JPS6325395B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、硬貨を分類する回転円板を使う硬貨
取扱い装置に関する。

硬貨の確定的な分類は、硬貨の取扱い業者、と
くに銀行及び販売機会社によつて実質的にやつか
いな作業である。極めて大きい容積の硬貨を分類
するには、その要求に対し取扱い装置が適当に適
合するように、この取扱い装置の高速の運転がで
きなければならないのは明らかである。さらに取
扱い装置は、種種の厚みの硬貨に対応し比較的か
み込み防止性を持たなければならない。速度に関
しては、公知の装置の分類速度は毎分1500個ない
し2500個の範囲であり、この場合、本出願人は理
想的には毎分6000個ないし8000個の範囲のはるか
に高い速度が極めて必要であると考えている。

本発明の目的は、従来よりも簡単な構造を持つ
硬貨分類機を提供しようとするにある。

本発明によれば、選択した直径の硬貨を分類す
る硬貨分類機は、硬貨を送給できる上面を持ち、
この上面に弾性の少くとも環状面を設け、水平に
位置させられ、硬貨を支える回転可能な円板を備
えている。この円板は、末端点に至るまで360゜以
下の選択した弧に沿つて半径方向に内向きの案内
面を備えた静止している周辺制限案内３４に相対
的に回転する。各硬貨の外縁部を、一定の半径方
向位置においてこの案内面によりかからせ、各硬
貨の内縁部を、各硬貨の種類に対応して異なる一
定の半径方向位置に位置させて、これ等の各硬貨
を単一の列になつて周辺方向に位置させるよう
に、前記末端点を、前記円板上の硬貨の移動に関
する基準となるように定める。下向きの静止した
表面領域を持ち、前記円板の前記環状面の上方に
設けた半径方向位置保持兼釈放用の硬貨釈放案内
３８が前記周辺制限案内と協働している。前記周
辺制限案内３４によつて最初は半径方向位置に保
持された各硬貨が、前記硬貨釈放案内の前記下向
きの静止した表面領域と前記円板の弾性の環状面
との間に押し込まれることによつて、前記硬貨釈
放案内によつて定まる半径方向位置において捕え
られるように、前記下向きの静止した表面領域
を、最初はほぼ前記円板の環状面の方へ下向きに
延ばし、次いで前記円板の中心のまわりの湾曲部
に続くように、前記周辺制限案内の案内面の末端
点に隣接した位置からほぼ前記円板の回転方向に
延ばしている。ほぼ前記硬貨釈放案内の湾曲部に
沿つて、前記円板の回転方向に間隔を置いて配置
した複数の硬貨釈放内縁部を持つ、前記硬貨釈放
案内に形成された複数の硬貨釈放用の複数のみぞ
穴５０−５２−５４−５６を設ける。１つの硬貨
が、前記硬貨釈放案内の下向きの静止した表面領
域と前記円板との間で圧迫されることによつて一
定の半径方向位置で回転させられながら、前記１
つの硬貨の直径により定まるその内側に位置する
硬貨の縁部が、前記硬貨釈放内縁部の１つの上方
に移動した半径方向位置に到達するときに、前記
１つの硬貨が、もはや弾性の環状面上で圧迫され
なくなる。硬貨が弾性の環状面との押しつけ状態
から自由になるときに、硬貨は自由に遠心力に応
答し、この結果は、各硬貨の種類に対する別個の
円周位置において前記円板から離れて水平に移動
するように、次次の前記各硬貨釈放内縁部を、先
行する硬貨釈放内縁部より、前記円板の中心から
短い距離を隔てるようにしてある。

前記した本発明硬貨分類機の構造は、従来知ら
れている硬貨分類機の構造とは根本的に異なつて
おり、そのために本発明硬貨分類機によれば、前
述したように高分類速度で硬貨を分類することが
できる。

