JPS63304038A - 不活性無機粒子の表面処理方法及び不活性無機粒子含有配向ポリエステルフィルム - Google Patents

不活性無機粒子の表面処理方法及び不活性無機粒子含有配向ポリエステルフィルム

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JPS63304038A
JPS63304038A JP11937987A JP11937987A JPS63304038A JP S63304038 A JPS63304038 A JP S63304038A JP 11937987 A JP11937987 A JP 11937987A JP 11937987 A JP11937987 A JP 11937987A JP S63304038 A JPS63304038 A JP S63304038A
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inert inorganic
silane compound
film
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JP11937987A
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English (en)
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Yujiro Matsuyama
松山 雄二郎
Ryuichi Murashige
隆一 村重
Katsuro Kuze
勝朗 久世
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
Osamu Makimura
牧村 修
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [a業上の利用分野] 本発明は合成樹脂に滑剤等の配合剤として配合される不
活性無機粒子の表面処理方法及び該表面処理を施した不
活性無機粒子を配合した配向ポリエステルフィルムに関
するものである。
[従来の技術] 合成樹脂等の高分子材料に滑剤等として無機粒子を配合
することは既に良く知られているが、この際複合化によ
って物理的特性が却って劣化するのを防止することが必
要であり、無機粒子の表面を処理して高分子材料との親
和性を改善する為の各種方法が実施されている。
例えば高分子材料の1つであるポリエステルは物理的に
も化学的にも優れた特性を備えているので繊維や成形品
として用いられるのは勿論、各種のフィルム乃至シート
材(例えば磁気テープ。
フロッピーディスク、コンデンサー及び包装用・レント
ゲン用・写真用等のフィルム等としても用いられる。フ
ィルムとして用いる場合は、その滑り性及び耐摩耗性が
原フィルムとしての製造工程及びそれぞれの用途に適合
させる為の加工工程における作業性並びに各製品として
の品質に大きな影響を及ぼす、特にポリエステルフィル
ムやシート(以下単にフィルムということがある)の表
面に磁性層を形成し磁気テープとして用いる場合は、磁
性層形成用のコーティングロールとフィルムの摩擦によ
ってフィルム表面にしわや擦り傷が発生しやすい、また
磁気層を形成した後でフィルムをスリットしてオーディ
オ、ビデオ或はコンピュータ用等のテープに加工してリ
ールやカセット等から引き出し9巻き上げその他の操作
を行なう際に多くのガイド部や再生ヘッド等の間で摩擦
を生じる結果、フィルムの摩耗が激しく、擦り傷や歪が
発生するばかりかフィルム表面の削れ等によって白粉状
物質が析出し磁気記録信号の欠落、即ちドロップアウト
の大きな原因となっている。
この様な不都合の発生を抑える為にはフィルムの滑り性
を良くし且つ耐摩耗性を向上させる必要がある。その方
法としてはフィルム表面に凹凸を形成することによって
ガイドロール等との間の接触面積を減少させる方法が行
なわれている。具体的な手段としては、例えばフィルム
原料となる高分子物質製造時の触媒残漬から不溶性粒子
を析出させる方法や有機粒子を添加する方法と並んで無
機粒子を添加する方法も汎用されている。後者の方法は
