JPH0646007Y2 - 吊り下げ型照明器具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、吊り下げ型照明器具に関するものであり、特
に傾斜天井に使用できる吊り下げ型照明器具にかかるも
のである。

〔従来の技術〕

近時、建築様式の多様化に伴い傾斜天井を採用した建築
物が増加している。この傾斜天井は建築物に応じて種々
の傾斜角度に設定されており、吊り下げ型照明器具を傾
斜天井に対応できるものにしようとすると、様々な傾斜
の天井に対応できることが求められる。

第５図は、従来よく知られている傾斜天井用の吊り下げ
型照明器具の吊り具を示すものであり、いわゆるフラン
ジを二重構造として外観を損なわずに種々の傾斜に対応
できるようにしたものである。

傾斜天井に取り付けられた取付具４′は、薄鋼板を曲折
形成したものであり、略長方形で傾斜天井に当接する取
付部９′と、該取付部９′の長手両端から下方に曲折し
て突設した吊り下げ支持部11′、11′と、該吊り下げ支
持部11′の先端から前記取付部９′に略平行に外側に曲
折して突設したフランジ取付部10′、10′とから構成さ
れている。この取付具４′は、取付部９′に穿設された
取付孔13′に挿通された取付用部品としての木ねじ39を
傾斜天井にねじこんで取り付けられている。

図示しない灯具を吊り下げた内フランジ７′は、取付具
４′の吊り下げ支持部11′に形成した支持切欠15′から
係止孔16′に挿入された吊り下げ軸５′に吊り下げら
れ、取付具４′に揺動自在に支持されている。この吊り
下げ軸５′が取付具４′の係止孔16′から脱落するのを
防止するために、取付具４′の吊り下げ支持部11′には
吊り下げ軸外れ防止ねじ40が螺合されている。

そして、外フランジ８′は内フランジ７′を中央開口に
挿通して上端面を傾斜天井に押しつけられた状態で、外
フランジ８′の段部29′に穿設されたねじ挿通孔31′、
31′にフランジ取付ねじ33、33を挿通し、このフランジ
取付ねじ33、33を取付具４′のフランジ取付部10′10′
のねじ孔14′、14′に螺合して取り付けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、このような吊り下げ型照明器具では、取付具
４′の吊り下げ支持部11′、11′の支持切欠15′、15′
から吊り下げ軸５′が脱落しないようにするための吊り
下げ軸外れ防止ねじ40をつけ忘れると、灯具が落下する
危険性を生じる恐れがあった。

本考案は前記背景に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、灯具落下の危険性のない吊り下げ型
照明器具を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による吊り下げ型照明器具は、傾斜天井に取り付
けた取付具に支持切欠を形成した一対の吊り下げ支持部
を略平行に下方へ突設し、前記支持切欠に挿入されて載
置した吊り下げ軸に係止した吊り下げ具によりランプを
装備した灯具を吊り下げた吊り下げ型照明器具におい
て、前記支持切欠の奥下部に吊り下げ軸の直径より幅広
の係止孔を連設し、吊り下げ軸に吊り下げられた内フラ
ンジ取付具に取り付けられ吊り下げ軸を中心とする略半
球殻状の内フランジと、前記取付具に一体に形成したフ
ランジ取付部に取り付けられ支持切欠の開口を上方へ向
けて傾斜天井に取り付けられた取付具の前記係止孔に係
止された吊り下げ軸を中心として前記内フランジよりや
や大径の半球部を有する外フランジとで取付具を覆った
ものである。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は本考案の１実施例を示すものであ
り、以下図面に基づき説明する。

この吊り下げ型照明器具は、傾斜天井１に取り付けられ
た吊り具２と該吊り具２に吊り下げられた灯具３とより
なっている。

吊り具２は、取付用部品としての取付ボルトとナットと
を螺合して傾斜天井１に取り付けられる取付具４と、該
取付具４に揺動自在に支持される吊り下げ軸５と、該吊
り下げ軸５に吊り下げられる内フランジ取付具６と、こ
の内フランジ取付具６に取り付けられる内フランジ７
と、取付具４のフランジ取付部10にフランジ取付ねじ33
を螺合して取り付けられ取付具４及び吊り下げ軸５を覆
う外フランジ８と、吊り下げ軸５に吊り下げられて下端
に灯具３を取り付けたチェーン等の吊り下げ具34とより
構成されている。

