JPS6328873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフラツトケーブル用コネクタへのすだ
れケーブルの接続を容易確実に行いうる結線機の
ケーブル受台に関するものである。

最近電子装置の配線に当つて曲げを容易にする
ため、従来のフラツトケーブルに代えて第１図に
示す平面図のように、コネクタの接続箇所その他
の所要箇所の素線Ｗ相互を、適当間隔で融着して
フラツト部ａを形成し、他の素線部をばらばらの
まゝの状態即ちすだれ状ｂとした、所謂すだれケ
ーブルｃが使用されるようになつた。

ところでこのフラツト部ａへのフラツトケーブ
ル用コネクタ所謂FRCコネクタの接続に当つて
は、従来例えば第２図に示す斜視図のような受台
が使用されている。これはケーブルのフラツト部
ａの幅に相当する間隔をおいて台ｅ上に固定され
た、コネクタの左右方向の位置を規定する固定溝
f′g′を有するケーブル案内体ｆ，ｇと、ケーブル
先端の位置決め用突当て体ｈ、および台ｅに設け
たコネクタの前後方向の位置を規制するコネクタ
位置決め溝ｍ、即ち突当て体ｈの面と一面が一致
し、かつ第３図ａに示す部分断面図のようにコネ
クタ本体ｉと、これに仮止めされたカバーｊによ
り形成されるコネクタｋのケーブル差込み間隙ｌ
内にケーブルが入りうるようにカバーｊが落しこ
まれる、コネクタ位置決め溝ｍとよりなるもので
ある。そしてケーブル先端のフラツト部ａにコネ
クタを接続するには、コネクタ固定溝f′g′から位
置決め溝ｍ内にコネクタｋを落しこんだのち、ケ
ーブルｃをケーブル案内体ｆ，ｇ間に置いて、先
端が差込み間隙ｌを通つて突当て体ｈに突当るよ
うに差込むか、或いは差込み間隙ｌにフラツト部
ａを差込んだコネクタｋを位置決め溝ｍ内に入れ
る。その後指先によりフラツト部ａの先端が突当
て体ｈに突き当るようにしながらフラツト部ａの
位置を固定する。そして押込みパンチｎを動作さ
せて、コネクタ本体ｉを上部から圧迫することに
より、第３図ｂに示す部分断面図のように、２又
端子Ｏによりケーブルｃの被覆を切裂いて芯線ｐ
を露呈させ、これを中心の割O′内に圧入するこ
とによつて接続を行うものである。また中間部の
フラツト部ａに接続する場合には、ケーブルの先
端突当て体ｈを取はずして行う。

しかしこの従来の受台には次のような欠点があ
る。即ち一般にフラツト部ａの長さは、コネクタ
の接続などに最小限必要とされる長さ（例えば４
cm）に作られる。このためフラツト部ａの固定に
使用される指先は、第４図ａに示す部分断面側面
図のように、コネクタｋのすぐ近くにおかざるを
得ず、押込みパンチｎの下に位置することになり
易い。従つて非常に危険であり、その危険から逃
れようと指先によるフラツト部ａの固定が不十分
となつて、コネクタに対する位置の狂いを生じて
結線不良の原因となる。また一般にすだれケーブ
ルは長いため、第４図ａに示す部分断面側面図の
ように台ｅ外に垂れ下がつて、その重量によりフ
ラツト部ａに引張力を及ぼし、また引張力はケー
ブルの捩れなどによつて、フラツト部ａの各部に
おいて均一ではない。一方指先によつてフラツト
部ａをその全幅に亘つて固定することは困難であ
つて、どうしても局部的とならざるを得ないた
め、結線の過程において引張力によりフラツト部
ａは第４図ｂに示す平面図のように撓ませられ
て、突当て体ｈに先端全長が突当てられなくな
り、点線によつて示すコネクタｋとの位置の対応
が狂つて結線不良となり易い。またこの受台では
ケーブルｃの幅が変つた場合には、一々ケーブル
案内体ｆ，ｇの位置を４本の止ねじｑをはずして
位置を変えてやらなければならない面倒な操作を
必要とする欠点がある。

