JPH0232242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は生体から微弱電圧を導出するために用
いられる生体用防水誘導電極に係わり、特に生体
の皮膚面と密着して微弱電圧を導出するための生
体用誘導電極と連結して心電計へ微弱電圧を導く
ための防水吸盤を有するリード線接続体を、生体
用誘導電極に強力に接着してその生体用誘導電極
から離脱しないような構造にした、生体用防水誘
導電極に関するものである。

〔従来の技術〕

周知のように生体に発生する生体電気は、心
臓、脳、筋肉などの活動によつて誘起されてい
る。

特に心臓に発生した生体電気は、生体の皮膚面
に誘起された微弱電圧を外部の心電計で記録し、
心臓の異常を診断している。

そしてこの心電計は、入力部を生体と電気的に
結合させるために生体の皮膚の表面に生体用誘導
電極を密着しなければならない。

この皮膚の表面に密着される従来の電極を、第
４図、第５図、第６図に従つて説明すると、第４
図は生体用誘導電極１の斜視図で、この生体用誘
導電極１は略円形の粘着基材２を有している。

この粘着基材２は中央部が切欠されて開口３が
形成されているドーナツ状の織布であつて、その
裏面側は第６図に示されるように生体の皮膚面に
密着するために粘着性を帯びている。

この粘着基材２の上面側に前記開口３を閉塞し
て硬質の合成樹脂で形成されている電極板嵌合部
４が接着されている。

この電極板嵌合部の表面側から磁石性のリード
線結合部５が突設されている。

このリード線結合部５の下面側には、第６図に
示されるように直接生体の皮膚面Ｍに接触して心
臓からの微弱電圧を導出する電極板６が固定され
ている。

第５図に示されたものは、リード線接続体７の
裏面図であつて、前記電極板６から導出された心
臓からの微弱電圧をリード線１０を介して心電計
（図示せず）に導くためのものである。

このリード線接続体７は前記生体用誘導電極５
と略同じ大きさを有する硬質樹脂性で、内部に凹
所８を形成しその凹所８に磁石性の電極結合部９
が固定され、この電極結合部９にリード線１０の
一端が接続され、リード線の他端は心電計（図示
せず）に接続している。

以上のような構成の生体用誘導電極１を利用し
て心電図を記録するには、先ず第６図に示される
ように生体用誘導電極１の粘着基材２を生体の皮
膚面Ｍに接着し、次いでリード線接続体７の磁石
性の電極結合部９を、生体用誘導電極１のリード
線結合部５に接着してリード線接続体７を生体用
誘導電極１に連結して、電極板６から導出される
心臓からの微弱電圧をリード線１０を介して心電
計（図示せず）に記録する。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで上記のように患者の皮膚面に生体用誘
導電極１を密着して患者の心電図を記録するよう
にしているが、生体用誘導電極１上に連結されて
いるリード線接続体７が被検者の睡眠中に被検者
の無意識の移動、例えば寝返り等により生体用誘
導電極１から外れ、その結果ノイズが発生し正確
な心電図が得られないという課題があつた。

また被検者が無意識にリード線接続体７のリー
ド線１０を引つ張ることがあり、このリード線１
０が引つ張られることにより、甚だしいときには
リード線接続体７が生体用誘導電極１から脱落
し、これもまた正確な心電図が得られないことに
なる。

さらに患者は皮膚面に生体用誘導電極を密着し
たままの状態で入浴したり、手術のために多くの
消毒液をふりかけたり、患者の容体により運動中
の心電図を記録する場合もあるが、水の作用によ
り、或いは患者の皮膚面に密着された生体用誘導
電極１に連結しているリード線接続体７がはずれ
たり、脱落したりして正確な心電図が得られない
という課題もあつた。

本考案はこのような課題を解決することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案はつぎのよう
な生体用防水誘導電極を提供する。

すなわち本考案は、生体の皮膚面と密着し、そ
の中央部が切欠されている開口を有する粘着基材
と、この粘着基材の表面側に接着され前記開口を
閉塞する電極板嵌合部と、この電極板嵌合部内に
設けられている電極板とを備えた生体の皮膚面と
密着して生体内から微弱電圧を導出する生体用誘
導電極と、 この生体用誘導電極と結合される電極結合部と
防水吸盤を有するリード線接続体とからなる生体
用防水誘導電極であつて、 前記生体用誘導電極の粘着基材は、直接皮膚面
と接する裏面と、防水吸盤を有するリード線接続
体が連結される表面との両面に粘着性を帯びさせ
てなり、 前記リード線接続体の電極結合部は、前記生体
用誘導電極のリード線結合部と結合するとき、防
水吸盤は、少なくともリード線結合部を覆うとと
もに、同防水吸盤と前記粘着基材の表面とが結合
されることを特徴とする、生体用防水誘導電極で
ある。

