JP2724924B2 - ビデオカメラ - Google Patents

ビデオカメラ

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JP2724924B2
JP2724924B2 JP3140105A JP14010591A JP2724924B2 JP 2724924 B2 JP2724924 B2 JP 2724924B2 JP 3140105 A JP3140105 A JP 3140105A JP 14010591 A JP14010591 A JP 14010591A JP 2724924 B2 JP2724924 B2 JP 2724924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光学的撮影像情報から
TV映像信号を生成するビデオカメラに関し、特に、電
気的撮影像を増幅する自動利得制御(AGC)増幅器の
増幅率を調整するための構成に関する。より特定的に
は、画面分割信号に従って画面を分割し、分割画面の所
定のパラメータの評価値からAGC増幅器の利得を調整
する構成のビデオカメラにおける画面分割信号発生方式
に関する。
【0002】
【従来の技術】図14は従来のビデオカメラのカメラ部
の一般的構成を概略的に示す図である。図14において
は個体撮像素子が1個用いられる単板方式のビデオカメ
ラが一例として示される。
【0003】図14を参照して、ビデオカメラは、被撮
影体を反映する入射光を所定の結像面上に結像させるた
めの光学系1と、光学系1の結像面上に配置され、与え
られた入射光情報(光学的撮影像情報)を電気信号に変
換し、撮影像情報を生成するたとえばCCD(電荷結像
素子)からなる撮像素子2を含む。光学系1および撮像
素子2は撮像手段を構成する。
【0004】ビデオカメラはさらに、撮像素子2からの
撮影像情報を受けてノイズ低減および直流分再生等の前
処理を行ない色キャリア(色成分)を含む映像信号YA
および光量輝度信号YCを生成する前置処理ブロック3
と、前置処理ブロック3からの映像信号YHから輝度成
分を抽出して所定の処理を施して同期信号等を含む輝度
信号Yを出力する輝度信号処理ブロック4と、前置処理
ブロック3からの映像信号YHから色キャリア(色成
分)を抽出して所望の処理を施してクロマ信号Cを出力
する色信号処理ブロック5と、輝度信号処理ブロック4
からの輝度信号Yと色信号処理ブロック5からのクロマ
信号Cとを混合してTV映像信号TVを出力する混合回
路6とを含む。輝度信号処理ブロック4、色信号処理ブ
ロック5および混合器6は映像信号処理ブロックを構成
する。輝度信号処理ブロック4は、またγ補正後の輝度
信号YHγを発生する。
【0005】ビデオカメラはさらに、光学系のレンズ位
置データLPIおよび絞り位置データEPIに従って光
学系に含まれるレンズ(フォーカシングレンズおよびズ
ームレンズ:これらについては後述する)を制御するた
めのフォーカシングレンズ駆動信号FLDおよびズーム
レンズ駆動信号ZLDを生成するAF/ズーム制御回路
7と、前置処理ブロック3からの光量輝度信号YCを通
して光学系に含まれる絞りを自動調整するための絞り駆
動信号EDを発生する自動絞り制御回路(以下、単にA
LC回路と称す)8と、ビデオカメラの各種動作に必要
な内部タイミング信号を発生するタイミングパルス発生
器9を含む。AF/ズーム制御回路7はまた、輝度信号
処理ブロック4からのγ補正された輝度信号YHγと光
学系からの絞り位置データEPIとに応答して光学系に
含まれるフォーカシングレンズの位置を自動調整する機
能を備える。
【0006】図15は図1に示す光学系のより具体的な
構成の一例を示す図である。図15を参照して、光学系
1は被撮影体を反映する入射光を撮像素子2の表面に形
成された結像面上に結像するためフォーカシングレンズ
11と、撮影者が意図する被写体構図(または画角)を
設定して撮像素子2表面の結像面上に結像させるための
ズームレンズ12と、光学系1の所定位置に配置され、
入射光の光量を調整するための絞り13を含む。このフ
ォーカシングレンズ11の位置を、図1に示すAF/ズ
ーム制御回路7からのフォーカシングレンズ駆動信号F
LDに従って調整することにより、被撮影体までの距離
が変化してもこの被撮影体に対し自動的合焦動作を行な
って結像面を変化させることなく結像させることができ
る。
【0007】また、ズームレンズ12は、撮影者が被撮
影像を高倍率で撮影したい場合または高画角で撮影した
い場合に所望の構図で被撮影像を撮像素子2表面の結像
面上に結像させる。そのときまたAF/ズーム制御回路
7(図14参照)は、輝度信号処理ブロック4からのγ
補正後の輝度信号YHγおよび光学系1からの絞り位置
データEPI等に従って撮影像情報のたとえば高域成分
を抽出して正確にズームレンズ12駆動時においても合
焦動作が行なわれているかを判別し、その判別結果に従
ってフォーカシングレンズ11の位置を調整する。
【0008】図16は、図14に示す前置処理ブロック
の具体的構成の一例を示す図である。図16を参照し
て、前置処理ブロック3は、撮像素子2により光電変換
を経て電気信号に変換された撮影像情報AIを受けてノ
イズ除去のための相関二重サンプリングおよび直流分再
生のためのクランプ動作を行なうCDS・クランプ回路
31と、CDS・クランプ回路31からの光量輝度信号
YCの振幅調整を行なうための自動利得制御回路(以
下、単にAGC回路と称す)300を含む。AGC回路
300は、CDS・クランプ回路31からの光量輝度信
号YCを増幅するためのAGC増幅器32と、AGC増
幅器32の増幅率を調整するための増幅率制御ブロック
30を含む。増幅率制御ブロック30は、AGC増幅器
32からの映像信号を受け、所定の低域成分のみを通過
させるローパスフィルタ(LPF)33と、ローパスフ
ィルタ33からのアナログ信号を所定のサンプリング速
度でサンプリングしてデジタル信号に変換するA/D変
