JPS6326137Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は洗浄水をポンプによつて噴射すること
により食器を洗い、その洗浄水を上記ポンプによ
つて排水するようにした食器洗浄機に関する。

(ロ) 従来技術 この種の洗浄機はノズルを取付けたノズルタワ
ーを洗浄槽内に立設し、このタワー内を洗浄水の
給、排水路と成しており、給、排水路には可逆ポ
ンプを接続している。タワーの上部側壁にはノズ
ルに連通する給水孔が設けられ、またタワーの下
部側壁には排水孔が設けてある。そして、排水孔
には給水時にポンプ圧力により閉成作動する逆止
弁が設けてある。

給水時には洗浄水はタワー内を上昇し、給水孔
からノズルに導入され、ここから噴射される。排
水時には逆止弁が開放作動し、排水孔から洗浄水
を外部へ導出する。しかし、この排水時には排水
路はタワー上部の給水孔を介して外部に開放して
いるので、排出される洗浄水に外気を吸引し、ポ
ンプの排水能力を低下せしめる。

(ハ) 考案の目的 本考案は空気の吸引を抑制してポンプの排水能
力を維持することを目的とする。また、その維持
構造の一部を排水孔の逆止弁の取付構造に兼用す
ることにより、構造の簡素化を図ることを目的と
する。

(ニ) 考案の構成 本考案はノズルタワーの頂部にボール弁を収容
する凹所を形成すると共に排水孔よりも上方位置
に弁座を取付け、この弁座とタワー内面間に排水
孔に配設された逆止弁を止着したことを特徴とす
る食器洗浄機である。即ち、ボール弁は給水時に
はポンプ圧力によつて押上げられて凹所内に収容
されるが、排水時には落下して弁座上に位置し、
閉弁作動する。つまり、ボール弁は逆止弁と成
る。従つて、ノズル及び給水孔からの外気の吸引
は防止されるので、ポンプの排水能力は低下しな
い。

(ホ) 実施例 図面に基づいて説明すると、１は上面を開口し
た基筐で、可逆転モータによつて、給水或いは排
水を行なうポンプ２を備えている。３は基筐１の
上面開口を開塞するように配設された洗浄槽で、
食器等を入れたカゴ４を内装するケース５を兼ね
ている。６はケース５の前面開口を開閉するドア
である。

７は洗浄槽３内に立設されたノズルタワーで、
頂部を閉成した中空筒状に形成してあり、上部外
周には横長のノズル８を回転可能に取付けてい
る。９はノズルタワー７の上部側壁に穿設された
給水孔で、ノズル８に連通する。１０はノズルタ
ワー７の最下部側壁に穿設した排水孔で、傾斜し
た弁座１１を内側に形成している。即ち、ノズル
タワー７内は給水及び排水のための水路１２を兼
ねる。

１３は弁座１１に直面するように垂直に配置さ
れたフラツプ型の逆止弁で、上端から取付片１４
を水平に延設してタワー７内面の段部１５に下方
から当てている。１６はフランジ１７を有する筒
状の弁座で、タワー７内面に下方から螺合し、フ
ランジ１７を段部１５に下方から押当て、この時
に逆止弁１３の取付片１４をタワー内面との間に
挾着している。

１８はノズルタワー７の頂部内面に形成された
下向きの凹所で、上昇したボール弁１９を収容す
ることができる。このボール弁１９は通常は自重
により弁座１６上に位置し、給水路を閉じてい
る。

２０はポンプのケーシングで、給，排水口２１
を洗浄槽３を貫通してノズルタワー７の下端開口
に連通し、循環口２２を洗浄槽３内に他の底面か
ら逆止弁２３を介して連通し、排水出口２４を循
環口２２の近傍に開設してここに排水ホース２５
を連結、連通している。２６は洗浄槽３内の底部
近くに配設され、洗浄水を加熱するヒータ、２７
はこのヒータ２６を含めて槽底部を覆う網状のフ
イルターである。

