JPS632594B2 - - Google Patents
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- JPS632594B2 JPS632594B2 JP55044834A JP4483480A JPS632594B2 JP S632594 B2 JPS632594 B2 JP S632594B2 JP 55044834 A JP55044834 A JP 55044834A JP 4483480 A JP4483480 A JP 4483480A JP S632594 B2 JPS632594 B2 JP S632594B2
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- tributyrin
- triolein
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Description
本発明は新規なリパーゼに関する。
リパーゼは広く分布する生物学的に重要な酵素
の1群である。本酵素群には極めて多くのものが
あり、例えば、リポプロテインリパーゼ(LPL)
はリポプロテインを分解することにより脂肪血を
清澄化する作用を持つているので、その生化学的
意義が注目されており、また食品化学的にも、動
植物組織内の又は微生物の生産する種々のリパー
ゼは、食品(例えばチーズ)に対する芳香の賦与
又は逆に食品の劣化(例バター)に重要な役割を
有することが認められている。しかし一般のリパ
ーゼは、作用的にトリグリセライドをジ又はモノ
グリセライドに分解するものと、モノグリセライ
ドをグリセリンに分解するものとに分れており、
特に後者の機能を有するものは比較的少数であ
る。本発明は、モノグリセライド(MG)と同時
にトリグリセライド(TG)及びジグリセライド
(DG)に対しても強い分解作用を有する新規な
リパーゼに関するものである。 本出願人は、先にスタフイロコツカス属(G.
Staphylococcus)の細菌を培養することにより、
上のLPLを採取する方法を提案した(特開昭47
−2463号、同昭48−72387号)。そしてその後の研
究の結果、同属の細菌から強いMGL作用を有す
る新酵素を収得したが(特願昭53−115264号)、
その後さらに研究の結果、次の物理化学的及び生
化学的性質を持つ新規リパーゼが発見された。 (a) 基質特異性:トリブチリン、トリカプリン、
トリラウリン及びモノオレインをよく分解す
る。 (b) 至適PH:トリオレイン及びトリブチリンでは
6.0。 (C) 至適温度:トリオレインに対し55℃〜65℃、
トリブチリンに対し45℃〜55℃の温度範囲内で
高いリパーゼ作用を示す。 (d) PH安定性:トリオレイン、トリブチリン共
に、PH5以上では安定、PH4以下では急激に不
安定。 (e) 熱変性:60℃以上で急速に失活、2価金属イ
オンは失活を助長。 (f) 活性化及び失活性:トリブチリンを基質とし
たとき、2価金属イオンによる影響は少ない。
一方、トリオレインを基質としたとき2、
Ca++およびMg++により活性化し、Mn++によ
り失活する。p−クロロ安息香酸第二水銀
(pCMB)により失活せず。 (g) 等電点:トリオレイン及びトリブチリンを基
質としたとき、いずれもIP9.6〜9.7。 (h) 分子量:20mMグリシン−苛性ソーダ緩衝液
(PH11.0)で緩衝化したセフアロース6Bカラム
を用い、マーカーとしてフエリチン、カタラー
ゼ、アルドラーゼ及びオブアルブミンを対照に
測定した結果、約174000。さらに上記緩衝液に
0.5%デオキシコール酸を加えて緩衝化したセ
フアデツクスG−150カラムを用い、マーカー
としてアルドラーゼ、血清アルブミン、オブア
ルブミン及びキモトリプシノーゲンAを対照に
測定した結果、約34000、即ち、0.5%デオキシ
コール酸を緩衝液に加えることにより低分子化
される。 (i) 単一性:ポリアクリルアミドデイスク電気泳
動法により複数のバンドが見られる(第2図参
照)。しかし、本酵素は通常のイオン強度及び
中性附近では会合を起こし易いため、この結果
から直ちに本酵素が単一物ではないと断定する
のは困難である。 (j) 来歴:スタフイロコツカスオウレウス(St.