無機粒子の表面を有機化合物でコーティングすることに
よってフィルム表面に凹凸を形成するものであって無機
粒子表面と有機化合物との接着強度が重要な要件となっ
てくる0例えばシリカ系粒子の様に有機官能基(例えば
水酸基)を有する場合は、粒子表面の該官能基と反応し
得る置換分を有する化合物、例えばシランカップリング
剤を使用することによって強固なコーティング層を容易
に形成することができ、無機粒子における有機高分子材
料との親和性を改善することができるのである。
[発明が解決しようとする問題点] 上述したシランカップリング剤は、対象とする無機粒子
が官能基を有する場合には有効であるが、例えば炭酸カ
ルシウムや硫酸バリウムの様に表面に官能基を有しない
不活性無機粒子を用いた場合には効果が得られない。
この様な不活性無機粒子についての有効な処理方法はあ
まり知られておらず、わずかに物理的吸着や沈着を応用
した技術が知られている程度であり、しかもこれらの技
術は後述する様に種々の欠点を有している0例えば「ポ
リマーダイジェスト」 (第8巻、 1984年、第2
7頁〜35頁)にはチタネート系カップリング剤、燐酸
系カップリング剤又は非イオン系界面活性剤等による表
面処理が開示されている。しかしながらこれらの処理に
よって得られた不活性無機粒子を高分子材料に配合した
としても、無機粒子とカップリング剤との接着強度が不
十分であり、後に行なわれる加工工程例えば延伸工程の
際に加えられる外力に抗1ノきれず、せっかく表面処理
をしたのにその効果が十分に発揮されないという欠点が
存在する。特にこの様にして得られた高分子材料を配向
フィルムとして使用した場合には、未延伸シートを一軸
若しくは二軸方向に延伸する工程において粒子の周辺に
ボイド(気泡)が生じ、透明性が低下するという問題が
生じる。
本発明は上述した問題を解決する為になされたものであ
って、その目的とするところは、高分子材料に対する不
活性無機粒子の親和性を改善すべく、該不活性無機粒子
とカップリング剤との接着強度を十分にし、よって延伸
等の後加工においても表面処理による効果を維持できる
様な表面処理方法を提供すると共にこの様な方法により
表面処理を施した不活性無機粒子を配合することによっ
て滑り性、耐摩耗性、耐久走行性等が優れたポリエステ
ルフィルムを提供することにある。
[問題点を解決する為の手段] 本願発明は2つの発明からなるものであり、第1の発明
は合成樹脂に強化剤として配合される不活性無機粒子の
表面を処理するに当たり、該不活性無機粒子に下記(1
)式の構造を有するシラン化合物(1)の加水分解物を
添加して粒子の表面を処理した後、下記(2)式の構造
゛を有するシラン化合物(2)の加水分解物を添加して
表面処理をし、且つ不活性無機粒子100重量部に対す
るシラン化合物の総添加量を1〜101i量部とする点
に要旨を有する不活性無機粒子の表面処理方法である。
Si (OR’ )4      −(1)(式中R1
は炭素数1〜10の1価の有機残基を示す) (R2)p (R’ O) Q−3L −(R’ ) r ・・・(
2)(式中p、q、rは、p+q+r冨4.q≧2゜r
≧1.p−を又は0を満足する整数であり、R2,R3
は1価の有機残基、R4は少なくとも1個以上の官能基
で置換された1価の有機残基) また第2発明は第1の発明方法にもとづいて表面処理を
施した不活性無機粒子を配合した点に要旨を有する配合
ポリエステルフィルムである。
[作用コ 本発明は上述の如く構成されるが、要は不活性無機粒子
の処理に際し、作用の異なる2種類のシラン化合物[以
下(1) 、 (2) と付記する]を別々に添加して
処理すると共にその総添加量を規制することによって、
まず不活性無機粒子の表面にシラン化合物(1)の層を
強固に形成させ、且つ最外部に形成されるシラン化合物
(2)と合成樹脂との親和性をも良好にし、従来の問題
を悉く解決し得たものである。
本発明における不活性無機粒子に関しては何ら限定され
るものではなく、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム
、酸化チタン、酸化珪素、カオリナイト等を挙げること
