプの充填
材の断面形状の変形例を示す図である。 （符号の説明）１…化粧板、２…下地面、３…
継目材、３ａ…帯状平板基材、３ｂ…突条、４…
目地間隙、５…棒状に成形されたホツトメルトタ
イプの合成樹脂充填材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の定尺化粧板を壁面などの下地面に面一
   状態に張設する方法であつて、下地面の化粧板の
   目地間隙に相当する部分に、帯状平板基材の片面
   のほゞ中央に長手方向のほゞ全長に亘つて突条を
   形成して成る継目材をあらかじめ縦横に貼着し、
   次いで、上記継目材の突条が隣接する化粧板の目
   地間隔のほゞ中央に露見するように次々と多数の
   定尺化粧板を上記下地面に接着剤を介して添着さ
   せた後、上記突条の露見せる目地間隙に、棒状に
   成形されたホツトメルトタイプの合成樹脂充填材
   を差し入れ、熱軟化させ該目地間隙に充填させる
   ことによつて目地仕上げを行つて多数の定尺化粧
   板を壁面などの下地面に次々と面一状態に張り合
   わせて行くようにしたことを特徴とする化粧板の
   張設方法。