本考案は上記のような従来の受台における各種
の欠点を除去した受台の提供を目的とするもの
で、次に図面を用いてその詳細を説明する。

第５図ａ，ｂは本考案の一実施例を示す、ケー
ブル固定前の状態および固定後の状態の斜視図で
ある。図において１は台、１ａはコネクタ位置決
め溝、２はケーブル先端の突当て体であつてこれ
は逆Ｌ形をなし、その取付端部２ａを台１に設け
た突当て体位置決め溝１ｂ内に落しこんで、ねじ
２ｂにより固定することにより、第５図ｂのよう
に簡単にケーブル突当て面２ｃがコネクタ位置決
め溝１ａの後端面１a′に一致して取付けられるよ
うに形成される。１ｃはケーブル案内板の固定用
切欠部である。３はケーブル案内板であつて、そ
の幅は各種の幅のケーブルを固定できるように選
ばれ、またその長さはケーブルのフラツト部ａの
長さより長く作られる。３ａはケーブル案内溝で
あつて、ケーブルの素線の配置ピツチに対応し
て、並列にケーブル案内板３の長さ方向の全長に
亘つて設けられる。また固定用切欠部１ｃの高さ
と案内板３の厚さの選定により、溝３ａの底部が
台１の上表面と一致するように設けられるもの
で、この場合溝３ａ上に固定されたケーブルのフ
ラツト部ａの先端が、コネクタ本体ｉとこれに仮
止めされたカバーｊが形成するケーブル差込み間
隙内に入つて、突当て体２に突当るようにコネク
タ位置決め溝１ａの深さが選定される。３ｂはコ
ネクタ位置決め脚で、フラツト部ａの一側端をケ
ーブル案内溝３ａの一側端に合せてのせたとき、
コネクタｋの２又接続端子とケーブルの素線の位
置が一致するように、コネクタｋを位置決めする
もので、コネクタ位置決め溝１ａ上に先端が位置
するように、ケーブル案内板３の一側端に設けら
れる。４はケーブル案内板３の押え板、４ａはケ
ーブル案内板３の幅方向に長いねじ差込み穴、４
ｂは締付けねじで、台１上に設けられた図示しな
いねじ穴にねじこまれる。そしてこれらにより素
線の太さおよび素線の数などが異なるケーブルを
固定できるように、ケーブル案内溝の大きさなど
を変えて複数枚用意されたうちから選定した所要
のケーブル案内板３を、こゝにおかれたケーブル
の中心と突当て体の中心とがほゞ一致するように
固定する。そしてケーブルのフラツト部ａの先端
の位置決めを容易確実にする。５はＵ字状のケー
ブル固定体、５ａはケーブル押え板、５ｂ，５ｃ
はその支持脚で、コネクタｋを逃げてケーブル押
え板５ａがケーブル案内板３のフラツト部ａ上に
位置できるように作られ、支持脚５ｂ，５ｃは台
１上に軸着５ｄされる。また支持脚５ｂ，５ｃの
押え板５ａ側には、押込みパンチｎ（第６図参照）
を逃げうるように長さが選定された、指先による
押え部５b′，５c′が設けられ、更にこゝに置かれ
た指先が力を入れたとき滑つたりして、押込みパ
ンチｎ下に位置するのを防ぐための指止め板５
b″，５c″が設けられている。５ｅは操作柱で、支
持脚５ｂ，５ｃの一方または双方（図では一方）
の横方向に設けられ、これを操作することによつ
てケーブル固定体５を軸着位置５ｄを中心として
回動させて、押え板５ａによるケーブルの固定と
開放を行う。次に本考案によるフラツト部ａへの
コネクタｉの接続要領を第５図ａ，ｂおよび第６
図ａ，ｂに示す断面図によつて説明する。