ができるが、本発明の効果が最も発揮されるのは粒子表
面に官能基を有しない炭酸カルシウム及び硫酸バリウム
を用いた場合である。また上記における粒子は広い概念
で用いられるものであり、ウィスカー等の短繊維を包含
するものである。
本発明においては上述した様に、2f!!類のシラン化
合物(1) 、 (2)を2段階に分けて添加するもの
であるが、その作用を説明すると下記の通りである。
まず第1段階で用いるシラン化合物(1)は、水酸基等
の官能基を有しない不活性無機粒子の表面をポリシロキ
サン結合からなるネットワーク構造(網状構造)で強固
に被覆する目的で添加されるものである。従りて第1段
階で添加するシラン化合物(1)は、ポリシロキサン結
合を形成する前駆構造物であるシラノール基を1分子当
たり数多く且つ容易に形成し得る構造であることが必要
である。この要求を満足し得るシラン化合物(1)とし
ては、前記(1)式においてR′がアルキル基であるテ
トラアルコキシシランが最適である。アルキル基として
はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、シクロヘキシ
ル等の直鎖若しくは分岐状或は環状の炭化水素残基が例
示される。この他の有機残基についても特段の制限はな
いが、メチル基、エチル基のものが市販品として容易に
且つ安価に入手できるので好適である。
尚これらはいずれも炭素数が1〜10であることが必要
であり、炭素数が11以上のものを用いると、シラノー
ル基を生じさせる為の加水分解反応を行なう際に、水に
対して十分な溶解度が得られず、操作上程々の困難を招
くので好ましくない。
次に第2段階で用いるシラン化合物(2)は、第1段階
で不活性無機粒子の表面に形成したシラン化合物(1)
の加水分解被覆層の上に更に被覆して合成樹脂との親和
性を改善する為のものである。
従フて当該シラン化合物(2)は、前記ネートワーク構
造に残存しているシラノール基と反応させる為のシラノ
ール基を生じることのできる1価の有機残基と、合成樹
脂との親和性を改善するのに効果的な官能基を少なくと
も1個含有する1僅の有機残基とを、夫々1個以上含有
していることが必要である。この要求を満足し得るシラ
ン化合物(2)は、前記(2)式の様に表わすことがで
きる。
ここで合成樹脂との親和性の改善に効果的な官能基、即
ち前記(2)式中の1価の有機残基(R4)における官
能基としては、対°象とする合成樹脂の種類によっても
異なり何ら限定するものではないが、例えばポリエステ
ルやナイロン等の様な極性高分子を対象とする場合は、
水酸基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、アミド
基、カルボキシ基、イソシアネート基、ビニル基、アク
リル基、メタクリル基、ハライド等が挙げられる。又他
の有機残基R2、R3についても格段の制限を設けない
が、代表的なものを例示しておくと、メチル基、エチル
基、プロピル基等の炭化水素基が挙げられる。
本発明においては、不活性無機粒子と前記シラン化合物
(1) 、 (2)との反応操作について特段の制限を
求めないが、従来から行なわれている方法或はその改良
方法に従えばよく、例えば不活性無機粒子にシラン化合
物(1) 、 (2)を直接噴露する方法、或は水やメ
タノール等の溶剤を用いて不活性無機粒子をスラリー化
した後シラン化合物(1) 、 (2)を添加する方法
等が挙げられる。いずれの方法を採用するにしても、縮
合反応によって生じる水やエタノールを蒸発除去できる
反応時間や反応温度を選定することが推奨される。しか
しながら第1段階の反応においては、ポリシロキサン結
合を形成させる必要がある為、第2段階の反応と比較し
て厳しい反応条件を採用する必要があり、例えば100
〜150℃で1〜3時間程度の加熱が推奨される。これ
に対し第2段階の反応においては、その反応が容易に進
行するので第1段階の反応はど厳しい反応条件としなく
とも十分である。尚第2段階の反応において、その反応
を確実に完結させる為に、第1段階と同程度の厳しい反
応条件を通用しても良く、特に無機粒子の凝集を発生さ
せない限り何ら支障を来すものではない。
一方、不活性無機粒子に対するシラン化合物(1) 、
