JPS63322B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコンテナへの塵芥押込み装置に係り、
詳しくは、着脱自在のコンテナの蓋体を、コンパ
クタ内の枠体の前面傾斜部で回動自在の押出部材
に係止し、傾斜した蓋体の往復動作により塵芥を
コンパクタからコンテナに押し込み、前記蓋体を
回動させることにより直立させ、コンテナの塵芥
挿入口を全面閉止することができるようにしたコ
ンテナへの塵芥押込み装置に関する。

〔従来の技術〕

塵芥等を集積場から運搬する場合には、塵芥を
押し込むためのコンパクタが集積場に設置され、
それに運搬可能なコンテナを連通させて塵芥を押
し込んでいる。そのような塵芥押込み装置の一例
が特開昭55−89103号公報に記載されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、コンパクタの押出口に、コンテナの
塵芥挿入口を密接連通させ、コンパクタの端部上
方のホツパから投入された塵芥を、コンパクタ内
の押出部材の往復動作により押し込む作業におい
て、塵芥の充填されたコンテナをコンパクタから
引き放す際、塵芥挿入口からしばしば塵芥が漏出
する。これを解消するために、コンテナの蓋体を
塵芥挿入口に対し着脱自在とした装置が、例えば
特開昭53−55863号公報に記載されている。これ
は、蓋体をコンパクタ内で直立する押出部材の前
面に係止し、この蓋体の裏面でもつて塵芥をコン
テナに押し込み、塵芥の充填後蓋体を押出部材と
共に塵芥挿入口に位置させ、コンテナ側部外方か
らピンでもつて蓋体のみを塵芥挿入口に嵌着固定
し、その後、蓋体を押出部材から解脱させるよう
にしている。

このような塵芥押込み装置においては、往復動
作している蓋体とコンパクタの押出口および塵芥
挿入口の間で塵芥の噛込みが生じないよう、また
その押し込み操作が円滑になるように、蓋体の上
部と塵芥挿入口および押出口の上部との間に、し
ばしば適当な間隙が設けられている。その結果、
蓋体で閉止されたコンテナの塵芥挿入口の上部に
は上記間隙が残存し、この間隙からコンテナの運
搬中塵芥が漏出してしまうことがある。従来、こ
れを回避するために着脱自在の漏出防止板をコン
テナの外部に嵌着したり、コンテナの内側からこ
の間隙を閉止する片開き扉を垂下させたりしてい
る。

本発明は上述の問題に鑑みなされたもので、塵
芥押込み時は、蓋体の上端とコンパクタ壁および
塵芥挿入口の上部との間隙を確保し、塵芥挿入口
閉止時は塵芥挿入口の上記間隙を残存させること
なく、１つの蓋体の動きでもつて塵芥を押し込み
またコンテナを密閉するコンテナへの塵芥押込み
装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のコンテナへの塵芥押込み装置は、第３
図に示すような、コンテナ２の塵芥挿入口４に着
脱可能な蓋体８を、コンパクタ１内の押出部材７
の前面に係止し、その押出部材７の往復動作によ
り塵芥をコンテナ２に押し出す塵芥の押込み装置
に適用される。その特徴とするところは、コンパ
クタ１が、前面の傾斜した枠体１３と、この枠体
１３の前面下端部に回動自在に支承させた押出部
材７と、その押出部材７を回動させる回動用シリ
ンダ１５と、蓋体８を押出部材７に係止する係止
具１８とを備えており、一方、コンテナ２は、塵
芥挿入口４の下端部における嵌脱自在のピン１１
で、回動自在に支承された蓋体８を備えているこ
とである。