取付具４は、薄鋼板を曲折形成したものであり、略長方
形で傾斜天井に当接する取付部９と、該取付部９の長手
両端から下方に略Ｌ字形に曲折されたフランジ取付部1
0、10と、前記取付部９の両長辺の略中央から互いに平
行に下方に曲折された略フック状の吊り下げ支持部11、
11とが形成されている。取付部９には、長手両端近傍に
それぞれ天井から導出される電源電線の挿通する電源孔
12、12と、中央に取付ボルトの挿通する取付孔13とが穿
設されている。各フランジ取付部10、10には、フランジ
取付ねじ33、33が螺合するねじ孔14、14がそれぞれ螺設
されている。各吊り下げ支持部11、11は、同一のフラン
ジ取付部10側の側辺に支持切欠15、15がそれぞれ穿設さ
れ、この支持切欠15、15の最も奥には吊り下げ軸５の直
径よりかなり幅広で下方へ切り込まれた係止孔16、16が
それぞれ設けられている。

吊り下げ軸５は、一端に大径部17を有する棒状で、他端
にはピン挿通孔18が穿設されてスナップピン19が挿入さ
れて係止されるようになっていて、前記大径部17とスナ
ップピン19とで内フランジ取付具６を抜け止めして取り
付けると共に、左右にずれて取付具４の係止孔16から脱
落しないようになっている。

内フランジ取付具６は、前記吊り下げ軸５が挿通して吊
り下げられる内フランジ取付金具20と、該内フランジ取
付金具20に支持されて内フランジ７に挿通する内フラン
ジ取付ねじ21と、該内フランジ取付ねじ21に螺合して内
フランジ７を内フランジ取付金具20に取り付ける内フラ
ンジ取付ナット22とよりなっている。内フランジ取付金
具20は、断面略コ字形に薄鋼板を曲折形成したものであ
り、両突片23、23の先端近傍には吊り下げ軸５の挿通す
る挿通孔25、25が対向して穿設され、両突片23、23をつ
なぐ接続片24の中央には内フランジ取付ねじ21の挿通す
る内フランジ取付ねじ挿通孔26が穿設されている。内フ
ランジ取付ねじ21は、上端に大径の頭部を有し、中央に
吊り下げ具34の挿通する貫通孔を有し、内フランジ取付
金具20の内フランジ取付ねじ挿通孔26にねじ部を挿通し
大径部を接続片24に載置して内フランジ取付金具20から
脱落しないようになっている。

内フランジ７は、頂部に内フランジ取付金具20の接続片
24に当接する平坦部27を有する略半球殻状をなし、平坦
部27の中央には内フランジ取付ねじ21のねじ部が挿通す
る挿通孔28が穿設されていて、内フランジ取付金具20に
支持された内フランジ取付ねじ21と該内フランジ取付ね
じ21に螺合する内フランジ取付ナット22とにより内フラ
ンジ取付金具20に取り付けられている。

外フランジ８は、中央部に前記内フランジ７より大径の
略半球殻状をなし内フランジ７が内に収納される半球部
30を有し、該半球部30の周に環状の段部29を有してお
り、上面開口周縁よりやや内方の段部29上の一直径両端
にそれぞれフランジ取付ねじ33、33のねじ部が挿通する
ねじ挿通孔31、31が穿設されると共に、一方のねじ挿通
孔31とこの外フランジ８の頂点との間の周上に吊り下げ
具34が挿通して内フランジ取付ねじ21に螺合した内フラ
ンジ取付ナット22が挿通して前記内フランジ７が臨む長
孔２が穿設されている。

灯具３は、灯具本体35から複数のグローブ36を吊り下
げ、各グローブ36の内にそれぞれランプを装備したもの
である。

この吊り下げ型照明器具を傾斜天井に取り付けるに際し
ては、まず、傾斜天井１の取付位置に取付ボルトを取り
付けると共に電源電線を導出しておく。ついで、取付具
４の取付孔13に取付ボルトを挿通すると共に電源孔12に
電源電線を挿通し、取付具４の取付部９を傾斜天井１に
押しつけて取付ボルトにナットを螺合させ、ナットを締
め上げて取付具４を傾斜天井１に固定する。ここにおい
て取付具４が傾斜天井１に取り付けられる。