換器34と、A/D変換器34からのデジタル信号に対
し、画面分割信号SDに従って画面分割を行ないたとえ
ばマイクロプロセシングユニット(MPU)からなる利
得制御回路37から発生される重みWCを分割画面ごと
に付加する画面分割/重み付け回路35と、画面分割/
重み付け回路35からの重みづけされた信号を各分割画
面ごとに積分する積分器36を含む。利得制御回路37
は、また積分器36からの積分データを評価データとし
てAGC増幅器32の増幅率を調整する。利得制御器3
7の別の構成として、積分器36から出力される分割画
面情報が所定の一定値となるようにAGC増幅器32の
利得(増幅率)を制御する構成も用いられている。
【0009】CDS・クランプ回路31からの光量輝度
信号YCは、入射光量に対応するレベルを有しており、
この光量輝度信号YCに応答してALC回路8は光学系
1に含まれる絞り13を調整し入射光量を最適値に設定
する。AGC増幅器32の増幅率を調整することによ
り、撮影像情報の信号振幅が最適値となるように増幅ま
たは制限される。このAGC増幅器32から色キャリア
を含む映像信号YHが出力される。
【0010】図17は図14に示す輝度信号処理ブロッ
クの具体的構成の一例を示す図である。図17を参照し
て、輝度信号処理ブロック4は、前置処理ブロック3か
らの映像信号YHから色キャリアを除去するキャリア除
去回路41と、キャリア除去回路41からの出力信号に
対しγ補正を行なうγ補正回路42と、γ補正回路42
の出力に対しアパーチャ補正を行なうためのアパーチャ
補正回路43と、アパーチャ補正回路43に対し、ホワ
イトクリップ、セットアップ付加および同期信号付加等
を行なって輝度信号Yを生成する輝度信号生成回路44
を含む。
【0011】キャリア除去回路41は、映像信号YHに
含まれる色キャリア成分を除去し輝度信号成分のみを通
過させる。γ補正回路42は、入射輝度信号YHが入射
光量に対し直線的に変化するようにその入力電圧と出力
電圧との関係を補正する。アパーチャ補正回路43は、
撮像素子2のアパーチャ効果による高域低下を補償す
る。輝度信号生成回路44は、輝度信号の最大レベルを
所定値以下に抑えるホワイトクリップ機能と、カラーバ
ースト信号の再生レベルを設定するためのセットアップ
付加と水平および垂直同期信号を付加する同期信号付加
機能とを備える。
【0012】図18は、図14に示す色信号処理ブロッ
クの具体的構成の一例を示す図である。図18を参照し
て、色信号処理ブロック5は、前置処理ブロック3から
の映像信号YHから色キャリアを抽出し、この色キャリ
アに含まれる三原色(赤、緑および青)の三原色信号
R,GおよびBを抽出する色分離回路51と、ホワイト
バランス制御回路57からの制御信号に応答して、原色
信号R,GおよびBのそれぞれの増幅率を調整して増幅
するホワイトバランス増幅回路52と、ホワイトバラン
ス増幅回路52からの原色信号R,GおよびBそれぞれ
に対してγ補正を行なうγ補正回路53と、γ補正回路
53からの三原色信号をマトリクス処理して色差信号B
−YおよびR−Yを生成するマトリクス回路54と、マ
トリクス回路54からの色差信号B−Y,R−Yに応答
して、図14に示すタイミングパルス発生器9から発生
されるサブキャリア(図示せず)をこの色差信号で変調
するとともに同様タイミングパルス発生器9からのカラ
ーバースト信号CBを付加し、色差信号B−YおよびR
−Yのクロマ変調を行なうクロマ変調回路55と、クロ
マ変調回路55からの出力信号を受け、クロマ抑圧処理
を行なってクロマ信号Cを出力する抑圧器56を含む。
【0013】ホワイトバランス制御回路57は、γ補正
回路53からの原色信号レベルに従って再生画像の色バ
ランスが正確に被撮影像の色濃度を反映した色合いとな
るようにホワイトバランス増幅回路52の各色信号に対
する増幅率を制御する。クロマ変調回路55は、マトリ
クス回路54からの色差信号B−YおよびR−Yを同時
化処理した後所望のクロマ信号を生成する。抑圧器56
は、クロマ変調回路55からのクロマ信号の所定の周波
数成分を抑圧し、色信号成分が輝度信号周波数領域に漏
れ込まないようにする。
【0014】タイミングパルス発生器9は、撮像素子に
おける水平および垂直方向の駆動信号および各処理回路
で用いられるタイミングパルス(同期信号、バースト信
号等)を発生する。
【0015】AGC回路300は、図16に示すように
AGC増幅器32と、増幅率制御ブロック30を含む。
この増幅率制御ブロック30に含まれる画面分割/重み
づけ回路35の動作に着目する。ここで画面分割とは、
映像信号をTVモニターに映し出したときに、その画面
上を予め定められた規則に基づいて分割するような処理
を、時系列で与えられる映像信号に対して行なうことを
示す。たとえば図19に示すように画面SCRが中央部
の分割画面領域1とこの分割画面領域1を囲む分割画面
領域2に分割される。この図19に示す分割画面構成の
場合、タイミングパルス発生器9からのタイミングパル
ス(垂直基準信号および水平基準信号を含む)に従って
利得制御回路37から、各分割領域に対し画面分割信号
SCDが発生される。すなわち、図19に示す2分割画
面構成の場合、この分割画面領域1,2に応じて画面分
割信号SDが発生され、この画面分割信号SDに応答し
て利得制御回路37から発生される一定の重み係数WC
をA/D変換器34から出力されたデジタル信号に付加
して出力する。図19に示す構成においては、分割画面
領域1に対し重みづけ係数が1、周辺分割画面領域2に
対しては重みづけ係数が0.5の場合が一例として示さ
れる。この図19に示す場合、撮影像に含まれる撮影者
が目的とする被写体は画面中央部に位置すると想定して
いる。
【0016】分割画面構成としては図20に示すように
分割画面領域1ないし5の5分割のような多分割構成が
用いられる場合もある。この図20に示す構成の場合、
各分割画面領域1〜5に対し重みづけ係数値が1、0.