aureus)226(東京大学付属医化学研究所)、
(工業技術院微生物工業技術研究所受託番号第
1212号)。 因みに、St.aureus(溶血連鎖状球菌)の菌株か
ら報告されたリパーゼとして、St.aureusB−
120、St.aureusP.S.71、St.aureus及びコアギユ
ラーゼ(−)St.aureusの4種類があるが、これ
らは下表(第1表)に示される如く、本発明に係
る酵素と著しく異つている。
の1群である。本酵素群には極めて多くのものが
あり、例えば、リポプロテインリパーゼ(LPL)
はリポプロテインを分解することにより脂肪血を
清澄化する作用を持つているので、その生化学的
意義が注目されており、また食品化学的にも、動
植物組織内の又は微生物の生産する種々のリパー
ゼは、食品(例えばチーズ)に対する芳香の賦与
又は逆に食品の劣化(例バター)に重要な役割を
有することが認められている。しかし一般のリパ
ーゼは、作用的にトリグリセライドをジ又はモノ
グリセライドに分解するものと、モノグリセライ
ドをグリセリンに分解するものとに分れており、
特に後者の機能を有するものは比較的少数であ
る。本発明は、モノグリセライド(MG)と同時
にトリグリセライド(TG)及びジグリセライド
(DG)に対しても強い分解作用を有する新規な
リパーゼに関するものである。 本出願人は、先にスタフイロコツカス属(G.
Staphylococcus)の細菌を培養することにより、
上のLPLを採取する方法を提案した(特開昭47
−2463号、同昭48−72387号)。そしてその後の研
究の結果、同属の細菌から強いMGL作用を有す
る新酵素を収得したが(特願昭53−115264号)、
その後さらに研究の結果、次の物理化学的及び生
化学的性質を持つ新規リパーゼが発見された。 (a) 基質特異性:トリブチリン、トリカプリン、
トリラウリン及びモノオレインをよく分解す
る。 (b) 至適PH:トリオレイン及びトリブチリンでは
6.0。 (C) 至適温度:トリオレインに対し55℃〜65℃、
トリブチリンに対し45℃〜55℃の温度範囲内で
高いリパーゼ作用を示す。 (d) PH安定性:トリオレイン、トリブチリン共
に、PH5以上では安定、PH4以下では急激に不
安定。 (e) 熱変性:60℃以上で急速に失活、2価金属イ
オンは失活を助長。 (f) 活性化及び失活性:トリブチリンを基質とし
たとき、2価金属イオンによる影響は少ない。
一方、トリオレインを基質としたとき2、
Ca++およびMg++により活性化し、Mn++によ
り失活する。p−クロロ安息香酸第二水銀
(pCMB)により失活せず。 (g) 等電点:トリオレイン及びトリブチリンを基
質としたとき、いずれもIP9.6〜9.7。 (h) 分子量:20mMグリシン−苛性ソーダ緩衝液
(PH11.0)で緩衝化したセフアロース6Bカラム
を用い、マーカーとしてフエリチン、カタラー
ゼ、アルドラーゼ及びオブアルブミンを対照に
測定した結果、約174000。さらに上記緩衝液に
0.5%デオキシコール酸を加えて緩衝化したセ
フアデツクスG−150カラムを用い、マーカー
としてアルドラーゼ、血清アルブミン、オブア
ルブミン及びキモトリプシノーゲンAを対照に
測定した結果、約34000、即ち、0.5%デオキシ
コール酸を緩衝液に加えることにより低分子化
される。 (i) 単一性:ポリアクリルアミドデイスク電気泳
動法により複数のバンドが見られる(第2図参
照)。しかし、本酵素は通常のイオン強度及び
中性附近では会合を起こし易いため、この結果
から直ちに本酵素が単一物ではないと断定する
のは困難である。 (j) 来歴:スタフイロコツカスオウレウス(St.
