JPS6326315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は多目的船におけるコンテナ積載装置に
関する。

第１図に従来の多目的船におけるコンテナ積載
の様子を示す。図において、１は多目的船、２は
そのハツチ、３はホールド内に多段積みされたコ
ンテナである。図からも明らかなように、多目的
船１は船こく構造上、そのハツチ２の径を船幅よ
りかなり小さくせしめられている。したがつて、
コンテナ３積載後、ホールド内船側部および船首
尾側部にデツドスペース４が形成されることとな
り、ホールド内のスペースが有効に利用されてい
ないという問題があつた。

本考案はこのような問題を解決することを目的
とし、ホールドのデツドスペース内の側壁にヒン
ジを介してそれぞれ取付けられたプレートまたは
フレームとこれに平行なリンクの先端にそれぞれ
ヒンジを介してシフタブルプレートまたはフレー
ムを取付け、該シフタブルプレートまたはフレー
ムの先端を繰出し可能な索体を介して甲板上から
吊下げ、デツドスペース内の底面に前記シフタブ
ルプレートを保持するポータブルペデスタルを設
けた構成の多目的船におけるコンテナ積載装置を
提供することによつて、その目的を達成するもの
であり、これにより、ホールド内のデツドスペー
スにもコンテナを積載することができ、もつて、
コンテナ積載量を増大することができるものであ
る。

以下本考案の構成をその一実施例を示す図面に
基づいて詳細に説明する。

第２図〜第６図において、５は多目的船、６は
そのハツチ、７はホールド８内船側部に形成され
たデツドスペースを示す。９はデツドスペース７
内の側壁１０の船側上部傾斜壁１１との接合部に
ヒンジ１２を介して取付けられたプレート、１３
は該プレート９の先端にヒンジ１４を介して取付
けられたシフタブルプレートで、シフタブルプレ
ート１３の先端に設けられたフツクかけ１５には
係船装置１６からポータブルローラー１７を介し
て繰出されたワイヤーロープ１８のフツクが引つ
かけられる構成とされている。なお、前記プレー
ト９およびシフタブルプレート１３はフレームを
用いて構成してもよい。１９はシフタブルプレー
ト１３の両側に対応して船側上部傾斜壁１１に取
外し可能に垂下して設けられたアームで、その長
さは、下端が前記側壁１０のプレート９を取付け
たヒンジ１２と同じ高さになる長さとされてい
る。２０はアーム１９の下端にヒンジ２１を介し
て取付けられたリンクで、前記プレート９と平行
してその他端をシフタブルプレート１３の両側に
ヒンジ２２を介して取外し可能に取付けられてい
る。２３はデツドスペース７内の底面２４に設け
られた前記シフタブルプレート１３を保持するた
めのポータブルペデスタルで、ボルト２５を介し
て着脱自在とされている。第５図に示す２６は船
側上部傾斜壁１１に取付けられたピンで、プレー
ト９とシフタブルプレート１３を２つ折りにした
状態で側壁１０に収納する場合に、予めシフタブ
ルプレート１３の両側端部に設けたフツクかけ２
７を引つかけて固定する働きをなすものである。

なお、図面上、ホールド８内の船側部に形成さ
れるデツドスペース７に本考案に係るコンテナ積
載装置を設ける構成を示したが、ホールド８内の
船首尾側部に形成されるデツドスペースにも本装
置を設けてもよいことは明らかである。

係る構成で、次に動作を説明する。先ず、多目
的船５にコンテナ３を積載する場合、第２図に示
すように最切、左舷または右舷どちらかのシフタ
ブルプレート１３のフツクかけ１５に、甲板上の
係船装置１６もしくは空いている荷役装置から繰
出したワイヤーロープ１８を引つかけて、吊下げ
る（第２図のものは右舷のシフタブルプレートを
吊下げている）。そして、シフタブルプレート１
３を倉口下まで吊上げ、該シフタブルプレート１
３に本船あるいは陸上の荷役装置を用いてコンテ
ナ３を積載する。次に、シフタブルプレート１３
上のコンテナ３をツイスロツクやラツシング装置
を用いて固縛した後、ワイヤーロープ１８を徐々
に繰出し、シフタブルプレート１３をデツドスペ
ース７内のポータブルペデスタル２３上に載せ
る。同様に左舷のシフタブルプレート１３にもコ
ンテナ３を積載し、ポータブルペデスタル２３上
に載せる。このとき、第４図に示すように、各ヒ
ンジ１２，１４，２１，２２が平行四辺形を描く
ことから、シフタブルプレート１３は平行四辺形
の原理によつて、どの高さにあつても水平に保た
れる。コンテナ３の積込みが完了すると第６図の
ようになる。次に、多目的船５にばら積荷物を積
込む場合は、各シフタブルプレート１３を第５図
に示すように、ピン２６で側壁１０に収納し、ア
ーム１９やリンク２０およびポータブルペデスタ
ル２３、ポータブルローラ１７を取り除いて積込
みに備える。

以上本考案によれば、ホールド内のデツドスペ
ースにもコンテナを積載することができ、もつ
て、コンテナ積載量を増大することができる。し
かも平行四辺形の原理を用いてシフタブルプレー
トまたはフレームが側壁に取付けられているの
で、コンテナを積載するシフタブルプレートまた
はフレームをハツチ開口部近傍まで容易に移動で
き、また、構成が極めて簡単であるので、容易に
実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示し、多目的船にコンテナを
積載したところの横断面図、第２図〜第６図は本
考案の一実施例を示し、第２図は多目的船の横断
面図、第３図は多目的船の要部斜視図、第４図〜
第６図はポータブルペデスタルの動作を説明する
ための多目的船の横断面図である。 ３……コンテナ、７……デツドスペース、８…
…ホールド、９……プレート、１０……側壁、１
２，１４，２１，２２……ヒンジ、１３……シフ
タブルプレート、１８……ワイヤーロープ、２０
……リンク、２３……ポータブルペデスタル、２
４……底面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホールドのデツドスペース内の側壁にヒンジを
   介してそれぞれ取付けられたプレートまたはフレ
   ームとこれに平行なリンクの先端にそれぞれヒン
   ジを介して水平のシフタブルプレートまたはフレ
   ームを取付け、該シフタブルプレートまたはフレ
   ームの先端を繰出し可能な索体を介して甲板上か
   ら吊下げ、デツドスペース内の底面に前記シフタ
   ブルプレートを保持するポータブルペデスタルを
   設けたことを特徴とする多目的船におけるコンテ
   ナ積載装置。