JPS632628B2

JPS632628B2 -

Info

Publication number: JPS632628B2
Application number: JP55061226A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Takazawa; Yoshiaki Nakanishi
Original assignee: Daicel Chemical Industries Ltd
Current assignee: Daicel Corp
Priority date: 1980-05-10
Filing date: 1980-05-10
Publication date: 1988-01-20
Also published as: JPS56158664A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は個人透析機に連結するための精製水装
置に関する。

医療用の透析機には、多人数用の大型のものと
個人用の小型のものとがある。

この種透析機においては、透析用かん流水とし
て、イオン交換水、軟水機処理水、活性炭処理水
あるいはこれらの組合せによる処理水又は単に無
処理の水道水が使用されている。しかし、これら
の水には一般細菌、水棲菌は無論、これらの菌の
屍骸あるいは代謝物から生じる発熱物質（パイロ
ジエン）が多量に混入しており、それ故にこれら
混入物特にパイロジエンが、時に、（特に夏期に）
透析患者の透析時発熱の原因になつている。従つ
て、透析用かん流水中の細菌並びにパイロジエン
を取除くことが肝要である。そのため、最近では
逆浸透膜あるいは限外過膜を用いて成るメンブ
レンモジユールを組込んだ精製水装置が開発さ
れ、透析機で使用するための水の精製に利用され
始めている。

ところが、現状では、この種の精製水装置は多
人数用透析機に供給する水の精製用として設計さ
れた、所謂多人数用集中供給方式のものである。
これを個人用透析機に給水するために利用するこ
とは不可能ではないが、次のような問題がある。
即ち、多人数用透析機にこの精製水装置を連結す
るには、両者を隣接設置し、単に装置の給水口を
直接或いは簡単なアダプタを介して透析機の受水
口に連結するだけで済むが、一般に多数設備され
ている個人用透析機に対しては必然的に精製水装
置の単一給水口から多数の透析機の受水口に導管
を配設しなければならない。しかもこの種導管は
必要に応じて散在配置された個人用透析機に対し
連結するが故に必然的に長いものが要求される。
しかも長い配管を容認するとしても必然的に個人
用透析機の配置場所が限定されてしまう。このよ
うな限定は本来所望の場所で簡便に利用できるこ
とに価値のある即ち、場所について自由度のある
べき個人用透析機にとつては致命的な問題点であ
る。しかも注目すべきことは、場所を限定して利
用するにしても、上述のように長い配管を必要と
するので、長い配管中で菌の二次汚染が発生する
という問題は避けられない。

以上のように、二次汚染の問題並びに個人透析
機の使用場所の限定の問題があるが故に必要を認
識しながらも、従来の精製水装置は個人用透析機
に殆んど適用されていないのが実情である。

然るに本発明の目的は、上記問題点に鑑み、個
人用透析機に精製水を供給するために透析機に付
設可能な小型の個人用精製水装置を安価に提供
し、以つて菌、パイロジエンを取除いた水を利用
でき、しかも個人透析機本来の場所の自由度、持
ち運び自在性を発揮できるようにすることにあ
る。

以下、本発明をその実施例により説明する。第
１図は本発明の精製水装置の１例を示す略示説明
図である。図において、１は小型のメンブレンモ
ジユールである。このモジユールでは0.3〜1.2m²
の面積を有する分画分子量5000〜50000の限外
過膜を用い、これでプリーツ型の原水路と透過水
路を規定している。即ちこゝで使用するメンブレ
ンモジユールはプリーツ型である。モジユールの
寸法は290mmＬ×62mmＷ×48mmＨ程度に抑えるこ
とができる。勿論メンブレンモジユールはプリー
ツ型に限定されるものではなく、中空系型、スパ
イラル型等、種々の公知の型式が採り得る。この
モジユール１には第１導管１０、第２導管２０、
第３導管３０が夫々連結されている。第１導管１
０には減圧弁１１と電磁弁１２が設けてある。こ
の第１導管１０の１端は水道蛇口やイオン交換器
の取水口に連結されるものであり、他端はモジユ
ール１の原水入口に連結されている。減圧弁１１
は必要によつて原水圧力の調節を行うものであ
り、必らずしも必要としない。電磁弁１２は水道
蛇口の弁に代えて原水のモジユールへの導入を規
制するものである。