aureus)226(東京大学付属医化学研究所)、
(工業技術院微生物工業技術研究所受託番号第
1212号)。 因みに、St.aureus(溶血連鎖状球菌)の菌株か
ら報告されたリパーゼとして、St.aureusB−
120、St.aureusP.S.71、St.aureus及びコアギユ
ラーゼ(−)St.aureusの4種類があるが、これ
らは下表(第1表)に示される如く、本発明に係
る酵素と著しく異つている。
【表】
【表】
更に、本願発明の新規リパーゼは、出願人の先
願に係る特開昭48−72387号公報所載のリポプロ
テインリパーゼ及び同特開昭55−42532号のモノ
グリセライドリパーゼの両者とも、前者に対して
は分子量、元素分析値並びに紫外部及び赤外部吸
収スペクトル等により、また後者に対しても、至
適PH、等電点、分子量(本願のものは、緩衝化
(PH11)セフアロース6Bカラムで分子量測定がで
きるが、特開昭55−42532号のものは、デオキシ
コール酸によるフラグメンテーシヨンを行なわな
いとセフアデツクスG−200による分子量測定が
できない。等の諸点で明療に相違していることは
以下第1表の2の示す通りである。因に、上記特
開昭48−72387号公報所載のリポプロテインリパ
ーゼは、その外観や単一性の証明がないこと等を
考え併せ、複数の低分子酵素(フラグメント)の
混合物であろうと推定される。なお、前述の如
く、本願酵素の完全な単一性は証明されていない
が、実質的には単一と見なしうる(第2図参照)。
願に係る特開昭48−72387号公報所載のリポプロ
テインリパーゼ及び同特開昭55−42532号のモノ
グリセライドリパーゼの両者とも、前者に対して
は分子量、元素分析値並びに紫外部及び赤外部吸
収スペクトル等により、また後者に対しても、至
適PH、等電点、分子量(本願のものは、緩衝化
(PH11)セフアロース6Bカラムで分子量測定がで
きるが、特開昭55−42532号のものは、デオキシ
コール酸によるフラグメンテーシヨンを行なわな
いとセフアデツクスG−200による分子量測定が
できない。等の諸点で明療に相違していることは
以下第1表の2の示す通りである。因に、上記特
開昭48−72387号公報所載のリポプロテインリパ
ーゼは、その外観や単一性の証明がないこと等を
考え併せ、複数の低分子酵素(フラグメント)の
混合物であろうと推定される。なお、前述の如
く、本願酵素の完全な単一性は証明されていない
が、実質的には単一と見なしうる(第2図参照)。
【表】
【表】
以下本発明の詳細について記述する。
(イ) 菌の培養及び瀘液の調製:本発明酵素はスタ
フイロコツカス属に属するバクテリア、例えば
スタフイロコツカス、オウレウス226菌株の培
養物から得られる。培地としてはグルコース、
フルクトース、マルトース、シユクロース、グ
リセリン、デキストリン、澱粉、糖密等の炭素
源、肉エキス、ペプトン、コーンステイープリ
カー、大豆粕、カザミノ酸、NZアミン、酵母
エキス等の窒素源を主とし、これに少量の
Na+・K+・Ca++・PO4 ---等の無機イオンを含
むものが用いられるが、実験的に好適と思われ
るのは、ポリペプトン15%及び食塩0.6%を含
む培地であつて、ポリペプトンの量が異常に多
いことが特徴的である。培地のPHは6.5〜7.0で
あることが好ましい。培養は通気的条件下に行
う。培養終了培養液を8000×g、20分間程度遠
心し、上清を集める。 (ロ) 酵素の精製 () 上の上清をビスキングチユーブ(商品
名)に入れ、20mMリン酸カリ緩衝液(PH
7.0、KPBと略す)に対し、充分透析を行
う。 () 上の透析内液を予め20mMKPBで充分緩
衝化したヒドロキシルアパタイトゲルに加え
る。20mMKPBで充分に非吸着分を除いた
後、KPB濃度を20mMから1.5Mまで上昇さ
せてバツチ法により溶出を行う。溶出液を集
め、10mMグリシン−苛性ソーダ緩衝液(PH
11.0)に対し透析を行う。 () 2回目の透析内液を濃縮し、さらに蒸留
水に対し充分透析する。透析後、等電点電気
泳動を行う。(条件:PH範囲7.0〜11.0電圧