7、0.5、0.5、0.3と予め定められており、各
分割領域に対して利得制御回路37から一定の重みづけ
係数WCが発生される。この図20に示す分割画面領域
の場合、複写体に対応する中央分割画面領域1に対する
重みづけ係数WCの値が最も大きく、画面上部の分割画
面領域5は背景画像である可能性が高いとしてその重み
づけ係数WCの値が0.3と小さくされている。
【0017】上述のように、被写体からの情報を重視し
てAGC増幅器32の利得を調整することにより、被写
体の明るさに応じた最適なTV映像信号を導出すること
ができる。
【0018】この画面分割および重みづけ処理は、AG
C評価データを生成する上で重要な役割を果たしてお
り、このAGC評価データの処理によりAGC回路の制
御特性が決定づけられる。
【0019】画面の分割パターンとしては、その一例を
図19A,19B、および図20に示すが、この他にも
種々実用化されている。この分割画面のパターンは各ビ
デオカメラにおいて予め固定的に設定されている。した
がって、このような固定された分割画面に対しては、分
割画面を区別するための分割信号SDは予め定められた
パターンに従って信号を発生するタイミングパルス発生
器等から発生される。
【0020】図21は、画面分割信号SD発生方式の一
例を示す図である。この図21に示す構成においては、
画面分割用タイミング発生器90から所定のタイミング
で画面分割信号SDが発生される。この場合、一つの分
割画面パターンのみが利用される。画面分割用タイミン
グ発生器90は、図14に示すタイミング発生器9中に
含まれており、基準クロック信号(A/D変換器34に
おけるサンプリング速度を決定する)をカウントし、A
/D変換器34から出力される画像データの画面上の位
置をモニターする。
【0021】画面分割用タイミング発生器90は、その
カウント値が所定値に達すると、画面分割信号SDを発
生する。画面分割信号SDにより、画面分割/重みづけ
回路35は、A/D変換器34から与えられるデジタル
信号(画像データ)がどの分割画面の画素を表現してい
るかを知り、利得制御回路37から画面分割信号SDと
同期して与えられる重みづけ係数WCを与えられたデジ
タル画像データに乗算して積分器36へ与える。したが
って、画面分割/重みづけ回路35からは、画像データ
が画面上水平方向において分割画面単位で重みづけされ
た信号が出力される。利得制御回路37は、各分割領域
ごとに積分器36の出力を図示しない記憶手段にストア
ーし、このストアーされた各分割領域の積分値に従って
AGC増幅器32の出力信号振幅が最適値となるように
AGC増幅器32の増幅率を調整する。
【0022】ここで、利得制御回路37はたとえばマイ
クロコンピュータにより構成されており、重みづけ係数
WCの出力タイミングは、たとえば図示しない経路を介
してタイミング発生器9から与えられる基準クロック信
号をカウントし、そのカウント値に従って分割画面に対
応する重みづけ係数WCを出力する。
【0023】利得制御回路37の処理においては、重み
づけ係数WCを一定とし、各分割領域の積分値(または
その平均値)を所定の基準値と比較しその差に応じてA
GC増幅器32の利得を調整する方法と、各分割画面領
域の積分値(または平均値)を評価値とし、たとえばフ
ァジィ推論などを行なって重みづけ係数WCの値を変更
するとともにそのときの各分割領域の画像データの積分
値(または平均値)に従ってAGC増幅器32の増幅率
を調整する方法とがある。
【0024】複数の分割画面パターンが用いられる場合
もある。たとえば、被写体深度に応じて図19に示す2
分割画面パターンと図20に示す多分割画面パターンと
を切り換える(この切り換えの判断は利得制御回路37
が積分器36の出力を評価して行なう)場合である。画
面分割の切り換えは、例えばオートフォーカスモードに
おいては、焦点評価値、分割領域の輝度情報およびズー
ム情報等を用いて行なわれている。このような複数の分
割画面パターンが用いられる場合、図22に示すような
画面分割信号発生方式が用いられる。図22において、
画面分割信号SDを発生するために、タイミングパルス
発生器9からの水平基準信号HRと垂直基準信号VRを
受けて複数種類(図示の例では3種類)の分割画面パタ
ーンに対応する分割パターン信号A,BおよびCを発生
する画面分割信号発生器91と、利得制御回路37から
の切り換え信号SWに応答して画面分割信号発生器91
の出力を選択して画面分割信号SDを出力する選択回路
92とが設けられる。
【0025】分割パターン信号A,BおよびCは、予め
固定的かつ静的に分割画面パターンに対応してその発生
タイミングが設定される。利得制御回路37からの切り
換え信号SWにより分割パターン信号A,BおよびCの
うちの一つが選択され、選択された分割画面パターンに
対応する画面分割信号SDが発生される。利得制御回路
37は、分割画面パターン各々に対応して予め重みづけ
係数WCの組を記憶しており、選択された分割画面パタ
ーンに従って重みづけ係数の組から順次重みづけ係数W
Cを選択して出力する。この利得制御回路37からの重
みづけ係数WCは、画面分割信号SDに同期して発生さ
れる。この場合、利得制御回路37は、図示しない経路
を介してタイミング発生器9からの基本クロック信号を
カウントし、そのカウント値から選択された分割画面パ
ターンに対応して出力される重みづけ係数WCの出力タ
イミングを知る。この基本クロック信号としてA/D変
換器34のサンプリング速度を決定するサンプリング信
号が用いられてもよく、また水平基準信号HRおよび垂
直基準信号VRおよびこのサンプリング信号の組み合わ
せが用いられてもよい。
【0026】図22に示す構成においても、図21に示
す構成において説明したと同様に、重みづけ係数WCの
値は、一定の場合と積分器出力に応じて調整される場合
とがある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述のような構成およ
び制御方式を備えるAGC回路を有するビデオカメラに
おいて以下の条件下での撮像を考察する。
【0028】条件(1):図23に示すように被写体O
Bの後方に光源OSが配置された場合;この場合、ビデ
オカメラVDCへ光源OSからの光が直接入射し、一
方、被写体OBはこの後部の光源OSからの光を遮断す
る。この条件(1)の撮像画面の構成は図24に示すよ
