JPS6332452B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の背景 医療用電極には従来から主として使用目的に応
じて多様な形状がある。たとえば心電図または脳
波図用のごとき検知用電極は通常小型の丸形接触
面を有するが、たとえば痛み制御のごとき刺激用
電極の多くは大型の直方形、または治療に便利な
他の形状の接触面を有する。焼灼用接地電極は多
くは大型である。検知、刺激または接地のいずれ
にせよ、これらの電極は、患者の皮ふ面と装置に
連結した電線との間で電気信号を良好に伝達する
ことを目標とすることは、従来から将来にかけて
変らない。信号伝達が皮ふ一導体の界面を通して
良好に行なわれるのみならず、この信号伝達が実
質的に電流集中および電気的「フイードバツク」
すなわちバツテリー効果を伴なわずに行なわれる
ことが望ましい。 従来技術の電極は金属または他の導電性支持部
材を含む組合せ構造を有し、この部材に電線を連
結して関連装置に接続する。電極によつては、電
極ペーストまたはゲルを直接導電性支持部材に塗
布して、皮ふ−電極の界面を通る導電性を高める
ものもある。 この他、導電性支持部材に、連続気孔を有する
皮ふ−界面パツドを付加的に一体化した電極もあ
る。このパツドは、米国特許3817252号に開示す
るごとく、スポンジ材料から作つて電解質溶液を
保持させることが多い。この電解質溶液は皮ふ−
パツド界面を通る導電性を高める。あるいは、こ
の界面パツドに電極ペーストまたはゲルを飽和さ
せて、電解質溶液の浸出または蒸発を遅らせるこ
とができる。 これらの従来技術の電極の構造は、いずれも電
極ペースト、ゲルまたは溶液を追加しなければ、
長期間にわたつて電気信号を絶えず、効率よくか
つ効果的に伝達することができない。また、これ
らの電極は、押付けると電解質膜が脱れたり、液
が流出して厚みが不均一になる傾向がある。これ
らの条件において、導電性支持部材の部分が露出
して皮ふに接触すると、局部的熱点が生じて患者
に不快感を与え、またはその皮ふに火傷をおこす
ことがある。 これらの従来技術の電極は、患者の皮ふに取付
けるのに医療用テープまたは他の取付け媒体を使
用する必要がある。こうして取付けた電極は皮ふ
から脱れて、信号伝達の一部または全部が中断さ
れることが極めて多く、またこの接着材は皮ふを
かぶれさせることもある。 さらに最近の改良された電極に、皮ふ−界面媒
体として導電性テープを使用する複合電極があ
る。このテープは接着膜によつて皮ふ面に付着す
る。これらの電極は、接着材を通して電流を流す
ために、米国特許第3911906号開示のごとく、カ
ーボン粉末のごとき導電性粒子を接着剤にドープ
する。あるいはカーボン粉末の代りに銀粉を使用
することができる。しかしこのドーピングは接着
材全体に均一な電気信号伝導性を与えることがで
きないばかりでなく、皮ふの湿分が大量に存在す
るときは、接着材は皮ふ面に付着することができ
なくて脱れてしまい、電極の電気的特性に決定的
な変化を与える。 発明の概要 本発明の提供する医療用電極は電流分配用の導
電性支持部材を有する。この支持部材は金属また
は他の導電性材料からなるシートまたは層とし、
かつ外部の電気装置に連結する導線と前記導電性
支持部材との間に正の電気的接触を保つように、
スナツプフアスナまたは他の適当なものを前記導
電性シートの上に取付けることが好ましい。この
支持部材の一方の側にこれと電気的に接触するよ
うに導電性の皮ふ−界面基材を取付けることがで
きる。この基材は主としてカラヤガムマトリツク
スからなり、炭水化物、たんぱく質、または他の
有機物または無機物を含み、この組成物はナトリ
ウムベース塩のごとき電解質、金属粉末、または
カーボンの粉末もしくは繊維を含む導電性物質を