450V、泳動時間約60時間)泳動パターンは
第1図参照。 以上の各精製過程における活性測定には基質と
してトリオレインを用いたが、等電点電気泳動を
終つた精品を7.5%アクリルアミドゲル(PH4.3泳
動)を用い、デイスク電気泳動に附したところ、
第2図に示すパターンが得られた。 以上各工程における収得物の活性(U)、比活
性(U/mgタン白)及び収率を以下第2表として
示す。(活性単位に関しては後述)
フイロコツカス属に属するバクテリア、例えば
スタフイロコツカス、オウレウス226菌株の培
養物から得られる。培地としてはグルコース、
フルクトース、マルトース、シユクロース、グ
リセリン、デキストリン、澱粉、糖密等の炭素
源、肉エキス、ペプトン、コーンステイープリ
カー、大豆粕、カザミノ酸、NZアミン、酵母
エキス等の窒素源を主とし、これに少量の
Na+・K+・Ca++・PO4 ---等の無機イオンを含
むものが用いられるが、実験的に好適と思われ
るのは、ポリペプトン15%及び食塩0.6%を含
む培地であつて、ポリペプトンの量が異常に多
いことが特徴的である。培地のPHは6.5〜7.0で
あることが好ましい。培養は通気的条件下に行
う。培養終了培養液を8000×g、20分間程度遠
心し、上清を集める。 (ロ) 酵素の精製 () 上の上清をビスキングチユーブ(商品
名)に入れ、20mMリン酸カリ緩衝液(PH
7.0、KPBと略す)に対し、充分透析を行
う。 () 上の透析内液を予め20mMKPBで充分緩
衝化したヒドロキシルアパタイトゲルに加え
る。20mMKPBで充分に非吸着分を除いた
後、KPB濃度を20mMから1.5Mまで上昇さ
せてバツチ法により溶出を行う。溶出液を集
め、10mMグリシン−苛性ソーダ緩衝液(PH
11.0)に対し透析を行う。 () 2回目の透析内液を濃縮し、さらに蒸留
水に対し充分透析する。透析後、等電点電気
泳動を行う。(条件:PH範囲7.0〜11.0電圧
450V、泳動時間約60時間)泳動パターンは
第1図参照。 以上の各精製過程における活性測定には基質と
してトリオレインを用いたが、等電点電気泳動を
終つた精品を7.5%アクリルアミドゲル(PH4.3泳
動)を用い、デイスク電気泳動に附したところ、
第2図に示すパターンが得られた。 以上各工程における収得物の活性(U)、比活
性(U/mgタン白)及び収率を以下第2表として
示す。(活性単位に関しては後述)
【表】
(ハ) 酵素の化学的性状
() 基質特異性:炭素鎖長を異にする各種脂
脂酸の結合したトリグリセライド(TG)及
びモノグリセライド(MG)に対する活性の
相違は第3図に示される。要約すると、炭素
数2〜12ではエステラーゼ(カルボキシリツ
クエステル−ヒドロキシラーゼ、E.
C.3.1.1.1.)に類する特異性を有する。炭素数
12〜18ではモノグリセライドリパーゼ(MG
リパーゼ)に類似する。しかし、一般にMG
リパーゼは長鎖脂肪酸の結合したTGを全く
分解しないのに反し、本酵素はこのような
TGに対しても若干の分解能を有し、TGリ
パーゼの性質をも兼ね備えていることが特徴
である。従つて、本酵素は基質に対する高度
の特異性を持つておらず、TGリパーゼ、
MGリパーゼ及びエステラーゼの性質を兼備
するものと推測される。 () 至適PH:至適PHの測定は3種の緩衝液、
即ち、クエン酸−リン酸ニナトリウム(PH
3.5〜7.0)、ベロナールナトリウム−塩酸
(PH5.5〜8.5)及びグリシン−苛性ソーダ
(PH7.5〜10.3)の3種のバツフアーを用いて
行われた。基質としては、トリオレイン及び
トリブチリンが用いられた。結果は第4図及
び第5図に示される。図示の如く、トリオレ
イン及びトリブチリンを基質として用いたと
きは、PHが6.0である。 以上の結果を考察すると、リパーゼの基質
は水に不溶性であるため、その作用は概ね界
面に限られ、界面の性状の相違が活性を左右
する最大の要因であるように見える。換言す
れば、酵素個有の至適PHよりはむしろミセル
形成に及ぼすPHの影響自体が、見掛上の活性
変化に対し大きな影響を及ぼしているようで
ある。 () 至適温度:至適温度は、30℃を下限に5
