JPS6326899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はケース本体と蓋体から成り、これら
のケース本体と蓋体に時限カム回動用の歯輪列を
構成する各歯車軸の両端部を支持する軸支孔を
夫々備え、ケース本体と蓋体を合着させた状態で
は上記軸支孔が対応する歯車軸に嵌合してこれを
支持し得るようにしてあるタイマーケースに関す
るもので、ケース本体と蓋体を簡易、迅速に組付
けることができてしかも組付けた状態の両者の結
合強度を大きくし得るようにしたタイマーケース
を提供しようとするものである。

以下本願の実施例を図面について説明する。第
１図〜第３図はタイマーの外観を示し、１は内部
が中空のタイマーケースで、ケース本体２とこの
ケース本体２に合着されている蓋体３から成り、
これらは合成樹脂材料によつて形成されている。
４は上記タイマーケース１に回転可能に軸支され
た主軸で、第６図、第７図に示すようにタイマー
ケース１内において時限カム５と主歯車６が周知
の様に取付けられている。７は上記タイマーケー
ス１の外側面に係止片８ａや環状突条８ｂによつ
て取付けられたタイマーモータで、これの回転軸
７ａには駆動ピニオン９が回転可能に取付けられ
ている。１０はタイマーケース１内に装設されて
いる歯輪列で、第６図に示すようにケース本体２
と蓋体３の相対向する位置に夫々形成されている
軸支孔１１，１２によつて支持されている複数本
（図面では５本）の歯車軸１３とこれらの歯車軸
１３に回転自在に嵌合されている多数個（図面で
は９個）の歯車１４と、ケース本体２に回転自在
に軸支されている従動歯車１５から成り、上記タ
イマーモータ７の駆動ピニオン９の回転を時限カ
ム５に伝達し得るようになつている。上記各軸支
孔１１，１２はタイマーケース１内部の防塵、防
水効果を高める為にめくら孔に形成されている。
１６は上記時限カム５に従動されたスイツチで、
タイマーケース１内に固定的に内蔵されている接
点保持台１７と、この接点保持台１７に保持され
ている３つの接点板１８〜２０と、この接点板１
８に時限カム５に対接するように取付けられてい
る従動片２１等によつて構成されている。次に、
２２は上記ケース本体２における側壁２ａの蓋体
３と合着する合着面に樹立された案内ピンで、第
４図、第６図に示すように側壁２ａの周囲をほぼ
４等分する位置に夫々ケース本体２と一体に成型
されている。これらの案内ピン２２はケース本体
２の上記軸支孔１１の軸線と平行に樹立され、か
つ充分な剛性を保持し得る太さに設定されてい
る。また、これらの案内ピン２２は第６図に示す
ようにケース本体２と蓋体３を合着させた状態で
その先端部が後述の蓋体３の案内孔から外方へ突
出する長さ即ち立上げ量に設定され、これらの先
端部が冷間スピニング加締（熱加締）されること
によつて案内孔から抜止めされている。なお、上
記案内ピン２２の数は２本以上であれば良く、４
本に限定されるものでない。また案内ピン２２の
断面形状も円形に限定されるものでなく、三角形
や四角形等でも良い。２３は上記蓋体３における
側壁３ａのケース本体２と合着する合着面に貫通
状に形成された案内孔で、ケース本体２と蓋体３
を合着させた状態で上記各案内ピン２２と嵌合す
る位置に夫々形成されている。これらの案内孔２
３の合着面側端部は案内ピン２２を嵌合し易いよ
うに僅かに拡開され、反合着面側端部には加締用
凹部２３ａが形成されている。また、これらの案
内孔２３はその軸線が蓋体３の上記軸支孔１２の
軸線と平行になるように形成されている。上記案
内ピン２２と案内孔２３の嵌合誤差及び両者の案
内面２４の長さは、ケース本体２の軸支孔１１に
軸支されている歯車軸１３に蓋体３の軸支孔１２
が嵌合し始める位置まで案内ピン２２と案内孔２
３を嵌合させた状態で各軸支孔１２と歯車軸１３
がまつすぐ対向する如く基体３のケース本体２に
対する姿勢を保持し得るように設定されている。
図面では案内面２４の長さが比較的長く設定さ
れ、嵌合誤差は案内孔２３を案内ピン２２に嵌め
込み易いように比較的大きく設定されている。２
５はケース本体２の基壁２ｂ内面から大きく立上
げられた取付柱で、先端面には取付孔２６が形成
されている。この取付柱２５の立上げ量はケース
本体２と蓋体３を合着させた状態で蓋体３に形成
されている嵌合孔２７に丁度嵌合してその先端面
が蓋体３の基壁３ｂ外面とほぼ同一平面上に位置
するように設定されている。上記取付柱２５と嵌
合孔２７は２箇所に形成されているが、これらの
数に限定されるものでない。なお本願にあつて
は、上記案内ピン２２を蓋体３に、案内孔２３を
ケース本体２に設けても良い。

