JPS6328022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用回転シート、特に車室の床面と
略同一の高さに設けられた回転板上に載置され複
数人掛け用の長尺な回転シートに関するものであ
る。

従来、小型乗用自動車に設けられる複数人腰掛
け用の回転シートＳは、第１図、第２図ａ〜ｄに
示すように車輛の床面側に固定される脚部２と、
シートクツシヨン部１ａ、シートバツク部１ｂよ
り成るシート部１と、このシート部１と脚部２と
の間に設けられた回転機構３とから成り、シート
部１を第２図ａの如く前部側を向いた状態から同
図ｂ，ｃに示す如く回動して、後部側を向いた状
態に回動可能となつている。

しかしながら、このような構成によれば、第２
図ｂ，ｃに示すように座席の回転の途中でシート
部１を停止させて利用しようとすると、固定状態
の脚部２が乗員のレツグスペースを占めてしまう
のでこの状態でのシートを使用できず、そのため
回転シートは車輛の前部方向、後部方向いずれか
一方向においてしか使用できないという欠点を有
している。また、上記脚部２の存在によりシート
部１に着座した状態での回転操作が行えないとい
う欠点を有する。

また、回転可能な状態の長椅子状のシート部１
に対して、脚部２は常に床上に固定されているた
めに、乗員の脚部等と干渉して邪魔になるという
問題点を有しており、これを解消するために、脚
部自体を回転自在なものとして構成することも考
えられるが、長尺なシートではこのようにする
と、回転機構の構成が複雑となつて、容易に実施
できないという問題点を有していた。

本考案は上述した問題点を解決するためになさ
れたものであり、車輛床面に形成した凹部に回転
機構を内蔵すると共に、この凹部に回転機構の回
転板を取付け、この回転板の上面に長尺なシート
脚部及びシート部を載置するようにして、シート
部が脚部と一体に回転し、しかも回転機構を含む
全体が床面に設けた凹部内に収納されて、簡単な
構成にも拘らず円滑に作動すると共に、所望する
如加なる方向に対してもシートを固定して利用で
き、しかもシート脚部等が乗員の邪魔とならない
ような車輛用回転シートを得ることを目的として
いる。

上記目的を達成するための本考案に係る車輛用
回転シートの特徴は、車室内床面側に設けた回転
機構と、この回転機構の上部側に設けたシート部
とから成る車輛用回転シートにおいて、上記車室
内床面に凹部を設け、この凹部内に上記回転機構
を内蔵すると共に、上記凹部を塞ぐように設けら
れた回転機構の回転板の上面と車輛床面とを略同
一面とし、この回転板の上に長尺なシートクツシ
ヨン部とシートバツク部とを載置したことにあ
る。

上記のように構成したので、複数人が着座可能
な長椅子状の回転シートを回転させて、車両後部
方向でも側部方向でも向かせて回転シートを使用
することができ、また、シート脚部とシート部と
が一体的に回転するので、後部座席の乗員が着座
した侭の状態でもシートは回転することとなる。
また、回転板の上面に脚部及びシート部を載置し
て床面に内蔵された回転機構を用いて回転するだ
けで実施可能なので、簡単な構成とすることがで
き、実施が困難であつた複数人掛けの回転シート
を得ることができる。

