JPS6329199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば立軸ポンプのように吐出ケー
シングを有し、そしてポンプ駆動用の原動機を設
けたポンプ装置において、その原動機を取付基礎
上に固定するために設けたポンプ用原動機支持架
台に関する。

例えば第１図に示されているように全体を符号
Ａで示す立軸ポンプはコラムパイプ１を備え、そ
のコラムパイプ１の下方には羽根車Ｗが設けら
れ、さらにその下方には吸込ベル２が設けられて
いる。他方コラムパイプ１の上端には吐出ケーシ
ング４が設けられている。そして吐出ケーシング
４の上部４ａを貫通して羽根車Ｗを回転する回転
軸５がコラムパイプ１の中を延びている。

取付基礎Ｅにはベース６が例えば基礎ボルト７
で固着されており、そしてベース６に台板８を介
して吐出ケーシング４のフランジ４ｂが固定され
ている。そして回転軸５を回転させる原動機例え
ばモータＭは架台１０を介して台板８に取付けら
れている。

第２図はこの架台１０の従来例を示している。
すなわち従来の架台１０は全体的に円筒状又は載
頭円錐状に形成されており、そしてその下部に台
板８（第１図）と係合する下部フランジ１１が設
けられ、その上部に電動機Ｍを取付ける上部フラ
ンジ１２が設けられ、上下のフランジ１１，１２
は円筒状（又は円錐状）の支持部１３によつて互
いに一体的に取付けられている。図中１４は吐出
ケーシング４が突出する穴であり、１５はポンプ
点検用の窓であり１カ所または２カ所設けてあ
る。

したがつてかかる従来の架台１０はａ円筒（又
は円錐状）の支持部を平板を曲げ加工して作るの
で、平板の板巻き作業、溶接作業を必要とし、作
業工数がかかり、特に円錐状の場合、力学的には
好適であるが、板巻き作業がさらにやつかいとな
る。ｂ上下の両フランジを支持部の全周に溶接せ
ねばならず、溶接個所が多い、Ｃ支持体に窓や穴
を開けねばならないので、吐出ケーシングが突出
している方向と、その吐出ケーシングの突出方向
と直角方向とは固有振動数が異り、架台の剛性に
方向性を生ずる、ｄ窓や穴の大きさや位置によつ
てポンプ内の各種の小配管の取合方向が決定され
るので、小配管の設計変更が困難である。という
欠点があつた。

特に前記ｃの問題点に関し、原動機の回転サイ
クルと原動機架台の固有振動機とが共振を生じな
いように原動機架台を作らねばならない。その際
原動機架台の方向による剛性の変化を予め把握し
なければならない。そのために原動機架台の固有
振動数に関して実験したところ、吐出ケーシング
の突出方向にある１つの固有振動数で振動値の第
１のピークを生じ、その突出方向と直角の方向に
別にある１つの固有振動数で別の振動値の第２の
ピークを生じた。そしてその中間方向位置では振
動値の第１および第２の両ピークが観察された。
したがつて原動機架台が原動機の回転サイクルと
共振しないように設計するには、この振動値第１
および第２のピークを生ずる２つの固有振動数を
はずさねばならず、その製作が非常に困難であつ
た。

したがつて本考案の目的は、製造が容易でかつ
剛性に方向性がなく、したがつて１つの固有振動
数による１つの振動値のピークを有するポンプ用
原動機架台を提供するにある。

本考案によれば、ポンプ駆動用の原動機を取付
基礎上に固定するために、ポンプの吐出ケーシン
グとは別体に設けた原動機架台において、取付基
礎に対して固定される下部フランジと、原動機を
取付ける上部フランジとを有し、それらの下部フ
ランジと上部フランジとの間に角度的にほぼ等分
に配置したチヤンネル材を設け、かつ隣接するチ
ヤンネル材間に設けられ一端が上部フランジに接
し、他端が下方に延びる平板が固着されている。

