JPS6325573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はビデオテープレコーダに使用されるテ
ープカセツトに関するものである。

最近、ビデオテープレコーダの小形化が強く要
望され、これに伴つてテープカセツトに対しても
小形化が要求されるようになつてきている。

このような要求に応えるために開発されたテー
プカセツトの一例を第１図に示している。第１図
において、１は下ハーフケース、２は上ハーフケ
ースであり、この下ハーフケース１と上ハーフケ
ース２とにより形成される空間に、２つのリール
３，４に巻かれた磁気テープ５が収容される。下
ハーフケース１には、磁気テープ５が所定のルー
プで円滑に走行するように案内するためのガイド
ローラ６がピン７によつて回転自在に支持されて
配設されるとともに、磁気テープ５の巻き弛みを
防ぐためのテープパツド８と、係止部材９とスプ
リング１０よりなるブレーキ部材が配設されてい
る。また、この下ハーフケース１には、一方のリ
ール３が外部から見えるように円形の窓１１が設
けられるとともに、他方のリール４を回転自在に
支持するためのリール軸１２が固着されている。

前記上ハーフケース２には、テープカセツトの
前面に表出する磁気テープ５を保護するためのガ
ードパネル１３が回動自在に支持されて取付けら
れるとともに、前記リール３，４を弾性を持つて
支持するための板バネ１４が取付けられている。
１５はＵ字形の板バネであり、前記ガードパネル
１３を締める方向に付勢するとともに、ガードパ
ネル１３を90゜回動させて開いた状態を保持する
ものであり、パネルガイド１６を介してガードパ
ネル１３に弾性力が伝達される。

また、前記リール４の外周部には、歯１７が設
けられ、その部分は下ハーフケース１の切欠き１
８により外部に表出している。

１９，２０はリールフランジ、２１はセンター
ピン、２２はリール３，４に磁気テープ５の端部
を固定するためのテープクランプである。また、
２３は下ハーフケース１と上ハーフケース２とを
固定するためのネジである。

ところで、このような構造のテープカセツトに
おいては、一方のリール４をリール軸１２により
回転自在に支持する構造であり、リール軸１２を
下ハーフケース１に強固に固定する必要がある。

従来、下ハーフケース１にリール軸１２を固定
する場合、第２図ａ，ｂに示すようにリール軸１
２の下端部にねじ孔１２ａを設け、そして前記ネ
ジ孔１２ａに下ハーフケース１の孔１ａを通して
螺合するネジ１２ｂにより下ハーフケース１に締
付けることにより固定していた。

このため、従来のものにおいては、リール軸１
２を下ハーフケース１に固定するために、ネジ１
２ｂを必要とし、部品点数が多く、またリール軸
１２にネジ孔１２ａを設ける必要があるととも
に、リール軸１２をネジ１２ｂによつて締付ける
必要があるため、材料費が高くなるとともに、組
み立て時に多くの時間を必要とするという欠点が
あつた。

本考案はこのような従来の欠点を解決するもの
で、組み立てが容易でかつ安価にすることを目的
とするものである。

この目的を達成するために本考案においては、
一点の部品でリール軸を形成し、しかも強固に固
着しようとするものであり、下ハーフケースに設
けた貫通孔と磁気テープが巻取られるリールを回
転自在に支持し、前記貫通孔に固着される部分に
ローレツト加工を施したつば付きのリール軸を有
し、前記リール軸のリールが回転する箇所の軸径
よりも、ローレツト加工を施こした箇所の軸径を
大きくしたものである。

第３図ａ，ｂに本考案の一実例によるテープカ
セツトの要部構造の組み立て前と組み立て後の状
態を示しており、すなわち、下ハーフケース１の
孔１ａに固着される下端部にローレツト加工を施
こしてローレツト部２４ａを設けたリール軸２４
を用い、そしてそのリール軸２４のローレツト部
２４ａを下ハーフケース１の孔１ａに圧入または
溶着によつて固着している。この時、強固な固着
が必要であるが、リールの回転部軸径Ａよりもロ
ーレツト部軸径Ｂを大きくし、溶着部面積を大き
くとることで解消できる。

また、軸の垂直度については、つば２４ｂが構
成されているため精度は確保できる。

このような構成によれば、ローレツト部２４ａ
を設けたリール軸２４を下ハーフケース１の孔１
ａに圧入または溶着により固着するだけでよく、
従来のようにネジ１２ｂを必要としないため、部
品点数が少なくなるとともに、リール軸２４を下
ハーフケース１に固定する時の作業も簡単とな
り、しかも従来のようにリール軸１２にネジ孔１
２ａを設ける場合に比べてローレツト部２４ａを
設けるのは簡単であり、リール軸２４も安価とな
る。

以上のように本考案のテープカセツトによれ
ば、リールを回転自在に支持するためのリール軸
の組み立てが簡単となるとともに、ネジなどの部
品を必要としなく、またリール軸に複雑な加工を
行う必要がないため、価格の低減を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はテープカセツトの一例を示す分解斜視
図、第２図ａ，ｂは従来のテープカセツトにおけ
るリール軸の組み立て前と組み立て後の状態を示
す断面図、第３図ａ，ｂは本考案の一実施例によ
るテープカセツトにおけるリール軸の組み立て前
と組み立て後の状態を示す断面図である。 １……下ハーフケース、１ａ……孔、３，４…
…リール、５……磁気テープ、２４……リール
軸、２４ａ……ローレツト部、Ａ……リール回転
部軸径、Ｂ……ローレツト部軸径、２４ｂ……つ
ば。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下ハーフケースに設けた貫通孔と磁気テープが
   巻取られるリールと前記リールを回転自在に支持
   し、前記貫通孔に固着される部分にローレツト加
   工を施こしたつば付きのリール軸を有し、前記リ
   ール軸のリール回転部軸径よりもローレツト部軸
   径を大きくしたことを特徴とするテープカセツ
   ト。