含む。 発明の詳細 医療用電極は、患者の皮ふと医療用電気装置と
の間を連結する効率より効果的な信号伝達媒体と
して使用する。電極の動作にとつてもつとも重要
なことは、電極自体および電極−皮ふの界面にお
ける抵抗が低いことならびに導電性が均一なこと
である。電極の導電性が不均一となる原因は、電
極材料の不均一によることが多いが、電極−皮ふ
の界面を通る導電性は、患者の皮ふと接触する電
極界面材料の一部または全部が脱れることによつ
て、不均一となることがもつとも多い。 この電極は、皮ふとの接触を保持する付着性
と、皮ふにつれて動くかなりの伸縮性とを有する
とともに、皮ふと接触する構造が均一であつて、
皮ふに流れる電流密度を均一にするように配慮
し、さらにこの電極は取扱いが簡単で、寿命が長
く、かつ患者に不快感を与えないように配慮する
必要がある。 本発明の複合体電極はカラヤガムメツシユ体す
なわちマトリツクスが安定な導電性物質を含む。
この電極のカラヤガムからなる三次元分子マトリ
ツクスは非揮発性液体物質を含み、この物質は誘
電率が高いので、適当数の無機または有機のイオ
ン化可能な分子を含み、低抵抗で電流を流すこと
ができる。この分子マトリツクスの形態は二種あ
つて、分子が機械的にからみ合つているか、また
は化学的に結合している。化学的結合の例は次の
ごとくである。 １ H⁺→カルボキシル基 ２ Ca⁺⁺のごとき電解質とカルボキシル基との
イオン結合 ３ エステル結合のごとき共有結合 本発明の提供する電極は、皮ふ−界面基材を有
し、この基材は粘着性を有するので、電極を皮ふ
に付着させるときに、テープまたは他の取付け手
段を使用しない、かつ皮ふの湿分が大量に存在す
るときに付着が緩まない利点を有する。本発明の
電極は付着性皮ふ−界面基材を有し、この基材の
導電性は基材のどの部分でも均一である。この電
極の皮ふ−界面基材は厚みを均一に保つので、こ
の部材の部分が導電性支持部材から脱れて皮ふに
露出することがない。この皮ふ−界面基材は長期
間使用しても一般に乾燥することがない。 第１ａ，１ｂ図は刺激用電極１１を示す。この
電極１１は電流分配用の導電性支持部材１３を有
し、この支持部材１３は金属はく片から切断、打
抜きまたは他の方法によつて形成する。この支持
部材１３の形状はこれを使用する特殊な用途によ
つて決める。支持部材１３のもつとも通常の形状
は第１ａ，１ｂ図に示すごとく直方形である。 適当な導電性支持部材は厚み0.15mm（6mil）の
アルミニウムはくで作る。このはくは薄いので作
つた導電性支持部材１３が柔軟であつて、患者の
皮ふ面に押付けるとよく一致して、しかも支持機
能を行なうのに十分な強固性を有する。またこの
電流分配用導電性支持部材１３は金網、導電性布
はくまたは導電性重合体材料で作ることもでき
る。好ましい導電性支持部材としては、
Technical Wire Products、Inc（129Dermody
St.、Cranford、New Jersy）から登録商品名
Confussとして市販される導電性布はくで作るこ
とができる。いずれにせよ、この部材１３は柔軟
であると同時に十分な強固性を有するように、材
料の厚みおよび強さを選択する必要がある。 この電流分配用支持部材１３の外面に導電性の
スナツプフアスナ１５をすえ込む。このフアスナ
１５は電気的接続子として使用し、これによつて
電流分配用支持部材１３に導線を付けることがで
きる。フアスナ１５はすえ込みまたは他の方法に
よつて電流分配用支持部材１３の外面から垂直に
突出するように機械的かつ電気的に接続する。 この電流分配用支持部材１３の内面に導電性の
皮ふ−界面基材１７を突合わせて取付ける。この
基材１７は下記のごとき材料からなる層である。 この基材は直方形のシートであつて、1.59〜
