JPH09117401A - 食器洗い機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食器の洗浄を行う食器洗い機において、洗浄
槽を大きくして食器の収納性を向上する。 【解決手段】 洗浄槽２内に洗浄ノズル７を回転自在に
配設し、洗浄ポンプ４と洗浄ノズル７とを吐出用ホース
１３で接続し、洗浄ポンプ４より洗浄ノズル７へ洗浄水
を供給する。吐出用ホース１３より分岐して、洗浄ポン
プ４より上部の洗浄槽２の内面へ連通する分岐パイプ１
４を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は食器の洗浄を行う食
器洗い機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の食器洗い機は図３に示す
ように構成していた。以下、その構成について説明す
る。

【０００３】図に示すように、食器洗い機本体１は、内
部に洗浄槽２を設けており、この洗浄槽２内へ給水弁３
により水または湯を供給するようにしている。洗浄ポン
プ４は、排水孔５の他側部に連通したポンプ室に取り付
け、モータ６によって駆動されて、洗浄水を洗浄槽２の
内部を循環する。すなわち、この循環は、洗浄水が排水
孔５から洗浄ポンプ４に吸いこまれ、洗浄ポンプ４より
洗浄槽２内の底部の洗浄ノズル７に供給されて、ここか
ら噴射され、食器を洗浄した後、再び排水孔５に戻ると
いう経路で行われる。

【０００４】この経路の中で、食品かすやその他食器洗
い機の中に入れられたごみを捕集するためにフィルター
８を排水孔５に配設している。これは、食品かすやごみ
が、食器を再汚染するのを防ぐとともに、食品かすやご
みが洗浄ポンプ４に引っかかり、洗浄ポンプ４の機能を
阻害するのを防いでいる。

【０００５】洗浄ノズル７と洗浄槽２の底部との間に
は、洗浄水加熱用のヒータ９を配設している。また、洗
浄ノズル７の上方には、食器を整然と配置でき、洗浄水
を効果的に食器に噴射するように構成した食器かご１０
を設置している。また、洗浄槽２の前面部には、開閉自
在な扉１１を取り付けている。食器かご９には複数の移
動用ローラを配設し、開放した扉１１の上部を食器洗い
機本体１の前面外部へ引き出し可能になっている。ま
た、洗浄水を機外に排出するために、排水ポンプ１２を
備えている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、洗浄ノズル７は、洗浄ポンプ４よ
りも上方になければならない。というのは、洗浄ポンプ
４においては、その能力を正規に出すためには、給水弁
３より給水する場合に、洗浄ポンプ４より空気を抜き、
洗浄ポンプ４のエアーがみ状態にならないようにする必
要があるからである。したがって、従来の構成において
は、洗浄槽２の底の位置は、洗浄ポンプ４の上になけれ
ばならず、洗浄槽２の高さ関係において制約条件になっ
ていた。また、このことは、一定高さの食器洗い機にお
いては、大きい食器を収納する場合において不利である
という問題を有していた。

【０００７】つぎに、第２の課題として、従来の構成に
おいては、サービスの際に、機内に残っている洗浄水を
機外に対して排出する手段をもっている機種はほとんど
なかった。

【０００８】一部小型の機種において、排水孔５から底
に排出するパイプを設けている機種もあるが、この場合
においては、機体を傾けたり持ち上げたりする必要があ
り、機体の重い機種においては、採用されていない。ま
た、製造過程の最終工程では、検査した水を完全に抜く
必要がある。排水孔５は洗浄ポンプ４に接続されている
が、通常、洗浄ポンプ４の方が排水孔５より下にある部
分があるので、この場合、排水孔５に排出手段をもって
いる機種では、洗浄ポンプ４の中の水を抜くためには、
機体をかなり傾ける必要があり、設備としても大がかり
なものになっている。

【０００９】また、洗浄ポンプ４に排出手段を備えてお
き、ここから最終的に機外へ検査の水を排出するように
している。しかしながら、この場合には、組み立て工程
上、この後で底板を取り付ける必要があり、製造上不利
である。このように、サービス時、または製造上におい
ての洗浄水の排出が簡単に行うことができないという問
題を有していた。

【００１０】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、洗浄ノズルの位置に対する制約条件を取り除き、洗
浄槽を大きくして食器の収納性を向上することを第１の
目的としている。

【００１１】また、サービスの際または製造工程で、洗
浄水を簡単に排出できるようにすることを第２の目的と
している。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の食器洗い機にお
ける第１の手段は、洗浄ポンプから洗浄ノズルへの吐出
経路より分岐して、洗浄ポンプより上部の洗浄槽の内面
へ連通する分岐経路を設けたものである。

【００１３】このことにより、洗浄槽に給水するとき、
洗浄ポンプの内部にある空気は、分岐経路を通して洗浄
槽内部へ抜くことができるため、洗浄ポンプの位置にか
かわらず、洗浄ノズル７の位置を低くすることができる
ので、洗浄槽を大きくして食器の収納性を向上すること
ができる。