第５図ａと第６図ａに示すようにケーブル固定
体５を起こした状態で、仮止めされたカバーｊを
下にしながら、第６図ａに示すようにコネクタ本
体ｋを位置決め溝１ａ内に入れたのち、一端がコ
ネクタ位置決め脚３ｂに突き当るように位置させ
る。次にケーブルの先端が突当て体２に突当るま
で、コネクタ本体ｉとカバーｊ間の差込み間隙を
介してケーブルｃを差込んだのち、フラツト部ａ
の各素線Ｗをケーブル案内溝３ａに合せる。（な
お差込み間隙内にケーブルを差込んだコネクタを
位置決め溝１ａ内に入れたのち、ケーブルの素線
Ｗを案内溝３ａに合わせるようにしてもよい。）
そののち操作柱５ｅを操作して、第５図ｂおよび
第６図ｂに示すように固定体５の押え板５ａをケ
ーブルのフラツト部ａ上におきながら、支持脚５
ｂ，５ｃの指押え部５b′，５c′を指先により押え
て、フラツプ部ａを固定する。そして第６図ｂ中
に点線によつて示すように、押込みパンチｎを下
降させてコネクタ本体ｉを押し、カバーｊを第３
図ｂに示したようにコネクタ本体ｋに本止めして
接続する。

以上からわかるように本考案では、押え板５ａ
によりケーブルのフラツト部ａの全幅に亘つて固
定することができるため、従来の指先のみによる
局部的な固定のように不良接続となるおそれがな
い。また本考案では指押え部５b′，５c′を設け、
これを押込みパンチｎの外に出るように作つてい
るため、従来のように指先が押込みパンチｎによ
つて潰されるおそれが全くなくなり、労働災害を
未然に防ぐことができる。また本考案ではケーブ
ル案内板を交換できるようにしているため、ケー
ブルの素線数、素線の太さなどの異なる各種のす
だれケーブルに使用できる。なお本考案はすだれ
ケーブルのみでなく、フラツトケーブルにも使用
できる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ばフラツトケーブル用コネクタとすだれケーブル
との接続を容易確実に行いうるもので、実用上の
効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はすだれケーブルを示す平面図、第２図
は従来の受台の一例を示す斜視図、第３図ａ，ｂ
はコネクタとケーブルとの結線要領を示す部分断
面図、第４図ａ，ｂは不良接続の原因を説明する
ための部分断面側面図および平面図、第５図ａ，
ｂは本考案の一実施例を示すケーブルの固定前お
よび固定後の状態を示す斜視図、第６図ａ，ｂは
接続要領を示す断面図である。 １……台、１ａ……コネクタ位置決め溝、１ｂ
……突当て体位置決め溝、１ｃ……ケーブル案内
板固定用切欠部、２……ケーブル先端の突当て
体、２ａ……取付端部、２ｂ……取付ねじ、３…
…ケーブル案内板、３ａ……ケーブル案内溝、３
ｂ……コネクタ位置決め脚、４……ケーブル案内
板の押え板、４ａ……ねじ差込み穴、４ｂ……締
付けねじ、５……ケーブル固定体、５ａ……ケー
ブル押え板、５ｂ，５ｃ……支持脚、５b′，５
c′……指先による押え部、５b″，５c″……指止め
板、５ｄ……軸着部、５ｅ……操作柱、ａ……ケ
ーブルフラツト部、ｂ……ケーブルすだれ部、Ｗ
……ケーブル素線、ｃ……ケーブル、ｋ……コネ
クタ、ｉ……コネクタ本体、ｊ……カバー、ｌ…
…ケーブル差込み間隙、Ｏ……２又接続端子、ｎ
……押込みパンチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル差込み間隙を作るようにコネクタ本体
   に仮止めされたカバーとよりなるコネクタが落し
   こまれるコネクタ位置決め溝と、突当て面が上記
   コネクタ位置決め溝の後側面と一致するケーブル
   先端の突当て体とを備えた台上に、ケーブル案内
   溝を有し、かつその一側にはケーブル案内溝にお
   かれたケーブルの各素線がコネクタの各接続端子
   と位置が一致するようにコネクタ位置決め溝内の
   コネクタの一端の位置を規制するコネクタ位置決
   め脚を設けたケーブル案内板を、上記ケーブル案
   内溝におかれたケーブルの先端が上記ケーブル差
   込み間隙に対応位置すると共に、ケーブル案内板
   の前端面がコネクタ位置決め溝の前端側面と一致
   するように交換自在に固定され、また台上には先
   端にケーブル押え板と指押え部とを備えた支持脚
   を備えたケーブル固定体を、上記支持脚の指押え
   部が押込みパンチ外に位置し、かつケーブル押え
   板が先端が突当て体に突当るようにコネクタ内に
   差込まれたケーブルのフラツト部上に位置するよ
   うに回動自在に軸着された結線機のケーブル受
   台。