うになり、被写体OBは光源OSの光を遮るため少し暗
くなり、一方、背景が光源OSからの光により明るくな
る。このような場合、上述の方法に従ってAGC回路の
利得を調整した場合、分割画面領域は固定されているた
め、暗い被写体領域と明るい背景領域(周辺画像領域)
とが同一の分割画面内に存在することになり、この分割
画面領域における画像データの積分器出力が大きくな
り、AGC増幅器32の利得を不必要に低下させる制御
が行なわれる。この結果、撮影者が目的とする被写体像
は暗く沈んでしまい、鮮明な被写体画像を得ることがで
きなくなってしまう。
【0029】条件(2):図25に示すように、周囲が
暗い場所で被写体OBに対して光源OSからスポット光
が照射され、ビデオカメラVDCへは直接光源OSから
の光が入射しない場合;この場合の撮像画面は図26に
示すように、暗い背景(周囲画像)の中に被写体のみが
明るく照らし出される構成となる。このとき、分割画面
は明るい被写体と暗い背景とを含むため、AGC増幅器
の利得は暗い背景の影響を受けるため不必要に大きくさ
れる。この結果、撮影者が目的とする被写体像が白くと
んでしまう。
【0030】上述の条件(1)および条件(2)の場合
のように、撮影者が目的とする被写体像が周囲の撮像条
件により影響を受け、最適な撮映像を得ることができな
くなる問題のことを一般的に「背景引かれ」と呼ぶ。こ
の「背景引かれ」の問題の原因は、ビデオカメラを使用
する条件としては、種々の被写体、種々の被写体周囲条
件、および撮影者の意図を考慮する必要があるのに対
し、ビデオカメラの基本的機能であるAGC回路の特性
を決定づける画面分割方法では、分割画面パターンが一
義的(固定的)に設定されている点にある。すなわち、
種々の被写体を種々の周囲条件のもとで撮影者が目的と
する画角で撮像する場合に、AGC回路の画面分割対応
が一義的に設定されていると被写体像と周囲像との分離
を適切に行なうことができず、周囲像からの影響を受け
被写体に対する最適な利得制御を実現することができな
くなる場合が生じる。
【0031】この「背景引かれ」の問題を解決するため
には、従来では、(1)AGC機能に補助機能として
「逆光補正」機能を付加し、逆光撮像条件下では撮影者
にこの「逆光補正」機能を操作させる、(2)自動利得
制御から手動利得制御に切り換えて撮影者自らがビュー
ファインダーのモニター画像を見ながら微妙な利得制御
を行なう、および(3)撮影者がビデオカメラのAGC
機構が不得手とする画角(または撮像条件)での撮像を
行なわないよう心掛けるなどの方策しかなく、「背景引
かれ」が生じないようにAGC回路の利得を自動的に容
易に調整することができないという問題があった。
【0032】この発明の目的は、任意の撮像条件下にお
いて常に最適な被写体像を得ることのできるビデオカメ
ラを提供することである。
【0033】この発明の他の目的は、「背景引かれ」の
問題が生じることのないビデオカメラを提供することで
ある。
【0034】
【課題を解決するための手段】この発明に係るビデオカ
メラは、光学系を介して与えられる光情報を電気情報に
変換して撮影像情報を生成する手段を含む撮像手段から
の撮影像情報からTV映像信号を生成するものであり、
この撮影像情報を増幅するための、その増幅率が変更可
能な増幅手段と、画面分割情報に応答してこの増幅手段
の出力信号を分割画面毎に分割する分割手段と、この分
割手段により分割された信号に分割画面単位で重み付け
および積分処理を施して増幅手段の増幅率に対する評価
データを生成し、この評価データに従って増幅手段の出
力信号振幅が最適値となるように増幅手段の増幅率を調
整する調整手段と、撮影像情報から目的となる被写体情
報を背景情報から分離し、この被写体情報を抽出する分
離/抽出手段を含む。この分離/抽出手段は、撮影像情
報を受けてそれに含まれる輝度信号成分に対して2値化
処理を行なって2値データを生成しかつ増幅手段の出力
する信号成分に差分化処理を施してエッジデータを生成
しかつ撮影像情報に含まれる輝度および色信号成分を用
いてテクスチャ解析を行なって各画素を領域セル単位で
分類して該領域セルの位置を示す領域データを生成し、
これらの2値データ、エッジデータおよび領域データを
評価データとして用いて、画面上同一領域データを有す
る画素の存在する小領域単位で同様の特徴を有する評価
データに従って画面上被写体が存在する領域を識別し
て、被写体情報を背景情報から分離し、この被写体情報
を抽出する手段を含む。この発明に係るビデオカメラ
は、さらにこの分離/抽出手段により抽出された被写体
情報に従ってこの被写体が画面上存在する領域の境界に
同期して変化し、画面上被写体の境界領域を示す前記画
面分割情報を生成する手段を備える。
【0035】
【0036】
【作用】分離・抽出手段により撮影像情報を評価して撮
影像が被写体像とその周囲像とに分離され、分離された
被写体像に従って画面分割信号が発生される。これによ
り、画面分割信号により規定される分割画面は被写体像
に応じてダイナミックに変更され、一つの分割画面にお
ける被写体像と周囲像との混在に起因する「背景引か
れ」の発生が防止される。
【0037】
【発明の実施例】図1はこの発明に従うビデオカメラの
カメラ部の構成を示す機能ブロック図である。図1にお
いて、図14および図16に示すビデオカメラの構成要
素と対応する部分には同一の参照番号が付される。図1
において、この発明によるビデオカメラは、撮像素子2
から出力される撮影像情報から被写体像と周囲像とを分
離して被写体像を抽出し、この抽出された被写体像に従
って画面分割信号SDを生成してAGC回路300に与
える被写体判断ブロック100を含む。被写体判断ブロ
ック100はビデオカメラ内に設けられた前置処理ブロ
ック3、輝度信号処理ブロック4、色信号処理ブロック
5、AF/ズーム制御ブロック7、ALC回路8におけ
る各信号処理段階で得られる各種信号および制御信号を
その入力信号として、被写体が画面構成上のどの部分を
占めるかを判断する。被写体判断ブロック100では、
タイミングパルス発生器9から基準クロック信号CL
K、水平基準パルス信号HRおよび垂直基準パルス信号
VRが、その内部処理で用いられる各種タイミングパル
スを生成するための基準信号として利用される。
【0038】図2は、図1に示す被写体判断ブロックの
