JPS6333309Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コード自体で照明灯を吊下げる形
式のコード保持装置に関するものである。

従来、照明器具において、照明灯を吊金具、鎖
等で吊下げる代りに、コードで吊下げる形式のも
のは、吊金具、鎖等の部品が不必要であり、取付
けの煩雑性もない利点がある反面、コード自体に
照明灯の張力を受けて取付位置の移動、断線を生
ずる虞れがあつた。

そこで、この考案は、上記した従来の欠点に鑑
みなされたものであつて、取付カバー体内に横架
したシヤフトに止め板を垂下すると共に、該止め
板に複数個の係止孔を穿設し、コードの両端を前
記係止孔の相隣れる係止孔に夫々屈曲挿通して、
該コードの張力を両係止孔の夫々の両側面の端縁
で係止することにより、コードの移動を確実に防
止すると共に、コードの断線を防ぎ、さらに取付
部の作業性を向上しうる装置を得ることを目的と
したものである。

この考案の構成を図面に示す実施例について以
下詳細に説明する。

１は取付カバー体であつて、浅鉢状の外周カバ
ー２と、その中央に開口する円孔３に回動自在に
取付けられる椀状の中央カバー４とより構成され
ている。５は取付金具であつて、天井Ａに当接す
る上板部６と、その両側に下方に向つて折曲げら
れた側板部７と、その下端を外方に向つて折曲げ
られた脚部８を有し、上板部６には中央に配線コ
ードＢを挿通しうるコード孔９を開口し、その両
側にはビス１０により天井Ａに取付けるための取
付孔１１と鍵孔形のスライド孔１２を穿設する。
側板部７には後記するシヤフト２２を取付けるた
めに側方が開口するシヤフト挿込孔１３が穿設さ
れ、その上方にはシヤフト止めネジ１４を螺合す
るネジ孔１５と、シヤフト止めネジ１４用の切起
されたストツパー片１６が設けられている。また
脚部８にはネジ孔１７を設け、外周カバー２に穿
設した孔１８にビス１９を挿通して取付金具５と
外周カバー２とを固定する。２０はコード保持装
置であつて、止め板２１とシヤフト２２とよりな
り、止め板２１は厚さ３mm程度の方形状のフアイ
バー板で、上部に円孔２３と、その下方に縦２列
に夫々２個、計４個の係止孔２４を穿設し、該止
め板２１の円孔２３にシヤフト２２を挿通して、
例えば４灯の場合には２板の止め板２１を挿通し
て垂下する。このシヤフト２２は前記中央カバー
４の上方両側に穿設されたシヤフト孔２５に挿通
し、さらに取付金具５のシヤフト挿込孔１３に挿
込まれ、シヤフト止めネジ１４をネジ孔１５に螺
入することによつて、該シヤフト止めネジ１４の
頭部１４ａによつてシヤフト２２と係合し、シヤ
フト２２がシヤフト挿込孔１３から離脱しないよ
うに係止する。２６はコードであつて、止め板２
１の隣れる２個所の係止孔２４，２４にコード２
６の両端を挿通して、一端は中央カバー４に取付
けられたパイプ状のアーム２７を貫通して下方に
引出され、その下端部分には照明灯Ｃを連結吊下
する。また他端は天井Ａより引出された配線コー
ドＢと連結する。

このように構成されているので、これを組立て
るには、シヤフト孔２５にシヤフト２２を挿通し
て中央カバー４内にコード保持装置２０を組込
み、該コード保持装置２０の止め板２１の相隣れ
る係止孔２４、実施例の場合は４灯式であるか
ら、夫々上下の係止孔２４，２４にコード２６を
屈曲挿通し、各々一端をアーム２７より下方に引
出し、他方の端部は配線コードＢと接続するため
に芯線を突出しておく。一方取付金具５をビス１
０により天井Ａの所定の位置に取付け、該取付金
具５のシヤフト挿入孔１３にコード保持装置２０
のシヤフト２２を挿入し、シヤフト止めネジ１４
によつてシヤフト２２を取付けた後、配線コード
Ｂとコード２６の芯線とを接続し、最後に外周カ
バー２と取付金具５とをビス１９によつて固定し
て組立を完了する。

なお、実施例の場合は６灯式であるが、１灯式
の場合は止め板２１をシヤフト２２に１板垂下
し、該止め板２１の下方の左右の係止孔２４，２
４にコード２６を屈曲挿通する。

このような状態でコードに照明灯の重量等が加
わり張力が作用して下方に引張られると、止め板
２１の係止孔２４に屈曲挿通されているコード２
６は、係止孔２４の両側端縁２４ａ，２４ｂとコ
ード２６の屈曲部分との間の摩擦力によつて係止
される（第４図参照）ので、コード２６はズレる
ことなく確実に保持される。

以上、実施例について詳述したように、この考
案は、コード自体で照明灯を吊下するものである
から、特別に吊金具、鎖等の吊下げ部品を必要と
せず、取付け作業の煩雑さを解消することができ
る。またコードを保持するコード保持装置は、シ
ヤフトに止め板を垂下したものであるから、極め
てコンパクトに構成され、狭い取付カバー体内に
も拘わらず余裕をもつて収納でき、かつ簡単に取
付けできる。しかも、照明灯が揺動しても、その
振動に応じて止め板を垂下するシヤフトが回動す
るので、コードに何等の屈曲を与えず、断線等の
おそれも未然に防止できるのである。その上取付
ける照明灯の数に応じて自由に止め板の数を増減
できるので、照明灯の増減に容易に対応し、汎用
性が高く製作、組立が単純化できるものである。
さらに止め板に取付けられるコードは、係止孔の
両側面の端縁部分とコードの屈曲部分との間の摩
擦力によつて係止されるものであるから、コード
は１つの係止孔に対して２個所の係止部分で係止
されることになり、吊下げた照明灯の重量、外力
或いは中央カバーの揺動等の張力を受けてもみだ
りに移動するようなことがない。その反面コード
の長さを調節する際は止め板との係止部分を僅か
緩めることによつて簡単に、かつ自由に移動調節
することができると共に、配線コードとの接続部
分は止め板の係止部分によつてコードに全く張力
が加わらないので、断線等の故障を未然に防止す
ることができる等、種々の優れた効果を生ずるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の全体の正面図、第２図は取
付カバー部分の縦断側面図、第３図は同じく分解
斜視図、第４図は止め板部分の拡大縦断側面図を
示す。 １…取付カバー体、５…取付金具、２０…コー
ド保持装置、２１…止め板、２２…シヤフト、２
４…係止孔、２６…コード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付カバー体内に取付金具を固定し、これに脱
   着、回動自在にシヤフトを横架し、上記シヤフト
   に止め板を垂下すると共に、該止め板に複数個の
   係止孔を穿設し、コードの両端を前記係止孔の相
   隣れる係止孔に夫々屈曲挿通して、該コードの張
   力を両係止孔の夫々の両側面の端縁で係止してな
   る照明器具におけるコード保持装置。