〔実施例〕

本考案の実施例について、以下図面に従つて本
考案の構成が実際上どのように具体化されるかを
その作用とともに説明する。

第１図は本考案の一実施例に従う生体用誘導電
極の表面側の斜視図、第２図は第１図の生体用誘
導電極の裏面側の斜視図、第３図は本考案の生体
用防水誘導電極の分解断面図であつて、図中１１
は生体用誘導電極である。

この生体用誘導電極１１は、粘着基材１２を有
し、この粘着基材１２は中央部が切欠されて開口
１３が形成されているドーナツ状の基材であり、
この粘着基材１２の詳細な構造は後述する。

この粘着基材１２の上面側（表面側）には、第
１図に示されるように粘着基材１２の直径よりも
小さい円盤状の塩化ビニール製の補強材１４が接
着されて、前記粘着基材１２の中央部に形成され
ている開口１３を閉塞している。

この補強材１４の中央部に金属製のリード線接
続ホツク１５が貫設されている。

このリード線接続ホツク１５は上面側にリード
線結合部１５ａが突設し、下面側には第２図に示
されるように平らなAg−AgCI製の電極板１６が
接続されている。

この突設したリード線結合部１５ａには第３図
に示されるようにリード線１８が接続されている
リード線接続体１７が連結され、そのリード線１
８の他端は心電図（図示せず）に接続されてい
る。

１９は第２図に示されるように前記電極板１６
に接着された電極板カバーであつて、含水ゲル層
で構成され、この含水ゲル層はゼラチン、寒天、
ポリアクリルアミド等で製造され、かなりの粘着
性を有するとともに導電性も有している。

この電極板カバー１９を第３図のように皮膚面
Ｍに密着すると、その皮膚面Ｍに誘起された生体
電気の微弱電圧を電極板１６に導くことができ
る。

この電極板カバー１９は、前記電極板１６を直
接皮膚の表面に密着させると皮膚の表面の接触抵
抗により、正確な微弱電圧が測定出来ないので、
予め皮膚面にクリーム等を塗布して接触抵抗を弱
め、そのクリームの上に電極板１６を接触して微
弱電圧を測定していたが、このように微弱電圧を
測定する毎にクリームを塗布することは面倒で非
能率であるので、電極板１６にクリームの働きを
する含水ゲル層を接着して、一いちクリームを塗
布する不便を除去するようにしたものである。

この電極板カバー１９としては、含水ゲル層に
代えてゼリーを含浸させたポリウレタン・フオー
ム層を使用することもある。

ところで前記粘着基材１２は第１図、第２図に
示されるように、略円盤状をなし発泡ポリエチレ
ン樹脂、独立発泡ブタジエンゴムシート不織布お
よび編織物で製造されている。

この独立発泡ブタジエンゴムシートで製造され
た粘着基材１２は優れたクツシヨン性と軽くてソ
フトな風合いとを有するので、生体用誘導電極を
生体の皮膚面Ｍに密着させるのに都合が良いもの
である。

そしてこの粘着基材１２は第３図に示されるよ
うに、生体用誘導電極１１を生体の皮膚面Ｍに密
着させるために、第２図に示されるように、その
裏面１２ｂに粘着性を帯びさせているものであ
る。

さらにこの粘着基材１２は、その裏面１２ｂの
みに粘着性を帯びさせるものではなく、第１図に
示されるようにその表面１２ａにも粘着性を帯び
させ、第３図に示されるリード線接続体１７を覆
う防水吸盤２０が接着できるようにしたものであ
る。

このリード線接続体１７は金属製で、その略中
央部に生体用誘導電極１１のリード線接続ホツク
１５のリード線結合部１５ａと連結する嵌合孔１
７ａが形成されている。

また、前記防水吸盤２０は防水性を有するとと
もに吸着性をも有するものである。

以上のように、生体用誘導電極１１とリード線
接続体１７と防水吸盤２０とで構成された生体用
防水誘導電極の使用方法を説明すると、第３図に
示されるように、先ず生体用誘導電極１１の粘着
基材１２裏面１２ｂを生体の皮膚面Ｍに接して密
着させる。

次に、この生体の皮膚面Ｍに密着された生体用
誘導電極１１のリード線接続ホツク１５のリード
線結合部１５ａに、リード線接続体１７の嵌合孔
１７ａを嵌着させることにより、リード線接続体
１７を生体用誘導電極１１に連結させる。