以下、本考案に係る車輛用回転シートの実施例
を図面に従い詳細に説明する。

第３図、第４図は本考案による車輛用回転シー
トの一実施例を示す平面図および要部断面図であ
り、同図において１０は発泡ウレタン等の緩衝材
を表皮材で被つて成る長尺なシートクツシヨン部
であり、シートクツシヨン部１０はクツシヨンの
外縁と略同一の形状の枠部１１ａとこれを支える
脚１１ｂを金属部材により成形して成る脚部１１
によつて回転板１２に固定される。回転板１２は
シートの長手方向の長さをその直径とする正円状
のもので、車輛の床部にこの回転板と同一形状で
設けられた凹部１３を塞ぐ如く設けられている。
上記回転板１２と、凹部１３の底面１４には、２
本のリングのレール１６ａと１６ｂ及び１７ａと
１７ｂが互に対向する如く突出し、両レール１６
ａと１６ｂ及び１７ａと１７ｂとの間で得られる
空間にベヤリング１５が介在し、これにより回転
板１２は回転自在である。上記回転板１２には孔
１２ａが設けられこの孔１２ａを介して開口部の
底面１４に円周方向に沿つて複数設けられた係止
孔１４ａの一つに係止棒１８ａが貫通している。
係止棒１８ａはピンによつてシーソ運動を行うレ
バー１８ｂに連結され、レバー１８ｂは上記脚部
１１より突出して乗員の操作が可能となつてお
り、このようにして回転ロツク機構が構成され
る。

以上の構成において、シート部１０に座つた乗
員はそのままの状態で回転板１２上の係止棒１８
を操作して回転板１２の回転阻止機構を解除しシ
ート部を回転させることができる。また、回転板
１２を所望の位置にて停止させるには、凹部１３
の底面１４に設けた複数の係止孔１４ａの任意の
ものに係止棒１８の先端を係止しロツクすれば、
シート部はいずれの方向においても利用できる。

なお本考案においては回転板１２及びこれと一
体のシート部１０を乗員の力により任意角度回動
するものとして説明したが本考案はこれに限定さ
れず、第５図に示すように凹部１３側に減速モー
タＭを設け、かつ回転板１２の外縁側にキヤスタ
２０を設けてモータＭの回転により回転板を回転
させてもよい。

また、本考案においてシートクツシヨン部１０
と脚部１１の枠部１１ａ側との間にシートクツシ
ヨン部１０を前後左右にスライドするためのスラ
イド機構Ｐを設けるようにしてもよい。従来の機
構によればシートクツシヨン部側と脚部側との間
に回転機構が介在するので、この回転機構ととも
にスライド機構を設けるとこの部分の構造が複雑
となる欠点があつたが、本考案の適用によりスラ
イド機構Ｐを設けても、回転機構がないので構造
が簡単となる。また、この部分にシートクツシヨ
ン部を上下に調節する機構を設けてもよい。

以上説明したように本考案によれば、車輛の床
面上に回転機構を介して回転板を取付け、この回
転板の上にシート部の脚部を固定するようにした
ので回転シート部をいずれの方向でも所望の角度
に停止することができ、脚部が邪魔とならず、こ
れによつて乗員はいずれの位置においても脚を延
ばすことができるので車輛のあらゆる方向の景色
でもシートに着座したままで眺められ、快適な乗
車感を得ることができる。また、車両の床面側に
形成した凹部に埋設した回転機構とこの回転機構
の回転板上に載置されたシート部とにより構成し
たので、簡単な構成にも拘らず複数人数掛けの長
椅子状のシートに対しても回転機構を具備させる
ことが可能となるという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図ａ〜ｄは従来の車輛用回転シ
ートの一例を示す簡略構成図、第３図、第４図は
本考案による車輛用回転シートの一実施例を示す
平面図、断面図、第５図は本考案による車輛用回
転シートの他の実施例を示す断面図である。 １０……シートクツシヨン部、１１……脚部、
１２……回転板、１３……凹部、１４……開口部
底面、１５……ベアリング、１６，１７……レー
ル、１８……係止機構、２０……キヤスタ、Ｍ…
…モータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車室内床面側に設けた回転機構と、この回転機
   構上に設けたシート部とから成る車輛用回転シー
   トにおいて、 上記車室内床面に凹部を設け、この凹部内に上
   記回転機構を埋設すると共に、上記回転機構の回
   転板の上面と車室面とを略同一面とし、この回転
   板の上に長尺な脚部及びシート部を載置したこと
   を特徴とする車輛用回転シート。