第２導管２０はその１端がモジユールの透過水
出口に連結されており、他端は個人用透析機の入
水口に連結可能になつている。この第２導管２０
には逆止弁２１が設けてあり、これにより透過水
のモジユール１への逆流を防いでいる。２２は流
量計であり、これにより透析機への透過水量を調
べ、その情報に基いて前記減圧弁の必要な調節を
行う。

第３導管３０の１端はモジユール１の原水排出
口に連結されており、他端は排出口として開放さ
れている。この導管３０には電磁弁３１が設けて
あり、又この電磁弁３１を経由しないバイパス導
管部３０ａが設けてある。このバイパス導管部３
０ａには絞り弁が設けてある。この絞り弁３２
は、電磁弁３１が閉じているときに原水の１部分
をバイパス導管部３０ａを通じて常時排出するよ
うに設けたものである。この絞り弁３２とバイパ
ス導管部３０ａを共に設けず、代りに絞り弁と同
等の開口に調節可能な弁を電磁弁３１として用
い、この弁を通じて原水を部分的に常時排出する
ようにしてもよい。

いづれにしても、常時原水を部分的に常時排出
させる方式は排水透過方式と称すもので、原水の
大半を透過水として第２導管２０から流出させて
個人用透析機に送り込む方式である。これに対し
全量透過方式がある。この方式は原水を部分的に
も排出させることなく、全部を透過水として第２
導管２０へ流出させるものである。この方式にあ
つては、前記バイパス導管部３０ａと絞り弁３２
は不要である。この場合、透過操作中は電磁弁３
１を閉じることにより全量透過方式が実行でき
る。もしも電磁弁３１が開度調節可能なものであ
れば、この弁を通じて原水の１部を排出させるよ
うにすることにより排水透過方式を実行すること
ができる。

本発明装置において、第３導管３０に設けた電
磁弁３１は本来限外過膜の洗滌用として設けら
れたものである。

第１図の装置例において、弁３１を閉じ、弁１
２を開くと、例えば水道水の原水がモジユール１
に入り、その大半が透過水となつて個人用透析機
に送られることになる。この透過操作は、水道の
水圧で以つて充分可能である。即ち、0.5Kg／cm²
程度の低い水圧原水であつても、個人用透析機を
運転する事は可能であるが望ましくは水圧1.4
Kg／cm²以上で安定して30／Ｈ以上の透過水を供
給可能である。それは、限外過膜が5000〜
50000の分画分子量を有し、且つ0.3〜1.2m²の面
積を有しているためである。この透過操作で得ら
れる透過水は、パイロジエンが実質的に除かれて
おり、個人用透析機の透析用かん流水として極め
て有効であることが確認されている。

この透過操作を長時間続行したり、又は途中中
断をまじえて長時間稼動させると、例えば１ケ月
程稼動させると、モジユール中の限外過膜の原
水面（即ち原水路側の膜面）が異物、菌、パイロ
ジエン等で汚染されてくる。この汚染はパイロジ
エン等の好ましくない微細物を透過させる原因に
なるので、原水面は必要に応じ洗滌し、汚染物を
系外に除去してやることが肝要である。この洗滌
除去は第３導管３０に設けた電磁弁３１の操作に
よつて簡単に実行できる。即ち、例えば、患者の
透析治療が終了した後、電磁弁３１を開放してや
ると、原水の大半は第３導管３０を通つて排水さ
れる。その間に過膜の汚染原水面は原水によつ
て洗滌される。一般にはこの洗滌操作を10分程度
行うのが好ましい。これにより汚染物が除去さ
れ、再生された過膜は初期の過能力を発揮す
ることができる。

この種洗滌操作は、患者への透析を開始するた
めに透過水を透析機に送り始める直前に行つても
よいし、又透過水の供給終了直後に行つてもよ
い。或いは又患者の透析治療中であつてもこの洗
滌を実行することは不可能ではない。その場合は
短時間洗滌に限定すべきである。

この種洗滌のための洗滌水としては、水道水を
原水として使用している限りは、この原水をその
まま使用してよいが、この原水がイオン交換水の
場合には、洗滌水としては水道水を使用するよう
に第１導管１０をイオン交換器から水道蛇口へそ
の連結を切り換えてもよい。