【００１４】また、本発明の食器洗い機における第２の
手段は、洗浄ノズルへ洗浄水を供給または洗浄槽内の洗
浄水を排出するポンプに水抜き用パイプを設け、前記水
抜き用パイプは、食器洗い機本体の外側へ連通し、かつ
開閉自在にしたものである。

【００１５】このことにより、サービスの際または製造
過程の最終工程で、洗浄水を完全に抜く必要があると
き、水抜き用パイプを通して簡単に排出することができ
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、洗浄槽内に回転自在に配設した洗浄ノズルと、前記
洗浄ノズルへ洗浄水を供給する洗浄ポンプと、前記洗浄
ポンプと洗浄ノズルとを接続する吐出経路とを備え、前
記洗浄ポンプより上部の洗浄槽の内面へ連通する分岐経
路を前記吐出経路より分岐して設けたものであり、洗浄
槽に給水するとき、洗浄ポンプの内部にある空気は、分
岐経路を通して洗浄槽の内部へ抜くことができるため、
洗浄ノズルを洗浄ポンプの位置に関係なく配設すること
ができ、洗浄ノズルおよび洗浄槽の底の位置を低くで
き、機体高さを従来と同じ高さにしても、洗浄槽の高さ
を大きくできるので、大型の食器を収納することができ
る。

【００１７】請求項２に記載の発明は、上記請求項１に
記載の発明に加えて、洗浄水の循環経路に配設したフィ
ルターを備え、分岐経路は、その断面を前記フィルター
の最大メッシュ形状より大きくしたものであり、分岐経
路に食品かすやごみが詰まることがなく、確実に洗浄ポ
ンプからの空気を抜くことができる。

【００１８】請求項３に記載の発明は、洗浄槽内に回転
自在に配設した洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルへ洗浄水
を供給または洗浄槽内の洗浄水を排出するポンプと、前
記ポンプに設けた水抜き用パイプとを備え、前記水抜き
用パイプは、食器洗い機本体の外側へ連通し、かつ開閉
自在にしたものであり、サービスの際または製造過程の
最終工程で、洗浄水を完全に抜く必要があるとき、水抜
き用パイプを通して簡単に排出することができる。

【００１９】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のも
のは同一符号を付して説明を省略する。

【００２０】（実施の形態１）図１に示すように、吐出
用ホース（吐出経路）１３は、洗浄ポンプ４と洗浄ノズ
ル７とを接続し、洗浄ポンプ４から洗浄水を洗浄ノズル
７へ供給するようにしている。このとき、洗浄ノズル７
の接続部において大気に開放している位置は、洗浄ポン
プ４の位置より低く設定している。これは洗浄槽２の食
器を収納する高さを高くするためである。

【００２１】また、洗浄ポンプ４の吐出用パイプ４ａに
分岐用パイプ（分岐経路）１４を設け、さらに、洗浄ポ
ンプ４より高い位置の洗浄槽２の一部に洗浄槽２の内面
に連通したパイプ１５を設けており、分岐用パイプ１４
とパイプ１５を接続用ホース１６にて接続している。

【００２２】ここで、分岐用パイプ１４、パイプ１５、
接続用ホース１６は、内面断面を食品かすやごみの捕集
用のフィルター８の洗浄水通過用の最大メッシュの大き
さの穴よりも、大きく設定している。また、パイプ１５
の洗浄槽２の内面への連通部の穴形状は、洗浄槽２に収
容した食器を洗浄するのに適した形状としている。

【００２３】上記構成において作用を説明すると、洗浄
槽２に給水する場合に、洗浄ポンプ４より洗浄ノズル７
を下方に設定していても、洗浄ポンプ４の内部にある空
気は、分岐用パイプ１４、パイプ１５、接続用ホース１
６を通して洗浄槽２の内部へ抜くことができるため、洗
浄ポンプ４の駆動時には、ポンプとして能力を発揮する
ことができる。したがって、洗浄ポンプ４を洗浄ノズル
７の回転軌跡の外側に配置し、洗浄ノズル７の部分の洗
浄槽２の底を下げることにより、食器の収納部分の高さ
を大きくとることができ、より大きな食器を収納するこ
とができる。

【００２４】また、洗浄ポンプ４から洗浄槽２への通路
の内面断面をフィルター８の洗浄水通過用の最大メッシ
ュの大きさより大きくとることにより、この部分で食品
かすやごみが詰まる可能性はなく、洗浄ポンプ４の内部
にある空気を確実に抜くことができる。

【００２５】さらに、パイプ１５の洗浄槽２の内面への
出口の穴形状を、洗浄ノズル７の吐出口と同様な食器の
洗浄に適した形状にしておき、洗浄水を任意の範囲に対
して吐出することにより、食器の洗浄の補助として洗浄
水を有効活用することができる。また、この際には、洗
浄水の吐出は洗浄ポンプ４の駆動時すべてにおいて吐出
しているので、集中的に洗浄水を使用することにより、
より汚れの強い食器の洗浄に対して有効である。

