JPS6326593Y2

JPS6326593Y2 -

Info

Publication number: JPS6326593Y2
Application number: JP1982164474U
Authority: JP
Priority date: 1982-10-28
Filing date: 1982-10-28
Publication date: 1988-07-19
Also published as: JPS5967658U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、、フロントエンジンフロントドライ
ブ車の歯車変速機、特に副変速機を備えた歯車変
速機に関する。

フロントエンジンフロントドライブ車において
は、エンジンと該エンジンからの動力が入力され
るトランスミツシヨンとを横向きに配置し、且つ
該トランスミツシヨンと、該トランスミツシヨン
の出力を左右の前輪に分割して伝達する前輪差動
装置とを一体化して上記エンジンに結合するのが
通例である。

然して、このような構成のフロントエンジンフ
ロントドライブ車において、エンジンと前輪との
間の変速比を、例えば前進６段後進２段、或は前
進８段後進２段というように多数段に設定したい
場合は、例えば実開昭51−92829号公報に開示さ
れている「車両用駆動装置」のように、エンジン
とトランスミツシヨンとの間に副変速機が備えら
れる。即ち、この「車両用駆動装置」は、第１図
に示すように、複数の副軸歯車１…１が一体的に
配置された副軸２と、上記副軸歯車１…１に対応
する複数の主軸歯車３…３が嵌合され且つその一
つが選択的に結合される主軸４と、上記副軸歯車
１…１の少なくとも２以上に噛み合う２以上の入
力軸歯車５，５が嵌合され且つその一つが選択的
に結合されると共にエンジン６のクランク軸７と
同一軸心上に設けられた入力軸８とから構成した
ものである。つまり、上記副軸２と主軸４及び両
軸上の歯車１…１，３…３とから構成されるトラ
ンスミツシヨンＡとエンジン６との間に、上記副
軸２と入力軸８及び両軸上の各２以上の歯車１，
１，５，５とから構成される副変速機Ｂが備えら
れている。

然るに、上記の如き構成の副変速機付き駆動装
置によると、副変速機を有しないもの（副軸２が
クランク軸７と同一軸心上に配置される）に比較
して車体方向に延びる軸が一本多くなつて、前輪
差動装置９の出力軸１０を含めて合計４本の軸が
平行に並ぶことになる。そのため、駆動装置全体
の車体前後方向の寸法が大きくなつて、エンジン
ルームの前後幅が小さい小型車の場合には該エン
ジンルームへの収容が困難となり、或は副変速機
を有しない駆動装置から該駆動装置への仕様変更
時に大幅なレイアウトの変更が必要となる、等の
問題を生じる。

本考案は、フロントエンジンフロントドライブ
車に装備されるトランスミツシヨンと副変速機と
を有する駆動装置ないし歯車変速機における上記
の如き問題に対処するもので、トランスミツシヨ
ンと前輪差動装置とが一体化されてエンジンに結
合される構成において、車体幅方向に延びる軸の
本数を増加することなく副変速機を設けるように
したものである。これにより、多数段の変速比が
得られ、且つ小型車への搭載が可能な、或はレイ
アウト上の問題を生じないコンパクトな歯車変速
機を実現する。

即ち、本考案フロントエンジンフロントドライ
ブ車の歯車変速機は、エンジンのクランク軸を同
軸上に配置されて該クランク軸に接続される入力
軸と該入力軸に平行な出力軸との間に変速歯車群
が介設され且つ該入力軸及び出力軸が車体幅方向
に延びるように配設された２軸タイプのトランス
ミツシヨンと、該トランスミツシヨンと前輪差動
装置との間に設けられた副変速機とからなる歯車
変速機であつて、上記副変速機が、トランスミツ
シヨンの上記出力軸上に同軸に配置され且つ該出
力軸に対して選択的に結合可能に嵌合された高速
用及び低速用の一対の駆動歯車と、上記前輪差動
装置におけるデフケースに該差動装置と同軸上に
固設され且つ上記一対の駆動歯車の夫々に常時噛
合する高速用及び低速用の一対の被動歯車とから
構成されていることを特徴とする。これにより、
トランスミツシヨンの出力軸と前輪差動装置との
間に、軸を追加することなく副変速機を備えるこ
とが可能となる。

