JPS63270843A

JPS63270843A - 無杼織機

Info

Publication number: JPS63270843A
Application number: JP10323787A
Authority: JP
Inventors: 合屋　大作; 小嶋　彦大
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1987-04-28
Filing date: 1987-04-28
Publication date: 1988-11-08

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の技術分野〕本発明はタテ糸の毛羽発生による停台を減少し、生産性
の向上と共に織物品質の向上を図ることができる無杼織
機に関し、特にウォータジェットルームの改良に関する
ものである。

〔従来技術〕

一般に織機は、無杼織機の場合に限らず、筬打ち直後の
織物に織縮みが発生しないようにするため、筬の往復作
動域直後の位置に織物の両耳部を把持するテンプルを設
置するようにしている。

第５図はこのような従来のウォータジェットルームの一
部を示すものである。多数本のタテ糸Ｙａをガイドして
いる筬５１の後側には杼口５２が形成され、その杼口５
２にジェットノズル５３から水と共にヨコ糸Ｙｂが噴射
され、そのヨコ糸Ｙｂを筬５１が矢印方向の筬打ちによ
って織物Ｆに形成するようになっている。

この筬の往復作動域の直後には、織物Ｆの両耳部をそれ
ぞれ把持するテンプル５４．５４が設けられ、織縮みが
発生しないようにしている。

このテンプル５４は、第６図に示すように、ローラ５５
の表面に織物の耳部を貫通するようにした多数の針５６
．・−１５６を植設し、さらに抜は防止のためにテンプ
ルカバー５７を設けている。さらに第５図に図示するよ
うに、ローラ５５の内端側に円錐状のバレル５８を取り
付け、織物表面をガイドすることによって幅方向の張力
変化を緩和するようにしている。

ところが、上記テンプル５４の針５６は、タテ糸とタテ
糸の間だけに挿入されるとは限らず、そのタテ糸自身に
も直接突き刺さることがある。

そのためタテ糸を構成する単糸に異常張力を発生し２、
単糸が切断され、それが毛羽になって停台を招くように
なるのである。また、その毛羽によって織物品位の低下
を招くことになるのである。

また、上述したテンプルが設置されていると、耳部やそ
の近傍においてタテ糸相互間に張力変動の差異を増大し
、ひいては織物品位の低下を招く原因になっていた。

すなわち、第７図ａ、　　ｂ、　　ｃ、　　ｄのグラフ
は、それぞれ従来のウォータジェットルームにおいて、
織物幅方向の各部のタテ糸の張力Ｔと往復運動する筬の
位相ｐｈとの関係を示したものである。すなわち、第７
図ａは耳部の最外端に対応する位置のタテ糸の張力変化
を、第７図すはテンプル中央に対応した位置のタテ糸の
張力変化を、第７図Ｃはバレル内端に対応する位置のタ
テ糸の張力変化を、また、第７図ｄは織物の中央部に対
応する位置のタテ糸の張力変化を、筬の位相ｐｈとの関
係でそれぞれ示したものである。また、これらのグラフ
において、筬の位相ｐｈは、Ｏ’、３６０°がそれぞれ
筬が織物側に打込まれた位置を意味し、また１８０°が
打込み位置から最も離れた位置を意味している。

これらの図から明らかなように、タテ糸の張力Ｔが筬の
位相ｐｈに対応して変化する状況は、織物の幅方向の各
位置におけるタテ糸ごとにそれぞれ著しく異なっている
。このように織物幅方向の各位置でタテ糸張力が異なっ
ているため、その張力差によりタテ糸の開口遅れが起こ
り、その遅れたタテ糸にヨコ糸が衝突し、正規なヨコ入
れがなされずに停台を招くことがある。当然、織物の品
位が低下してしまうことも明らかである。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上述のような従来装置の問題を解消し
、テンプルの針の突き刺さりに起因する毛羽の発生をな
くし、かつその毛羽から発生する停台や織物品位の低下
をなくし、また織物幅方向の各部におけるタテ糸相互間
の張力変動の差異を小さくし、織物品位の向上を図る無
杼織機を提供することにある。