℃宛の刻みで検討された。結果は第6図及び
第7図に示される。図示の如く、トリオレイ
ンに対する分解活性は60℃で最高で、適温は
55〜65℃の範囲と考えられる。一方、トリブ
チリンに対しては50℃が最適で、適温域は45
〜55℃の範囲に在る。 () PH安定性:PHの影響はクエン酸−リン酸
ニナトリウム緩衝液、ベロナールナトリウム
−塩酸緩衝液及びグリシン−苛性ソーダ緩衝
液を用い、PH3〜12の範囲に亘つて、4℃、
1日、7日及び21日後、残存活性を測定する
ことにより行われた。結果は第8図及び第9
図に示される。トリオレイン及びトリブチリ
ンのいずれの基質を用いた場合でもPH5.0以
上では略安定した活性を示し、本酵素の対PH
安定性を推測させる。なお、PHが4.0以下で
は顕著な活性の低下が見られ、殊に3.0以下
で急激な低下が観察される。 () 熱変性:温度による影響は本酵素の標品
をPH8.0の20mMKPBに溶解後、45〜65℃に
30分まで放置し、その時間帯内に適宜残存活
性を測定することにより行われた。結果は第
10図及び第11図に示される。図示のとお
り、トリオレイン及びトリブチリンのいずれ
の基質に対しても、分解活性は60℃附近から
急激に低下しており、安定は上限温度は大体
55℃附近と認められる。 () 活性化及び失活化:2価金属イオンの活
性に及ぼす影響が検討された。結果は第12
図に示される。図示の如く、トリオレインの
場合、Ca++、Mg++はリパーゼを活性化し、
一方、Mn++は失活させる。トリブチリンの
場合、殆んど影響は認められない。pCBMは
本酵素に対し全く影響を与えなかつた。 (ニ) 酵素の物理的性状 () 等電点:等電点電気泳動法を用い本酵素
の等電点を測定した。担体としてPH7.0〜
11.0のアンフオライトを用い、450V定電圧
で60時間泳動を行つた結果、Ip=9.6〜9.7の
値が得られた。結果を第1図に示す。 () 分子量:精製された本酵素は、分子量が
大きすぎるためセフアロース6Bカラム(1.8
×52.5cm)によるゲル瀘過ではクロマトでき
ない。しかし、予めPH11.0の20mMグリシン
−苛性ソーダ緩衝液で平衡化したカラムに加
えるとクロマトが可能となり、推定分子量約
174000を示した。また0.5%DOC(デオキシコ
ール酸)を加えた上記緩衝液で平衡化したセ
フアデツクスG−150カラム(1.6×80.0cm)
を用いると、分子量約34000となつた。マー
カーとして分子量既知のフエリチン(分子量
450000)、カタラーゼ(分子量240000)、アル
ドラーゼ(分子量158000)、血清アルブミン
(分子量67000)、オブアルブミン(分子量
45000)及びキモトリプシノーゲンA(分子量
25000)を用いた。本酵素はカタラーゼに引
続いて溶出し、その対分子量溶出量直線の勾
配から上の値が求められた。(第13図及び
第14図参照) (ホ) 活性測定法 () トリオレインエマルジヨン:0.2M塩化ア
ンモニウム溶液に5%牛血清アルブミンを加
え、撹拌溶解後、アンモニア水でPHを8.5に
調製して得られるアルブミン緩衝液に、1%
アラビアゴム及び160mMトリオレインを加
え、3分間100V(60Hz)で超音波処理する
(上記数値は終濃度を示す。)。 () トリブチリンエマルジヨン:()のア
ルブミン緩衝液に400mMトリブチリンを加
え、同様に超音波処理する。 () 酵素活性の測定法:基質溶液0.8mlに酵素
液0.2mlを加え、37℃に10分加温する。次い
で反応停止液(イソプロパノール:n−ヘプ
タン:1N硫酸=40:10:1)5mlを加えて
反応を停止させ、5分間振とうする。これに
n−ヘプタン3ml及び蒸留水2mlを加え、再
び5分間振とう後、静置し、上層のヘプタン
層3mlを別の試験管に移し、溶存する脂肪酸
量を、0.008Nエタノール性苛性ソーダ溶液
で0.01%エタノール性チモールブルー溶液を
指示薬として滴定し、定量された遊離脂肪酸
量より活性を算出する。毎分1/μmoleの脂
肪酸を遊離させる活性を1単位(U)と定義
する。(参考文献:DoleV.P.:J.Clin.
