JPS6329344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラーテレビジヨンカメラに係り、可
視光域外の分光透過率の異なる光学フイルタを切
換える構成とし、色再現性を重視する場合と輝度
感度を重視する場合とで夫々フイルタを切換え、
夫々の撮像状況に応じて最適の画像を得ることが
できるカラーテレビジヨンカメラを提供すること
を目的とする。

高感度撮像素子の一例としてニユービコン膜を
用いた場合の分光感度特性を第１図に示す。同図
中、特性は白黒の赤外線テレビジヨンカメラ等
に適した特性であるが、カラーテレビジヨンカメ
ラ等の場合Ｒ，Ｇ，Ｂの光３原色のバランスが悪
く、色再現性が悪い。そこで、カラーテレビジヨ
ンカメラ等では特性の如く赤色成分感度の低い
特性のものを用いるが、この特性のものでも光
３原色のバランスを十分とり得ず、実際には特性
の高感度撮像素子の前面に第２図に示す分光透
過率特性をもつ赤外線カツトフイルタを設けて
赤色成分の感度を低減するようにしている。

このような赤外線カツトフイルタを用いれば、
可視光域での透過率を下げることになるが、撮像
素子自体の持つている赤領域の感度を下げ得、カ
ラーテレビジヨンカメラにおける基本性能である
色再現の忠実性という点では好ましく、光３原色
のバランスがとれ、マトリクス回路からは第３図
に示す如きバランスのとれた相対出力を得ること
ができる。

然るにこのような利点がある一方、カラーテレ
ビジヨンカメラの場合、３原色の混合により得ら
れる白色信号（輝度信号）のうち少なからず赤色
信号成分の寄与する分が減じられることになる。
即ち、例えばNTSC方式の場合、輝度信号は、 Ｙ＝0.11B＋0.59G＋0.3R のように決定され、この例では赤色信号成分は30
％の割合で輝度信号に寄与しているが、赤色信号
成分が減じられれば輝度感度も減じられることに
なる。

このように、従来のカラーテレビジヨンカメラ
は、色再現を忠実に行なうようにするために第２
図に示す特性をもつ赤外線カツトフイルタを用
いると輝度感度が低下してしまい、高感度のビデ
オ信号を得ることができない欠点があつた。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以
下、図面と共にその一実施例について説明する。

第４図は本考案になるカラーテレビジヨンカメ
ラの一実施例の要部の概略図を示す。同図中、１
は例えば第１図に示す特性をもつ高感度撮像素
子を用いた撮像管である。２は例えば円板状のフ
イルタ部で、撮像管１の前面に回転自在に設けら
れており、第２図に示す特性をもつ第１の赤外
線カツトフイルタ（以下、第１のフイルタとい
う）と同図に示す特性をもつ第２の赤外線カツ
トフイルタ（以下、第２のフイルタという）とが
円周方向に並んで配列されている。

フイルタ部２は、テレビジヨンカメラ本体の操
作部に設けられている感度調整スイツチ３に連動
する赤外線カツトフイルタ切換スイツチ４の動作
により回転され、スイツチ３の操作による色再現
性重視モード時には第１のフイルタ（特性）、
輝度感度重視モード時には第２のフイルタ（特性
）が撮像管１の前面に対向する構成とされてい
る。

特性を持つ第１のフイルタは、上記の如く、
色再現が忠実に行なわれる一方、輝度感度が減じ
られるので、明るさが十分にある場所で理想的な
色再現性を得たい場合に用いる。

一方、第２のフイルタは、第１のフイルタの特
性の分光透過率特性に比して長波長寄りに分光
透過率特性をもつもので、第１のフイルタに比し
て赤色成分を通過する領域がより広い。このた
め、色再現は忠実でなくなる（理想的な色再現に
比して赤味がかつた画像になる）が、輝度感度が
減じられることはないので、理想的な色再現を犠
性にしても明るさが十分でない場所における被写
体を撮像したい場合に用いる。

上記第１のフイルタと第２のフイルタとの切換
えは感度調整スイツチ３で行なうが、例えば感度
６dB，１２dBアツプモードにおいて第１のフイ
ルタ、感度１８dBアツプモードにおいて第２の
フイルタを夫々用いるように構成されている。