6.35mm（1/16〜1/4inch）の均一の厚みを有し、
切断して形成する。またこの基材１７は、後述の
ごとく導電性がありかつ付着性があるので、電流
分配用支持部材１３と接触させるときに、これを
緊密に接触する。 使用するときは、基材１７を付した電極１１を
直接皮ふに接触させる。この基材１７は付着性が
あるので、テープなどの接着手段によつて電極１
１を皮ふに接触し続ける必要がない。上記のごと
くスナツプフアスナ１５が外部の装置から電気信
号を受取る。この信号は導電性支持部材１３に入
り、さらに直接均一な基材１７に入る。こうして
電流密度は導電性支持部材１３と接触する基材１
７の全面において均一に分配され、さらに基材１
７と接触する皮ふ面に均一に伝達される。この基
材は良導電体であり、交流10V_P-Pで測定した抵
抗を10000Ω−cmより少なくすることができる。
この基材の抵抗は1000Ω−cmより少ないことが好
ましい。 第２ａ，２ｂ図は検知用電極１９の構造を示
す。この電極１９は導電性支持部材２１の中心に
スナツプフアスナ２３をすえ込む。フアスナ２３
と反対側の導電性支持部材２１に導電性基材２５
の均一なシート突合せて付ける。この基材２５は
厚みが1.59〜6.35mm（1/16〜1/4inch）であり、導
電性支持部材２１と同心円上に配置し、刺激用電
極１１で使用した基材１７と同一な物理的、化学
的かつ電気的の性質のものでよい。 使用状態においては、患者の体内に存在する電
気信号は皮ふ−基材の界面を通して基材２５に伝
達し、ここでフアスナ２３およびこれに連結した
導線を通して検知装置に伝達する。 電気信号から雑音、すなわち信号波形の歪みを
防止するための必要な構造として電極１１，１９
と皮ふとの間に相対的な運動があつても、基材１
７，２５を皮ふ面に密着していることが重要であ
る。電極が親水性を有しかつ付着性を有するの
で、電気信号は界面を容易に通過することができ
る。たとえ電極が動いても、従来のペーストまた
はゲルを使用する電極とは異なつて、雑音をフイ
ードバツクすることが少ない。この基材１７，２
５は組成物および構造の物理的、化学的および電
気的の性質によつて、電極が動いたときにフイー
ドバツクする雑音を減少させることができる。 カラヤガムを含む組成物は親水性である。この
組成物からなる基材１７，２５を皮ふに付着させ
ると、いずれも身体の湿分および塩分がこの組成
物に吸収され、かつ体温がこの組成物に伝えられ
る。このとき水分が十分に存在し、また温度が十
分に高いときは、その付着性を増加して、材料の
表面を軟化させて、溶液に移行し易くなる。その
結果、基材は皮ふの気孔およびその他の凹部に穿
入して、皮ふと均一に機械的に相互に結合する。
こうしてこの電極は、皮ふと接触する時間の経過
につれて、付着性および伸縮性を増大する。場合
によつては電解質を使用せずに電極を作ることも
できる。このときは皮ふと接触中に汗から十分な
電解質を吸収して導電性を適当にすることができ
る。 このように流動状態であることによつて、皮ふ
と基材組成物との間に空気を含む間隙をなくし
て、皮ふ−界面を広く増大させるので、この界面
における電流密度を減少させ、かつ均一にするこ
とができる。基材組成物の表面部分が皮ふの凹部
に穿入するが、組成物の塊の大部分は影響をうけ
ない。カラヤガム電極の導電性は、皮ふとの接触
時間の経過につれて、増大する。 この皮ふと接触する熟成によつて、二次的な電
気的効果を改良することが出来る。すべての電極
は、動作中に皮ふ−界面を通るキヤパシタンスに
よつて、皮ふ界面にバツテリー効果を生ずる。こ
のバツテリー効果によつて、電流源の方向とは逆
方向に環流する電流を生じて、抵抗を高める。検
知用電極において、この二次電流が身体に生ずる