〔作用〕

塵芥挿入口４を閉止する蓋体８を嵌着した空の
コンテナ２を、コンパクタ１の設置場所へ搬入
し、その塵芥挿入口４をコンパクタ１の押出口３
に密接させる。枠体１３を前進させて押出部材７
を押出口３に位置させ、枠体１３の前面傾斜部に
装着された押出部材７を、回動用シリンダ１５の
伸長により直立させて蓋体８に面接させる。そし
て、係止具１８により蓋体８を押出部材７に係止
締結する。この状態で、回動用シリンダ１５を縮
小すると、蓋体８が下部のピン１１を支点に、押
出部材７と共に枠体１３の傾斜部に向けて回動さ
れる。蓋体８が傾斜部まで回動されると、蓋体８
の下部のピン１１がコンテナ２の外側部より抜き
去られ、蓋体８はコンテナ２の塵芥挿入口４より
離脱する。

押出部材７と蓋体８とが係止具１８でもつて一
体化されかつ傾斜した状態で、枠体１３が往復動
作すると、傾斜した蓋体８でもつて、コンパクタ
１内の塵芥６がコンテナ２内に押し込まれる。傾
斜している塵芥８の上端とコンパクタ１の上壁１
ａおよび塵芥挿入口４の上部との間に間隙２８が
形成されるので、塵芥６の噛み込みが起ることな
く円滑にコンテナ２内に押し込まれる。加えて、
蓋体８が傾斜しているので、塵芥６のコンテナ２
への押し込み充填度が高くなる。

塵芥６の押し込みが完了すると、蓋体８を押出
部材７と共に塵芥挿入口４へ位置させ、ピン１１
を用いて蓋体８をコンテナ２に取り付ける。回動
用シリンダ１５を伸長して蓋体８を直立させ、塵
芥挿入口４に嵌着させると、塵芥挿入口４が間隙
を残存させることなく閉止される。

〔発明の効果〕

本発明によれば、コンテナの塵芥挿入口に着脱
自在の蓋体をコンパクタの押出部材に係止し、こ
れを傾斜した状態で往復動作させ、塵芥をコンテ
ナに押し込むようにしているので、円滑な押し込
みがなされると共に、傾斜面でもつて塵芥の押し
込み充填度を向上させることができる。さらに、
コンテナを閉止するとき、塵芥挿入口の下端で蓋
体を支承し、押出部材と共に直立させて、塵芥挿
入口を密閉できる構造としたので、塵芥押し込み
時は塵芥の噛み込みを防止する適当な寸法の間隙
が確保され、また、塵芥挿入口を閉止するとき
は、塵芥挿入口に間隙を残すことなく密閉するこ
とができる。加えて、これが一連の作動でもつて
可能となり、能率よくかつ迅速な押し込みが行わ
れ、またコンテナからの塵芥の漏出も防止するこ
とができる。

〔実施例〕

以下に、本発明をその実施例に基づいて、詳細
に説明する。第１図は、塵芥集積場に設置された
コンパクタ１と塵芥を運搬するコンテナ２とを、
各々の押出口３と塵芥押入口４とを密接連通さ
せ、ホツパ５から搬入された塵芥６を、コンパク
タ１内の傾斜した押出部材７に係止された蓋体８
でもつて、矢符９の方向に押し込む状態を示す塵
芥押込み装置の全体断面図である。上記の蓋体８
は、第２図に示すようなコンテナ２の塵芥挿入口
４に嵌脱自在のピン１０および１１でもつて着脱
自在であり、これが押出部材７に係止されている
とき、その裏面８ａで塵芥６をコンテナ２に埋込
むものである。

この蓋体８を押出部材７もしくはコンテナ２の
塵芥挿入口４に着脱させる機構を、押出部材７が
蓋体８と共にコンテナ２の塵芥挿入口４に位置し
たときの拡大断面図である第３図に基づいて説明
する。コンパクタ１内をシリンダ１２でもつて往
復動作する枠体１３は、その前面が傾斜してい
て、この前面下端部のピン１４により押出部材７
を回動自在に支承し、この押出部材７のほゞ中央
と枠体１３とには、前記ピン１４を支点にして押
出部材７を回動させる回動用シリンダ１５が付設
されている。なお、上記枠体１３は図示するよう
な台車形式に限られることなく、シリンダ１２に
より往復動作できるものであればよい。

