JPS6328565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、植付けミツシヨン側のクランク軸に
設けられたクランクアームの遊端部に、苗植付け
爪を装着してある植付けアームの中間部を枢支連
結するとともに、この植付けアームの遊端部を、
前記植付けミツシヨン側の固定部材に揺動自在に
枢着した揺動アームの遊端部に枢支連結し、以
て、前記植付けアームに装着した苗植付け爪を、
クランクアームの回転運動と揺動アームの揺動運
動との合成運動によつて、左右横方向に往復移動
する苗載せ台の苗取出し部と植付け予定箇所の泥
面との間に亘つて往復循環運動させるべく構成し
てある苗植付け装置に関する。

この種の苗植付け装置では、前記揺動アームお
よび駆動クランクアームの合成運動によつて前記
植付けアームが上下方向に往復循環運動する際
に、その上死点および不死点における回行時には
低速運動しながら急激な方向変換を行ない、下降
運動および上昇運動時においては方向変換は殆ど
行われずに高速運動をするといつた具合に植付け
アームの作動が不等速運動であり、クランクアー
ムに至る伝動系に、クラツチの咬合ガタ、ギヤの
バツクラツシユ、チエーンの伸び等が原因の伝動
ガタが存在していると、前記不等速運動時にクラ
ンクアーム側が慣性で伝動ガタ分だけ先行して遊
動移行してしまい、その後に伝動ガタが吸収され
て再び元の伝動状態になるものであり、植付けア
ームの往復循環運動の円滑さが欠け、苗取り不良
や植付け不良を招くことがあつた。

そこで、クランクアームを軸端に固設したクラ
ンク軸に適当な回転摩擦抵抗を与える機構を装備
し、クランク軸が伝動ガタによつて先行回転する
のを阻止する手段が考えられた。（例えば、実開
昭50−112616号公報） しかし、この場合、摩擦抵抗付与機構はクラン
ク軸を支承した植付け伝動ケースに内装する構造
となつていたために、摩擦抵抗の調節や摩擦部材
の交換が極めて困難なものであつた。

本発明は、かかる実情に着目してなされたもの
であつて、各種アーム類を枢支連結した苗植装置
の構造を有効に利用して、外部から簡単に摩擦抵
抗調整や部品交換ができて、常に適切な摩擦抵抗
を与えて円滑な植付け作動を行わせることができ
るようにするとともに、その摩擦抵抗部材を外部
から組付けるに当つて、さらに、その組付けの容
易化をはかり、しかも、長期に亘つて良好な回転
摩擦抵抗を与えることができるべくなさんとする
ものである。

上記目的を達成する為の本発明の特徴構成は、
植付けアームと揺動アームとの枢支連結箇所に、
植付けアームと揺動アームとの相対回転に摩擦抵
抗を与える板ばね部材を介装するとともに、その
板ばね部材を、円循環板部材の外周部に切込みを
設けて成形した周方向複数個の舌片を、前記切込
みの底部位置よりもやや外周寄り箇所で、その軸
芯方向に相反する状態で交互に折曲げ形成した板
バネ部材から形成した点にある。

つまり、クランクアームが駆動作動して植付け
アームが作動するときには、植付けアームと揺動
アームとは相対回動するものであり、その相対回
動部材での板ばね部材による作動抵抗によつて苗
植付け装置全体が伝動系に対して先行作動するの
を阻止することができるようになつたのである。

そして、この板ばね部材による摩擦抵抗付与
が、伝動ケースの外部に露出したアーム枢支点で
行われるので、摩擦抵抗力の調節や摩擦部材の交
換が極めて容易であり、従つて、常に適切な摩擦
抵抗を与えて円滑な植付け作動を行わせることが
できるようになつた。

そして、外部に露出した苗植付け装置の各アー
ムの枢支点に抵抗を与えるに当つて、植付けアー
ムと揺動アームとの枢支連結箇所に摩擦抵抗を与
えたから、例えば、植付けアームとクランクアー
ムとの枢支連結箇所に摩擦抵抗を与える場合に比
して、より一層効果的な摩擦抵抗を与えることが
できる利点がある。

つまり、クランクアームは回転運動するもので
あるから、常にほぼ一定した動摩擦が働くのに比
べ、揺動アームは往復運動するものであるから、
前記枢支連結箇所では、揺動アームの揺動折返し
運動と関連して動摩擦から一旦静止摩擦に変わ
り、その後再び動摩擦に変化するものであり、従
つて、その回転摩擦部材の摩擦作用工程中に、動
摩擦よりも摩擦係数の大きい静止摩擦を生じさせ
ることによつて、より極力な制動効果を得られる
ものである。

しかも、クランクアームの単位角速度に対する
揺動アームの角速度は、揺動アームの揺動範囲の
中央では大きく、端では小さく、揺動アームは変
化の大きい不等速運動するものであるから、その
揺動アームと植付けアームとの枢支連結箇所でも
速度変化が大きく、前記静止摩擦が作用する部分
を除く他の部分では単位時間当りに大きな接触面
積をもつて板ばね部材が摩擦し、この点でも制動
機能を向上させ得る利点がある。

さらに、伝動ケースの外部に露出した植付けア
ームと揺動アームとの枢支連結箇所に、回転抵抗
を与える板ばね部材として、円環状板部分の外周
面に切込みを設けて形成した周方向複数個の舌片
を、その軸芯方向に相反する状態で交互に折曲げ
形成した１つの板ばね部材を用いるから、例え
ば、第５図、第６図に示す如く、２つの皿ばね部
材を、断面形状が×形又は菱形になるように組合
せて用いる場合のように、極と皿ばね部材との嵌
合公差によつて生じる２つの皿ばね部材の芯ずれ
を防止するように、つまり、軸まわりに均一な押
圧力が得られるように、２つの皿ばね部材の内周
縁あるいは外周縁を完全に一致させて組付けなけ
ればならないと言うようなことがなく、外部での
板ばね部材の組付けが更に容易に行い得る利点が
ある。