機能的構成を示す図である。図2において、被写体判断
ブロック100は、輝度信号、色信号などの映像信号デ
ータの帯域制限を行なうためのローパスフィルター(L
PF)104a〜104nと、ローパスフィルター10
4a〜104nの出力をデジタル信号に変換するA/D
変換器106a〜106nと、ビデオカメラの各処理ブ
ロックまたは制御ブロックで発生される所望のアナログ
的制御信号をデジタル信号に変換するA/D変換器10
5a〜105mと、A/D変換器106a〜106nか
らのデジタル映像信号のデータ圧縮および画素合成処理
などの前処理を行なう論理ユニット101と、論理ユニ
ット101からの画像データに対し所定の画像処理を施
して画素合成された画面の特徴を抽出する信号処理ユニ
ット102と、信号処理ユニット102からの各特徴デ
ータおよびデジタル的制御信号ならびにA/D変換器1
05a〜105mからの制御信号とを受け、撮影者が目
的とする被写体が画素合成された画面のどの画素に相当
するかを判断しこの判断が結果に従って画面分割信号を
生成する判断ユニット103を含む。このデジタル的制
御信号およびアナログ的制御信号は用いられるビデオカ
メラの構成により次のものが利用可能である。デジタル
的制御信号としては、光学系に含まれるフォーカシング
レンズおよびズームレンズの位置の制御がデジタル的に
行なわれている場合にはこのようなフォーカシング駆動
データFLDおよびズームレンズ駆動データZLD、お
よびズーム情報が考えられる。また、ALC回路8にお
いて絞り位置情報がデジタル的に発生される場合、この
絞り位置情報もまたデジタル的制御信号として用いられ
てもよい。また、光学系のフォーカシングレンズ11お
よびズームレンズ12(図15参照)の位置情報LPI
がデジタル的に発生される場合には、またデジタル的制
御信号として用いられてもよい。またさらに、ALC回
路8からの絞り駆動信号EDがデジタル的に発生される
場合その信号がデジタル的制御信号として用いられても
よい。アナログ的制御信号としては色信号処理ブロック
5において用いられるホワイトバランス調整信号(図1
8のホワイトバランス制御回路57から発生される)が
用いられてもよい。またさらに種々の信号がその処理内
容に応じて用いられてもよい。
【0039】映像信号としては、光量輝度信号YC、前
置処理ブロック3から出力される映像信号YH、色信号
処理ブロック5において生成される原色信号等が利用可
能である。
【0040】論理ユニット101は、膨大な信号データ
量を削減し、被写体判断の処理速度を向上させるためお
よび次段の信号処理ユニットにおける画像処理に対する
前置処理としてデータ圧縮および画素合成処理を実行す
る。
【0041】信号処理ユニット102は、差分化、およ
びテクスチャー解析等を行ない撮影像の特徴を抽出す
る。用いられる特徴データとしては、エッジデータおよ
び領域データ等がある。
【0042】判断ユニット103は例えばマイクロコン
ピュータで構成される。A/D変換器105a〜105
m、106a〜106n、論理ユニット101、信号処
理ユニット102、および判断ユニット103の動作タ
イミングを決定するために、タイミング発生器9からの
パルス水平基準パルス信号HR、垂直基準パルス信号V
R、および基本クロック信号CLKを受け、各種タイミ
ング信号を発生する被写体判断ブロック用タイミングパ
ルス発生器110が設けられる。
【0043】図3は、この発明の一実施例であるビデオ
カメラのカメラ部の構成を具体的に示す図である。図3
において、図1と対応する部分には同一の参照番号が付
される。この図3に示す構成においては、被写体判断ブ
ロック100に対し前置処理ブロック3からの映像信号
YH、色信号処理ブロック5からの原色信号B,Gおよ
びR、前置処理ブロック3に含まれるCDS・クランプ
回路31からの光量輝度信号YCが与えられ、被写体判
断ブロック100は、映像信号に関連する各種信号から
被写体を判断し、画面分割信号SDを発生してAGC回
路300へ与える。
【0044】図4は、図3に示す被写体判断ブロック1
00の具体的構成の一例を示す図である。図14におい
て、被写体判断ブロック100は、光量輝度信号YCの
高域成分を除去する帯域制限を行なうローパスフィルタ
ー214aと、AGC回路からの出力信号(映像信号)
YHの所定の低域成分のみを通過させるローパスフィル
ター214bと、色信号処理ブロック5からの原色処理
された原色信号B,GおよびRの帯域制限を行なうロー
パスフィルター214c,214dおよび214eと、
ローパスフィルター214a〜214eからのアナログ
信号をデジタル信号に変換するA/D変換器215a〜
215eと、A/D変換器215a〜215e出力を受
け、画素合成およびデータ圧縮処理を行なう論理ユニッ
ト201と、論理ユニット201で前処理された画像デ
ータから撮影像の特徴を抽出する信号処理ユニット20
2と、信号処理ユニット202出力を評価データとして
被写体を判断し、この被写体に対応して画面分割信号を
生成する判断ユニット203を含む。
【0045】論理ユニット201と信号処理ユニット2
02に対して共通に、論理ユニット201で処理された
映像データおよび論理ユニットが利用する映像データを
保持する映像データ保持メモリ204が設けられ、信号
処理ユニット202と判断ユニット203との間には信
号処理ユニット202が生成したデータを保持する評価
データ保持メモリ205が両者が共用できるように設け
られる。論理ユニット201および映像データ保持メモ
リ204は図3に示す論理ユニット101に対応し、信
号処理ユニット202と映像データ保持メモリ204と
評価データ保持メモリ205が図3に示す信号処理ユニ
ット202に対応し、判断ユニット203と評価データ
保持メモリ205が図3に示す判断ユニット103に対
応する。判断ユニット203はたとえばマイクロコンピ
ュータを用いて構成される。次に動作について説明す
る。
【0046】A/D変換器215a〜215eは、タイ
ミングパルス発生器110からの基準クロック信号CL
Kに応答して、与えられたアナログ信号をデジタル信号
に変換する。このデジタル信号は論理ユニット201を
介して映像データ保持メモリ204に保持される。映像
データ保持メモリ204は、各入力信号にYC,YH,
B,GおよびRに対応して少なくとも2水平ラインのデ
ータを保持するデータ記憶領域を有しており、さらに論