 (2)の総添加量は、不活性無機粒子の粒径によって
も異なるが、強化剤として通常用いられている無機粒子
の平均粒径は0.2〜3.0μm程度であることを考慮
すると、不活性無機粒子100重量部に対し1〜101
i量部とする必要があり、更に好ましくは2〜6重量部
程度である。これはシラン化合物の総添加量が1重量部
未満では、無機粒子表面に導入できる官能基の量が少な
くなり、合成樹脂と不活性無機粒子との親和性を改善す
るには不十分だからである。シラン化合物の添加におけ
る最も好ましい実施態様は、第1段階で添加するシラン
化合物(1)及び第2段階で添加するシラン化合物(2
)の両方共1重量部以上添加することである。これに対
し、総添加量が10重量部を超えると、不活性無機粒子
の表面を化学的に改質するにしては不必要に過剰となり
、また経済的にも不利である。
本発明方法は上述の如く構成されており、その最大の特
徴点はシラン化合物を用いて2段階で無機粒子表面の処
理を施すものであるが、対象とする合成樹脂の種類、該
合成樹脂に対する無機粒子の添加量、合成樹脂の加工法
、最終製品の用途等によっては、1段階目の表面処理の
みを行なった不活性無機粒子を強化剤として用いること
もできる。即ち合成樹脂の種類が異なれば無機粒子表面
と合成樹脂との親和性に対する要求強度も異なるので経
済的或はプロセス簡略化等の面を考慮して1段階目の表
面処理のみを採用した方が有利な場合もあり得る。しか
しながら第1段階の表面処理のみによって得られる無機
粒子の表面には、水酸基又はアルコキシ基等が存在する
だけであるので合成樹脂との親和性を改善するという趣
旨からすると不十分な場合が多い、結局のところ本発明
方法によれば、対象とする合成樹脂の構造や官能基の種
類等を考慮して、シラン化合物における最適な官能基を
選択することにより、所期の目的を達成することができ
るのでその技術的応用は極めて広い範囲に亘り大きな技
術的価値を有するものである。
本発明で用いられるポリエステルとはポリエチレンテレ
フタレート、ポリアルキレンナフタレート等との結晶性
ポリエステルであれば特に限定はされないが、とりわけ
ポリエチレンテレフタレートが適しており、特にその繰
り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート
からなるものであればより好ましい。他の共重合成分と
してはイソフタル酸、p−β−オキジエトキシ安息香酸
、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4.4′−ジカル
ボキシジフエニール、4.4’ −ジカルボキシベンゾ
フェノン、ビス(4−カルボキシフェニール)エタン、
アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等のジ
カルボン酸成分、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタツール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
等のグリコール成分、p−オキシ安息香酸などのオキシ
カルボン酸成分等を任意に選択使用することができる。
この他共重合成分として少量のアミド結合、ウレタン結
合、ニーチル結合、カーボネート結合等を含有する化合
物を含んでいてもよい。
該ポリエステルの製造法としては、芳香族ジカルボン酸
とグリコールとを直接反応させるいわゆる直接重合法、
芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコールと
をエステル交換反応させるいわゆるエステル交換法など
任意の製造法を適用することができる。なおフィルムと
しては一軸配向フィルム、二軸配向フィルムいずれでも
よいが二軸配向フィルムが特に好適である。
以下合成樹脂としてポリエステルを使用する場合につい
て、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
[実施例] 実施例で用いた測定法は下記の通りである。
(1)不活性無機粒子の粒径 エチレングリコールスラリー中で不活性無機粒子を十分