しかも、その板ばね部材の舌片を折曲が加工す
るに際して、その舌片を、前記切込みの底部位置
で折曲させた場合には、前記切込み底部位置に、
切込み加工時の応力と折曲げ加工時の応力が集中
し、かつ、使用時における曲げモーメントも作用
することによつて、この切込み底部位置に亀裂等
が発生し易いものであるが、前記舌片を、前記切
込み底部位置よりもやゝ外周に寄つた箇所で折曲
させたことにより、加工上及びその使用上からど
うしても避けられぬ前記の各種応力を切込み方向
で分散させることができ、前記の各種応力が切込
み底部位置の一箇所に集中することに起因する亀
裂等の発生を防止して、板ばね部材の耐久性を顕
著に向上することができ、長年月に亘つて良好な
摩擦抵抗を与えることができる。

以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は、植付けミツシヨンＭ側のクランク軸
６に設けられたクランクアーム７の遊端部に、苗
植付け爪８を装着してある植付けアーム１の中間
部を枢支連結するとともに、この植付けアーム１
の遊端部を、前記植付けミツシヨンＭ側の固定部
材９に揺動自在に枢着した揺動アーム２の遊端部
に枢支連結し、以つて、前記植付けアーム１に装
着した苗植け爪８を、クランクアーム７の回転運
動と揺動アーム２の揺動運動との合成運動によつ
て、左右横方向に往復移動する苗載せ台１０の苗
取出し部と植付け予定箇所の泥面との間に亘つて
往復循環運動させるべく構成してある苗植付け装
置を示し、前記植付けアーム１と揺動アーム２と
の枢支連結部に設けられる回転抵抗装置は、第２
図で示す如く構成されている。

即ち、前記植付けアーム１のボス部１Ａと揺動
アーム２のボス部２Ａとの間に亘つて挿通させた
固定軸１１の、その軸芯方向中央部に形成した植
付けアーム１のボス部１Ａ端面１ａにライナー１
２を介して接当するフランジ１１Ａと揺動アーム
２のボス部２Ａとの軸芯方向で相対向する面１１
ａ，２ａ間に、本発明の板ばね部材３と、テフロ
ン系樹脂等の低摩擦係数部分５ａを有する回転摩
擦部材５とを介在させて、前記回転摩擦部材５
を、板ばね部材３を介して植付けアーム１側に固
定された固定軸１１のフランジ１１Ａ側面１１ａ
に弾接させることにより、前記植付けアーム１と
揺動アーム２との相対回転に摩擦抵抗を与えるべ
く構成している。

そして、前記板ばね部材３は、第３図、第４図
に示すように前記固定軸１１に外嵌可能な貫通孔
３ａを有する円環状板部分３Ａと、この円環状板
部分３Ａの外周部に設けた周方向複数のほぼＶ字
形状の切込み４…を介して形成され、かつ、前記
固定軸１１軸芯方向に相反する状態で交互に折曲
げ形成された周方向に複数個の弾性舌片３Ｂ，３
Ｂ…とからなり、かつ、前記弾性舌片３Ｂ，３Ｂ
…を、前記切込み４の彎曲底部位置(イ)よりもやゝ
外周に寄つた箇所(ロ)で夫々プレスにて折曲げ加工
している。

尚、第５図及び第６図は、植付けアーム０１と
揺動アーム０２との相対回転に摩擦抵抗を与える
板ばね部材として、２つの皿ばね部材０４，０４
を、断面形状が×形又は菱形になるように組合せ
て用いた場合の比較例を示し、０３は回転摩擦部
材である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る苗植付け装置の実施例を示
し、第１図は苗植付け装置の側面図、第２図は要
部の拡大横断平面図、第３図は要部の拡大正面
図、第４図は第３図に於ける−線断面図、第
５図、第６図は夫々比較例を示す要部の概略横断
平面図である。 １……植付けアーム、２……揺動アーム、３…
…板ばね部材、３Ａ……円環状板部分、３ｂ……
舌片、４……切込み、６……クランク軸、７……
クランクアーム、８……苗植付け爪、９……固定
部材、１０……苗載せ台、Ｍ……植付けミツシヨ
ン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 植付けミツシヨンＭ側のクランク軸６に設け
   られたクランクアーム７の遊端部に、苗植付け爪
   ８を装着してある植付けアーム１の中間部を枢支
   連結するとともに、この植付けアーム１の遊端部
   を、前記植付けミツシヨンＭ側の固定部材９に揺
   動自在に枢着した揺動アーム２の遊端部に枢支連
   結し、以て、前記植付けアーム１に装着した苗植
   け爪８を、クランクアーム７の回転運動と揺動ア
   ーム２の揺動運動との合成運動によつて、左右横
   方向に往復移動する苗載せ台１０の苗取出し部と
   植付け予定箇所の泥面との間に亘つて往復循環運
   動させるべく構成してある苗植付け装置におい
   て、前記植付けアーム１と揺動アーム２との枢支
   連結箇所に、植付けアーム１と揺動アーム２との
   相対回転に摩擦抵抗を与える板ばね部材３を介装
   するとともに、その板ばね部材３を、円環状板部
   分３Ａの外周部に切込み４…を設けて形成した周
   方向複数個の舌片３Ｂ…を、前記切込み４の底部
   位置よりもやや外周寄り箇所で、その軸芯方向に
   相反する状態で交互に折曲げ形成した板ばね部材
   から形成してあることを特徴とする苗植付け装
   置。