と、心臓に衝撃を与えてデフイブリレーシヨンを
おこし、電極が電流を保持して心電図の波形を歪
める。しかしこの電極の場合は、このような電荷
を保持する傾向が少ないので、心電図の信号は迅
速にもとに戻る。 このカラヤゴム組成物の動作寿命は、体温を下
げ電極内の湿分を低減することにより、動作寿命
を伸ばすことができ、使用状態が適当であれば、
数週間にわたつて使用することができる。また寿
命は、電極を皮ふから取脱して、他の電極で置換
えることによつて伸すことができる。電極を身体
から取脱しておく間に、湿分が蒸発して著しく減
少するので、電極は物理的機能を更新して、動作
寿命を延長することができる。 本発明において、カラヤガムは導電性物質から
なる連続相を含む格子状のマトリツクスを形成す
る。この導電性物質は主として非揮発性溶剤から
なり、適当量の電解質、金属粉末、またはカーボ
ンの粉末もしくは繊維を含むために必要な十分に
高い誘電率を有する。この導電性物質はイオン化
可能な有機または無機の塩のごとき電解質を含
む。また水を保持するのに適当な量の炭水化物、
たんぱく質および／または合成物質が存在すると
きは、導電性物質は溶剤として水を含むことがで
きる。水が存在しないとしても、グリセリンも適
当な溶剤である。溶剤は水溶液でもよいし、有機
溶剤でもよい。有機溶剤は高い誘電率を有しさえ
すれば、水を含まなくともよい。ここでいう「溶
剤」とは、電解質をイオン化でき、かつ炭水化
物、たんぱく質または重合体を懸濁または溶解で
きる液体を表わすのに使用する。また導電性液体
物質は、カラヤガムマトリツクスと組合せたとき
に安定な非浸出性部材を形成することが特徴であ
る。 本発明において、電極基材の組成物には、ポリ
アクリル酸、ポリ酢酸ビニル系共重合体、糖類、
たんぱく質およびタールを結合材として使用する
ことができる。これらの組成物は、程度が異なる
にせよ、カラヤ分子と相互にからみ合つて、機械
的な相互結合を生じて、もとの基材組成物の機械
的特性を改良することができる。なかでもポリア
クリル酸およびポリ酢酸ビニル系共重合体の効果
は、電極基材の皮ふに対する付着力を増大させる
ことができる。 なお牛乳、卵白、アルブミン、ヨーグルトのご
ときたんぱく質および糖類は、電極基材の形状を
一層強固にすることができる。 またタールは石油タールでも石炭タールでもよ
い。これも電極基材の形状を強固にできるが、や
や刺激性な臭気を伴なう。 本発明の典型的な電極基材組成物はカラヤガム
含量が少なくとも約10％、好ましくは30〜70％で
ある。この組成物の残りの成分は導電性液体物質
である。この液体物質は低い電気抵抗で電流を導
くように適当な量の電解質を含むために十分に高
い誘電率を有する非揮発性液体であることができ
る。なお電解質の含有量は0.005〜５％とするこ
とができる。非揮発性液体の含有量は30〜90％と
することができる。 基材１７，２５は、主要な実施態様として乾燥
カラヤガム粉末と、イオン化可能な無機もしくは
有機の塩を溶解した非揮発性液体、またはカラヤ
ガムマトリツクスに機械的に懸濁して保持した金
属微粉末またはカーボンの粉末もしくは繊維とか
ら作る。カラヤガム粉末および液体は混合して注
型して、シートとし、このシートを加圧下で175
〓に加熱するか、または室温で硬化させる。この
とき使用するカラヤガムの量は構造的に安定した
部材を形成するのに十分な量とする。 基材１７，２５は、電解質または導電性物質を
含むカラヤマトリツクスであるが、導電性物質は
電解質の代りに銀またはアルミニウムのペースト
を１〜５％使用することができる。 本明細書において、「百分率」または「部」は、
特記する場合を除いて、重量を意味する。 本発明において、電極基材はカラヤガム約10〜
60部、グリセリン約35〜80部および金属微粉末１