に分散して得られたスラリー中における粒度分布を、光
透過型遠心沈降式粒度分布測定機(SA−CF3型 島
原製作所製)を用いて測定し、その積算50%の値を用
いた。
(!りポリエステルフィルム中のボイド観察ポリエステ
ルフィルムをアルカリでエツチング処理し、表層ポリマ
ーを除去して無機粒子を露出させた後、走査型電子顕微
鏡で観察してボイドの有無を判定した。
(III )フィルムの透明性 JISに6714に準拠して測定した。
(IV)フィルムの加工性 フィルムを細幅にスリットしたテープ状ロールを金属製
ガイドロールにこすりつけて高速、長時間走行させると
き、一定の供給張力に対してガイドロール擦過後のテー
プ張力の大小およびガイドロール表面に発生する白粉量
の多少をそれぞれ5段階に評価し、次のランク付で表わ
した。
(イ)滑り性 1級・・・張力大(擦り傷多い) 2級・・・張力やや大(擦り傷かなり多い)3級・・・
張力中(擦り傷ややあり) 4級・・・張力やや小(擦り傷はとんどなし)5級・・
・張力小(擦り傷まったくなし)(ロ)耐摩耗性 1級・・・白粉発生非常に多い 2級・・・白粉発生多い 3級・・・白粉発生ややあり 4級・・・白粉発生はとんどなし 5級・・・白粉発生まったくなし くV)耐久走行性 第1図はフィルム粗面の繰返し走行性能を測定する為の
テープ試験機の説明図であってFはフィルム、1はクラ
ンク、2はフリーロール、3は張力検出装置、4は市販
のVTR用ガイドピン、5は荷重である。この装置を用
い、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、フィルムF
の粗面側を、ガイドピン4(触針式表面粗さ計で測定し
た最大突起高さが0.15μm1中心線平均粗さがo、
ooaμm)に角度3/4π(単位ラジアン)で接触さ
せ、一定荷重50グラムの張力を与えクランク1を角速
度8.0 rp■で回転させ、フィルムFを100往復
させた時の動摩擦係数および静摩擦係数のそれぞれ初期
動摩擦係数および静摩擦係数からの増加分(Δμkdお
よびΔμks)を5段階に評価し、次のランク付で表わ
した。
1級・・・摩耗係数増加分0:20以上2級・・・0.
15〜0.20 3級・・・0.10〜0.15 4級・・・0.05〜0.10 5M1.・・・0.05未満 実施例1 (1)無機粒子の表面処理 平均粒径0.8μmの炭酸カルシウム粉末50重量部を
メタノール2501i量部中に分散したスラリーに、テ
トラメトキシシランの加水分解物をシラン化合物換算で
炭酸カルシウム100重量部に対して2.5i量部の割
合で添加した。そのスラリー状混合物を15分間攪拌し
、ロータリーエバポレーターでメタノールを留去した後
、得られた粉末に140℃で2.5時間の熱処理を施し
て第1段階の表面処理を行なりた。
次に、第1段階の表面処理を施した炭酸カルシウムをメ
タノールに再び分散し、γ−グリシドキシプロビルジエ
トキシメチルシランの加水分解物をシラン化合物換算で
第1段階処理前の炭酸カルシウム1003i量部に対し
2.5重量部の割合で添加した。
上述した手順で得られた表面処理済み炭酸カルシウムに
おいて、該炭酸カルシウムをエチレングリコール中に十
分に分散したスラリー中での平均粒径及び粒径分布は処
理前とほぼ同様であり、明確な凝集粒子は観察されなか
った。
(2)スラリーの調製法 本発明方法に従って表面処理を施した炭酸カルシウム5
1i量部を、トリポリ燐酸ナトリウム(TPA)の10
0 g/11水溶液0.64重量部と共に、エチレング
リコール(EG)100重量部中に混合し、高圧式均等
分散機(H−20型 三相機械製)に供給して分散処理
を行なった。
(3)ポリエステルの製造 攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取出口を設
けた2段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置
を用い、その第1エステル化反応缶のエステル化反応生
成物が存在する系へTPAに対するEGのモル比1.7
に調整し、かつ三酸化アンチモンをアンチモン原子゛と
してTPA単位当り289 ppa+を含むTPAのE