理ユニット201の処理結果を格納するデータ保持領域
を有している。
【0047】論理ユニット201は、映像データ保持メ
モリ201から入力画像データを読み出し、各入力画像
データに対し水平および垂直方向の積分を行ない、該積
分結果データを新たな画素データ(合成画素データ)と
する。この水平および垂直方向の積分は、たとえば図5
に示すようにA/D変換器215(215a〜215e
を総称する)の出力の注目画素Pに対し水平および垂直
方向に隣接する8個の画素データ(合成前の画素デー
タ)V1〜V4およびH1〜H4を用いデジタル積分
(平均処理)により行なわれる。積分結果の画素データ
(すなわち合成画素データ)P´が画像データとして映
像データ保持メモリ204へ格納される。このとき、A
/D変換器215出力のすべての画素データが1対1対
応で合成画素データに変換されるのではなく、タイミン
グパルス発生器110からの画素クロック信号PCLK
に従って複数入力画素データ(A/D変換器215の出
力)に対し一つの合成画素データP´が生成されて映像
データ保持メモリ204に格納される。
【0048】さらに論理ユニット201は原色信号R,
GおよびBに対し、合成画素データを用い色差信号R−
YおよびB−Yを生成し、再び映像データ保持メモリ2
04へ格納する。上述のような色信号R,GおよびBの
色差信号への変換および各入力画素データの積分処理に
よる合成画像データへの変換により、膨大な入力画素デ
ータ(たとえば撮像素子が25万個の個体撮像素子を含
むとき、A/D変換器215が8ビットデジタル信号を
出力する場合、入力画素データとしては1フィールドで
25万×8のデータが少なくとも輝度信号成分(YCお
よびYH)に対しては必要とされる)を大幅に圧縮し削
減したことになる。また、積分処理により、複数の入力
画素データが一つの合成画素データに変換されたため、
画素合成が結果的に行なわれたことになる。ここで、水
平および垂直方向の積分操作においては図5において×
印で示すように注目画素Pの8隣接近傍画素データを用
いその平均値を合成画素データとして用いてもよい。
【0049】映像データ保持メモリ204には、合成画
素データからなる撮影像情報が保持される。信号処理ユ
ニット202は、この映像データ保持メモリ204に保
持された合成画素データを用いて特徴抽出等の処理を行
なう。まず、この信号処理ユニット202は光量輝度信
号YCの合成画素データに対しては、判断ユニット20
3から与えられる所定の基準データと比較し、その基準
データ未満の合成画素(以下、単に画素と称す)のみを
抽出する二値化処理を行なう。判断ユニット203から
与えられる基準データとしては、AGC増幅器32(図
16参照)の最大出力振幅レベルを与える入力データを
用いる。この基準データは、固定データとされてもよ
く、またAGC増幅の利得調整に応じて変更を受けても
よい。この基準データの変更は、AGC回路300の利
得制御回路37からの出力信号を判断ユニット203へ
フィードバックする構成としてもよい。
【0050】AGC回路300の出力信号YHの画素デ
ータに対しては、ある画素に着目し、この着目画素と近
傍画素とのデータの差をもって該注目画素のデータとす
る差分化処理を行なう。この差分化処理としては、単純
に水平方向右隣の画素データとの差および一水平ライン
上の隣接画素データとの差が用いられてもよく、また図
6に示すようにソーベル演算子として知られている1階
差分の演算子を用いて行なってもよく、また図7に示す
ように4近傍ラプラシアンとして知られる2階差分演算
を行なって差分化処理を行なってもよい。ここで図6お
よび図7においては、その中心部の画素データを着目画
素としたときその隣接8画素に対して図に示す係数を乗
算し、その和をとることにより着目画素の抽出データと
する。この差分化処理により信号YHのエッジデータが
抽出される。この信号処理ユニット202における動作
タイミングはタイミングパルス発生器110からのクロ
ック信号CLKと画素クロック信号PCLKに応答して
行なわれている。画素クロック信号PCLKは映像デー
タ保持メモリ204からのデータを読み出して評価デー
タ保持メモリ205へ書き込むタイミングを与え、クロ
ック信号CLKはデータの演算処理速度を決定する。
【0051】信号処理ユニット202により生成された
差分化データは評価データ保持メモリ205へ順次格納
される。
【0052】信号処理ユニット202はさらに、映像デ
ータ保持メモリ204にストアされた画素データを用
い、色差信号R−YおよびB−Yと信号YHの画素デー
タを用いてテクスチャー解析を行なう。このテクスチャ
ー解析は、たとえば図8に示すように、信号YH、およ
び色差信号R−YおよびB−Yを座標軸とする三次元空
間においてこの座標空間を予めセル状の領域(領域セ
ル)に分割し、各画素がこの座標空間上のどの領域セル
に含まれるかを調べ、各画素をこの領域セルごとに分類
することである。このテクスチャー解析を行なうことに
より、画像データから領域データへの変換が可能とな
る。
【0053】信号処理ユニット202で生成された二値
データ、エッジデータおよび領域データ等の評価データ
は評価データ保持メモリ205へ格納される。そのと
き、評価データ保持メモリ205においては、図9に示
すように各画素に対して二値データD(x,y)、エッ
ジデータE(x,y)および領域データF(x,y)が
格納される。ここでx,yは合成画像からなる画面上で
の合成画素の位置を示す。判断ユニット203はこの評
価データ保持メモリ205に格納された評価データを用
い、画素ごとに被写体が画面上のどの部分を占めるかを
調べる被写体判断を行なう。
【0054】図10はこの判断ユニット203の動作を
示すフロー図である。以下、この図10を参照して判断
ユニット203の動作について説明する。
【0055】評価データ保持メモリ205へアクセス
し、各画素の領域データF(x,y)を調べ、同一領域
データを有する画素のみからなる小領域を形成し、画面
を各々が同一領域データを有する画素からなる複数の小
領域に分割する(ステップS1)。ついで、この複数の
小領域のうち画面上で最も中心に位置する小領域を被写
体領域であると仮定する(ステップS2)。この中心に
位置する小領域の検出は、各小領域の画面上の中心位置
(各画素の座標(x,y)の平均値を求める)を用いて
