JPS6325476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は送風機により圧送された空気をろ過器
によつて清浄化し、作業空間へと送風するように
構成してなる空気清浄装置において、ろ過器の取
付部分から送風機により圧送された空気が作業空
間側へと漏出する所謂リークが生じても、この汚
染空気を送風機が吸引することによつて、作業空
間へと流入するのを防止できるように構成したこ
とを特徴とする。

半導体工業、精密機械工業、医学、薬品工業、
食品工業等の分野では、空気中に浮遊する塵埃の
濃度と製品の品質に顕著な相関関係を有している
ことが明らかであるところから、高品質の製品を
製造するために、清浄な状態に保たれた空間で作
業が行なわれている。

ところで清浄な作業空間は超高性能なフイルタ
ーを使用することによつて空気をろ過し、この清
浄化した空気を送り込むことによつて維持されて
いるが、フイルターがいかに高性能なものであつ
てもフイルターの取付部分から清浄化されない空
気が作業空間へ漏出する、所謂リークがあつては
満足な環境は得られない。

第１図は従来の空気清浄装置の１例を示したも
ので、送風機１により送風された空気をろ過器２
で清浄化し、吹出ルーバー等の吸出口から作業空
間４へと送風するように構成してある。このろ過
器２は、本体ケース５に支持金具６によつて固定
してあるが、接合面にはパツキング７を設けてリ
ークを防止するように構成してある。ところが、
支持金具６と本体ケース５との間８に隙間がある
とか、支持金具６とろ過器２との締め付けが充分
でないとか、更には、パツキング７の材質によつ
ては、パツキング７を空気が通過してしまうとい
うように、この従来装置にはリークが生じる恐れ
があり、またリークが生じた場合には、作業空間
４へと汚染空気が流入する問題点を有していた。

そこで、リークが生じても、その汚染空気を送
風機が吸引するように構成し、汚染空気が作業空
間へ送られることがないようにして、上記の問題
点を解決したのが本考案空気清浄装置である。

次に本考案装置の実施例を図面と共に説明す
る。第２図は本考案装置の第１の実施例を示した
ものである。１１は本体ケースで上面に吊りボル
ト１２，１２を設けて天井から吊り下げるように
してある。１３は本体ケース１１内に設けた区画
板で、本体ケース１１内を吸気室１４と送風室１
５の２室に区画するためのものである。本実施例
では、第２図中右側の室を吸気室１４、左側の室
を送風室１５とし、吸気室１４内には送風機１６
が取付けてある。１７は該送風機１６の吸気口、
１８は同じく吐気口で、この吐気口１８は前記区
画板１３に開口１９を設け、この開口１９と接続
してある。２０はろ過器で、本実施例では、ガラ
ス繊維を１ミリメートル位の厚さに堆積してペー
パー状に形成したろ材をアコーデオンプリーツ状
に折り曲げたものを使用してある。このろ過器２
０は、送風室１５内に１対の支持部材２１，２
１′により取付けてあり、支持部材２１，２１′は
中央部分に開口２２，２２′を形成した額縁状に
形成してある。２３はろ過器２０の側面部分に形
成したチヤンバーで、このチヤンバー２３は、ろ
過器２０の側壁面、本体ケース１１、区画板１
３、それに１対の支持部材２１によつて形成して
ある。２４は区画板１３に設けた連通孔で、チヤ
ンバー２３と吸気室１４とを連通してある。尚、
この連通孔２４には逆止弁を設け、吸気室１４内
の空気がチヤンバー２３内に流入するのを防止す
るとよい。２６は清浄化した空気を作業空間２７
へ吹出すため本体ケース１１の下面に形成した吹
出口であり、また、２８は本体ケース１１の吸気
室１４側面に設けた吸入口で、この吸入口２８は
プレフイルター２９で被つてある。