一方、コンテナ２の塵芥挿入口４と蓋体８に
は、第４図に示すように例えばその側部上下端に
嵌脱自在のピン１０，１１の嵌入する穴１６，１
７が穿設され、蓋体８の外面８ｂには前記押出部
材７または枠体１３に装着された係止具１８，１
９が係合する固定杆２０，２１が突設されてい
る。その係止具１８，１９はフツク２２ａ，２３
ａを有し、押出部材７または枠体１３に支承され
たほゞ「く」の字状のレバー２２，２３と、これ
を回動させるシリンダ２４，２５とからなる。な
お、係止具１９は不可欠ではないが、後述するご
とく蓋体８の枠体１３への固定をより一層強固な
ものとするためのものである。そして、上述した
蓋体８の下端部の穴１７の位置は、第３図のよう
な状態において、押出部材７の下端部のピン１４
の位置にできるだけ近接させておくことが好し
い。

上記した蓋体８の下端部には、塵芥掻出し爪２
６が装着されていて、傾斜した蓋体８で塵芥６を
コンパクタ１内に残存させることなく押し出させ
るようになつている。さらに、前記押出部材７の
上端に、押出部材７の回動に伴つて枠体１３から
出入りする円弧状のカバー２７が設けられてお
り、蓋体８と共に押出部材７を直立させて塵芥挿
入口４を閉止する際、塵芥６がコンパクタ１内に
落下するのを防止している。本実施例では塵芥挿
入口４を、コンテナ２内の塵芥を運搬後排出する
片開きの排出扉２９（第２図参照）に設けている
が、コンテナ２の他の側面などに、その塵芥挿入
口４を設けてもよいことは勿論である。

以上述べた例によれば、本装置は次のように作
動する。先ず、第４図に示すように塵芥挿入口４
を閉止する蓋体８を嵌着した空のコンテナ２を、
コンパクタ１の設置場所へ搬入し、その塵芥挿入
口４をコンパクタ１の押出口３に密接させ、図示
しない固縛装置でもつてコンパクタ１とコンテナ
２を外部より一体固定する。

次に、第５図に示すように押出部材７を枠体１
３と共に押出口３に位置させ、枠体１３の前面傾
斜部に装着された押出部材７を、回動用シリンダ
１５の伸長により直立させ、蓋体８の外面８ｂに
面接させる。そして、係止具１８のシリンダ２４
を縮小し、固定杆２０にレバー２２のフツク２２
ａを係合させて、蓋体８を押出部材７に係止締結
する。この状態で、蓋体８の上部のピン１０を、
コンテナ２の外側部から抜き去り、回動用シリン
ダ１５を縮小する。この縮小に伴つて蓋体８は下
部のピン１１を支点に、一方、押出部材７はピン
１４を支点にして枠体１３の傾斜部に向けて回動
される。なお、蓋体８の支点であるピン１１の位
置と押出部材７の支点であるピン１４の位置が図
示のように一致していないと、レバー２２の支承
部と固定杆２０の回動軌跡がやや異なることにな
るが、係止具１８のフツク２２ａの大きさを適当
に選定すれば、作動上特に不都合が生じることは
ない。

前記蓋体８の外面８ｂが第３図に示すように枠
体１３の傾斜部まで回動されると、枠体１３の突
起１３ａに蓋体８が乗載され、かつ同時に係止具
１９のフツク２３ａが固定杆２１に係合し、蓋体
８を係止締結する。この状態で蓋体８の下部のピ
ン１１をコンテナ２の外側部より抜き去ると、蓋
体８はコンテナ２の塵芥挿入口４より離脱され
る。