行なわれてもよく、また、単に予め設定された画面の中
心領域の画素を数多く含む小領域を中心領域と判定して
もよい。
【0056】次に、この被写体領域に隣接する小領域が
存在するか否かを判定し(ステップS3)、隣接する小
領域がある場合にはその隣接小領域を被写体領域に加え
るべきか否かを判断する。この判断基準としては、小領
域を構成する各画素のエッジデータとその小領域の画面
上の位置データとが用いられる。すなわち、まず図10
のステップS4に示すように隣接小領域のエッジデータ
の特徴を調べる。被写体領域としてステップS2で判定
された小領域に対しては各画素のエッジデータのその小
領域全域にわたる平均値および分散が算出されている。
隣接小領域に対しても同様、そのエッジデータの平均お
よび分散が算出され、この算出された平均および分散が
被写体領域のそれと同じであるか否かが調べられる(ス
テップS5)。被写体領域と同じようなエッジデータの
分布をその隣接小領域が有しない場合、すなわちその平
均および分散が被写体領域のそれと大きく異なる場合に
は、該隣接小領域は被写体領域を構成しないと判断して
排除する(ステップS6)。
【0057】ついで、この隣接小領域が画面上の周辺画
素(図11に示す斜線領域の画素)をどの程度含むかを
算出する(ステップS7)。この周辺画素を構成する画
素としては、たとえば画面上の1/4ないし1/5の幅
の周辺領域が周辺部画素として設定される。判断ユニッ
ト203は、各小領域の構成画素の座標(x,y)を調
べ、この隣接小領域に含まれる画素のうち、周辺画素が
いくつ含まれているかを算出する。この小領域全体に含
まれる画素の数と周辺画素の数との比により、画面周辺
部に対する小領域の占める面積比が判別される。この面
積比すなわち周辺画素数の比が小さい場合には、その隣
接する小領域は被写体領域であると判断し、被写体領域
に加え、そうでない場合には被写体領域ではないとして
排除する(ステップS6)。すなわち、隣接小領域を構
成する画素のエッジデータが被写体領域のそれと特徴が
類似しておりかつ画面上の周辺部に位置しない場合には
該隣接小領域が被写体領域に加えられる。
【0058】上述のステップS3ないしステップS8の
処理を続けて被写体領域を拡大し、さらに被写体領域に
隣接するものの被写体領域を形成しない小領域をすべて
排除すると、図12に示すように被写体領域と判定され
る領域F1が得られる。ステップS5における被写体領
域の判別およびステップS7における面積比の大小の判
別の比較基準には、適当なしきい値が設定され、このし
きい値に対する大小に応じて判断が行なわれる。
【0059】ステップS3において被写体領域に隣接す
る小領域が存在しないと判別された場合、二値データに
基づいて領域の削除が行なわれる(ステップS9)。二
値データD(x,y)がたとえば2進数“1”の画素は
AGC増幅器出力を飽和させる光量輝度信号を持ってい
る。被写体領域F1に含まれる画素の二値データD
(x,y)がたとえば2進数“1”の高輝度画素を示し
ているとき、その画素が被写体領域から排除されて、最
終的に被写体領域F1から高輝度領域F3が排除され
る。この二値データD(x,y)に従って、高輝度領域
F3を削除するのはAGC回路の利得制御に対し、部分
的な高輝度領域が悪影響を及ぼす可能性が高いためであ
る。
【0060】上述のようにして確定された被写体領域F
2(図13参照)は、判断ユニット203内の図示しな
いメモリに格納されてもよく、また評価データ保持メモ
リ205の特定の領域に格納されてもよい。この確定さ
れた被写体領域F2は合成画素に対応するため画面上の
画素すなわち撮像素子2から出力される画素と1対1に
対応してはいない。そこで判断ユニット203はこの確
定された被写体領域F2に従って、画素クロック信号P
CLKとクロック信号CLKとに従ってタイミング調整
を行なって、この合成画素からなる被写体領域F2を画
面上の撮像素子2出力が与える被写体像に変換し所定の
タイミングで図13(B)に示すような画面分割信号S
Dを発生する。この画面分割信号SDはAGC回路30
0(図16参照)の画面分割/重みづけ回路35および
利得制御回路37へ与えられる。利得制御回路37はこ
の画面分割信号SDに従って、被写体像とその周辺像と
に対して予め定められたまたは修正された重み係数WC
を画面分割/重みづけ回路35へ与える。これにより、
撮影像において被写体像と周辺像とが分離され、被写体
像に基づいてのみAGC回路300の利得制御が行なわ
れるため、「背景引かれ」などの問題が生じることのな
い撮影像を得ることができる。
【0061】図13(B)に示すように画面分割信号S
Dは被写体領域と周辺像領域とをその2進値“1”と
“0”で表現しているが、これは単にこの被写体領域境
界で単発的に所定期間発生されるタイミングパルス信号
であってもよい。
【0062】また、画面分割信号SDが図13(B)に
示されるようなパルス信号形態を有する場合、利得制御
回路37(図16参照)からは2種類の重みづけ係数W
C(すなわち被写体像領域の重みづけ係数と周辺像画像
に対する重みづけ係数)を同時に画面分割/重みづけ回
路35へ与えておき、画面分割/重みづけ回路35がこ
の画面分割信号SDの“1”、“0”に応じて重みづけ
係数を選択し与えられたデジタル画像データに対応の重
みづけ係数を乗算する構成が用いられてもよい。
【0063】上述の実施例においては映像信号に関連す
る信号YC,YH,B,G,Rのみを用いて被写体像の
分離・抽出が行なわれている。この場合、ズーム情報等
を用いて周辺画素領域の調整が行なわれてもよく(すな
わちたとえば、TELE端では周辺画素領域の幅が狭く
されてもよく)、またホワイトバランス制御信号が用い
られて二値データ生成時の基準データが修正を受けるよ
うに構成されてもよく、また絞り制御信号EDに関連す
る制御信号が用いられて二値データ生成時のデータの修
正が行なわれてもよい。
【0064】さらに領域データ生成時の領域セルのサイ
ズがズーム情報に従って変更されるように構成されても
よい。
【0065】さらに上記実施例ではビデオカメラについ
て説明したが、これは光撮影像からの光情報に基づいて
TV映像信号を生成する機能を有するものであればよ
く、ビデオカメラシステム、またビデオカメラ機能を有
する複合機器(たとえばカメラ一体型ビデオムービー,