以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。

第２，３図に示すようにエンジン１１はクラン
ク軸１２が車体幅方向に延びるように横向きに設
置され、また、該エンジン１１に結合されたトラ
ンスミツシヨン１３も、上記クランク軸１２にク
ラツチ１４を介して接続される入力軸１５、及び
該入力軸１５に平行な出力軸１６が同じく車体幅
方向に延びるように横向きに設置されている。該
トランスミツシヨン１３の入力軸１５上には複数
の駆動側変速歯車１７…１７が固着又は一体形成
されており、また、出力軸１６上には上記駆動側
変速歯車１７…１７の夫々に常時噛合した複数の
被動側変速歯車１８…１８が遊嵌合されている。
また、出力軸１６上における各被動側変速歯車１
８…１８の側方には、該出力軸１６と一体回転し
且つ側方にスライド可能に嵌合された歯車選択部
材１９，１９が嵌合されており、該部材１９，１
９の一つが外部操作によつて側方にスライドした
時に、そのスライドした側方に位置する一つの変
速歯車１８が該部材１９を介して出力軸１６に結
合される。。ここで、図例においては、駆動側及
び被動側変速歯車１７…１７，１８…１８は３組
備えられていると共に、その第１速用変速歯車１
７₁，１８₁と第２速用変速歯車１７₂，１８₂との
間に１−２速用歯車選択部材１９₁が、また第３
速用変速歯車１７₃，１８₃の側方に３速用歯車選
択部材１９₂が備えられている。また、図示しな
いが、入力軸１５と出力軸１６との間には駆動側
歯車と被動側歯車とが中間歯車を介して噛合する
後退速用変速歯車が備えられている。つまり、該
トランスミツシヨン１３は、前進３段後進１段の
変速比が得られるように構成されている。

一方、上記のように構成されたトランスミツシ
ヨン１３のケース２０には前輪差動装置２１が一
体的に設けられている。この前輪差動装置２１
は、トランスミツシヨン１３側から動力が入力さ
れるデフケース２２と、該デフケース２２内に半
径方向に架設されたピン２３と、該ピン２３に回
転自在に軸支された一対の傘歯車でなるピニオン
２４，２５と、両ピニオン２４，２５に噛合する
同じく傘歯車でなる左右一対のサイドギア２６，
２７とから構成されている。そして、左右一対の
サイドギア２６，２７には、車体幅方向に延びる
左右の前輪駆動軸２８，２９が夫々連結され、左
右の前輪３０，３１に至る。

然して、上記トランスミツシヨン１３と前輪差
動装置２１との間には、更に副変速機３２が設け
られている。この副変速機３２は、上記トランス
ミツシヨン１３における出力軸１６上に遊嵌合さ
れた高速用及び低速用の一対の駆動歯車３３，３
４と、上記前輪差動装置２１におけるデフケース
２２に該差動装置２１と同芯状に固着されて、上
記一対の駆動歯車３３，３４の夫々に常時噛合さ
れた同じく高速用及び低速用の一対の被動歯車３
５，３６とから構成されている。そして、上記出
力軸１６における駆動歯車３３，３４の間に、該
出力軸１６と一体回転し且つ両側方にスライド可
能に嵌合された歯車選択部材３７が具備され、該
部材３７が外部操作によつて側方にスライドした
時に、そのスライドした側方の駆動歯車３３又は
３４が該部材３７を介して出力軸１６に結合され
る。