〜５部から作ることができる。金属はたとえばア
ルミニウムまたは銀とすることができる。また他
の実施態様として、電極基材はカラヤガム20〜60
部およびグリセリン40〜80部を使用して作ること
ができる。このような電極は電解質を使用せずに
作り、患者の皮ふから十分な電解質を吸上げるこ
とができる。 基材組成物は患者の皮ふと反応してはならな
い。PHを適当に保ち、かつ混合物に低アレルギー
性組成物のみを加えるようにしなければならな
い。この組成物は微生物の生育を禁止するように
放射線を照射することができるが、γ線照射は
2.5megarad以下とすることもできる。 なお、電極にも、付加的な変更を加えることが
できる。開口性多孔を有するスポンジまたはこれ
と同様な材料にカラヤ組成物を含漬させ、カラヤ
組成物を形成するようにスポンジを支持構造物と
して作用させて、特殊な用途に適する基材として
使用することができる。 また他の応用の目的で、電気的フアスナ１５を
変更し、電極に電気的接続させる方法を変更する
ことができる。フアスナ１５の代りに、針金をピ
ツグデール配置として支持部材１３に取付け、電
極構造自身から突出する導線に組合せる。電極に
ピツグテール連結することによつて、皮ふにおけ
る位置を妨害することなく電極を連結することが
できる。 本発明の電極基材組成物の一つの実施態様は、
濃度25％のポリアクリル酸水溶液15〜70％、カラ
ヤガム15〜45％、水10〜35％、イソプロピルアル
コール０〜35％および電解質１〜37％を含む。 この電極基材組成物の例を次のＡ〜Ｆに示す。

【表】 本発明の電極基材の他のカラヤガム組成物の例
を次のａ〜ｎに示す。 ａ ソルビトール−水（７：３） 46〜85 カラヤガム 15〜54 ５％食塩水 1〜 3 ｂ 糖 蜜 53〜85 カラヤガム 15〜47 ５％食塩水 1〜 3 ｃ コーンシロツプ 57〜85 カラヤガム 15〜43 ５％食塩水 1〜 3 ｄ 蜂 蜜 48〜85 カラヤガム 15〜52 ５％食塩水 1〜 3 ｅ グアルー水（10：１） 80〜95 カラヤガム 5〜20 ５％食塩水 1〜 3 ｆ グアルー水（６：１） 80〜95 カラヤガム 10〜20 ５％食塩水 1〜 3 ｇ 馬鈴しよ−水（１：１） 53〜85 カラヤガム 15〜47 ５％食塩水 1〜 3 ｈ 卵 白 60〜88 カラヤガム 12〜40 ５％食塩水 1〜 3 ｉ ヨーグルト 50〜85 カラヤガム 15〜50 ５％食塩水 1〜 3 ｊ スキムミルク 40〜85 カラヤガム 15〜60 ５％食塩水 1〜 3 ｋ ポリ酢酸ビニル共重合体乳濁液70〜90 カラヤガム 10〜30 ５％食塩水 1〜 3 ｌ 酢酸ビニルエチレン乳濁液 70〜90 カラヤガム 10〜30 ５％食塩水 1〜 3 ｍ ポリ酢酸ビニル共重合体 60〜80 カラヤガム 10〜20 グリセリン 10〜20 ５％食塩水 1〜 3 ｎ ポリ酢酸ビニル共重合体／酢酸ビニ
ルエチレン乳濁液（２：１〜３：
１） 70〜90 カラヤガム 10〜30 ５％食塩水 1〜 3 次に本発明の電極基材組成物の製法の実施例を
例示の目的で記載する。 実施例 １ カラヤガム15ｇおよび蔗糖15ｇを混合し、次に
グリセリン10ｇおよび塩化ナトリウム２ｇを含む
水溶液を加えて撹拌した。この組成物は伸してシ
ート状とし、このシートはやや粒子があり中程度
に暗色であつた。そして均一な半固体で、僅かに
粘着性があり、電極基材として使用するのに適し
た。 実施例 ２ カラヤガム10ｇ、コールタール15ｇ、これに塩
化ナトリウム１ｇ含有食塩水を混合し、この混合
物を伸してシートとした。このシートは均質で柔
軟であり、粘着性はなかつたが、コールタールの
臭気を伴なつた。このシートは電極基材として使
