JPH0823543A - 撮像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラー撮像装置において、撮像素子を大判化
することなく、色フィルタアレイにおける色フィルタの
配置により、良好な色再現を保ちつつ、感度アップをは
かる。 【構成】 視覚上、輝度信号に対して色差信号の解像度
が低くても良いことから、図示のように主として色差信
号にかかるＲ（赤）フィルタ，Ｂ（青）フィルタを水平
方向，垂直方向それぞれ３画素おきにオフセット構造に
配置し、その間にＹ（透明）フィルタを配置している。
このようにして、Ｙフィルタの割合を増して感度アップ
でき、Ｒフィルタ，Ｂフィルタをオフセット構造に配置
して格子構造の場合より色の水平方向，垂直方向の解像
度をアップできると共に、輝度信号における色モアレを
低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラー撮像装置に関
し、特にその撮像素子に設ける色フィルタアレイに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の撮像素子に設ける色フィ
ルタアレイとしては、図７に示すベイヤー方式がある。
この方式は、画素数に対し、水平方向，垂直方向の解像
度が高く、色再現の良好な方式として知られている。

【０００３】また、近年いわゆるムービー等で、感度を
重視した、図８に示す補正タイプの色フィルタアレイが
多く用いられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、補色タ
イプでは、画素間の差信号により色信号が作られるた
め、色ノイズ，色むらの問題が発生し易い。このためＡ
Ｅ（自動露出制御）精度が要求される。特にディジタル
の信号処理システムにおいては、高いＡ／Ｄ（アナログ
−ディジタル変換）精度が要求される。

【０００５】一方、近年の高画質化，高解像度化に伴
い、ピクセル（画素）・サイズが縮小し、撮像素子の感
度アップが重視されている。そこで、良好な色再現を保
ちながら、ベイヤー方式より、さらに感度の高いものが
望まれている。

【０００６】本発明は、このような状況のもとでなされ
たもので、撮像素子を大判化することなく、色フィルタ
アレイにおける色フィルタの配置により、良好な色再現
を保ちながら、感度アップをはかることを目的とするも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、前記目的を
達成するため、撮像装置を次の（１），（２），（３）
のとおりに構成する。

【０００８】（１）被写体の光学像を感光面に受けて電
気信号に変換する撮像素子と、前記感光面上に設けられ
た色フィルタアレイとを備えた撮像装置であって、前記
色フィルタアレイは、前記撮像素子の各画素に対応する
位置に個々の色フィルタが配置されるものであって、そ
の色フィルタは分光感度特性の異なる３種類の色フィル
タからなり、そのうちの２種類の色フィルタは水平方
向，垂直方向それぞれ３画素おきにオフセット構造に配
置され、もう１種類の色フィルタは残りの画素に配され
ている撮像装置。

【０００９】（２）色フィルタアレイは、オフセット構
造の色フィルタどうしが水平方向または垂直方向に隣合
っているものである前記（１）記載の撮像装置。

【００１０】（３）色フィルタアレイは、オフセット構
造の色フィルタどうしが水平方向と垂直方向に１画素お
きに配置されているものである前記（１）記載の撮像装
置。

【００１１】

【作用】前記（１），（２），（３）の構成では、色差
信号にかかる色フィルタが、水平方向，水垂方向に、３
画素おきにオフセット構造に配置されているので、良好
な色再現を保ちながら、感度アップすることができる。

【００１２】

【実施例】以下本発明を実施例により詳しく説明する。

【００１３】（実施例１）図２は実施例１である“撮像
装置”のブロック図であり、図１は実施例１で用いる色
フィルタアレイにおける色フィルタの配置を示す図であ
る。

【００１４】本実施例では、視覚上、輝度信号に対して
色差信号の解像度が低くても良いことから、色フィルタ
アレイは、図２に示すように主として色差信号にかかわ
るＲ（赤）フィルタ，Ｂ（青）フィルタを水平方向，垂
直方向それぞれ３画素おきにオフセット構造（斜め格子
構造ともいう）に配置している。そして、その間に輝度
信号用のＹ（透明）フィルタを配置している。

