JPS6330756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ・ 考案の技術分野 この考案は、情報処理装置のプリンタ等に用い
られるシート用紙の自動給紙装置に関するもの
で、用紙の上面に当接して摩擦給送力を付与する
ピツクローラその他の給紙体と用紙の前端両隅部
を係止する分離爪との共同作用によつてホツパ板
上に積重された用紙を１枚ずつ分離送出する構造
の給紙装置における分離爪の装着構造に関するも
のである。

・ 技術の背景 上記構造を有する給紙装置は、給紙体から用紙
に付与される摩擦給送力と分離爪から用紙に付与
される係止力とによつて用紙に撓みを与え、積重
された用紙の最上部の１枚を分離爪から離脱させ
て送り出すようにしたものであり、用紙を１枚ず
つ確実に分離供給する為には、給紙体からの摩擦
力と分離爪の係止力とのバランスが極めて重要で
ある。

この摩擦力と係止力とのバランスは、使用され
る用紙の性状、例えば用紙の厚さ、腰の強さ、寸
法等に応じて設定する必要がある。

・ 従来技術と問題点 第１図は従来の自動給紙装置の一例を示したも
ので、１は給紙装置のフレーム、２はピン３によ
りフレーム１に枢支されたホツパ板、４はホツパ
板３上に積重されたシート用紙、５はフレーム１
に軸架されたピツクローラ、６はフレーム１に螺
着されたピツク圧調整ネジ、７はピツク圧調整ネ
ジ６とホツパ板２との間に架設された圧縮バネ、
８は用紙４の前縁両隅部を係止してる分離爪であ
る。分離爪８はフレーム１に設けたスリツト９，
１０にその脚部１１を挿通されて上下遊動可能に
保持されており、自重によつて用紙４に当接して
いる。

このような構造の従来装置では、ピツク圧調整
ネジ６を回動させて圧縮バネ７の付勢力を調整す
ることにより、ピツクローラ５と用紙４との当接
力を変化させて用紙に付与される摩擦給送力を用
紙４の性状に応じて調整していた。ところが、使
用される用紙４が例えば封筒や葉書等である場合
には、ピツクローラ５と用紙４との当接力の調整
のみでは用紙４に与えられる給送力と係止力との
バランスを充分に調整することができず、このよ
うな構造の給紙装置では封筒や葉書を確実に分離
供給することが不可能であつた。

・ 考案の目的 この考案は、近年、封筒や葉書に対する自動給
紙の要望が増大していることに鑑み、封筒や葉書
をはじめとする多様な用紙を確実に分離供給する
ことができる自動給紙装置を得ることを目的とし
てなされたものである。

・ 目的を達成するための手段 上記目的を達成するため、この考案の用紙分離
爪の装着構造においては、シート用紙４を載置す
るホツパ板２の前縁部に横架材２５，３４を設
け、この横架材２５，３４を回動可能な偏芯軸端
部２７，２８や平行揺動可能なリンク３７，３８
等の可動体を介して支持することにより、シート
用紙４の給送方向に移動可能に設けている。そし
てこの横架材２５，３４には、これを移動させる
ためのレバー３０，４３等の操作体を設け、更に
該移動させた位置で横架材２５，３４を保持する
ための係合板３１，４５等の位置決め手段を設け
ている。そして前記分離爪１９，２０には、フオ
ーク状の脚部２３，２４やピン４１，４２等の係
合部を一体に形成し、この係合部を上記横架材２
５，３４に係合させている。

・ 作用 操作体３０，４３を操作することにより、可動
体２７，２８又は３７，３８で支持された横架材
２５，３４は、シート用紙４の給送方向に前後移
動する。この移動は、係合部２３，２４又は４
１，４２を介して分離爪１９，２０に伝達される
から、分離爪１９，２０をシート用紙４の前縁部
で進退させることができ、これにより分離爪１
９，２０とシート用紙４との係合長さを変化させ
ることができる。

従つて、使用される用紙の性状に応じて操作体
３０，４３を操作して分離爪１９，２０とシート
用紙４との係合長さを変化させることによりシー
ト用紙４に与える係止力を適宜調整することが可
能になり、シート用紙４に付与される摩擦駆動力
と係止力とをそれぞれ調整してシート用紙４の給
送状態を設定してやれば、極めて多様な用紙に対
処することが可能になり、封筒や葉書なども確実
に分離供給できる自動給紙装置を得ることができ
る。

・ 考案の実施例 第２図および第３図は本考案の第１実施例を示
したもので、２はホツパ板、想像線で示す４はシ
ート用紙である。１２および１３は側板で、側板
１３は用紙４の紙幅に応じてホツパ板２上に移動
可能に装着されている。１４はホツパ板２に固着
された前縁板で、この前縁板１４にはスリツト１
５，１６が設けられ、このスリツト１５，１６に
紙押え片１７，１８が挿通されている。紙押え片
１７，１８は分離爪１９，２０に上端を係合さ
れ、分離爪１９，２０に懸吊された状態でスリツ
ト１５，１６に遊嵌している。