用するのに適した。 実施例 ３ カラヤガム20ｇ、水10ml、グリセリン５ml、こ
れに塩化ナトリウム２ｇ含有食塩水およびスクロ
ース10mlを混合し、伸してシートとした。これは
電極基材して使用するのに適した。 実施例 ４ カラヤガム20ｇと、デキストロース10ｇを含む
70％デキストロース−１％食塩水とを混合し、こ
の混合物を伸してシートとした。これは電極基材
として使用するのに適した。 実施例 ５ カラヤガム25ｇ、酢酸ビニルエチレン共重合体
乳濁液（Air Flex500）45ml、これに塩化ナトリ
ウム２ｇ含有食塩水を混合し、伸してシートとし
た。これは電極基材として使用するのに適した。 実施例 ６ カラヤガム10ｇ、卵白30mlおよび塩化ナトリウ
ム１ｇ含有食塩水を混合し、白色の無定形な塊と
し、伸してシートとして電極基材とした。 実施例 ７ カラヤガム30ｇ、これに塩化ナトリウム１ｇ含
有食塩水および卵白50mlを完全に混合し、伸して
柔軟なゼラチン状シートとして電極基材とした。 実施例 ８ カラヤガム６ｇ、卵白39ｇ、これに塩化ナトリ
ウム１ｇ含有食塩水を完全に混合し、伸して電極
基材シートとした。 実施例 ９ カラヤガム30ｇ、スキムミルク33mlこれに塩化
ナトリウム１ｇ含有食塩水を混合して生パン状の
塊とし、これを伸して、電極基材とした。 実施例 10 カラヤガム14ｇ、ヨーグルト52ｇ、これに塩化
ナトリウム１ｇ含有食塩水を混合して生パン状の
塊とし、これを伸して、粘着性があり密着性があ
る電極基材とした。 実施例 11 カラヤガム30ｇ、ソルビトール40ｇ、これに塩
化ナトリウム１ｇ含有食塩水を混合した。このと
きまずソルビトールと電解質とを混合し、次にカ
ラヤガムを加えた。この混合物を伸して良導電性
の電極基材とした。 実施例 12 カラヤガム30ｇ、これに塩化ナトリウム１ｇ含
有の70％ソルビトール水溶液30mlを混合した。こ
の混合物を伸してシートとし、硬化させ、電極基
材として使用するのに適するシートとした。 実施例 13 カラヤガム５ｇとグリセリン10mlとを混合し、
次に撹拌しながらポリ酢酸ビニル共重合体乳濁液
（Flexbond150TM）15mlを加え、さらに塩化ナ
トリウム１ｇ含有食塩水を加えた。この混合物を
伸して、電極基材として使用するのに適するシー
トとした。 実施例 14 カラヤガム５ｇ、これに塩化ナトリウム１ｇ含
有食塩水およびポリ酢酸ビニル共重合体乳濁液30
mlを混合し、この混合物を伸して、電極基材とし
て使用するのに適したシートとした。 実施例 15 カラヤガム５ｇ、グリセリン10ml、これに塩化
ナトリウム１ｇ含有食塩水およびドライミルク粉
末５ｇを混合し、この混合物を伸して、電極基材
として使用するのに適するシートとした。 実施例 16 本願発明の電極基材の一例としてさきに記載し
たカラヤガム組成物の例ｌに属する下記混和物 酢酸ビニルエチレン乳濁液 72％ カラヤガム 25％ ５％食塩水 ３％ を電極基材として、直径３cm、厚み２mmの円板を
形成し、導電性支持体に付着して検知用電極とし
た。 これを被験者の腕に装着して、24時間生活しな
がら、ホルター心電計によつて心電図を測定し
た。一般に、心電図では、被験者の体動などによ
る物理的揺動または、体力によつて電極基材の部
分的な剥離または変形が生じると、皮ふと導電性
支持部材との間の距離が不均一となつて、電極基
材の抵抗が変化し、心電図の基線が変動して、い
わゆるドリフトがグラフに現れるが、本願発明の
組成の電極基材では、第３ａ図に示すように、基
線はほとんど変動していない。図中のピークは心
臓の発火起電力を示す。 第３ｂ図は同じ電極によつて安静時に測定した
心電図であり、本願発明の電極基材の場合は安静