以下本発明による硬貨分類機の実施例を添付図
面について詳細に説明する。

第１図に示すように、約20.32ないし50.8セン
チメートルの直径を持つ回転可能な円板１０は、
電動機１２により駆動される。これ等は共に架台
１４に取り付けられている。頂部の案内板１６
は、３点取付けアセンブリにより支えられる。こ
の３点取付けアセンブリは、取付け棒２２を介し
て枢動支持部片１８，２０により、又掛けること
のできる支持部片２４により架台１４に枢着され
る。すなわち案内板１６が各支持部材１８，２０
のまわりに枢着し、垂直方向位置に動かされ、円
板１０の上面を露出するように、案内板１６を、
支持部材２４の掛け金をはずすことにより後方に
開くことができる。円板１０は、約0.254ないし
1.524センチメートルの厚みを持つゴムパッド２
７により形成すればよいたわみ性表面２６を持
つ。ゴムパツド２７とたわみ性表面２６とにより
弾性上面領域を形成する。円板１０の板部片２９
上に支えられたゴムパツド２７は、デユロメータ
で測定した値６ないし10の弾性を持つ。硬貨２８
は、案内板１６の穴３２から延びるホツパ３０を
経て本発明硬貨分類機に供給される。ボス３３
は、硬貨を円板１０の中心から分与する。

第２図及び第３図に示すように、大体において
扁平な案内板１６の下側には、３つの下向きに延
びる案内を設けてある。これ等の案内は、周辺制
限案内３４、単一列案内３６及び硬貨釈放案内３
８である。これ等の案内が、円板１０のたわみ性
表面２６まで下向きに延び、各硬貨がこれ等の案
内により妨げられないので自由に動くすきまを持
つ他の領域４０を残すように、案内板１６を、回
転可能な円板１０に対して位置を定める。すなわ
ち各案内は一般に、分類しようとする最も厚い硬
貨に大体対応する約0.2032ないし0.2159センチメ
ートルの厚みを持つ。単一列案内３６は、硬貨を
円板１０の中央領域42から約180゜の制限した周辺
領域上へ半径方向外向きに送る作用をする。この
周辺領域において、各硬貨は硬貨釈放案内３８の
内壁４４により止められ、次いでこれ等の硬貨
は、回転しながら単一列通路４６を通過し、周辺
制限案内３４上で単一の列を形成する。周辺制限
案内３４は、各硬貨にくさび作用を及ぼすテーパ
付縁部４８を備え、硬貨の運動を半径方向にはね
返らないように安定にし、硬貨を円板１０のまわ
りに図示のように互いに間隔を置いた形にして円
周方向に動かす。内壁４４に衝突しないで、単一
列にならないで、単一列通路４６に達する硬貨
は、テーパ付縁部４７に捕捉され、ゴムパット２
７内に押込まれ、円板１０の中心に回転してもど
る。円板１０のたわみ性表面２６と、案内板１６
の面４９′との間に、分類しようとする最も薄い
硬貨、この場合それぞれ約0.127センチメートル
の厚みを持つ10セント銀貨の厚みの２倍より薄い
すきま（約0.2032ないし0.2159センチメートル）
を保つことにより、２重の層に重なつた硬貨は、
各案内間の通路内で妨げられる。各硬貨は硬貨釈
放案内３８に達するまで、矢印４９により示す円
周方向に動き続ける。図示のように硬貨釈放案内
３８は、４個の硬貨釈放用のみぞ穴、すなわち10
セント銀貨用の硬貨釈放用のみぞ穴５０と、ペニ
貨幣用の硬貨釈放用のみぞ穴５２と、５セント白
銅貨用の硬貨釈放用のみぞ穴５４と、25セント銀
貨用の硬貨釈放用のみぞ穴５６とを備えている。
これ等のみぞ穴は、このような硬貨の直径に等し
いか、又はわずかに大きい幅を持つている。図示
のように各硬貨は、硬貨釈放案内３８の下側案内
面５７と、円板１０のたわみ性表面２６との間で
圧迫されることにより、硬貨釈放案内３８の下側
で円板１０によつて逆時計まわりに回転する際
に、各硬貨は、漸次に幅が大きくなる次次のみぞ
穴に出会つて釈放される。