次にこの第１の実施例の作用を説明する。

この装置は作業室の天井に吊り下げるとか、天
井に埋め込むようにして取付け、作業空間全体の
空気を浄化するのに使われる。そこで、送風機１
６を運転すると、吸気室１４内の空気、及び作業
空間２７の空気は、該送風機１６の吸気口１７へ
と吸引される。送風機１６内へ吸引された空気は
吐気口１８から送風室１５内へと圧送され、この
送風室１５内の圧力が高まるにつれて、空気はろ
過器２０内へと流入する。ろ過器２０を経て清浄
化された空気は、吹出口２６から作業空間２７へ
と吐出され、これが繰り返し行なわれることによ
つて、作業空間２７の空気は清浄な状態に維持さ
れる。ところで、支持部材２１とろ過器２０との
間に締付け不良などの理由で隙間がある場合、送
風室１５内の空気は、一部この隙間からチヤンバ
ー２３内に流入する。この空気はろ過器２０を経
ていないのであるから、清浄化されていない。と
ころが、チヤンバー２３内に流入した空気は、送
風機１６の吸引力によつて連通孔２４から逆止弁
を経て吸気室１４、更には吸気口１７から送風機
１６内に吸引され、もう一方の支持部材２１′と
ろ過器２０との間にも隙間があつたとしても、こ
の隙間から作業空間２７へと流入することはな
い。またろ過器２０を経た空気が、支持部材２
１′とろ過器２０との間の隙間による吸引力を受
けたとしても、ろ過器２０を経て作業空間２７へ
と圧送される空気のうちの僅かな量でしかなく、
清浄化された空気への影響はほとんどない。従つ
て、リークが生じても、送風機１６に吸引され、
作業空間２７には常に清浄化された空気が送られ
る。

第３図は本考案装置の第２の実施例を示したも
のである。この装置はクリーンオーブンと呼称さ
れ、主に半導体製品や精密機械部品等の乾燥用と
して使われている。

３１は本体ケースで、内部に仕切板３２で囲つ
た乾燥室３３を形成し、この乾燥室３３の中央部
分には製品保管室３４が区画板３５によつて区画
してある。そして、この区画板３５の側部周囲に
はカバー体３６を設けて、空気の流路３７が形成
してあり、該空気の流路３７と製品保管室３４と
は、区画板３５の前面側、即ち、第３図左側の端
部付近に、所定の間隔で設けたスリツト３８，３
８，３８……によつて連通してある。３９はろ過
器で、前記製品保管室３４の背面側を被うように
して取付けてある。このろ過器３９は、前記第１
の実施例に示したろ過器２０と同じ構成のものを
使用している。４０は送風機で、吐気口４１を乾
燥室３３に向けると共に、吸気口４２を、前記カ
バー体３６に設けた開口４３に接続し、空気の流
路３７内の空気を吸引するように設けてあり、ま
た同時に外部からの空気も吸引できるように、他
方の吸気口４４を本体ケース３１の下部室５２に
位置してある。４５はヒーターで、乾燥室３３内
の空気を加熱するためのものである。４６は片側
開きの扉、４７は乾燥室３３内の空気を外部に放
出し、内部圧力を調整するためのダンパである。
上記したクリーンオーブンの構成は、従来のもの
と変るところはない。本考案装置は、このクリー
ンオーブンのろ過器３９の前面、即ち、製品保管
室３４の側に、一端をろ過器３９に、他端を区画
板３５にそれぞれ当接させ、額縁状に形成したコ
ーナー板４８を設け、このコーナー板４８とろ過
器３９及び区画板３５で、チヤンバー４９を形成
すると共に、区画板３５に連通孔５０を設け、チ
ヤンバー４９と空気の流路３７を連通してある構
造が特徴である。