図における４０は緊急ラインであり、第１導管
１０と第２導管２０を短絡させる導管である。こ
れに設けた電磁弁４１は通常は閉じている。しか
しモジユールの事故に際して中断することなく透
析機に透析用かん流水を供給し続けるためにこの
弁４１を開放する。その場合、原水が過されず
そのまま透析機に送られることになる。従つて、
この弁はあくまでも緊急時の開放にとどめるべき
ものである。

前述の透過水を供給している間に必要に迫られ
て洗滌操作を実行する場合には、上記緊急ライン
を開いて原水を透析機に継ぎ水として供給するよ
うにしてもよい。

第１導管１０には、減圧弁１１と緊急ライン４
０への分岐点の間で第１導管１０に殺菌用薬剤を
注入するための薬注器５０が設けてある。逆止弁
２１等により菌逆流汚染防止がされており透析前
に洗滌作業が必らず実行されるのであれば、薬注
器５０を操作して薬洗することは必らずしも要し
ない。しかし薬洗作業は積極的に行うのが好まし
い。薬洗作業は、先ず原水の装置への流入を止
め、薬注器５０から第１導管１０に適当量の薬剤
を注入することから始まる。そして適当な時間、
そして好ましくは約一晩そのまま放置しておく。
それから原水の流入を再開し、透析機を約30分運
転した後止める。その後、洗滌作業により薬洗を
終了する。

本発明の上述の装置には、電磁弁操作に必要な
電気回路と電気装置が設けてあるが、装置自体は
110mmＬ×330mmＷ×400mmＨ寸法程度のケーシン
グに収めることができるので、持ち運びが容易で
あり、460mmＬ×660mmＷ×1020mmＨ寸法程度の個
人透析機に付設して一体に持ち運ぶことも容易な
ので、水道水を原水とする限り、患者への透析治
療が場所を選ばずにしかも透析発熱の危険を伴わ
ずに、可能となる。上記付設は、透析機の側面或
いは背面に精製水装置をビス締めで固定すること
により行う。

本発明によれば、既述のように、排水透過方式
と全量透過方式のいづれを採用してもよい。即ち
いづれの方式であつても、パイロジエン、一般細
菌、水棲菌は全て除去できることが確認されてい
る。しかし、全量透過方式では、膜面汚染の洗滌
は必須であるが、排出透過方式にあつては透過操
作中に原水の１部が第３導管３０を通つて排出さ
れるので、常時膜面汚染は最小限に抑えられてい
る。しかし、時に弁３１を開放して強制的な洗滌
を行うことは透過水の品質保証のために望まし
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の１例を示す略示説明図で
ある。図において、１はメンブレンモジユール、１
０，２０，３０は夫々第１、第２、第３導管を示
す。１１は減圧弁、１２，３１，４１は電磁弁、
２１は逆止弁、２２は流量計、３２は絞り弁を
夫々示す。３０ａはバイパス導管部、４０は緊急
ライン、５０は薬注器を示す。

Claims

【特許請求の範囲】１分画分子量が5000〜50000であり且つ膜面積
が0.3〜1.2m²である限外過膜を用いて成るメン
ブレンモジユール；水道水蛇口又はイオン交換器
の配水口から該モジユールに原水を供給するため
の第１導管；該モジユールから透過水を逆止弁を
介して個人透析機に供給するための該逆止弁を有
する第２導管；該モジユール内の原水路を介して
該第１導管に連通した第３導管；及び該第３導管
に設けた流量調節弁を含んで構成され、水道水又
はイオン交換水を原水として、該調節弁の完全閉
鎖状態或いは部分閉鎖状態において該モジユール
の該過膜を透過した透過水を該第２導管を通じ
て該透析機に供給するようにし、又上記透過操作
中或いはその前後に該調節弁を一時的に全開放す
ることにより該過膜の原水面を原水で以つて洗
滌するようにしたことを特徴とする個人透析機に
連結する精製水装置。２該第３導管に該調節弁を経由しないバイパス
導管部を加設し、該導管部には絞り弁を設け、該
調節弁を完全閉鎖した状態で、該第３導管から該
絞り弁を介して原水を部分的に排出する間に該
過膜を透過した透過水を該第２導管を通じて該透
析機に供給するようにしたことを特徴とする特許
請求の範囲第１項の精製水装置。