先ず10セント銀貨が、硬貨釈放案内３８に近ず
く一列の硬貨のうちの第１の硬貨であるとする
と、この10セント硬貨の外縁部が周辺制限案内３
４の内方に折曲げた案内延長部分６１の内側縁部
６０に衝突する。このようにして硬貨の内縁部が
硬貨釈放案内３８の外側前縁６２に接触する。外
側前縁６２は、上向きにテーパを付けられ、硬貨
を徐徐に押し下げてつかまえる。10セント銀貨が
垂直方向に拘束作用を受けないみぞ穴５０の充分
に広い幅の箇所に達するまで、10セント銀貨は、
点６４から点６８にわたつて安定した半径方向位
置に押し込まれてつかまれており、この充分に広
い幅の箇所に達したとき、10セント銀貨は自由に
なり、半径方向線にほぼ直交して円板１０の縁部
まで延びるみぞ穴５０の外向きに延びる径路に追
従し、10セント銀貨は、周辺位置又は径路７０に
おいて放出される。径路７０には、硬貨分類袋又
は外部容器（図示してない）を位置させてある。

次に一層大きい硬貨、たとえばペニ貨幣が、硬
貨釈放案内３８の外側前縁６２に達し、これに衝
突するものとする。このような一層大きいペニ貨
幣は、各点６４，６８の間で硬貨釈放案内３８の
外向きに延びる縁部により捕捉され、このペニ貨
幣の内縁部が、内側縁部６０により10セント銀貨
用のみぞ穴５０の内縁部の内方に押され、円板１
０の上面と硬貨釈放案内３８の下面との間に押し
込まれることによつて捕捉された状態が続く。こ
のために、ペニ貨幣は、自由に外向きに移動しな
いで円周に沿つて回転移動する。このペニ貨幣の
回転移動は、このペニ貨幣がペニ貨幣用のみぞ穴
５２に出会うまで続く。そしてみぞ穴５２の内縁
部は、みぞ穴５０の内縁部より円板１０の中心か
ら短い距離を隔てており、又みぞ穴５２がペニ貨
幣を受け入れる幅を持つから、ペニ貨幣は垂直方
向圧力から釈放され、そしてこのペニ貨幣は、そ
の運動量により、みぞ穴５２内において外向きに
移動し経路７２に沿つて投げ出される。経路７２
は、ペニ貨幣分類袋又は容器（図示してない）に
より捕えられる。同様に５セント白銅貨及び25セ
ント銀貨のような一層大きい硬貨は、それぞれみ
ぞ穴５４，５６により捕捉分類され、それぞれ経
路位置７４，７６において袋により捕えれる。

第４図には、調節可能な案内部材８０により形
成した硬貨釈放用のみぞ穴７５を例示してある。
案内部材８０は、調節みぞ穴８２に沿つて可動
で、硬貨釈放用のみぞ穴７５を任意所望の幅に形
成することができる。このような調節可能なみぞ
穴アセンブリを、所望の調節範囲に従つて、初め
のみぞ穴、中間みぞ穴又は最後のみぞ穴として一
続きにして位置させることができる。