上記目的を達成するため本発明の無杼織機は、筬の往復
作動域直後の織物通路にテンプルを設置しないことを大
きな特徴とする。かつ、このテンプル不設置の状態にお
いて、筬を構成する筬羽の少なくとも表面部をセラミッ
クスまたはその複合体で構成するようにしたことを特徴
とするものである。

本発明においてさらに好ましくは、上記筬の往復作動域
直後の織物通路の片側に吸引機構を配置し、他側に非通
気性または難通気性のシートを配置するようにすること
を特徴とする。

本発明の無杼織機では、テンプルを設置しないため、前
述したテンプルによるタテ糸の損傷による毛羽発生はな
くなり、またその毛羽によって起こる停台の問題や織物
品位の低下問題を解消することができる。一方、テンプ
ル不設置のままでは筬打ち直後の織物に織縮みを発生す
るため、筬羽に対するタテ糸の扱きが強（なり、筬羽の
著しい摩耗によって毛羽の発生を招くようになる。しか
し、本発明では筬羽の少なくとも表面部がセラミックス
またはその複合体で構成され、耐摩耗性と平滑性の高い
状態になっているため、このような毛羽の発生を招くこ
とはないのである。

以下、本発明を図に示す実施例によって説明する。

第１図は本発明による無杼織機の一例としてのウォータ
ジェットルームを示すものである。

この第１図において、並列に引き揃えられて送り出され
る多数本のタテ糸Ｙａは、一対の綜絖４，４による交互
の上下運動によって、筬１の後側に杼口２を形成する。

この杼口２にジェットノズル３から水と共にヨコ糸ｙｂ
が噴射挿入され、そのヨコ糸ｙｂに筬１が打ち込まれて
織物Ｆが形成されるようになっている。ヨコ糸Ｙｂは、
チーズ５から供給ローラ６により一定速度で引き出され
つつ負圧の貯溜バイブ７の中に吸い込まれ、筬打ちの直
前にジェットノズル３によって必要長さが引き出される
ようになっている。８は、上記ジェットノズル３に水を
間欠的に圧送するポンプである。

上記ウォータジェットルームでは、筬の往復作動域直後
の織物通路に、織物Ｆの両耳部を把持するテンプルが設
けられていない。このため、筬打ち直後の織物Ｆには、
第３図に示すように、第５図のようにテンプルを設けた
場合に比べると大きな織縮みが発生し、筬１には特に両
端領域においてタテ糸による強いが扱きが作用する。

しかし、本発明では、第２図に示すような筬１を構成す
る筬羽１ａ、−・−・＋　　ｌａがセラミックスまたは
その複合体で形成されるか、あるいは金属材料を基材と
してその表面にセラミックスまたはその複合体がコーテ
ィングされる構成になっている。したがって、筬羽１ａ
の表面部は極めて平滑性が高く、かつ耐摩耗性の高い状
態になっている。したがって、タテ糸Ｙａの扱きによる
毛羽を発生することがない。

また、上記ウォータジェットルームにおいてタテ糸の張
力変動を測定すると、前述した第７図ａ、　　ｂ、　　
ｃ、　　ｄの測定位置に対応する部分では第８図ａ、ｂ
、ｃ、ｄのような張力変動になっている。すなわち、テ
ンプルが設置されていないことによって、織物の耳部お
よび中央の各位置でのタテ糸相互間の張力変動の差異が
極めて小さくなっている。このため、織物品位を向上す
るようになる。

上述した筬羽の少なくとも表面部を構成するセラミック
スとしては、酸化物系セラミックス、非酸化物系セラミ
ックスのいずれも適用することができる。酸化物系セラ
ミックスとしては、アルミナ系、マグネシア系、ジルコ
ニア系、ベリリア系などのセラミックスがあり、特にこ
のうちでもアルミナ系セラミックスやジルコニア系セラ
ミックスが好適である。また、非酸化物系セラミックス
としては炭化珪素系、窒化珪素系、炭化チタン系などの
セラミックスが好ましい。