上記構成のものにあつては、タイマーの組立て
を行う場合、先ず第４図に示すように形成されて
いるケース本体２の各軸支孔１１に歯車軸１３の
下端部を嵌合させてまつすぐ上向きに樹立させ、
また従動歯車１５を回転自在に軸支させる。その
後、上記各歯車軸１３に多数の歯車１４を嵌合さ
せて歯輪列を構成する。またスイツチ１６を組み
込むと共に時限カム５や主歯車６等を嵌め込んだ
主軸４をまつすぐ上向きに樹立させる。然る後、
第４図、第５図に示すように形成されている蓋体
３の主軸孔２８を上記主軸４に嵌め込んでケース
本体２の上方にかぶせ付け、この蓋体３の各案内
孔２３を上記ケース本体２に樹立されている案内
ピン２２に夫々嵌合させ、これらの案内孔２３を
案内ピン２２によつて案内させながら蓋体３をケ
ース本体２側へ移動させる。これにより蓋体３は
これの各軸支孔１２が上記歯車軸１３の上端部に
嵌合し始める位置へと移動されるが、この状態で
は上記案内孔２３と案内ピン２２の嵌合によつて
蓋体３の軸支孔１２と歯車軸１３が丁度相対向す
る如く蓋体３のケース本体２に対する姿勢が保持
される。従つて、その後蓋体３を更にケース本体
２側へ移動させると、各軸支孔１２は対応する歯
車軸１３の上端部に確実に嵌合してこれらの歯車
軸１３を支持し、その後蓋体３の合着面がケース
本体２の合着面に合着する。このとき各案内ピン
２２の先端部は案内孔２３から外側へ僅かに突出
した状態となる。また上記のように蓋体３をケー
ス本体２に合着させると、ケース本体２の取付柱
２５は蓋体３の嵌合孔２７に嵌合して取付孔２６
が蓋体３の外側面に露出する。その後、上記各案
内ピン２２の先端部を冷間スピニング加締するこ
とによつて案内孔２３からの案内ピン２２の抜け
止めを行う。これにより蓋体３はケース本体２に
一体的に結合される。一方、タイマーモータ７は
ケース本体２の外側面に係止片８ａを押し拡げて
取付け、これの駆動ピニオン９を上記従動歯車１
５に噛合させる。以上によりタイマーの組立てが
完了し、次にこのタイマーを使用する場合には、
上記各取付柱２５の先端面を取付を希望する部材
の取付面に当て付けた後取付孔２６に取付ねじ
（図示省略）をねじ込んで取付ける。このように
蓋体３を介さずにケース本体２を直接取付面に取
付けるようにしてあるので、ケース本体２を取付
面に強固に取付けることができ、また蓋体３の強
度を弱いものにすることができてその肉厚を薄く
し得る利点がある。

以上のようにこの考案にあつては、ケース本体
と蓋体の何れか一方のものに複数本の案内ピン
を、他方のものに上記案内ピンに対応する案内孔
を夫々設け、これらの案内ピンと案内孔を軸支孔
と歯車軸が嵌合し始める位置まで互いに嵌合させ
た状態では各軸支孔と歯車軸が対向する如くケー
ス本体と蓋体の姿勢を保持し得るようにしてある
ので、ケース本体と蓋体を合着させて各軸支孔を
対応する歯車軸に嵌合させる場合、案内孔を案内
ピンに嵌合させて蓋体とケース本体を合着させる
だけで各軸支孔を対応する歯車軸に嵌合させるこ
とができ、これによりケース本体と蓋体の組付け
作業を簡易、迅速に行える作業上の効果がある。

また上記のようにケース本体と蓋体を簡易、迅
速に行えるようにしたものであつても、ケース本
体と蓋体の何れか一方のものに案内ピンを設け、
他方のものに案内孔を設け、これらの案内ピンと
案内孔を嵌合させてケース本体と蓋体を合着させ
得るようにしてあるので、ケース本体と蓋体を合
着させた状態ではケース本体又は蓋体に合着面と
沿う方向への大きな力が加わつた場合でもケース
本体と蓋体の相対的な位置を保持することがで
き、ケース本体と蓋体の横ずれに対する強度を大
きくし得る効果がある。

更にまた、上記案内ピンはケース本体と蓋体を
合着させた状態で案内孔から突出するようにして
あるので、ケース本体と蓋体を互いに止着する場
合、上記案内ピンの先端を拡開させるだけでケー
ス本体と蓋体を止着することができ、ケース本体
と蓋体の止着作業を簡易、迅速に行える利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図はタ
イマーの平面図、第２図は第１図の右側面図、第
３図は第１図の底面図、第４図は分解斜視図、第
５図は蓋体の斜視図、第６図は第１図の−Ｏ−
線断面図、第７図は第１図の−Ｏ−線断面
図。 １……タイマーケース、２……ケース本体、３
……蓋体、１０……歯輪列、１１，１２……軸支
孔、１３……歯車軸、２２……案内ピン、２３…
…案内孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース本体とこれに合着させる為の蓋体から成
   り、これらのケース本体と蓋体の対向面には時限
   カム回動用の歯輪列を構成する各歯車軸の両端部
   を支持する軸支孔を夫々対向位置に備えさせて、
   ケース本体と蓋体を合着させた状態では上記軸支
   孔に、夫々対応する歯車軸の両軸端が夫々嵌合し
   て歯車軸を支持し得るようにしてあるタイマーケ
   ースにおいて、上記ケース本体に備えさせる軸支
   孔の内径は、歯車軸の軸端を軸支した状態では上
   記軸支孔の軸線に合せて歯車軸を樹立状に保持し
   得る寸法に定めてあり、更に、上記ケース本体と
   蓋体の何れか一方には、上記軸支孔の軸線と平行
   な複数本の案内ピンを他方のものに向けて樹立さ
   せ、他方のものにはケース本体と蓋体を合着させ
   た状態で上記案内ピンと嵌合する位置に上記軸支
   孔の軸線と平行な案内孔を夫々設け、上記案内ピ
   ンの長さは、上記案内ピンが案内孔の孔縁に嵌合
   し始める状態において上記ケース本体側の軸支孔
   にのみ軸支させて樹立状にしてある歯車軸の自由
   端と蓋体側の軸支孔縁との間に空間が得られる長
   さであつて、しかもケース本体と蓋体を合着させ
   た状態では上記案内ピンの先が案内孔を貫通して
   外部に突出する長さに設定してあることを特徴と
   するタイマーケース。