以上本発明をその実施例について詳細に説明し
たが本発明はなおその精神を逸脱しないで種種の
変化変型を行うことができるのはもちろんであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明硬貨分類機の１実施例の斜視
図、第２図は第１図の硬貨分類機の頂部の案内板
の斜視図、第３図は第１図の硬貨分類機の回転可
能な円板に第２図の頂部案内板の下側の各硬貨案
内の位置を鎖線で示した斜視図、第４図は本発明
硬貨分類機に使用される調節可能な硬貨釈放用み
ぞ穴の変型の部分斜視図である。 １０……回転可能な円板、２６……弾性の環状
面（たわみ性表面）、３４……周辺制限案内、３
６……単一列案内、３８……硬貨釈放案内、４４
……内壁、５０，５２，５４，５６……硬貨釈放
用のみぞ穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 硬貨を送給できる上面を持ち、この上面
   に弾性の少くとも環状面を設け、水平に位置さ
   せられ、硬貨を支える回転可能な円板と、 (ロ) 末端点に至るまで360゜以下の選択した弧状に
   前記円板のまわりに設けた内向きの案内面を備
   え、前記円板の回転に対しては静止している周
   辺制限案内３４であつて、 各硬貨の外縁部を、前記案内面と同じ半径方
   向においてこの案内面によりかからせ、各硬貨
   の内縁部を、各硬貨の種類に対応して異なる一
   定の半径方向位置に位置させて、これ等の各硬
   貨を単一の列になつて水平方向に位置させるよ
   うに、前記末端点を、前記案内面に沿う前記円
   板上の硬貨の移動に関する基準となるように定
   めて成る周辺制限案内３４と、 (ハ) 下向きの静止した表面領域を持ち、前記円板
   の前記環状面の上方に設けた半径方向位置保持
   兼釈放用の硬貨釈放案内３８であつて、 前記周辺制限案内３４によつて最初は半径方
   向位置に保持された各硬貨が、前記硬貨釈放案
   内の前記下向きの静止した表面領域と前記円板
   の弾性の環状面との間に押し込まれることによ
   つて、前記硬貨釈放案内によつて半径方向位置
   において捕えられるように、前記下向きの静止
   した表面領域を、最初はほぼ前記円板の環状面
   の方へ下向きに延ばし、次いで前記円板の中心
   のまわりの湾曲部に続くように、前記周辺制限
   案内の案内面の末端点に隣接した位置からほぼ
   前記円板の回転方向に延ばして成る、硬貨釈放
   案内３８と、 (ニ) ほぼ前記硬貨釈放案内の湾曲部に沿つて、前
   記円板の回転方向に間隔を置いて配置した複数
   の硬貨釈放内縁部を持つ、前記硬貨釈放案内に
   形成された複数の硬貨釈放用の複数のみぞ穴５
   ０−５２−５４−５６と、 を備え、 １つの硬貨が、前記硬貨釈放案内の下向きの
   静止した表面領域と前記円板との間で圧迫され
   ることによつて一定の半径方向位置で回転させ
   られながら、前記１つの硬貨の直径により定ま
   るその内側に位置する硬貨の縁部が、前記硬貨
   釈放内縁部の１つの上方に移動した半径方向位
   置に到達するときに、前記１つの硬貨が、もは
   や圧迫されないで自由になり、遠心力によつ
   て、別個の円周位置において前記円板から離れ
   て水平に移動するように、次次の前記各硬貨釈
   放内縁部を、先行する硬貨釈放内縁部より、前
   記円板の中心から短い距離を隔てるようにして
   成る、選択した直径の硬貨を分類する硬貨分類
   機。 ２ 前記硬貨釈放案内に、ほぼ弧状の内壁を設
   け、前記円板の中心から外向きに移動する硬貨
   が、前記内側縁部に衝突し、前記硬貨が前記円板
   によつて回転させられながら、前記内壁によりか
   かつて前記周辺制限案内の方へ案内されるように
   した特許請求の範囲第１項記載の硬貨分類機。 ３ 前記周辺制限案内に、前記円板に隣接して位
   置させられ、この円板の中心領域と前記周辺制限
   案内との間に間隔を置いて設けられ、内縁部を持
   つ第２のほぼ弧状の単一列案内を設けることによ
   り、硬貨を、最初は前記単一列案内の内縁部上に
   差し向け、次いで前記硬貨釈放案内の内壁上に差
   し向け、次いで前記周辺制限案内上に差し向ける
   ことができるようにした特許請求の範囲第１項記
   載の硬貨分類機。 ４ 前記単一列案内の端部が、ほぼ前記硬貨釈放
   案内の前縁まで延びることにより、前記周辺制限
   案内に沿つて移動している硬貨を、前記硬貨釈放
   案内へ差し向けることができるようにした特許請
   求の範囲第１項記載の硬貨分類機。