Gスラリーを連続的に供給した。
同時にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より
酢酸マグネシウム四水塩のEG温溶液酢酸ナトリウムの
EG温溶液反応缶内を通過する反応生成物中のポリエス
テル単位ユニット当りMg原子として100pp■及び
Na原子として1101)9となるように連続的に供給
し、常圧にて平均滞留時間4.5時間、温度255℃で
反応させた。
この反応生成物を連続的に系外に取り出して、第2エス
テル化反応缶に供給した。第2エステル化反応缶内を通
過する反応生成物中のポリエステル単位ユニットに対し
て0.5重量部のEG、トリメチルホスフェートのEG
温溶液Pi子として64ppmおよび(2)で調製した
炭酸カルシウムのEGスラリーを炭酸カルシウムとして
2500ppmとにるようにそれぞれ別個の供給口より
連続的に供給し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、温
度260℃で反応させた。第1エステル化反応缶の反応
生成物のエステル化率は70%であり、第2エステル化
反応缶の反応生成物のエステル化率は98%であった。
該エステル化反応生成物を攪拌装置、分縮器、原料仕込
口および生成物取り出し口を設けた2段の連続重縮合反
応装置に連続的に供給して重縮合を行ない、固有粘度0
.620のポリエステルを得た。
得られたポリエステルを290℃で溶融押出しした後、
90℃で縦方向及び130℃で横方向に夫々3.5倍延
伸し、更に220℃で熱処理して12μmのフィルムを
得た。
得られたフィルムのボイドと透明性を観察したところ、
粒子の周辺にわずかにボイドが観察されるのみであり、
又透明性に関してもフィルムヘイズが4.8%と良好な
値を示し、ポリエステルと炭酸カルシウムの親和性は改
善されていた。またフィルムをスリットしたテープ状ロ
ールを使用して滑り性、耐摩耗性、耐久走行性を測定し
たところ、非常に優れた特性を有することがわかった。
実施例2 第2段階でのシラン化合物(2)としてγ−ジエトキシ
メチルシリルブロビルイソシアナートを用いる以外は実
施例1と同様にして、12μmのフィルムを得た。得ら
れたフィルムのボイドと透明性を観察したところ、ボイ
ドの量が極めて少なくフィルムヘイズも5.2%と良好
であった。
比較例1 表面処理を全く施さない炭酸カルシウム(平均粒径O,
aμm)を用い、それ以外は実施例1と同様にしてポリ
エステルフィルムを製造した。得られたフィルムについ
てボイドと透明性を観察したところ、炭酸カルシウムの
粒子径の2〜3倍もの大きさのボイドが多数存在するこ
とが確認され、又フィルムへイズも13.3%と極めて
悪く、合成樹脂と炭酸カルシウムの親和性は何ら改善さ
れていなかった。このフィルムをスリットしてロール状
とし、滑り性、耐摩耗性及び耐久走行性を測定したとこ
ろ特に耐摩耗性のテストにおいて多くの白粉発生がみと
められて、磁気テープ用ベースフィルムとして用いるに
は適さなかった。
比較例2 第2段階の表面処理のみを施した炭酸カルシウム(平均
粒径0.8μm)を用い、それ以外は実施例1と同様に
してポリエステルフィルムを製造した。得られたフィル
ムについてボイドと透明性を観察したところ、炭酸カル
シウムの周辺に炭酸カルシウムの粒子径の約2倍の大き
さのボイドが少数存在し、又フィルムヘイズは10.5
%であった。
従って第2段階の表面処理のみを施した炭酸カルシウム
を強化剤として合成樹脂に添加しても、親和性の改善に
対しては不十分であることがわかった。
比較例3 第1段階の表面処理のみを施した炭酸カルシウム(平均
粒径0.8μm)を用い、それ以外は実施例1と同様に
してポリエステルフィルムを製造した。得られたフィル
ムについてボイドと透明性を観察したところ、炭酸カル
シ゛ウムの周辺に炭酸カルシウムの粒子径の約1.5〜
2倍の大台さのボイドが少数存在し、又フィルムヘイズ
は7.8%であフた。従って第1段階の表面処理のみを
施した炭酸カルシウムを強化剤として合成樹脂に添加し
ても、親和性の改善に対しては不十分であることがわか
った。
以上の結果本発明の実施例は比較例に比べてフィルムの