このコーナー板４８を設けてろ過器３９の前面
にチヤンバー４９を形成したことにより、送風機
４０の吐気口４１から吐出され、ヒーター４５に
より加熱された空気は乾燥室３３内の圧力を高
め、次第にろ過器３９を経て清浄化され、そし
て、製品保管室３４へと流れる。この製品保管室
３４へ流入した空気は、ろ過器３９側からの空気
流に加え、送風機４０による吸引力、即ち、空気
の流路３７内の空気が吸気口４２に吸引され、空
気の流路３７と製品保管室３４とがスリツト３８
により連通していることにより、扉４６側の前面
へと流れ、スリツト３８から空気の流路３７へと
吸引され、更に、送風機４０の吸気口４２に吸引
され吐気口４１から吐出される。乾燥室３３内の
空気はこの繰り返しによつて循環する。

ところで、ろ過器３９の取付け状態が悪い場合
には、このろ過器３９とカバー体３６との間に生
じた隙間から、清浄化されない空気が製品保管室
３４へと流入することがある。ところが、隙間か
ら製品保管室３４へと流入した空気はチヤンバー
４９内に流入し、このチヤンバー４９内は連通孔
５０により空気の流路３７と連通し、空気の流路
３７は送風機４０の吸引力を受けていることか
ら、送風機４０の吸気口４２へと連らなつてお
り、チヤンバー４９内へ流入した空気が、製品保
管室３４内を通過することはない。つまり、製品
保管室３４内へはろ過器３９により清浄化された
空気だけが流入し、リークが生じた場合、送風機
４０がこのリークを直ちに吸引して、清浄化され
ない空気が製品に触れるのを防止している。

上記のように本考案空気清浄装置は、ろ過器の
取付部分と、作業或は製品保管空間との間に、チ
ヤンバーを形成し、このチヤンバーと送風機の吸
気口と連らなる吸気空間とを連通孔で連通して、
チヤンバー内の空気を送風機が吸引するように構
成してあるので、ろ過器の取付部分等にリークが
生じても、直ちに送風機が吸引し、作業或は製品
保管空間にろ過されない空気が流出するのを防止
でき、ろ過器とこのろ過器の支持部材との間等に
隙間があつたとしても、作業或は製品保管空間に
汚染空気が流れ込むことは全くない。また、この
チヤンバーを形成したことにより、ろ過器とその
支持部材との接合面であるとか、支持部材と本体
ケースとの接合面といつたろ過器の取付部分に、
従来品のような精密な加工、更には仕上精度は要
求されなく、また、長期間使用することによつて
ろ過器と支持部材との間の締付けが緩むようなこ
とがあつても、汚染空気が作業或は製品保管空間
へ流出する恐れは全くないので、長期間の使用に
も耐え得るといつた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気清浄装置の実施例を、主要
部分の構造を示すため一部分を切断して示した側
面図、第２図、第３図は本考案空気清浄装置の実
施例を示したもので、第２図は第１の実施例を、
主要部分の構造を示すため一部分切除して示した
側面図、第３図は第２の実施例を、主要部分の構
造を示すため一部分を切除して示した側面図。 １１……本体ケース、１３……区画板、１４…
…吸気室、１５……送風室、１６……送風機、１
７……吸気口、１８……吐気口、２０……ろ過
器、２１，２１′……支持部材、２３……チヤン
バー、２４……連通孔、２５……逆止弁、２７…
…作業空間、３１……本体ケース、３３……乾燥
室、３４……製品保管室、３５……区画板、３６
……カバー体、３７……空気の流路、３８……ス
リツト、３９……ろ過器、４０……送風機、４１
……吐気口、４２……吸気口、４５……ヒータ
ー、４８……コーナー板、４９……チヤンバー、
５０……連通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送風機の吸気口と連らなる吸気空間、該送風機
   の送風口と連らなる送風空間、該送風空間に支持
   枠、受け台等の支持部材によつて支持されたろ過
   器及び、該ろ過器によつて清浄化された空気が送
   風される作業空間或は製品保管空間を有する空気
   清浄装置において、ろ過器の側面部分或はろ過器
   の吹き出し面の端縁部分にチヤンバーを形成し、
   このチヤンバーと吸気空間とを連通孔により連通
   したことを特徴とする空気清浄装置。