次に動作説明すると、まずカゴ４に汚れた食器
等を入れてケース５内に装着し、給水する。給水
された洗浄水は適宜ヒータ２６により加熱され
る。ポンプ２を洗浄のために一方向回転すると、
槽３内の洗浄水は循環口２２、給、排水路２１、
タワー７内の水路１２、弁座１６、給水孔９の順
でノズル８内に供給され、ここから食器に向けて
噴射され、洗浄する。ボール弁１９はポンプ圧力
により上昇し、凹所１８内に収容されている。逆
止弁１３はポンプ圧力により弁座１１に密着して
排水孔１０を閉成する。また、ノズル８はポンプ
圧力により一方向に回転する。こうして、洗浄槽
３内では水を循環しつつ噴射することにより、食
器を洗浄している。尚、水には適当な洗剤を入れ
ても良い。フイルター２７は粗大なゴミ等を補捉
する。

洗浄終了后に排水する場合は、ポンプ２を逆方
向に回転する。すると、逆止弁１３は排水圧力に
よつて排水孔１０を開放して排水せしめ、循環口
２２の逆止弁２３はポンプ圧力により閉じる。よ
つて、洗浄水は排水出口２４に強制的に吸引さ
れ、出ていく。一方、ボール弁１９は自重及びポ
ンプによる負圧により弁座１６上に密着し、閉成
作動し、水路１２を外気に対してしや断してい
る。従つて、排水作業はポンプ２の能力低下があ
まり無いので、極めて迅速に実行される。排水作
業の末期には逆止弁１３は排水圧力が低下するの
で、垂直状態に戻るが、弁座１１との間には少し
の隙間を残し、ここから排水せしめて水を極力残
留させない。

ここで、第３図は循環口２２に於ける逆止弁２
３の構成を示している。同図に於いて、逆止弁２
３はフラツプ型の弁であり、通常は図中点線の如
く垂下するように位置している。板材に弁孔２８
を開口した弁座２９はケーシング２０内に入いり
こむように断面Ｖ字型をしている。かくして、洗
浄の給水時には循環口２２、弁孔２８を介してポ
ンプ２に給水されていく。一方、排水時には逆止
弁２３にはポンプ圧力が加えられるので、この弁
２３は時計方向に回転して内方から弁座２９に密
着し、閉成させる。

従来の循環口に於ける逆止弁の構造は第４図
イ，ロで示すものが一般的であつた。即ちイはボ
ール弁３０を用い、給水時にはボール弁３０が台
座３１に自重で落ち、給水可能にし、排水時には
ボール弁３０がポンプ圧力によつて上昇し、槽３
の弁孔３２を塞ぐのである。この実施例はボール
弁３０の径を考虜すると、上下方向の寸法にある
程度余裕を持たせる必要がある。そこで、小型化
を図るべくロの実施例ではフラツプ型の逆止弁３
３を用いたが、これは開弁時と閉弁時での逆止弁
３３の回転角が大きく成り、耐久性の点に問題が
あつた。尚、３４は槽３に穿設した弁孔である。

これらの従来例に対して第３図の本実施例は、
従来例に於ける寸法採り上の欠点と、回動角設定
上の欠点をいずれも解消できている。

(ヘ) 考案の効果 本考案はポンプの排水能力を維持すると共に構
造を簡素化したので、高性能で安価な食器洗浄機
を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による食器洗浄機の断面図、第
２図は同じく要部の拡大断面図、第３図は同じく
他の要部の拡大断面図、第４図イ，ロは従来例に
於ける第３図相当図である。 ２……ポンプ、３……洗浄槽、７……ノズルタ
ワー、８……ノズル、９……給水孔、１０……排
水孔、１２……水路（給、排水路）、１６……弁
座、１８……凹所、１９……ボール弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプによつて洗浄水を給、排水する食器洗浄
   機に於いて、洗浄水の給水路及び排水路を有する
   ノズルタワーを洗浄槽内に立設し、このノズルタ
   ワーの上部側壁に給水孔を形成すると共に、下部
   側壁には排水孔を形成し、ノズルタワー内にボー
   ル弁を配設して頂部に弁を収容する凹所を形成す
   ると共に排水孔よりも上方位置に弁座を取付け、
   この弁座とタワー内面間に排水孔に配設された逆
   止弁を止着したことを特徴とする食器洗浄機。