透明性が向上することがわかった。
次に上記各実施例及び比較例のフィルムについて滑り性
、耐摩耗性及び耐久走行性テストを行なった結果を第1
表に示す。
第1表 第1表から明らかな様に本発明の実施例1及び2のいず
れも上記各性能に関し極めて優れた結果が得られた。特
に耐摩耗性及び耐久走行性に関しては実施例はいずれの
比較例に比べても格別の性能向上がみられた。
[発明の効果] 以上述べた如く本発明方法によれば、2段階に分けてシ
ラン化合物を添加して不活性無機粒子の表面を処理し、
合成樹脂と不活性無機粒子との親和性を改善することが
でき、その結果対象とする合成樹脂に延伸加工を施した
ときにおけるボイド発生の減少に顕著な効果が発揮され
ると共に本発明方法による表面処理を施した不活性無機
粒子を含有するポリエステルフィルムにあっては滑り性
、耐摩耗性及び耐久走行性が優れたものとなるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はフィルム粗面の繰り返し走行性能を測定するテ
ープ試験機の説明図である。 F・・・フィルム    2・・・フリーロール3・・
・張力検出装置  4・・・ガイドピン5・・・荷重 昭和62年11月25日 特許庁長官 小 川 邦 夫 殿 11件の表示 3 補正をする者 4、代理人 昭和 年 月 日  (自発) 6 補正の対象 明細書の「発明の詳細な説明」の欄 7、補正の内容 (1)明細書第21頁第13〜14行目のrトリポリ燐
酸ナトリウム(T P A IJを「トリポリmMナト
リウム」に訂正します。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)合成樹脂に配合剤として配合される不活性無機粒
    子の表面を処理するに当たり、該不活性無機粒子に下記
    (1)式の構造を有するシラン化合物(1)の加水分解
    物を添加して粒子の表面を処理した後、下記(2)式の
    構造を有するシラン化合物(2)の加水分解物を添加し
    て表面処理をし、且つ不活性無機粒子100重量部に対
    するシラン化合物の総添加量を1〜10重量部とするこ
    とを特徴とする不活性無機粒子の表面処理方法。 Si(OR^1)_4・・・(1) (式中R^1は炭素数1〜10の1価の有機残基を示す
    ) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(2) (式中p、q、rは、p+q+r=4、q≧2、r≧1
    、p=1又は0を満足する整数であり、R^2、R^3
    は1価の有機残基、R^4は少なくとも1個以上の官能
    基で置換された1価の有機残基)
  2. (2)不活性無機粒子を含み、少なくとも一軸方向に延
    伸したポリエステルフィルムであって、前記不活性無機
    粒子は、下記(1)式の構造を有するシラン化合物(1
    )の加水分解物を添加して粒子の表面を処理した後、下
    記(2)式の構造を有するシラン化合物(2)の加水分
    解物を添加して表面処理をし、且つ不活性無機粒子10
    0重量部に対するシラン化合物の総添加量を1〜10重
    量部であることを特徴とする不活性無機粒子含有配向ポ
    リエステルフィルム。 Si(OR^1)_4・・・(1) (式中R^1は炭素数1〜10の1価の有機残基を示す
    ) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(2) (式中p、q、rは、p+q+r=4、q≧2、r≧1
    、p=1又は0を満足する整数であり、R^2、R^3
    は1価の有機残基、R^4は少なくとも1個以上の官能
    基で置換された1価の有機残基)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02227439A (ja) * 1989-02-28 1990-09-10 Toshiba Silicone Co Ltd 二軸配向ポリエステルフィルム
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