Invest、.35、150〜159『1956』) 以上詳述した如く、本酵素はTGリパーゼ、
MGリパーゼ及びエステラーゼの諸性質を併有す
る。これらの中、MGリパーゼとしての性質は人
血清中のリポ蛋白TGの定量に利用する途を展望
させるもので、既知リポ蛋白TGリパーゼの弱点
であるMG分解能の劣弱さを補う作用効果が期待
される。第15図は、この構想に基き、人血清リ
ポ蛋白の水解能を、遊離するグリセリン量から追
跡したものである。従つて、本酵素は生化学的試
薬(例えば脂血症等に対する診断用試薬)として
の効果が期待されるが、この他、消化酵素剤、
種々の含油脂食品に対する芳香の賦与、油脂のエ
ステル交換触媒等の食品化学的応用にも可能性を
有する。
脂酸の結合したトリグリセライド(TG)及
びモノグリセライド(MG)に対する活性の
相違は第3図に示される。要約すると、炭素
数2〜12ではエステラーゼ(カルボキシリツ
クエステル−ヒドロキシラーゼ、E.
C.3.1.1.1.)に類する特異性を有する。炭素数
12〜18ではモノグリセライドリパーゼ(MG
リパーゼ)に類似する。しかし、一般にMG
リパーゼは長鎖脂肪酸の結合したTGを全く
分解しないのに反し、本酵素はこのような
TGに対しても若干の分解能を有し、TGリ
パーゼの性質をも兼ね備えていることが特徴
である。従つて、本酵素は基質に対する高度
の特異性を持つておらず、TGリパーゼ、
MGリパーゼ及びエステラーゼの性質を兼備
するものと推測される。 () 至適PH:至適PHの測定は3種の緩衝液、
即ち、クエン酸−リン酸ニナトリウム(PH
3.5〜7.0)、ベロナールナトリウム−塩酸
(PH5.5〜8.5)及びグリシン−苛性ソーダ
(PH7.5〜10.3)の3種のバツフアーを用いて
行われた。基質としては、トリオレイン及び
トリブチリンが用いられた。結果は第4図及
び第5図に示される。図示の如く、トリオレ
イン及びトリブチリンを基質として用いたと
きは、PHが6.0である。 以上の結果を考察すると、リパーゼの基質
は水に不溶性であるため、その作用は概ね界
面に限られ、界面の性状の相違が活性を左右
する最大の要因であるように見える。換言す
れば、酵素個有の至適PHよりはむしろミセル
形成に及ぼすPHの影響自体が、見掛上の活性
変化に対し大きな影響を及ぼしているようで
ある。 () 至適温度:至適温度は、30℃を下限に5
℃宛の刻みで検討された。結果は第6図及び
第7図に示される。図示の如く、トリオレイ
ンに対する分解活性は60℃で最高で、適温は
55〜65℃の範囲と考えられる。一方、トリブ
チリンに対しては50℃が最適で、適温域は45
〜55℃の範囲に在る。 () PH安定性:PHの影響はクエン酸−リン酸
ニナトリウム緩衝液、ベロナールナトリウム
−塩酸緩衝液及びグリシン−苛性ソーダ緩衝
液を用い、PH3〜12の範囲に亘つて、4℃、
1日、7日及び21日後、残存活性を測定する
ことにより行われた。結果は第8図及び第9
図に示される。トリオレイン及びトリブチリ
ンのいずれの基質を用いた場合でもPH5.0以
上では略安定した活性を示し、本酵素の対PH
安定性を推測させる。なお、PHが4.0以下で
は顕著な活性の低下が見られ、殊に3.0以下