時とほとんど同様な曲線を示すことが分かる。 なお、本願発明の他の組成物の場合も同様な結
果を得、電極基材として使用するのに適すること
が分かつた。 比較のために、従来例として、 カラヤガム 45％ グリセリン 50％ 塩化ナトリウム ５％ を含む混和物を電極基材とし、上記実施例と同形
の円板を形成し、導電性支持体に付着して検知用
電極とし、上記実施例と同様に心電図を測定し
た。その結果は、第３ｃ図に示すように、基線の
ドリフトが著しく、心電図の正確な測定が困難で
ある。 実施例 17 カラヤガム30部、床用ワツクス（Butcher′s
TM）70部および塩化ナトリウム１部を混合し
た。この混合物は電極基材として使用するのに適
することが分かつた。 実施例 18 カラヤガム40部、アクリル系床用ワツクス
（Johnson′s TM）60部および塩化ナトリウム１
部を混合した。この混合物は電極基材として使用
するのに適することが分かつた。

【図面の簡単な説明】

第１ａ図は本発明の刺激用電極の斜視図であ
り、第１ｂ図は第１ａ図の電極の平面図であり、
第２ａ図は本発明の検知用電極の斜視図であり、
第２ｂ図は第２ａ図の電極の平面図である。第３
ａ図は本願発明の検知用電極による生活中の心電
図であり、第３ｂ図は本願発明の検知用電極によ
る安静時の心電図であり、第３ｃ図は従来技術の
検知用電極による生活中の心電図である。 １１……刺激用電極、１３，２１……電流分配
用支持部材、１５，２３……スナツプフアスナ、
１７，２５……皮ふ界面基材、１９……検出用電
極。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 患者の皮ふと電気的に接続する医療用電極で
   あつて、 患者の皮ふと接触して皮ふと電極との界面を形
   成するための導電性界面基材およびこの基材を支
   持する電流分配用の導電性支持部材を有し、 この基材は前記電極を皮ふに密着させるよう
   に、付着性を有する均質な材料からなり、この基
   材は身体の凹凸形の皮ふに対して前記電極を密着
   させるように十分な柔軟性を有し、この基材は前
   記支持部材が基材を通り抜けて身体の凹凸形の皮
   ふに直接接触しないように十分な強固性を有し、
   この基材は皮ふに対して均質な導電性表面を形成
   するように均一な導電性を有し、この基材がカラ
   ヤガムからなるマトリツクスと、ポリアクリル
   酸、ポリ酢酸ビニル共重合体、単糖類、二糖類、
   多糖類、牛乳、卵白、アルブミン、ヨーグルトお
   よびタールから選択された結合剤とを含み、この
   マトリツクスが導電性液体を保持し、かつこの液
   体が連続相である医療用電極。 ２ 前記基材中に存在するカラヤガムの量が少な
   くとも約10重量％である、特許請求の範囲第１項
   記載の医療用電極。 ３ 前記基材が電解質および／または金属粉末お
   よび／またはカーボン粉末および／またはカーボ
   ン繊維を含み、前記導電性液体が低い電気抵抗で
   電流を導くように、適当な量の電解質を含むため
   に十分である高い誘電率を有する非揮発性液体で
   ある、特許請求の範囲第１項記載の医療用電極。 ４ 前記基板の電気抵抗が10000Ω−cmより少な
   い、特許請求の範囲第３項記載の医療用電極。 ５ 前記基板の電気抵抗が1000Ω−cmより少な
   い、特許請求の範囲第３項記載の医療用電極。 ６ 前記電解質が無機塩である、特許請求の範囲
   第３項記載の医療用電極。 ７ 前記電解質がイオン化可能な有機塩である、
   特許請求の範囲第３項記載の医療用電極。 ８ 前記非揮発性液体が有機溶媒である、特許請
   求の範囲第３項記載の医療用電極。 ９ 前記基材が実質的に水を含まない、特許請求
   の範囲第３項記載の医療用電極。