枠体１３に押出部材と蓋体８とが係止具１８，
１９でもつて傾斜した状態で一体化されると、そ
の傾斜した蓋体８の裏面８ａでもつて、ホツパ５
から投入された塵芥６が、シリンダ１２の伸縮動
によりコンテナ２内に押し込まれる。このとき、
傾斜している蓋体８の上端とコンパクタ１の上壁
１ａおよび塵芥挿入口４の上部との間に間隙２８
が形成されるので、塵芥６の噛み込みが起ること
なく円滑にコンテナ２内に押し込まれる。加え
て、蓋体８が傾斜しているので、塵芥６のコンテ
ナ２への押し込みが、直立した蓋体で押し込む従
来のものに較べ、コンテナ２への充填度が高くな
る。また、傾斜した蓋体８の掻出し爪２６により
コンパクタ１の床上の塵体６も完全に押し出さ
れ、蓋体８の下に塵芥６が侵入したり残存したり
することはない。

塵芥６の押し込みが完了すると、再び第３図の
ように塵体８を押出部材７と共にシリンダ１２で
もつて位置させ、ピン１１を穴１７に挿入する。
係止具１９の係止を解き、第５図のように、回動
用シリンダ１５を伸長して蓋体８を直立させ、塵
芥挿入口４に嵌着させる。このとき、押出部材７
の上面の円弧状のカバー２７が枠体１３内より延
出するので、コンパクタ１の上面に残存する塵芥
６が、枠体１３の傾斜面に落下することはない。
蓋体８が塵芥挿入口４に嵌着されるとき、同時に
蓋体８の裏面８ａで塵芥６がコンテナ２に押し込
まれるので、コンテナ２から塵芥６が漏出するこ
となく、かつ直立すべく回動された蓋体８で、塵
芥挿入口４が間隙を残存させることなく閉止され
る。

最後に、ピン１０を穴１６に挿入して、蓋体８
を塵芥挿入口４に嵌着固定し、係止具１８のフツ
ク２２ａを固定杆２０より解脱させ、外部の固縛
装置の締結を解く。このようにしてコンテナ２が
コンパクタ１より解放されると、運搬のために移
動させたり、係の空のコンテナ２と入れ替えるこ
とができる。

以上の説明から判るように、コンテナの塵芥挿
入口に着脱自在の蓋体をコンパクタの押出部材に
係止し、これを傾斜した状態で往復動させて塵芥
をコンテナに押し込み、コンテナを閉止すると
き、塵芥挿入口下端で蓋体を支持し、押出部材と
共に直立させて、塵芥挿入口を密閉できる構造と
したので、塵芥押込み時は塵芥の噛み込みを防止
する適当な寸法の間隙が確保され、円滑な押み込
みがなされると共に、傾斜面でもつて塵芥を押み
込み、コンテナへの充填度を向上させることがで
きる。また、塵芥挿入口を閉止するときは、塵芥
挿入口に間隙を残存させることなく密閉すること
ができ、運搬中に塵芥が漏出することはない。加
えて、一連の動作でもつて塵芥の押し込みとコン
テナの塵芥挿入口の防止が可能となり、能率よく
かつ迅速な押し込みがなされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は塵芥の押込み装置の全体断面図、第２
図は、蓋体を塵芥挿入口に嵌着させたコンテナの
斜視図、第３図は本装置の拡大断面図、第４図お
よび第５図は直立した蓋体を塵芥挿入口から離脱
または嵌着させる状態を示す断面図である。 １……コンパクタ、２……コンテナ、４……塵
芥挿入口、６……塵芥、７……押出部材、８……
蓋体、１１……ピン、１３……枠体、１５……回
動用シリンダ、１８……係止具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンテナの塵芥挿入口に着脱可能な蓋体を、
   コンパクタ内の押出部材の前面に係止し、その押
   出部材の往復動作により塵芥をコンテナに押し出
   す塵芥の押込み装置において、 上記コンパクタは、前面が傾斜した枠体と、こ
   の枠体の前面下端部に回動自在に支承された押出
   部材と、その押出部材を回動させる回動用シリン
   ダと、前記蓋体を押出部材に係止する係止具とを
   備え、 前記コンテナは、塵芥挿入口の下端部における
   嵌脱自在のピンで、回動自在に支承された蓋体を
   備えることを特徴とするコンテナへの塵芥押込み
   装置。