JPH06197371A - スチルビデオカメラのホワイトバランス調整方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度の良いホワイトバランスデータを再生す
ることのできるスチルビデオカメラを得る。 【構成】 スチル画の撮影前と撮影後にニュートラルグ
レーの標準反射板をレンズ１を通してＣＣＤ２で撮影
し、ＲＧＢプロセス回路５でホワイトバランスデータを
作成し、デート回路７からの日時データと共に記録媒体
６に記録する。 【効果】 ２つのホワイトバランスデータを用いて、そ
れらの間の復数枚のスチル画に対するそれぞれ適当なホ
ワイトバランスデータを求め、それを用いてホワイトバ
ランス調整を精度良く行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ホワイトバランス調整
のためのホワイトバランスデータを記録するスチルビデ
オカメラのホワイトバランス調整方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、スチルビデオカメラにおいては、
撮影時の照明光の色温度に応じてホワイトバランスを別
途記録媒体に記録し、このホワイトバランスデータを基
に再生画像信号に対してホワイトバランス調整をとるよ
うにしている。このホワイトバランスデータを得る方法
として、従来より大きく分けて次の２通りの方法が用い
られている。

【０００３】第１の方法はカメラの前面に乳白色の光線
を散乱させるフィルタを配し、このフィルタごしに入力
される光線の中のＲ（赤色）成分とＢ（青色）成分との
比率を求め、この値をホワイトバランスデータとする方
法である。この場合の回路ブロック図を図７に示す。

【０００４】図７において、撮影用レンズ１を通った光
はＣＣＤ等の撮像素子２で撮像される。撮像された信号
はＡ／Ｄコンバータ３でディジタルデータに変換された
後、Ｙ／Ｃプロセス回路４で処理され、ビデオ信号とな
って記録媒体６に記録される。一方、ホワイトバランス
用の散乱フィルタ８を通った光はホワイトバランスセン
サ９によりＲとＢの比を求められ、ホワイトバランスデ
ータとして記録媒体６に記録される。

【０００５】次に第２の方法は、いわゆるＴＴＬ（Thro
ugh The Lense ）方式のホワイトバランス調整方法であ
り、撮影を行う前にニュートラルグレーの標準反射板を
撮影してちょうどカラーネガフィルムによる「照射光ネ
ガ」に相当するものをホワイトバランスデータとして記
録しておく方法である。尚、上記ＴＴＬ方式の場合は図
７における散乱フィルタ８及びホワイトバランスセンサ
９は用いられない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では次のような問題があった。上記第１の方法では、
被写体を照らしている光源の方向が、常に一定ではな
く、また、周囲の物体の色に左右される等の理由により
ホワイトバランスセンサ９の出力であるホワイトバラン
スデータの精度に問題があり、完璧なホワイトバランス
再生は不可能であった。

【０００７】また、上記第２の方法では、例えば朝夕の
自然光下での撮影時等のように、時間と共に光源の色温
度が変化していく状態で撮影を行う場合、標準反射板を
撮影して得たホワイトバランスデータは実際にスチル画
を撮影したときのリアルタイムのデータではないので、
時間的に後から撮影した画像程ホワイトバランスが狂う
という問題があった。

【０００８】この発明は上記のような問題を解決するた
めになされたもので、精度の良いホワイトバランスデー
タを記録し、これを再生画像のホワイトバランス調整に
用いることのできるスチルビデオカメラのホワイトバラ
ンス調整方法を得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明において
は、スチル画の撮影に際してホワイトバランスデータを
測定し、これを日時データ等と共に記録し、再生時に日
時データ等によりスチル画を特定し、対応するホワイト
バランスデータを用いてホワイトバランス調整を行うよ
うにしたものである。

【００１０】請求項２の発明においては、撮影前と撮影
後にホワイトバランスデータを測定して記録し、それら
の間で撮影したスチル画に対して再生時に、２つのホワ
イトバランスデータから演算により求めたデータを用い
てホワイトバランス調整を行うようにしたものである。

【００１１】

【作用】請求項１の発明によれば、ホワイトバランスデ
ータを得たときに撮影したスチル画を日時データ等で特
定して、そのデータを用いて再生時にホワイトバランス
調整を行うことができる。

【００１２】請求項２の発明によれば、再生時に記録さ
れた２つのホワイトバランスデータを用いて、それらの
間で撮影された複数枚のスチル画に対してそれぞれ精度
の良いホワイトバランス調整を行うことができる。

【００１３】

【実施例】図１は本発明の実施例を示す回路ブロック図
であり、図中、１は撮影用レンズ、２はＣＣＤ等の撮像
素子、３は撮像素子２の出力信号を画素ごとにディジタ
ル信号に変換するＡ／Ｄコンバータ、５はＡ／Ｄコンバ
ータ３の出力であるディジタル画素データを処理してＲ
ＧＢディジタルデータに変換するＲＧＢプロセス回路、
６はＲＧＢプロセス回路５の出力であるＲＧＢディジタ
ルデータを記録する記録媒体、７は日付け及び時間に関
する日時データを出力するデート回路である。

【００１４】図２は撮像素子２の前面に配される色フィ
ルタを示すもので、図のようにＭｇ（マゼンタ）、Ｇ
（緑）、Ｃｙ（シアン）、Ｙｅ（イエロー）が画素ごと
に配列された補色フィルタが用いられている。

【００１５】次に動作について説明する。

【００１６】まず、スチル画の撮影を行う前に、ニュー
トラルグレーの標準反射板を撮影し、この画像をホワイ
トバランスデータとしてデート回路７の日時データと共
に記録媒体６に記録する。同一条件の光源下（例えばス
タジオ照明やストロボ照明時等）で復数枚のスチル画を
撮影した場合は、再生時には全てのスチル画に対して上
記のホワイトバランスデータを用いればよい。その際用
いるホワイトバランスデータは日時データから判別する
ことができる。