ところが、明るさが非常に低く、第２のフイル
タに切換えても十分な画像を得ることができない
こともある。このような場合、フイルタ部２を更
に回転するようにして第１のフイルタ、第２のフ
イルタのいずれをも用いないように切換える構成
とすればよい。このようにすれば、色再現性は相
当に損なわれるも、輝度感度としては撮像管１の
感度を全て引出し得、暗い被写体でも明確に撮像
し得る。この場合、感度６dBアツプモードにお
いて第１のフイルタ、感度１２dBアツプモード
において第２のフイルタ、感度１８dBアツプモ
ードにおいてフイルタを用いないように夫々切換
えるように構成すればよい。

このように本考案は、暗い被写体の撮像時には
白黒信号を発生させるのではなくあくまでカラー
信号を発生させ、カラー撮像できる（色再現性は
多少犠牲になる）ようにするものである。

一方、第２のフイルタに切換えると、上記式
中、Ｒの項が増加するので、第２のフイルタの切
換えと連動してマトリクス回路におけるマトリク
ス量を上記増加分だけ減少するように切換える構
成としてもよい。このようにすれば、第２のフイ
ルタを用いても理想に近い色再現性を得ることが
できる。更に、上記切換えに連動して、色再現性
が不自然とならないように色回路のＲ，Ｇ，Ｂ成
分（クロマ量）を所定量減少させる。

上述の如く、本考案になるカラーテレビジヨン
カメラは、感度調整スイツチの輝度感度切換え操
作に連動するフイルタ切換スイツチにより、撮像
素子の前面でその撮像素子に夫々単独で対向する
ように切換えて配設される可視光域外の分光透過
率の異なる複数のフイルタ部分からなる光学フイ
ルタと、 該光フイルタの長波長寄りの分光透過率を有す
る光学フイルタ部分に切換えるほど、クロマ量及
び赤色成分のマトリクス量を減少させる色回路と
より構成したため、色再現性を重視する場合は短
波長寄りの分光透過率特性をもつ光学フイルタを
用い、輝度感度を重視する場合は長波長寄りの分
光透過率特性をもつ光学フイルタを用い、例えば
短波長寄りのものを用いれば明るさが十分ある被
写体であれば色再現性よく撮像し得る一方、長波
長寄りのものを用いれば色再現性が多少犠牲にな
るも明るさが十分でない被写体を明瞭に撮像し
得、特に後者の場合、暗い被写体の撮像時には白
黒信号を発生させるのではなくあくまでもカラー
信号を発生させ、カラー撮像でき、ニユース取材
や監視用等において有効であり、この場合、特に
大口径のいわゆる明るいレンズを用いないでもよ
いので安価に構成し得、又、このように光学フイ
ルタにて輝度感度を上昇させているので、信号レ
ベルをプリアツプ後のSN比の悪い部分で上昇さ
せる従来のものに比してノイズが増加することは
なく、SN比の高い高品質の画像を得ることがで
き、又、光学フイルタの切換えを、輝度感度切換
え操作に連動して行なうようにしているため、簡
単な操作で感度調整と分光透過率特性とを同時に
切換え得、感度調整と分光透過率特性切換えとを
別々に行なわなくてよいので円滑に操作し得、更
に、光学フイルタの切換えに伴つて色回路のマト
リクス量が切換えられる構成或いは光学フイルタ
の切換えに伴つて色回路のクロマ量が切換えられ
る構成としたため、上記色再現性を重視する分光
透過率特性をもつフイルタを用いた場合、３原色
の加色により得られる輝度信号において減じられ
る信号成分に対するマトリクス量或いはクロマ量
を増加すれば、色再現性よく、かつ、輝度感度も
十分得られ、つまり、十分な明るさの時の色再現
性を確保し乍ら暗い場所での十分な色再現性を得
ることができ、今までは写し得なかつたものも撮
像し得、ビデオカメラとしての活動範囲が広がる
等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は高感度撮像素子の分光感度特性図、第
２図は赤外線カツトフイルタの分光透過率特性
図、第３図はカラーテレビジヨンカメラから得ら
れるＲ，Ｇ，Ｂの相対出力特性図、第４図は本考
案カメラの一実施例の要部の概略図である。 １……撮像管、２……フイルタ部、３……感度
調整スイツチ、４……赤外線カツトフイルタ切換
スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 感度調整スイツチの輝度感度切換え操作に連動
   するフイルタ切換スイツチにより、撮像素子の前
   面でその撮像素子に夫々単独で対向するように切
   換えて配設される可視光域外の分光透過率の異な
   る複数のフイルタ部分からなる光学フイルタと、 該光フイルタの長波長寄りの分光透過率を有す
   る光学フイルタ部分に切換えるほど、クロマ量及
   び赤色成分のマトリクス量を減少させる色回路と
   より構成してなるカラーテレビジヨンカメラ。