で急激な低下が観察される。 () 熱変性:温度による影響は本酵素の標品
をPH8.0の20mMKPBに溶解後、45〜65℃に
30分まで放置し、その時間帯内に適宜残存活
性を測定することにより行われた。結果は第
10図及び第11図に示される。図示のとお
り、トリオレイン及びトリブチリンのいずれ
の基質に対しても、分解活性は60℃附近から
急激に低下しており、安定は上限温度は大体
55℃附近と認められる。 () 活性化及び失活化:2価金属イオンの活
性に及ぼす影響が検討された。結果は第12
図に示される。図示の如く、トリオレインの
場合、Ca++、Mg++はリパーゼを活性化し、
一方、Mn++は失活させる。トリブチリンの
場合、殆んど影響は認められない。pCBMは
本酵素に対し全く影響を与えなかつた。 (ニ) 酵素の物理的性状 () 等電点:等電点電気泳動法を用い本酵素
の等電点を測定した。担体としてPH7.0〜
11.0のアンフオライトを用い、450V定電圧
で60時間泳動を行つた結果、Ip=9.6〜9.7の
値が得られた。結果を第1図に示す。 () 分子量:精製された本酵素は、分子量が
大きすぎるためセフアロース6Bカラム(1.8
×52.5cm)によるゲル瀘過ではクロマトでき
ない。しかし、予めPH11.0の20mMグリシン
−苛性ソーダ緩衝液で平衡化したカラムに加
えるとクロマトが可能となり、推定分子量約
174000を示した。また0.5%DOC(デオキシコ
ール酸)を加えた上記緩衝液で平衡化したセ
フアデツクスG−150カラム(1.6×80.0cm)
を用いると、分子量約34000となつた。マー
カーとして分子量既知のフエリチン(分子量
450000)、カタラーゼ(分子量240000)、アル
ドラーゼ(分子量158000)、血清アルブミン
(分子量67000)、オブアルブミン(分子量
45000)及びキモトリプシノーゲンA(分子量
25000)を用いた。本酵素はカタラーゼに引
続いて溶出し、その対分子量溶出量直線の勾
配から上の値が求められた。(第13図及び
第14図参照) (ホ) 活性測定法 () トリオレインエマルジヨン:0.2M塩化ア
ンモニウム溶液に5%牛血清アルブミンを加
え、撹拌溶解後、アンモニア水でPHを8.5に
調製して得られるアルブミン緩衝液に、1%
アラビアゴム及び160mMトリオレインを加
え、3分間100V(60Hz)で超音波処理する
(上記数値は終濃度を示す。)。 () トリブチリンエマルジヨン:()のア
ルブミン緩衝液に400mMトリブチリンを加
え、同様に超音波処理する。 () 酵素活性の測定法:基質溶液0.8mlに酵素
液0.2mlを加え、37℃に10分加温する。次い
で反応停止液(イソプロパノール:n−ヘプ
タン:1N硫酸=40:10:1)5mlを加えて
反応を停止させ、5分間振とうする。これに
n−ヘプタン3ml及び蒸留水2mlを加え、再
び5分間振とう後、静置し、上層のヘプタン
層3mlを別の試験管に移し、溶存する脂肪酸
量を、0.008Nエタノール性苛性ソーダ溶液
で0.01%エタノール性チモールブルー溶液を
指示薬として滴定し、定量された遊離脂肪酸
量より活性を算出する。毎分1/μmoleの脂
肪酸を遊離させる活性を1単位(U)と定義
する。(参考文献:DoleV.P.:J.Clin.