上記の構成によれば、エンジン１１のクランク
軸１２からトランスミツシヨン１３の入力軸１５
にクラツチ１４を介して導入される動力は、該ト
ランスミツシヨン１３における歯車選択部材１９
_１又は１９₂の操作によつて出力軸１６に結合され
た一つの被動側変速歯車１８と、これに噛合して
いる上記入力軸１５上の駆動側変速歯車１７を介
して、出力軸１６に伝達される。その場合に、複
数の被動側変速歯車１８₁，１８₂，１８₃のうち
のいずれの歯車を出力軸１６に結合させるかによ
つて、該トランスミツシヨン１３における入力軸
１５と出力軸１６との間の変速比が選択される。

然して、上記のように変速比を選択された上で
出力軸１６に伝達された動力は、副変速機３２に
おける歯車選択部材３７の操作によつて該出力軸
１６に結合された高速用又は低速用の駆動歯車３
３又は３４に伝達されると共に、その出力軸１６
に結合された駆動歯車に噛合する高速用又は低速
用被動歯車３５又は３６を介して前輪差動装置２
１のデフケース２２に入力される。そして、該差
動装置２１において分割された上で駆動軸２８，
２９を介して左右の前輪３０，３１に伝達され、
両輪３０，３１を駆動する。その場合に、上記副
変速機３２において、高速用又は低速用のいずれ
の歯車の組３３，３５，３４，３６を選択するか
によつて、トランスミツシヨン１３における出力
軸１６の一定回転に対して前輪差動装置２１の入
力回転が高速又は低速の２段階に切換えられる。
これにより、トランスミツシヨン１３の変速比が
図例のように前進３段後進１段の場合には、前輪
差動装置２１の入力ないし前輪３０，３１の回転
は前進６段後進２段に切換えられることになる。

ここで、上記副変速３２を構成する駆動歯車３
３，３４はトランスミツシヨン１３の出力軸１６
上に、また被動歯車３５，３６は前輪差動装置２
１と同一軸芯上に夫々配置されて、該副変速機３
２が新たに車体幅方向の軸を追加することなく構
成されている。

以上のように本考案によれば、トランスミツシ
ヨンと前輪差動装置とが一体的にエンジンに結合
されるフロントエンジンフロントドライブ車の歯
車変速機において、車体幅方向に延びる軸を追加
することなく副変速機を備えることが可能とな
る。これにより、多数段の変速比が得られ、しか
も車体前後方向の寸法が小さくて、小型車への搭
載が可能であり、また副変速機を有しない駆動装
置からの仕様変更時に大幅なレイアウトの変更を
要しない歯車変速機が実現される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の従来例を示す骨子図、第２図
は本考案の実施例を示す骨子図、第３図は該実施
例の要部拡大平面図である。１１……エンジン、１２……クランク軸、１３
……トランスミツシヨン、１４……クラツチ、１
５……入力軸、１６……出力軸、１７，１８……
変速歯車、２１……前輪差動装置、２２……デフ
ケース、３２……副変速機、３３，３４……高速
用及び低速用駆動歯車、３５，３６……高速用及
び低速用被動歯車。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンのクランク軸と同軸上に配置され、こ
れに接続される入力軸と該入力軸に平行な出力軸
との間に変速歯車群が介設されてなり且つ上記入
力軸及び出力軸が車体幅方向に延びるように配設
された２軸タイプのトランスミツシヨンと、該ト
ランスミツシヨンと前輪差動装置との間に設けら
れた副変速機とからなる歯車変速機であつて、上
記副変速機が、トランスミツシヨンの上記出力軸
上に同軸に配置され且つ該出力軸に対して選択的
に結合可能に嵌合された高速用及び低速用の一対
の駆動歯車と、上記前輪差動装置のデフケースに
該差動装置と同軸上に固設され且つ上記一対の駆
動歯車の夫々に常時噛合した同じく高速用及び低
速用の一対の被動歯車とから構成されていること
を特徴とするフロントエンジンフロントドライブ
車の歯車変速機。