【００１７】一方、刻々と照明光が変化する場合（例え
ば朝夕の自然光下）は、スチル画の撮影の最後に再度標
準反射板を撮影してホワイトバランスデータを作成し、
日時データと共に記録する。

【００１８】図３はホワイトバランスデータとしてのＲ
（赤色光）とＢ（青色光）のレベルをそれぞれヨコ軸、
タテ軸にとり、２次元的に表わしたものであり、同図に
おいて、色温度は右下に行く程低くなり、左上に行く程
高くなる。

【００１９】例えば、夕方等時間と共に光源の色温度が
低くなる場合について説明する。図３において、撮影開
始前の、比較的色温度が高い時に撮影した標準反射板に
よるホワイトバランスデータを「ＷＢ１」で示し、撮影
後の色温度が低くなってから得られたホワイトバランス
データを「ＷＢ２」で示す。一般に、この２回のホワイ
トバランスデータの測定の間に撮影されたスチル画像
は、図３中の「ＷＢ１」と「ＷＢ２」との間に有る。

【００２０】そこで、再生時には、日時データから判別
して得たホワイトバランスデータＷＢ１、ＷＢ２の２点
間の値を演算処理により任意に選択し、それをホワイト
バランスデータとして用いれば、より望ましいホワイト
バランスがとれる。また、「夕焼」の効果を残して、や
やアンバー系に色調を寄せたい時は、「ＷＢ１」と「Ｗ
Ｂ２」の延長線上のＷＢ０とＷＢ２との間で同様の処理
を行うことにより可能となる。

【００２１】尚、ホワイトバランスデータを得る際、全
画面分の画素データを用いる必要はなく、画面中央部分
の例えば８×８画素程度のデータを用い、これを記録す
るだけでもよい。また、Ｒ及びＢの各データの内、中央
部の１０画素相等程度の平均値を用いるだけでもよい。

【００２２】さらに、いずれの場合も、用いるホワイト
バランスデータは、日時データによらず「コマ番号」等
のＩＤコントロールにより行うことも可能であり、その
場合、デート回路７は不要となる。なお、ここでは上記
コマ番号等のデータも日時データとする。

【００２３】〔他の実施例〕以上述べてきた実施例で
は、撮像素子２が図２に示したような補色配列の色フィ
ルタを用いた場合を前提として、ＲＧＢプロセス回路５
を設けているが、ホワイトバランスデータとして補色の
まま、画像中央部のＹｅ、Ｃｙ、Ｇのそれぞれの平均値
をそのまま記録し、再生時にこのデータからＲ及びＢの
値を次のように算出しても良い。Ｒ＝Ｙｅ−Ｇ，Ｂ＝Ｃ
ｙ−Ｇ（但し、係数は含まず）。この時の回路ブロック
図は図４のようになり、図中１０は信号切替用のスイッ
チ（マルチプレクサ）である。

【００２４】また、撮像素子２が、図５に示すようなＲ
ＧＢ原色配列の色フィルタを用いる場合は、撮影中及び
ホワイトバランスデータ取り込み時のいずれもＲＧＢプ
ロセス回路５の処理は不要であり、この場合は図６に示
すような回路構成となる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、ホワイトバラ
ンスデータを測定し、日時データと共に記録するように
したので、再生時にホワイトバランスデータを測定した
ときに撮影したスチル画を日時データ等を用いて特定
し、そのスチル画に対してそのホワイトバランスデータ
を用いてホワイトバランス調整を精度良く行うことがで
きる効果がある。請求項２の発明によれば、撮影前と撮
影後にホワイトバランスデータを測定して日時データと
共に記録すると共に、再生時に記録された２つのホワイ
トバランスデータを用いてそれらの間に撮影されたスチ
ル画に対してホワイトバランス調整を行うようにしたの
で、時間的に変化する光源の下で撮影された復数枚のス
チル画に対してそれぞれ適切なホワイトバランスをとる
ことができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すブロック図である。

【図２】補色配列の色フィルタの構成図である。

【図３】ホワイトバランスデータの一例を示す特性図で
ある。

【図４】本発明の他の実施例を示すブロック図である。

【図５】ＲＧＢ配列の色フィルタの構成図である。

【図６】本発明のさらに他の実施例を示す構成図であ
る。

【図７】従来のスチルビデオカメラのブロック図であ
る。

【符号の説明】

１ 撮影用レンズ ２ 撮像素子 ５ ＲＧＢプロセス回路 ６ 記録媒体 ７ デート回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スチル画の撮影に際して、被写体の色温
   度に関するデータとしてのホワイトバランスデータを測
   定し、これを日時データと共に記録媒体に記録し、 再生時に再生されるスチル画に対応するホワイトバラン
   スデータを上記日時データにより選択し、これを用いて
   ホワイトバランス調整を行うようにしたスチルビデオカ
   メラのホワイトバランス調整方法。
2. 【請求項２】 被写体の色温度に関するデータとしての
   ホワイトバランスデータをスチル画の撮影前と撮影後に
   それぞれ測定してこれを日時データと共に記録媒体に記
   録し、 再生時に上記２つのホワイトバランスデータを測定する
   間に撮影されたスチル画に対して上記２つのホワイトバ
   ランスデータ及び上記日時データから演算されたホワイ
   トバランスデータを用いてホワイトバランス調整を行う
   ようにしたスチルビデオカメラのホワイトバランス調整
   方法。