Invest、.35、150〜159『1956』) 以上詳述した如く、本酵素はTGリパーゼ、
MGリパーゼ及びエステラーゼの諸性質を併有す
る。これらの中、MGリパーゼとしての性質は人
血清中のリポ蛋白TGの定量に利用する途を展望
させるもので、既知リポ蛋白TGリパーゼの弱点
であるMG分解能の劣弱さを補う作用効果が期待
される。第15図は、この構想に基き、人血清リ
ポ蛋白の水解能を、遊離するグリセリン量から追
跡したものである。従つて、本酵素は生化学的試
薬(例えば脂血症等に対する診断用試薬)として
の効果が期待されるが、この他、消化酵素剤、
種々の含油脂食品に対する芳香の賦与、油脂のエ
ステル交換触媒等の食品化学的応用にも可能性を
有する。
第1図は本発明酵素(以下「本酵素」という)
の等電点電気泳動パターン、第2図は本酵素のデ
イスク電気泳動パターン、第3図は本酵素の鎖長
を異にするTG及びMGに対する活性を示す図、
第4図及び第5図は、異つたPH条件下における本
酵素の活性を示す図、第6図及び第7図は、異つ
た温度下における本酵素の活性変化を示す図、第
8図及び第9図は、種々のPH条件下における本酵
素の安定性を示す図、第10図及び第11図は、
本酵素に対する加熱温度及び時間の影響を示す
図、第12図は、本酵素に対する金属イオンの影
響を示す図、第13図及び第14図は分子量と溶
出速度との相関を示す図、第15図は本酵素のリ
ポ蛋白に対する加水分解能を示す図である。
の等電点電気泳動パターン、第2図は本酵素のデ
イスク電気泳動パターン、第3図は本酵素の鎖長
を異にするTG及びMGに対する活性を示す図、
第4図及び第5図は、異つたPH条件下における本
酵素の活性を示す図、第6図及び第7図は、異つ
た温度下における本酵素の活性変化を示す図、第
8図及び第9図は、種々のPH条件下における本酵
素の安定性を示す図、第10図及び第11図は、
本酵素に対する加熱温度及び時間の影響を示す
図、第12図は、本酵素に対する金属イオンの影
響を示す図、第13図及び第14図は分子量と溶
出速度との相関を示す図、第15図は本酵素のリ
ポ蛋白に対する加水分解能を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の特徴を有する新規リパーゼ。 (a) 基質特異性:トリブチリン、トリカプリン、
トリラウリン及びモノオレインをよく分解。 (b) 至適PH:トリオレイン及びトリブチリンでは
6.0。 (C) 至適温度:トリオレインに対し60℃、トリブ
チリンに対し50℃。 (d) PH安定性:トリオレイン、トリブチリン共に
PH5以上では安定、PH4以下では急激に失活。 (e) 熱変性:60℃以上で急速に失活、2価金属イ
オンは失活を助長。 (f) 活性化及び失活化:トリブチリンを基質とし
たとき、2価金属イオンによる影響は少ない。
一方、トリオレインを基質としたときCa++及
びMg++により活性化し、Mn++により失活す
る。pCMBにより失活せず。 (g) 等電点:トリオレイン及びトリブチリンを基
質としたとき、いずれもIp9.6〜9.7。 (h) 分子量:セフアロース6Bカラムを用い、P.
アンドリウス(Andrius)の原理に基づいて、
ゲル濾過法で測定したとき約174000。さらに
0.5%デオキシコール酸を含むセフアデツクス
G−150カラムを用い、同様に測定したとき約
34000。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4483480A JPS56140887A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Novel lipase |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4483480A JPS56140887A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Novel lipase |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56140887A JPS56140887A (en) | 1981-11-04 |
| JPS632594B2 true JPS632594B2 (ja) | 1988-01-19 |
Family
ID=12702489
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4483480A Granted JPS56140887A (en) | 1980-04-04 | 1980-04-04 | Novel lipase |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56140887A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6128387A (ja) * | 1984-07-20 | 1986-02-08 | Suntory Ltd | リパ−ゼの製造法 |
| JPS6128397A (ja) * | 1984-07-20 | 1986-02-08 | Suntory Ltd | 発酵法による脂肪酸の製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4872387A (ja) * | 1971-12-30 | 1973-09-29 | ||
| JPS5542532A (en) * | 1978-09-19 | 1980-03-25 | Maruho Kk | Novel monoglyceride-lipase |
-
1980
- 1980-04-04 JP JP4483480A patent/JPS56140887A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56140887A (en) | 1981-11-04 |
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