分離爪１９，２０には、その先端から切込み２
１，２２が設けられており、この切込み２１，２
２に側板１２，１３の前縁部が係入されている。
分離爪１９，２０は２本の脚部２３，２４を有し
ており、２本の横架材２５，２６がこの脚部２
３，２４の間に挿通されている。

下方に位置する横架材２６は、図示しないフレ
ームに固装されており、上方に位置する横架材２
５は、その一端部２７がフレームに固着されたブ
ラケツト２９に、その他端部２８が図示しないフ
レームにそれぞれ軸着されて装架されている。横
架材２５とその端部２７，２８とは偏心してお
り、これを回動させると横架材２５は偏心回動
し、分離爪１９，２０を横架材２６を支軸として
揺動させる。３０は横架材２５の端部２７に固着
されたレバーで、このレバー３０の外側面には突
条が形成され、ブラケツト２９に設けた係合板３
１の端縁に設けた凹所３２……３２と前記突条と
を係合させることによつてレバー３０の位置止め
機構が構成されている。第２図の符号３３は、前
記突状をプレス加工によつて形成したときに該突
条の裏面側にできる凹条部を示したものである。

以上の構成において、分離爪１９，２０は、そ
の先端が用紙４の上面前端部に当接することによ
つてその上下位置が規制され、脚部２３，２４間
に挿通された横架材２５，２６によつてその用紙
４との係合長さおよび倒れが規制され、切込み２
１，２２と側板１２，１３との係合によつてその
紙幅方向の位置が規制されている。そこでレバー
３０を回動させて横架材２５を偏心回動させてや
れば、分離爪１９，２０は横架材２６回りに揺動
して分離爪１９，２０と用紙４との係合長さが変
化し、給紙時に分離爪１９，２０から用紙４に付
与される係止力が調整される。

第４図はこの考案の第２実施例を示したもの
で、分離爪１９，２０を給紙方向に移動させる機
構が第１実施例のものと異なる。即ち、横架材３
４は図示しないフレームにピン３５，３６により
枢支された等長のリンク３７，３８により両端を
枢支されており、この横架材３４にスリツト３
９，４０が設けられて分離爪１９，２０から下方
に向けて植設されたピン４１，４２がこのスリツ
ト３９，４０に挿通されている。４３はリンク３
７を延設したレバーであり、このレバー４３の先
端にピン４４が上方に向けて植設され、フレーム
に固着した係合板４５の円弧状端縁に設けた凹所
４６……４６とピン４４を係合させることによつ
てレバー４３の位置止め機構が構成されている。
以上の構成においてレバー４３を回動させると、
リンク３７，３８が平行に回動し、横架材３４は
ホツパ板２の前縁と平行に移動するから、この横
架材３４に係合されている分離爪１９，２０は給
紙方向に進退し、分離爪１９，２０と用紙４との
係合長さが変化して給紙時に用紙に付与される係
止力が調節されることとなる。

・ 考案の効果 以上のように本考案は、供給される用紙４の先
端部を係止している用紙分離爪１９，２０の係止
力を自由に調整できるようにしたものであるか
ら、本考案の構造と第１図に示すようなピツクロ
ーラの給紙力の調節構造とを併用することによ
り、極めて広汎な性状の用紙に対応させて給紙力
と係止力とのバランスを設定することが可能とな
り、用紙として封筒や葉書を用いた場合にも確実
に当該用紙を分離供給できる自動給紙装置を得る
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動給紙装置の構造を示す断面
図、第２図および第３図は本考案の第１実施例を
示す図で、第２図は斜視図、第３図は断面図であ
る。第４図は本考案の第２実施例を示す平面図で
ある。 図中、２はホツパ板、４はシート用紙、５はピ
ツクローラ、１４は前縁板、１５，１６はスリツ
ト、１７，１８は紙押え片、１９，２０は分離
爪、２３，２４は脚部、２５は横架材、３０はレ
バー、３１は係合板、３４は横架材、３７，３８
はリンク、４３はレバー、４５は係合板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 用紙面に当接して摩擦給送力を付与する給紙体
   ５と用紙の前縁両隅部を係止する分離爪１９，２
   ０との共同作用によつて積重されたシート用紙４
   を１枚ずつ分離送出する構造の自動給紙装置にお
   ける前記分離爪の装着構造であつて、シート用紙
   ４を載置するホツパ板２の前縁部に横架材２５，
   ３４が設けられており、この横架材は可動体２
   ７，２８，３７，３８を介してシート用紙４の給
   送方向に移動可能に設けられると共にこの横架材
   を移動させる操作体３０，４３と該移動させた位
   置で該横架材を保持する位置決め手段３１，４５
   とが設けられており、前記分離爪１９，２０には
   係合部２３，２４，４１，４２が一体に形成され
   て該係合部は上記横架材２５，３４に係合してお
   り、前記操作体３０，４３を操作したときの横架
   材２５，３４の前記移動が係合部２３，２４，４
   １，４２を介して分離爪１９，２０に伝達されて
   該分離爪をシート用紙４の給送方向に進退させる
   ことを特徴とする、用紙分離爪の装着構造。