一方、前記防水吸盤２０はその内面２０ａ側を
前記粘着性基材１２の粘着性を有する表面１２ａ
に押しつけて真空状態で構成し、外気圧でその粘
着基材との間に吸着力を発生させるとその防水吸
盤２０と前記生体用誘導電極１１とは前記粘着力
と吸着力との相乗効果による強い結合力が生ま
れ、前記リード線接続体と生体用誘導電極１１と
の嵌合力を補佐するので、リード線１８を誤つて
引つ張つてもリード線接続体１７がリード線接続
ホツク１５から外れることはない。

以上のように、本考案の生体用防水誘導電極を
構成する生体用誘導電極１１側とリード線接続体
１７側とは、リード線接続ホツク１５とリード線
接続体１７との嵌合による結合力があり、またリ
ード線接続体１７を挾んで前記生体用誘導電極１
１側と防水吸盤２０との間には粘着力と吸着力と
があり、それらの多角的な結合力の相乗作用で結
合は一層強くなり、リード線１８は固定され、安
定状態を保つて良好な心電図を送ることができ
る。

しかも防水吸盤の防水性により、水に強いなど
で、入浴中などの過酷な環境にも耐え得る生体用
防水誘導電極とすることができるものである。

〔考案の効果〕

以上、本考案によれば、生体用防水誘導電極を
構成する生体用誘導電極は、粘着基材の表面およ
び裏面の両面に粘着性を帯びさせたので、極めて
簡単な構造で生体の皮膚面および防水吸盤と結合
させることができ、扱いが容易であるとともに、
廉価で製造できる。

また、生体用防水誘導電極は、リード線接続体
が前記生体用誘導電極のリード線接続ホツクと結
合した状態で、少なくともそのリード線接続ホツ
クとリード線接続体を覆う防水吸盤を有するの
で、その防水性により例えば入浴中などの過酷な
環境下でも心電図を正確に送ることができる。

さらに、生体用防水誘導電極を構成する生体用
誘導電極側とリード線接続体側とは、リード線接
続体が生体用誘導電極のリード線接続ホツクに冠
着する結合力のほか、粘着基材を有する生体用誘
導電極側と、リード線接続体側を覆う防水吸盤側
とは、その粘着材の粘着性と防水吸盤の吸着性と
の相乗作用により、極めて安定強固な結合力を生
じてリード線接続体を押さえ、リード線接続体の
前記結合力を補佐してそのリード線接続ホツクか
らの離脱を防止し、ノイズ発生を抑止して、安定
した心電図を外部の心電計に送ることができる、
などの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の生体用誘導電極の
表面側の斜視図、第２図は同生体用誘導電極の裏
面側の斜視図、第３図は本考案の一実施例の生体
用防水誘導電極の分解断面説明図、第４図、第５
図、第６図は従来の生体用誘導電極の説明図であ
る。 １１……生体用誘導電極、１２……粘着基材、
１２ａ……粘着基材の表面、１２ｂ……粘着基材
の裏面、１３……開口、１４……補強材、１５…
…リード線接続ホツク、１６……電極板、１７…
…リード線接続体、２０……防水吸盤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 生体の皮膚面と密着し、その中央部が切欠さ
   れている開口を有する粘着基材と、この粘着基
   材の表面側に接着され前記開口を閉塞する補強
   材と、この補強材の中央部に貫接されたリード
   線接続ホツクと、このリード線接続ホツクの下
   面に固設された電極板とを備え、生体の皮膚面
   と密着して生体内から微弱電圧を導出する生体
   用誘導電極と、 この生体用誘導電極の前記リード線接続ホツ
   クに冠着しリード線を介して外部に接続するリ
   ード線接続体と、 少なくとも前記リード線接続ホツクおよびリ
   ード線接続体を覆う防水吸盤とからなる生体用
   防水誘導電極であつて、 前記生体用誘導電極の粘着基材は、直接皮膚
   面と接する裏面と、防水吸盤およびリード線接
   続体が連結される表面との両面に粘着性を帯び
   させてなり、 前記リード線接続体が、前記生体用誘導電極
   のリード線接続ホツクと結合するとき、前記防
   水吸盤は、少なくともリード線接続ホツクを覆
   うとともに、同防水吸盤と前記粘着基材の表面
   とが結合されることを特徴とする、生体用防水
   誘導電極。 (2) 前記両面に粘着性を帯びている粘着基材は、
   両面粘着性発泡樹脂で形成されている、実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の生体用防水誘
   導電極。 (3) 前記両面に粘着性を帯びている粘着基材は、
   両面粘着性独立発泡ゴムシートで形成されてい
   る、実用新案登録請求の範囲第１項に記載の生
   体用防水誘導電極。 (4) 前記両面に粘着性を帯びている粘着基材は、
   両面粘着製不織布で形成されている、実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の生体用防水誘導
   電極。 (5) 前記両面に粘着性を帯びている粘着基材は、
   両面粘着性織物で形成されている、実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の生体用誘導電極。