監視装置,防犯カメラ等)であってもよい。
【0066】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、撮像
情報から被写体情報を抽出し、この抽出された被写体情
報に従ってダイナミックに画面分割信号を生成するよう
に構成したため、画面分割信号が被写体のみまた周囲像
のみを含む分割画面に対応して発生され、これにより
「背景引かれ」などの問題を排除することができ、種々
の撮影条件下においても常に最適な自動利得制御を実現
し、最適な撮影像を得ることのできるビデオカメラを実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビデオカメラのカメラ部の構成を
示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示す被写体判断ブロックの構成を概略的
に示す機能ブロック図である。
【図3】この発明の一実施例であるビデオカメラのカメ
ラ部の構成を概略的に説明する機能ブロック図である。
【図4】図3に示す被写体判断ブロックの構成を概略的
に示す機能ブロック図である。
【図5】図4に示す論理ユニットで実行される積分動作
を例示する図である。
【図6】図4に示す信号処理ユニットで実行される差分
化処理の一例を示す図である。
【図7】図4に示す信号処理ユニットで実行される差分
化処理の他の例を示す図である。
【図8】図4に示す信号処理ユニットで行なわれるテク
スチャー解析を説明するための図である。
【図9】図4に示す評価データ保持メモリに格納される
各合成画素に付随するデータを示す図である。
【図10】図4に示す判断ユニットの動作を示すフロー
図である。
【図11】図4に示す判断ユニットにおける動作を例示
する図である。
【図12】図4に示す判断ユニットにおける被写体領域
形成を例示する図である。
【図13】図4に示す判断ユニットにおける確定被写体
領域およびそれに対応して発生される画面分割信号を例
示する図である。
【図14】従来のビデオカメラのカメラ部の構成を概略
的に示す機能ブロック図である。
【図15】図14に示すビデオカラメの光学系の構成を
概略的に示す図である。
【図16】図14に示す前置処理ブロックの構成を具体
的に示す図である。
【図17】図14に示す輝度信号処理ブロックの構成を
より具体的に示す図である。
【図18】図14に示す色信号処理ブロックの構成をよ
り具体的に示す図である。
【図19】図14に示すビデオカメラにおいて用いられ
る分割画面パターンおよびそれに対応する重みづけ係数
を例示する図である。
【図20】図14に示すビデオカメラにおいて用いられ
る画面分割信号発生のための分割画面パターンおよび重
みづけ係数の他の例を示す図である。
【図21】従来のビデオカメラにおいて用いられる画面
分割信号発生のための構成を例示する図である。
【図22】従来のビデオカメラにおいて用いられる画面
分割信号発生のための他の回路構成例を示す図である。
【図23】従来の画面分割方式における自動利得制御の
問題点を説明するための図である。
【図24】図23に示す光源および被写体配置の場合に
得られる撮影像画面を示す図である。
【図25】従来のビデオカメラの画面分割方式の自動利
得制御の問題点を説明するための他の例を示す図であ
る。
【図26】図25に示す被写体および光源の配置の場合
における撮影像画面を示す図である。
【符号の説明】
1 光学系 2 撮像素子 3 前置処理ブロック 4 輝度信号処理ブロック 5 色信号処理ブロック 6 混合器 7 AF/ズーム制御回路 8 ALC回路 9 タイミングパルス発生回路 30 AGC制御回路 32 AGC増幅器 35 画面分割/重みづけ回路 37 利得制御回路 100 被写体判断ブロック 101 論理ユニット 102 信号処理ユニット 103 判断ユニット 110 被写体判断ブロック用タイミングパルス発生器 201 論理ユニット 202 信号処理ユニット 203 判断ユニット 204 映像データ保持メモリ 205 評価データ保持メモリ 300 AGC回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像手段からの撮影像情報からTV映像
    信号を生成するビデオカメラであって、前記撮像手段は
    光学系を介して与えられる光情報を電気情報に変換して
    前記撮影像情報を生成する手段を含み、 前記撮影像情報を増幅するための、その増幅率が変更可
    能な増幅手段、 画面分割情報に応答して前記増幅手段の出力を分割画面
    毎に分割する分割手段、 前記分割手段により分割された信号に前記分割画面単位
    で重み付けおよび積分処理を施して前記増幅手段の増幅
    率に対する評価データを生成し、前記評価データに従っ
    て前記増幅手段の出力信号振幅が最適値となるように前
    記増幅手段の増幅率を調整する調整手段、および前記撮
    影像情報から目的となる被写体を示す被写体情報を背景
    情報から分離して前記被写体情報を抽出する分離/抽出
    手段を備え、 前記分離/抽出手段は、前記撮影像情報を受けてそれに
    含まれる輝度信号成分に対して2値化処理を行なって2
    値データを生成し、かつ前記増幅手段の出力する信号成
    分に差分化処理を施してエッジデータを生成し、かつ前
    記撮影像情報に含まれる輝度および色信号成分を用いて
    テクスチャ解析を行なって各画素を領域セル単位で分類
    して該領域セルを示す位置を示す領域データを生成し、
    これら2値データ、エッジデータおよび領域データを評
    価データとして用いて、前記画面上同一領域データを有
    する画素の存在する小領域単位で同様の評価データを有
    する領域を識別して前記画面上で前記被写体が存在する
    領域を識別して前記被写体情報を前記背景情報から分離
    しかつ前記被写体情報を前記撮影像情報から抽出する手
    段を含み、さらに前記分離/抽出手段により抽出された
    被写体情報に従って前記被写体が前記画面上存在する領
    域の境界に同期して変化して前記画面上の被写体の境界
    領域を示す前記画面分割情報を生成する手段を備える、
    ビデオカメラ。
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