JPS6124476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は假設甲板に関する、更に詳しくは非使
用時に鋼板の下面に隣接する位置に格納せられ使
用時にこの位置から艙内に吊下げられる假設甲板
に関する。

所謂〓カー・デツキ〓と呼ばれるこの種の假設
甲板は往航に自動車を搭載し復航にバルク貨物を
積載する貨物船などには極めて有利なものである
けれども、従前のカー・デツキではそれ自体の重
量及び搭載貨物の重量を鋼甲板の下面から吊下げ
られた所定寸法のスタンシヨンにより支持してい
るために高さが一定に保たれ調節することができ
ない。艙内には小型乗用車が搭載されることもあ
れば、大型トラツクが持込まれることもあるかな
積載する車種に応じてカーデツキの高さを調節し
うるものとすることが望ましい。本考案は従前の
カー・デツキに起るこの種の問題の解決に役立つ
ものである。

本考案の目的は、搭載すべき貨物の寸法に応じ
て、假設甲板固有の昇降用ワイヤーを使用して假
設甲板を最適高さに調節したのち、該最適高さに
保持する錠止機構を得ることにある。本考案では
鋼甲板の下面から垂下する鎖のリンクに迅速確実
に係止される錠止機構が假設甲板に設けられる。

本考案によれば、鋼索により鋼甲板の下面から
水平に吊下げられ鋼甲板下面に隣接する格納位置
と、所望高さの使用位置との間で昇降させられる
仮設甲板であつて、鋼甲板下面の複数個の点のそ
れぞれに固着された上端から垂下する同数個の鎖
２、前記上端から所望距離の点で各鎖に噛合いこ
れを水平に導き出す仮設甲板上の同数個のスプロ
ケツト車輪４、ならびに各スプロケツト車輪に隣
接して仮設甲板に取付けられ前記水平方向に導か
れた各鎖のリンクに係止する爪３ｃと該爪を係止
位置に錠止する駆動シリンダー１１とを備えたス
トツパー３から成る調節自在の高さ保持機構を備
えていることを特徴とする本考案の仮設甲板によ
り達成される。

さて、本考案の装置の実施例を添付図面につい
て説明すると次の如くである。

第１図を参照するに、鋼甲板２２の下面に取付
けられた滑車１９，２０から垂下するワイヤー１
５，１６により鋼甲板２２から吊下げられた假設
甲板１が示されている。ワイヤー１５，１６はそ
れぞれ下端を留金具１７，１８により假設甲板１
に接続させ、それぞれ滑車１９，２０及び鋼甲板
２２の下面端部に取付けられた滑車２０Ａ，２１
Ｂを経て適宜の捲取ウインチ（図示せず）に接続
されている。ウインチの作動により假設甲板を昇
降させ、図示の中間位置、艙底位置及び鋼甲
板裏面に隣接する格納位置の何れかの位置に置
くことがでる。假設甲板１が艙底位置にあると
きこれに貨物を搭載してワイヤー１５，１６によ
り所望高さの中間位置に吊上げることができる。

貨物を搭載して中間位置置かれた假設甲板１
は適宜の支持機構により支持し、吊上げワイヤー
１５，１６は弛められるのが通例である。従前の
支持方法は、外板寄りの端部を外板内面の肋骨な
どに取付けられた支持ブラケツト５により支持
し、艙口もしくは船体中心線寄りの端部を鋼甲板
から吊下げられた折たたみ自在のスタンシヨンに
より支持していた。これらのスタンシヨンは假設
甲板１の高さを一定値に固定し調節し難いものに
する。

本考案では、假設甲板１の上部に位置する鋼甲
板２２の下面にあらかじめ選ばれた複数個の点に
取付けられた留金具７から垂下する複数本の鎖２
により假設甲板と搭載貨物との重量を支持するよ
うに成されている。第２図に示す如く、鋼甲板２
２から垂下する複数本の鎖２はそれぞれ所定高さ
の点を假設甲板１上のスプロケツト車輪４に懸け
たのち假設甲板１上に取付けられたストツパー３
の爪３ｃを鎖２のリンクに挿入して假設甲板１に
締付けることにより假設甲板に固着される。スト
ツパー３はほぼＬ字型の金具から成り隅角部をピ
ン９により假設甲板上の適宜の支持台（図示せ
ず）に回動自在に取付け、Ｌ字の一方の脚に駆動
シリンダー１１を接続させ、他方の脚を爪として
鎖２のリンクに挿入させる。このような鎖２を所
要数だけ假設甲板１の艙口寄り、ならびに外板寄
りの位置に取付け假設甲板１を支持する。鎖２、
ストツパー３、及びスプロケツト４は仮設甲板１
の調節自在の高さ調節装置となるものである。必
要とあれば、この種の鎖２を外板寄りの位置と艙
口寄りの位置との中間に設けてもよい。更に第１
図に示す如く、鋼甲板２２から垂下しスプロケツ
ト４及びストツパー３に懸けられた鎖２を水平に
外板側に導き假設甲板１の左側に取付けられた別
のスプロケツト６に懸けたのち、下方に導き艙底
に取付けられた留金具８に接続することもでき
る。

以上に示す如く、本考案では假設甲板自体及び
仮設甲板の使用時の高さを一定値のものに固定す
る従前の支柱を廃し搭載貨物の重量を、この假設
甲板１の上部に位置する鋼甲板２２の下面から垂
下する複数本の鎖により支持するように成されて
いるから、假設甲板１の高さを昇降ワイヤー１
５，１６を使用して所望の如く調節したのち鎖と
錠止機構とによりこの高さを保持することができ
る。従つて、積荷の高さに応じて假設甲板の高さ
を変え、艙内空間を無駄なく積荷のために使用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を示す断面図、第２図は
第１図の装置の要部を示す拡大詳細図である。 １……假設甲板、２……鎖、３……ストツパ
ー、４……スプロケツト、５……支持ブラケツ
ト、６……スプロケツト、７……留金具、８……
留金具、９……回動ピン、１０……本考案の装
置、１１……油圧シリンダー、１５……昇降ワイ
ヤー、１６……仝上、１７……留金具、１８……
留金具、１９……滑車、２０……滑車、２１Ａ，
２１Ｂ……滑車、２２……鋼甲板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼索により鋼甲板の下面から水平に吊下げられ
   鋼甲板下面に隣接する格納位置と、所望高さの使
   用位置との間で昇降させられる仮設甲板であつ
   て、鋼甲板下面の複数個の点のそれぞれに固着さ
   れた上端から垂下する同数個の鎖２、前記上端か
   ら所望距離の点で各鎖に噛合いこれを水平に導き
   出す仮設甲板上の同数個のスプロケツト車輪４、
   ならびに各スプロケツト車輪に隣接して仮設甲板
   に取付けられ前記水平方向に導かれた各鎖のリン
   クに係止する爪３ｃと該爪を係止位置に錠止する
   駆動シリンダー１１とを備えたストツパー３から
   成る調短自在の高さ保持機構を備えていることを
   特徴とする仮設甲板。