JPS63305B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は優れた内容物保存性と機能を有するプ
ラスチツク製押出しチユーブ容器に関するもので
ある。

＜従来の技術＞ 従来、内容物が練歯磨などの水性の練状物質で
ある場合、とくに内容物の保存性能が要求され、
そのため主としてアルミニウムのインパクト成形
による薄肉のチユーブが使用されている。

アルミニウムはガス透過性がないので優れた保
存性を示すが、内容物充填後の変形や使用による
スクイーズによる折り曲げ変形、亀裂などが生じ
やすく、使用性と外観の点で商品価値を低下させ
るものとなつている。

これに対しアルミニウム箔と紙、ポリエチレン
を貼り合せた多層シートを筒状にしたラミネート
チユーブが注目を浴び、次第にアルミニウムチユ
ーブにとつて変つて来ている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、このラミネートチユーブもチユーブ本
体にアルミニウム箔を使用しているためガスバリ
ヤー性には優れてはいるが、シート状からの成形
のため背シール部が必ず存在する。また製造機械
設備も大きくなり、少い品種の多量生産でないと
コスト高となり、これらのチユーブ形態はすべて
本体が筒状で、その上部に口部を設け、内容物は
下の底部から充填し、熱でエンドシールする形態
を採つている。従つて容器自体の形態や意匠性
が、その製造法からも規定されてしまう。

また、このようなラミネートチユーブでは使用
性の点でアルミニウムチユーブの欠点を改善する
ものではあるが、口部は本体胴部をインサート後
ポリエチレンの射出成形によつて得られるが、こ
の肩の部分から口部にかけては上記の通りガス透
過性の大きいポリエチレン単体であるために、こ
の位置でのガスバリヤー性の低減による保存性能
に問題を残しているといわなければならない。

一般にペースト状の歯磨きには粉末基材、湿潤
剤、粘結剤、発泡剤、香料、甘味剤、薬効剤純水
などが含有され、その内、湿潤剤は歯磨に適度の
湿潤性を保たせると同時に保湿によつて歯磨の性
状を安定化させ、粘結剤は粉末基剤と液成分を均
質に保ち、分離を防ぎ、性状を整える。これはと
くに、プラスチツクなどに一般に使用されている
汎用の低密度ポリエチレンでは疎水性のために、
その効果が低減し、その接触面での歯磨のクラツ
キング、液分離、肌荒れが生じやすい。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は上述の如き問題を解決し、優れたガ
ス、水蒸気バリヤー性とスクイズ性などの機能、
容器形態などの意匠性等についても多くの特徴を
もつものである。さらには、練り歯磨の保存性で
重要な内容物の肌あれ現象を防ぐための内層樹脂
に特徴を有した押出しチユーブを得ることにあ
る。

本発明においてはこれらの現象を改良するため
に内層の樹脂に特徴をもたせ、無水マレイン酸グ
ラフト変性したポリエチレン中に親水性の水酸基
を有する変性ポリビニルアルコールをポリマーブ
レンドした改質樹脂を使用することにより充分に
対処できるものである。これらの内層用樹脂の表
面張力は35〜75ダイン／cmの範囲にあるが、通常
のポリエチレンの30ダイン／cmより可成り大き
く、界面の濡れが向上し湿潤剤、粘結剤の効果が
充分に保たれるものである。

また、中間層のエチレン酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物はガス遮断性が熱可塑性プラスチツク中で
は最も優れた性能を示し、練歯磨用としては50〜
100μの範囲の厚みでよく、内外層に比較して層
厚は薄くてもよい。また、本発明においては特に
練歯磨用を対象とし、その内容物の保存性に優れ
た特徴をもつている。

さらに具体的には本発明による押出しチユーブ
容器は全体がプラスチツクの多層構成であつて、
例えば外層が無水マレイン酸を0.1〜15重量％の
範囲でグラフト変性された低密度ポリエチレンか
ら成り、中間層がエチレン含有量20〜70モル％、
ケン化度90％以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物からなり、内層は外層同様の無水マレ
イン酸グラフト変性低密度ポリエチレンにエチレ
ン含有率20〜70モル％、ケン化度が90％以上のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは
ケン化度が30〜40％の範囲のポリ酢酸ビニルケン
化物などの変性ポリビニルアルコール系のいづれ
か１種あるいは両方が１〜30重量％の範囲でポリ
マーブレンドした層より成る三種の樹脂による三
層構造の押出しチユーブである。

図面の実施例において、本発明の押出しチユー
ブ容器の構造（ブロー成形直後）は第１図の正面
一部截断面図および第２図の側面一部截断面図に
示す構造（内容物充填後のエンドシールをしたも
の）となり、第３図は口部（Ｘ部）の断面の拡大
図であり、また第４図はチユーブ容器胴体（Ｙ
部）の拡大断面図であり、第５図は底部のエンド
シール部（Ｚ部）の拡大断面図である。Ａは胴部
本体、Ｂは口部、Ｃは底部であり、１は内層、２
は中間層、３は外層である。

本発明の三層構造の押出しチユーブの製造法は
共押出し三層ブロー成形法により行い、通常のブ
ロー成形機に三台の押出機とその先端に三層ブロ
ーダイヘツドを取付け、金型には第１図に示した
チユーブ形状をした金型を取付け、ブロー成形
後、底部切断をして目的とする容器が得られる。

＜実施例＞ 三層のダイヘツドを取りつけた多層ブロー成形
機の外層用に無水マレイン酸変性ポリエチレン
（MI＝1.0）中間層にエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物（MI＝1.5、m.p.＝180℃）、内層に
無水マレイン酸変性ポリエチレンにエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物３重量％、酢酸ビニル
ケン化物（ケン化度25％）５重量％よりなる改質
樹脂を供給し、外層／中間層／内層の重量比が
50／15／35％よりなるチユーブ状容器を成形し、
底部を切断後、内容物を充填、エンドシールして
第２図に示した容器を得た。

＜発明の効果＞ 本発明のチユーブ容器の内層、中間層、外層の
樹脂はダイヘツド内で完全に密着し、一体のパリ
ソンとなつて押出され、成形されたチユーブ容器
の内面のすべてが内層用の樹脂で形成されるため
従来よりプラスチツクチユーブの製造として一般
的である押出し成形法により製造されたチユーブ
容器に比較して口部から底部までガスバリヤー性
樹脂層が連続した構造なので容器全体としてガス
バリヤー性が優れている。また、この多層ブロー
成形法よりの製造法では従来の成形機をそのまゝ
応用できるため少ない設備投資で少量から大量ま
での生産ができ、内容物を底部から充填するので
充填適性が良いという大きな利点である。

【図面の簡単な説明】

第１図は三層ブロー成形によつて得られた本発
明のチユーブ状容器の正面一部截断面図、第２図
は第１図の容器の底部を切断後内容物を充填し、
エンドシールした本発明チユーブ容器の側面一部
截断面図、第３図は同じく容器の口部の一部拡大
断面図、第４図は同じく胴部の一部拡大断面図、
第５図は同じく底のエンドシール部の一部拡大断
面図である。 １……内層、２……中間層、３……外層、Ａ…
…胴体、Ｂ……口部、Ｃ……底部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガスバリヤー性樹脂層を含む多層樹脂層を共
   押出しブロー成形後、底部を切断して成る多層構
   造の押出しチユーブ容器。