また、セラミックスの複合体としては、金属との複合体
が好ましい。特にセラミックパウダと金属パウダとを焼
結したサーメットが最適であり、セラミックを１５〜８
５容量％の範囲で、残りを金属としたものがよい。具体
的にはアルミナクロム系サーメット、アルミナ炭化珪素
系サーメット、炭化物系サーメットなどは特に優れてい
る。

また、この実施例のウォータジェットルームでは、第３
図、第４図に示すように、筬の往復作動域の直後に吸引
機構としての吸引パイプ９と非通気性または難通気性の
シート１０から構成した皺防止機構を設けている。吸引
バイブ９は織物Ｆを横切るように配置され、図示しない
真空ポンプに接続されており、またシート１０は織物Ｆ
を挟んで反対側に配置されている。吸引パイプ９にはス
リット９ａが設けられており、このスリット９ａから空
気を吸い込むことによりシート１０を織物Ｆ側に吸着さ
せ、その織物Ｆを吸引パイプ９の表面で扱き、寄り縮み
による皺を伸ばすようにする。この皺伸ばし作用は、従
来のテンプルに代わり毛羽を発生させない織縮み防止機
能も行うことができる。

本発明による上記シート１０としては、プラスチックフ
ィルム、樹脂コーティングまたはゴムコーティングした
編織物、編織密度の高い編織物など、非通気性または難
通気性のシート状物であればいずれも適用可能である。

このうちでも、適度の表面平滑性が得られ、かつ低コス
トで得られるという点でプラスチックフィルムが最適で
ある。

本発明において上記皺防止機構は必ずしも必要ではない
が、設置すれば本発明による作用効果を一層向上するこ
とができる。

なお、上述した実施例では、無杼織機としてウォータジ
ェットルームを例示したが、本発明はエアジェツトルー
ムなどの他の無杼織機にも適用可能である。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明の無杼織機は、織機に必ず設け
られていたテンプルを設けないから、テンプルに起因す
る毛羽の発生や、その毛羽に起因する停台や織物品位の
低下をなくすことができる。また、テンプルを設けない
ことにより、織物幅方向の各部におけるタテ糸相互の張
力変動の差異を小さくするので、織物品位の向上を図る
ことができる。

また、テンプルを設けないことによって筬羽にタテ糸の
扱きを受けることになるが、筬羽の少なくとも表面部を
セラミックスまたはその複合体で構成するようにしたた
め、その高い平滑性と耐摩耗性によりタテ糸に毛羽発生
はなく、同様に停台や織物品位の低下を招くことはない
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例からなる無杼織機の斜視図、第
２図は同織機における筬の正面図、第３図は同織機の筬
近傍における平面図、第４図は第３図のＩＶ−ｒＶ矢視
図、第５図は従来の無杼織機の筬近傍における平面図、
第６図は第５図の■矢視図、第７図ａ、ｂ、ｅ、ｄはそ
れぞれ従来の無杼織機における織物幅方向の各位置にお
けるタテ糸張力の筬の位相に対する変動を示すグラフ、
第８図ａ、ｂ、ｃ、ｄは本発明の無杼織機における織物
幅方向の各位置でのタテ糸張力を、第７図ａ、ｂ、ｃ、
ｄにそれぞれ対応させて示すグラフである。１・・・筬、１ａ・・・筬羽、３・・・ジェットノズル
、９・・・吸引パイプ（吸引機構）、１０・・・（非通
気性または難通気性の）シート、Ｙａ・・・タテ糸、Ｙ
ｂ・・・ヨコ糸、Ｆ・・・織物。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）筬の往復作動域直後の織物通路にテンプルを設置
することなく、前記筬を構成する筬羽の少なくとも表面
部をセラミックスまたはその複合体で構成したことを特
徴とする無杼織機。
（２）筬の往復作動域直後の織物通路の片側に吸引機構
を配置し、他側に非通気性または難通気性のシートを配
置した特許請求の範囲第１項記載の無杼織機。
（３）シートがプラスチックフィルムである特許請求の
範囲第２項記載の無杼織機。