【００１５】ここでＲフィルタ，Ｂフィルタをオフセッ
ト構造としたことで、同画素数で格子構造（正方格子構
造ともいう）に配置した場合より、色の水平方向，垂直
方向の解像度をアップできると共に、輝度信号における
色モアレを低減することができる。

【００１６】図２により、図１の色フィルタアレイを用
いた本実施例の撮像装置の信号処理について説明する。

【００１７】図２において、１０１は不図示の光学系を
介して入射した被写体の光学像をその感光面に受けて電
気信号に変換する撮像素子である。この撮像素子１０１
の感光面上には、図１の色フィルタアレイが、その各色
フィルタが撮像素子１０１の各画素に対応するように設
けられている。撮像素子１０１より出力される信号は、
色分離部１０２−１により、それぞれＹ，Ｒ，Ｂ信号に
分離される。ここでこれらの信号はホワイトバランス部
１０３でホワイトバランスのため適切なゲインがかけら
れ、γ変換部１０４でγ変換される。ここで、Ｒ，Ｂに
ゲインをかけるだけでホワイトバランスを取っても良
く、この場合はＹ信号に対してゲインをかけなくても良
い。

【００１８】γ変換部１０４より出力されたＹ信号は、
Ｒ，Ｂ信号とともに補間フィルタ１０７−１，１０８−
１，１０９−１で同時化された後、加算器１１１，１１
２で差が取られ色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙとなり、色差信
号処理回路１１７−１でローパスフィルタ，ゲイン調整
等の処理により、所望の特性を持つ色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ
−Ｙが生成される。

【００１９】さらにγ変換部１０４より出力された輝度
信号は、輝度信号処理回路１１６−１で合成され、適切
なローパスフィルタリング，エンハンスメント等が行わ
れ、輝度信号として出力される。

【００２０】このように、本実施例では、従来よりＹフ
ィルタの割合を増し、Ｒフィルタ，Ｂフィルタをオフセ
ット構造とすることにより、良好な色再現を保ちなが
ら、感度アップをはかることができる。

【００２１】（実施例２）図３は、実施例２の撮像装置
で用いる色フィルタアレイを示す。実施例１の色フィル
タアレイでは、図１に示すように、オフセット構造を持
つ色フィルタどうしを垂直方向に隣合うように配置して
いるに対し、本実施例の色フィルタアレイでは、図３に
示すように、オフセット構造を持つ色フィルタどうしを
水平方向，垂直方向に１画素おきに配置している点が相
違する。

【００２２】本実施例においても、図２と同様の回路構
成により各信号の処理を行い、実施例１と同様の効果が
得られる。

【００２３】（実施例３）図５は実施例３である“撮像
装置”のブロック図であり、図４は実施例３で用いる色
フィルタアレイにおける色フィルタ配置を示す図であ
る。本実施例は、図４から明らかなように、実施例１に
おけるＹフィルタ（図１参照）のかわりにＧフィルタを
用いた例である。各色フィルタの配置の根拠は実施例１
と同様で、Ｒフィルタ，Ｂフィルタは３画素おきにオフ
セット構造に配置して良好な色再現を保ちつつ、このＲ
フィルタ，Ｂフィルタの間にＧフィルタを配置してＧフ
ィルタの割合を増して感度アップをはかるものである。

【００２４】図５により本実施例における信号処理につ
いて説明する。１００−２は図４に示す色フィルタ配置
の色フィルタアレイであり、撮像素子１０１の感光面上
に設けられている。ここで、撮像素子１０１より出力さ
れる信号は、色分離部１０２−２により、それぞれＲ，
Ｇ，Ｂ信号に分離される。ここでこれらの信号はホワイ
トバランス部１０３でホワイトバランスのため適切なゲ
インがかけられ、γ変換部１０４でγ変換される。ここ
で、Ｒ，Ｂにゲインをかけるだけでホワイトバランスを
とっても良く、この場合はＧ信号に対してゲインをかけ
なくとも良い。

【００２５】γ変換部１０４より出力されたＧ信号は
Ｒ，Ｂ信号とともに補間フィルタ１０７−２，１０８−
２，１０９−２で同時化された後、加算器１１１，１１
２で差が取られ差信号Ｒ−Ｇ，Ｂ−Ｇが形成される。こ
れらは色差信号処理回路１１７−２に入力され、次の変
換