したがつてポンプの吐出ケーシングやその他の
小配管は、下部フランジと隣接するチヤンネル材
と平板との間に形成された空間から突出させるこ
とができる。またチヤンネル材を上下の各フラン
ジに溶接し、そして平板を溶接すればよいので、
従来技術のように曲げ加工の必要がなく、また溶
接個所も従来例と比して少くて済む。特に本考案
によればチヤンネル材が角度的にほぼ等分に配置
されているので、原動機架台の方向による剛性の
変化がなく、剛性の予想が容易であり、また原動
機架台の固有振動数は１つの振動値のピークを持
つようになるので、その１つの振動値のピークに
対応する固有振動数が原動機の回転サイクルと共
振しないようにすればよく、設計が極めて容易で
ある。そして隣接するチヤンネル材の間隔を広く
とることができるから、ポンプを点検する場合
に、点検が容易であり、各小配管の取合方向も自
由度が大きくなる。

一般にポンプ用原動機架台は、ポンプの吐出方
向と吐出方向に対して直角方向とで異なつた固有
振動数が発生する。したがつてチヤンネル材をほ
ぼ等分に配置することによつてこの２方向の固有
振動数を実質的に一致させることができる。しか
しながら、例えば比較的に口径の小さい立軸ポン
プの場合に、構造上、ポンプの吐出管又は曲胴が
チヤンネル材と干渉してしまうことがあるので、
チヤンネル材をずらして配置しなければならない
ことがある。かかる場合にはチヤンネル材を正確
に等分した位置からずらして配置するが、できる
だけ前記の方向の振動数の差を小さくするよう
に、できるだけ吐出管又は曲胴と近接してほぼ等
分に設ける。したがつて本明細書においてチヤン
ネル材をほぼ等分に配置するとは、その架台にお
いてできるだけ２方向の固有振動数を近づけると
いう意味である。

以下、第３図および第４図を参照して本考案の
実施例を説明する。

第３図および第４図において、台板８（第１
図）に固定される下部フランジ１５は馬蹄形をし
ており、そしてその下部フランジ１５には適数の
（図示の例では４つの）チヤンネル材１６の一端
が溶接されて固着されている。このチヤンネル材
１６は角度的にほぼ等分して、すなわち図示の例
では90度の角度で配置されている。そして各チヤ
ンネル材１６の他端にはリング状の上部フランジ
１７が溶接されている。この上部フランジ１７に
は原動機Ｍ（第１図が取付けられるようになつて
いる。したがつて隣接するチヤンネル材１６，１
６の間には空間１８が形成されており、そしてこ
れらのチヤンネル材１６間の剛性を増すために、
一端が上部フランジ１７に接し、他端が上部フラ
ンジと反対側に延びた平板１９が、チヤンネル材
１６に溶接されて固着されている。

以上の如く本考案によれば、取付基礎に対して
固定される下部フランジと、原動機を取付ける上
部フランジとを有し、それらの下部フランジと上
部フランジとの間に角度的にほぼ等分に配置した
チヤンネル材を設け、かつ隣設するチヤンネル材
間に設けられ一端が上部フランジに接し、他端が
下方に延びる平板が固着されているので、 (a) 溶接個所が少い、 (b) 剛性に方向性がない、 (c) 原動機架台の１つの固有振動数による１つの
振動値のピークが原動機の回転サイクルと共振
しないようにすればよく、設計が容易である、 (d) ポンプの点検が容易である。

(e) ポンプの小配管の取合位置の自由度が大き
い。

(f) 平板の板巻き等の曲げ加工が不要である。

という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は立軸ポンプ装置に実施した原動機架台
を説明するための断面図、第２図は従来の原動機
架台の斜視図、第３図は本考案を実施した原動機
架台の側面図、第４図は第３図の平面図である。 １５……下部フランジ、１６……チヤンネル
材、１７……上部フランジ、１８……空間、１９
……平板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプ駆動用の原動機を取付基礎上に固定する
   ために、ポンプの吐出ケーシングとは別体に設け
   た原動機架台において、取付基礎に対して固定さ
   れる下部フランジと、原動機を取付ける上部フラ
   ンジとを有し、それらの下部フランジと上部フラ
   ンジとの間に角度的にほぼ等分に配置したチヤン
   ネル材を設け、かつ隣接するチヤンネル材間に設
   けられ一端が上部フランジに接し、他端が下方に
   延びる平板が固着されていることを特徴とするポ
   ンプ用原動機架台。