JPS6330551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、各種畜産用糞尿処理、土壌還元シス
テムに使用する曝気装置における消泡用フアンの
改良に関するものである。

ロ 従来の技術 曝気装置における従来の消泡フアンは、第３図
に示すように、回転軸１にカラー２ａを介して固
定した回転板２の下面に複数個の消泡羽根３，３
…（通常は３枚乃至４枚）を放射方向に固定し、
第２図示の如く、処理槽４内に収容した畜産糞尿
ａを撹拌装置６によつて気体噴気拡散装置５を経
てノズル７による空気の供給と共に撹拌し、糞尿
ａより生ずる気泡ｂが一定の層を示すように表面
ｃから所要の距離を置いて消泡用フアンＦを回転
し、該フアンの位置よりも上方へ気泡ｂの表面Ｓ
が上昇しないようにしてある。

この消泡用フアンＦの回転は、各消泡羽根３を
気泡ｂに衝突させ、気泡に衝撃を与えて破壊或は
細分化するようにしてある。

尚、８はモータ、９はコンプレツサ、１０は汲
み出し用の水中ポンプである。

ハ 考案が解決しようとする問題点 以上のような従来の消泡フアンにおいては、第
２図示のように気泡ｂの増加量がフアンＦによる
消泡量と略一致している間は、円滑な撹拌作用が
行われているが、気泡ｂの増加量が消泡量よりも
多くなる場合には、フアンＦの位置が気泡ｂの表
面Ｓの下方に沈み、極端に消泡効果が低下するこ
とは周知の通りである。そこで、益々気泡ｂの増
加が行われ、フアンＦが単に気泡ｂの中で空転し
ているような状態となり易いという問題点があつ
た。

ニ 問題点を解決するための手段 このため本考案においては、回転軸に固定した
小型の回転板の下面に複数個の消泡羽根を放射方
向に前記回転板の周縁を越えて配置すると共に各
消泡羽根の交叉中心部を斜めに切欠して中心開放
部を形成する一方、各消泡羽根の外端を上方に屈
曲延設して垂直先端翼を設けたことを特徴とする
曝気装置における消泡用フアンを提案するもので
ある。

以下、図面に示した実施例に基いて本考案の要
旨を説明する。

ホ 実施例 第１図は、本考案消泡用フアンの一実施例を示
す斜視図で、前述の第３図と同様の部品には同一
符号を符してある。即ち、モータ８に直結した回
転軸１には、小型の回転板２がカラー２ａを介し
て固定してあり、該回転板２の下面には消泡羽根
３を回転板２の周縁を越えて十文字状に固定し、
その中心交叉部は回転板２に対して略60度の角度
で斜めに切欠して中心開放部３ａを形成してあ
る。

次に、消泡羽根３の先端には、上方に屈曲した
垂直先端翼３ｂを延設してある。

ヘ 作用 以上の構成からなる本考案消泡用フアンにおい
ては、第２図示のように気泡ｂの表面Ｓに回転板
２が接するような状態で通常の消泡作用が行われ
るが、処理槽４内の反応が急速に行われて気泡ｂ
が急激に増加するような場合にも、上方に延設し
た先端翼３ｂによつて、回転板２位置より上に増
加した気泡ｂの層を撹拌することとなり、殊に回
転板２の表面に形成された回転中心部が大きく開
放されているから、上方から気泡ｂが吸い込まれ
て外周方向へと押し出される状態で環流するた
め、気泡ｂの破壊や細分化が効果的に行われるも
のである。

ト 考案の効果 従つて本考案消泡用フアンによれば、気泡ｂの
表面Ｓの上下動も一定の範囲内ならば適切に消泡
作用が行われるため、従来のように表面ｃが急激
に上昇するような場合にも、回転板２の上方にお
いて消泡作用が行われる結果、従来よりも遥かに
効果的な消泡を行うことが可能となり、曝気装置
自体の作業の迅速化を促進し、実用に供して利益
するところ極めて顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案消泡用フアンの一実施例を示す
斜視図、第２図は消泡用フアンを使用した従来の
曝気装置の一例を示す説明図、第３図は該装置に
使用されている従来の消泡用フアンの一例を示す
斜視図である。 １……回転軸、２……回転板、３……消泡羽
根、３ａ……中心開放部、３ｂ……垂直先端翼。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸に固定した小型の回転板の下面に複数個
   の消泡羽根を放射方向に前記回転板の周縁を越え
   て配置すると共に各消泡羽根の交叉中心部を斜め
   に切欠して中心開放部を形成する一方、各消泡羽
   根の外端を上方に曲屈延設して垂直先端翼を設け
   たことを特徴とする曝気装置における消泡用フア
   ン。