【００２６】

【数１】

【００２７】により色差信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙに変換さ
れ、色差信号処理回路１１７−２でローパスフィルタリ
ング，ゲイン調整等の処理により所望の特性を持つ色差
信号Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙが生成される。

【００２８】さらにγ変換部１０４より出力されたＲ，
Ｇ，Ｂ信号はスイッチ回路１０６により読みだし順に並
べられ高域成分を含む輝度信号として出力される。この
輝度信号は、輝度信号処理回路１１６−２で合成され、
適切なローパスフィルタリング，エンハンスメント等が
行われ、輝度信号として出力される。さらに加算器１１
５で、輝度補正信号形成回路１１８からの出力 Ｃ１（Ｒ−Ｇ）＋Ｃ２（Ｂ−Ｇ）……（２） が加算される。このＣ１，Ｃ２の値は例えば次のもので
ある。

【００２９】 Ｃ１＝０．１７５，Ｃ２＝−０．０１５……（３） これらは前述した差信号Ｒ−Ｇ，Ｂ−Ｇより形成され
る。輝度補正信号形成回路１１８はこれらの信号に対す
る定数乗算器および加算器で構成されている。この輝度
補正信号を加算することにより輝度信号の分光特性が補
正され、視感度にあった良好なＹ信号を得ることができ
る。

【００３０】このようにして、本実施例においても実施
例１と同様の効果が得られる。

【００３１】（実施例４）図６は実施例４の“撮像装
置”で用いる色フィルタアレイを示す。本実施例は、図
６から明らかなように、実施例２におけるＹフィルタの
かわりにＧフィルタを用いた例であり、各色フィルタの
配置の根拠は実施例１と同様である。

【００３２】本実施例においても図５と同様の回路構成
により信号処理を行い、実施例１と同様の効果が得られ
る。

【００３３】（変形）以上の各実施例では、オフセット
構造の色フィルタにＲフィルタ，Ｂフィルタを用い、残
りをＹフィルタまたはＧフィルタとしているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、他の色フィルタの組
合せで実施することができる。

【００３４】また、実施例１，実施例３では、色フィル
タアレイに、オフセット構造の色フィルタどうしが垂直
方向に隣り合っているものを用いているが、これに限ら
ず、水平方向に隣合っている色フィルタアレイを用いる
形で実施することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
良好な色再現を保ちながら感度アップをはかることがで
きる。

【００３６】また、本発明は、ビデオカメラ等動画像の
撮像装置に限らず、電子スチルカメラ等静止画像の撮像
装置においても、良い画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例１で用いる色フィルタアレイにおける
色フィルタの配置を示す図

【図２】 実施例１のブロック図

【図３】 実施例２で用いる色フィルタアレイにおける
色フィルタの配置を示す図

【図４】 実施例３で用いる色フィルタアレイにおける
色フィルタの配置を示す図

【図５】 実施例３のブロック図

【図６】 実施例４で用いる色フィルタアレイにおける
色フィルタ配置を示す図

【図７】 従来例１の色フィルタアレイを示す図

【図８】 従来例２の色フィルタアレイを示す図

【符号の説明】

１０１ 撮像素子 １００−１，１００−２ 色フィルタアレイ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体の光学像を感光面に受けて電気信
   号に変換する撮像素子と、前記感光面上に設けられた色
   フィルタアレイとを備えた撮像装置であって、前記色フ
   ィルタアレイは、前記撮像素子の各画素に対応する位置
   に個々の色フィルタが配置されるものであって、その色
   フィルタは分光感度特性の異なる３種類の色フィルタか
   らなり、そのうちの２種類の色フィルタは水平方向，垂
   直方向それぞれ３画素おきにオフセット構造に配置さ
   れ、もう１種類の色フィルタは残りの画素に配置されて
   いることを特徴とする撮像装置。
2. 【請求項２】 色フィルタアレイは、オフセット構造の
   色フィルタどうしが水平方向または垂直方向に隣合って
   いるものであることを特徴とする請求項１記載の撮像装
   置。
3. 【請求項３】 色フィルタアレイは、オフセット構造の
   色フィルタどうしが水平方向と垂直方向に１画素おきに
   配置されているものであることを特徴とする請求項１記
   載の撮像装置。