一方、吊り下げ具34は、外フランジ８の長孔32と内フラ
ンジ取付ナット22と内フランジ７の挿通孔28と内フラン
ジ取付金具20の内フランジ取付ねじ挿通孔26と内フラン
ジ取付ねじ21とに順次挿通されたうえで、内フランジ取
付金具20の一方の突片23の挿通孔25に挿通した状態の吊
り下げ軸５に挿通される。そして、吊り下げ軸５は他方
の突片23の挿通孔25に挿通された後、ピン挿通孔18にス
ナップピン19を挿入して抜け止めされる。

次に、前記の状態で吊り下げ軸５を取付具４の吊り下げ
支持部11の支持切欠15に挿入して係止孔16に位置させ、
取付具４から吊り下げる。

その後、内フランジ７の平坦部27を内フランジ取付金具
20の接続片24に当接させて、内フランジ取付ねじ21に内
フランジ取付ナット22を螺合させ、内フランジ７を内フ
ランジ取付具６に取り付ける。

そして、外フランジ８を押し上げて外フランジ８の端面
を傾斜天井１に当接させ、フランジ取付ねじ33を外フラ
ンジ８のねじ挿通孔31から取付具４のフランジ取付部10
のねじ孔14に螺合させて外フランジ８を取り付ける。こ
の時、外フランジ８の半球部30の中心に吊り下げ軸５が
位置している。

この吊り下げ型照明器具は、通常は第１図に示すよう
に、支持切欠15の開口を傾斜天井１の上方へ向けて傾斜
天井１に取り付けられるのであるが、万一支持切欠15の
開口を傾斜天井１の下方へ向けて傾斜天井１に取り付け
た時には、悪条件が重なると吊り下げ軸５が係止孔16か
ら外れてしまう恐れがある。しかしながら、この吊り下
げ型照明器具では、前記のような場合であっても、第３
図に示すように、吊り下げ軸５が係止孔16内で支持切欠
15の開口側に移動して外フランジ８の中心からずれ、内
フランジ７が外フランジ８内面に当接してしまい外フラ
ンジ８の取付時に正規の取付状態でないことが分かるよ
うになっていて、誤って取り付けられて灯具が落下する
という事態は避けることができる。

なお、取付用部品としては、取付ボルトとナットにかえ
て、木ねじ等でもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成されているので、取付具が逆
向きに傾斜天井に取り付けられた場合には外フランジを
取り付けようとする際に正規の取付でないことが分か
り、誤って取り付けることによる灯具の落下という事態
が生じることがない吊り下げ型照明器具を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示すものであ
り、第１図は要部の断面側面図、第２図は要部の分解斜
視図、第３図は誤取付状態の要部の断面正面図、第４図
は傾斜図である。第５図は本考案に対する従来例を示す
要部の分解斜視図である。 １……傾斜天井、２……吊り具、３……灯具、４……取
付具、５……吊り下げ軸、６……内フランジ取付具、７
……内フランジ、８……外フランジ、９……取付部、10
……フランジ取付部、11……吊り下げ支持部、13……取
付孔、14……ねじ孔、15……支持切欠、16……係止孔、
20……内フランジ取付金具、21……内フランジ取付ね
じ、22……内フランジ取付ナット、23……突片、24……
接続片、25……挿通孔、26……内フランジ取付ねじ挿通
孔、27……平坦部、28……挿通孔、29……段部、30……
半球部、31……ねじ挿通孔、32……長孔、33……フラン
ジ取付ねじ、34……吊り下げ具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜天井に取り付けた取付具に支持切欠を
   形成した一対の吊り下げ支持部を略平行に下方へ突設
   し、前記支持切欠に挿入されて載置した吊り下げ軸に係
   止した吊り下げ具によりランプを装備した灯具を吊り下
   げた吊り下げ型照明器具において、前記支持切欠の奥下
   部に吊り下げ軸の直径より幅広の係止孔を連設し、吊り
   下げ軸に吊り下げられた内フランジ取付具に取り付けら
   れ吊り下げ軸を中心とする略半球殻状の内フランジと、
   前記取付具に一体に形成したフランジ取付部に取り付け
   られ支持切欠の開口を上方へ向けて傾斜天井に取り付け
   られた取付具の前記係止孔に係止された吊り下げ軸を中
   心として前記内フランジよりやや大径の半球部を有する
   外フランジとで取付具を覆ったことを特徴とする吊り下
   げ型照明器具。