【００２６】なお、この洗浄性能の向上に対しては、上
述のように、洗浄ノズル７の洗浄ポンプ４に対する位置
に対して有効な配置と関係ない従来の食器洗い機におい
ても、十分にその効果を期待することができる。

【００２７】（実施の形態２）図２に示すように、洗浄
ポンプ１７に、水抜き用パイプ１８を設けており、この
洗浄ポンプ１７を食器洗い機本体１の近傍に配置してい
る。水抜き用パイプ１８を食器洗い機本体１側になるよ
うに配置し、食器洗い機本体１に設けた穴に係合させ
る。また、水抜き用パイプ１８には、ゴム製のキャップ
１９をかぶせておく。このとき、このキャップ１９は、
食器洗い機本体１の外側から外すことができるようにし
ておく。他の構成は上記実施の形態１と同じである。

【００２８】上記構成において作用を説明すると、サー
ビスの際または製造過程の最終工程で、洗浄水を完全に
抜く必要があるとき、食器洗い機本体１の外側よりキャ
ップ１９をはずすことにより、水抜き用パイプ１８を通
して簡単に排出することができる。

【００２９】なお、上記説明では、洗浄ポンプ１７に水
抜き用パイプ１８を設け、サービスの際または製造過程
の最終工程で、洗浄水を完全に抜く必要があるとき、水
抜き用パイプ１８を通して排出するように構成している
が、洗浄槽２内の洗浄水を機外に排出する排水ポンプ
（図示せず）に、同様に、水抜き用パイプを設け、洗浄
水を完全に抜く必要があるとき、水抜き用パイプを通し
て排出するように構成してもよい。

【００３０】また、水抜き用パイプ１８を食器洗い機本
体１から直接出しているが、接続ホースにより食器洗い
機本体１の外側と連通させ、開閉弁を使用して食器洗い
機本体１の外側から洗浄ポンプ４に連通している経路を
開閉動作できるようにしておけば、同様にして洗浄水を
簡単に排出することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明請求項１に記載の発
明によれば、洗浄槽内に回転自在に配設した洗浄ノズル
と、前記洗浄ノズルへ洗浄水を供給する洗浄ポンプと、
前記洗浄ポンプと洗浄ノズルとを接続する吐出経路とを
備え、前記洗浄ポンプより上部の洗浄槽の内面へ連通す
る分岐経路を前記吐出経路より分岐して設けたから、洗
浄槽に給水するとき、洗浄ポンプの内部にある空気は、
分岐経路を通して洗浄槽内部へ抜くことができるため、
洗浄ノズルを洗浄ポンプの位置に関係なく配設すること
ができ、洗浄ノズルおよび洗浄槽の底の位置を低くで
き、機体高さを従来と同じ高さにしても、洗浄槽の高さ
を大きくできるので、大型の食器を収納することがで
き、食器の収納性を向上することができる。

【００３２】また、請求項２に記載の発明によれば、洗
浄水の循環経路に配設したフィルターを備え、分岐経路
は、その断面を前記フィルターの最大メッシュ形状より
大きくしたものであり、分岐経路に食品かすやごみが詰
まることがなく、確実に洗浄ポンプからの空気を抜くこ
とができる。

【００３３】また、請求項３に記載の発明によれば、洗
浄槽内に回転自在に配設した洗浄ノズルと、前記洗浄ノ
ズルへ洗浄水を供給または洗浄槽内の洗浄水を排出する
ポンプと、前記ポンプに設けた水抜き用パイプとを備
え、前記水抜き用パイプは、食器洗い機本体の外側へ連
通し、かつ開閉自在にしたから、サービスの際または製
造過程の最終工程で、洗浄水を完全に抜く必要があると
き、水抜き用パイプを通して簡単に排出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の食器洗い機の縦断
面図

【図２】本発明の第２の実施の形態の食器洗い機の縦断
面図

【図３】従来の食器洗い機の縦断面図

【符号の説明】

２ 洗浄槽 ４ 洗浄ポンプ ７ 洗浄ノズル １３ 吐出用ホース（吐出経路） １４ 分岐用パイプ（分岐経路）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄槽内に回転自在に配設した洗浄ノズ
   ルと、前記洗浄ノズルへ洗浄水を供給する洗浄ポンプ
   と、前記洗浄ポンプと洗浄ノズルとを接続する吐出経路
   とを備え、前記洗浄ポンプより上部の洗浄槽の内面へ連
   通する分岐経路を前記吐出経路より分岐して設けた食器
   洗い機。
2. 【請求項２】 洗浄水の循環経路に配設したフィルター
   を備え、分岐経路は、その断面を前記フィルターの最大
   メッシュ形状より大きくした請求項１記載の食器洗い
   機。
3. 【請求項３】 洗浄槽内に回転自在に配設した洗浄ノズ
   ルと、前記洗浄ノズルへ洗浄水を供給または洗浄槽内の
   洗浄水を排出するポンプと、前記ポンプに設けた水抜き
   用パイプとを備え、前記水抜き用パイプは、食器洗い機
   本体の外側へ連通し、かつ開閉自在にした食器洗い機。